外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法(令和2年8月29日施行部分まで反映) 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、外国弁護士となる資格を有する者が国内において外国法に関する法律事務を取り扱うことができるみちを開き、かつ、その法律事務の取扱いを弁護士の例に準じて規律する等の特別の措置を講ずることにより、渉外的法律関係の安定を図り、あわせて、外国における日本法に関する法律事務の取扱いの充実に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 弁護士 弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)の規定による弁護士をいう。 一の二 弁護士法人 弁護士法の規定による弁護士法人をいう。 二 外国弁護士 外国(法務省令で定める連邦国家にあつては、その連邦国家の州、属地その他の構成単位で法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)において法律事務を行うことを職務とする者で弁護士に相当するものをいう。 三 外国法事務弁護士 第七条の規定による承認を受け、かつ、第二十四条の規定による名簿への登録を受けた者をいう。 三の二 外国法事務弁護士法人 外国法に関する法律事務(外国において効力を有し、又は有した法がその全部又は主要な部分に適用され、又は適用されるべき法律事件についての法律事務をいう。第五十条の五第一項において同じ。)を行うことを目的として、この法律の定めるところにより、外国法事務弁護士が設立した法人をいう。 四 原資格国 第七条の規定による承認を受けた者がその承認の基礎となつた外国弁護士となる資格を取得した外国をいう。 五 原資格国法 原資格国において効力を有し、又は有した法をいう。 六 原資格国法に関する法律事務 原資格国法がその全部又は主要な部分に適用され、又は適用されるべき法律事件についての法律事務をいう。 七 特定外国 原資格国以外の特定の外国をいう。 八 特定外国法 特定外国において効力を有し、又は有した法をいう。 九 指定法 第七条の規定による承認を受けた者が第十六条第一項の規定による指定を受けた特定外国法をいう。 十 指定法に関する法律事務 指定法がその全部又は主要な部分に適用され、又は適用されるべき法律事件についての法律事務をいう。 十一 国際仲裁事件 民事に関する仲裁事件であつて、次のいずれかに該当するものをいう。 イ 当事者の全部又は一部が外国に住所又は主たる事務所若しくは本店を有する者であるもの(当事者の全部又は一部の発行済株式(議決権のあるものに限る。)又は出資の総数又は総額の百分の五十を超える数又は額の株式(議決権のあるものに限る。)又は持分を有する者その他これと同等のものとして法務省令で定める者が外国に住所又は主たる事務所若しくは本店を有する者であるものを含む。) ロ 仲裁廷が仲裁判断において準拠すべき法(当事者が合意により定めたものに限る。)が日本法以外の法であるもの ハ 外国を仲裁地とするもの 十一の二 国際調停事件 民事に関する調停事件(民事に関するあつせん事件を含み、民事上の契約又は取引のうち、その当事者の全部が法人その他の社団若しくは財団又は事業として若しくは事業のために当該民事上の契約若しくは取引の当事者となる個人であるものに関する紛争に係る事件に限る。)であつて、次のいずれかに該当するものをいう。 イ 当事者の全部又は一部が外国に住所又は主たる事務所若しくは本店を有する者であるもの(当事者の全部又は一部の発行済株式(議決権のあるものに限る。)又は出資の総数又は総額の百分の五十を超える数又は額の株式(議決権のあるものに限る。)又は持分を有する者その他これと同等のものとして法務省令で定める者が外国に住所又は主たる事務所若しくは本店を有する者であるものを含む。) ロ 当該紛争に係る民事上の契約又は取引によつて生ずる債権の成立及び効力について適用すべき法(当事者が合意により定めたものに限る。)が日本法以外の法であるもの 十二 日本弁護士連合会 弁護士法の規定による日本弁護士連合会をいう。 十三 弁護士会 弁護士法の規定による弁護士会をいう。 十四 国内 この法律の施行地をいう。 十五 外国法共同事業 外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人と弁護士又は弁護士法人とが、組合契約その他の継続的な契約により、共同して行う事業であつて、法律事務を行うことを目的とするものをいう。 第二章 外国法事務弁護士の職務 (職務) 第三条 外国法事務弁護士は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によつて、原資格国法に関する法律事務を行うことを職務とする。ただし、次に掲げる法律事務を行うことは、この限りでない。 一 国内の裁判所、検察庁その他の官公署における手続についての代理及びその手続についてこれらの機関に提出する文書の作成 二 刑事に関する事件における弁護人としての活動、少年の保護事件における付添人としての活動及び逃亡犯罪人引渡審査請求事件における補佐 三 原資格国法以外の法の解釈又は適用についての鑑定その他の法的意見の表明 四 外国の裁判所又は行政庁のために行う手続上の文書の送達 五 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第二十二条第五号の公正証書の作成嘱託の代理 六 国内に所在する不動産に関する権利又は工業所有権、鉱業権その他の国内の行政庁への登録により成立する権利若しくはこれらの権利に関する権利(以下「工業所有権等」という。)の得喪又は変更を主な目的とする法律事件についての代理又は文書(鑑定書を除く。以下この条において同じ。)の作成 2 外国法事務弁護士は、前項の規定により職務として行うことができる法律事務であつても、次に掲げるものについては、弁護士と共同し、又は弁護士の書面による助言を受けて行わなければならない。 一 国内に所在する不動産に関する権利又は工業所有権等の得喪又は変更を目的とする法律事件のうち、前項第六号の法律事件以外のものについての代理及び文書の作成 二 親族関係に関する法律事件で、その当事者として日本国民が含まれるものについての代理及び文書の作成 三 国内に所在する財産で国内に居住する者が所有するものに係る遺言若しくは死因贈与に関する法律事件又は国内に所在する財産で死亡の時に国内に居住していた者が所有していたものについての遺産の分割、遺産の管理その他の相続に関する法律事件で、その当事者として日本国民が含まれるものについての代理及び文書の作成 (職務外の法律事務の取扱いの禁止) 第四条 外国法事務弁護士は、前条第一項の規定による職務の範囲を超えて法律事務を行つてはならない。 (指定法に関する法律事務) 第五条 外国法事務弁護士は、前条の規定にかかわらず、第十六条第一項の規定による指定を受け、かつ、第三十四条第一項の規定による指定法の付記を受けたときは、指定法に関する法律事務を行うことができる。ただし、第三条第一項第一号、第二号及び第四号から第六号までに掲げる法律事務並びに指定法以外の法の解釈又は適用についての鑑定その他の法的意見の表明については、この限りでない。 2 第三条第二項の規定は、外国法事務弁護士が前項の規定により指定法に関する法律事務を行う場合について準用する。 (指定法に関する法律事務以外の特定外国法に関する法律事務) 第五条の二 外国法事務弁護士は、第四条の規定にかかわらず、次に掲げる者の書面による助言を受けてするときは、指定法に関する法律事務以外の特定外国法に関する法律事務(当該特定外国法がその全部又は主要な部分に適用され、又は適用されるべき法律事件についての法律事務をいう。以下「特定外国法に関する法律事務」という。)を行うことができる。ただし、第三条第一項第一号、第二号及び第四号から第六号までに掲げる法律事務並びに当該特定外国法以外の法の解釈又は適用についての鑑定その他の法的意見の表明については、この限りでない。 一 当該特定外国法に係る特定外国における外国弁護士(外国法事務弁護士である者を除く。)であつて外国弁護士となる資格を基礎として当該特定外国法に関する法律事務を行う業務に従事している者(国内において雇用されて外国法に関する知識に基づいて労務の提供を行つている者を除く。) 二 外国法事務弁護士であつてその原資格国法又は指定法が当該特定外国法である者 三 外国法事務弁護士法人(原資格国法又は指定法が当該特定外国法である社員が業務を執行する場合に限る。) 2 第三条第二項の規定は、外国法事務弁護士が前項の規定により当該特定外国法に関する法律事務を行う場合について準用する。 (国際仲裁事件の手続等及び国際調停事件の手続の代理) 第五条の三 外国法事務弁護士は、第三条から前条までの規定にかかわらず、次に掲げる手続についての代理を行うことができる。 一 国際仲裁事件の手続(当該手続の進行中に仲裁人が試み、又は当事者間で行われる和解の手続を含む。)及び当該国際仲裁事件に係る仲裁合意の対象とされた民事上の紛争に関する調停の手続(あつせんの手続を含み、民間事業者によつて実施されるものに限る。)(以下「国際仲裁事件の手続等」という。) 二 国際調停事件の手続(民間事業者によつて実施されるものに限る。以下同じ。) (弁護士法の準用等) 第六条 弁護士法第一条及び第二条の規定は、外国法事務弁護士について準用する。 2 弁護士法第七十二条の規定は、外国法事務弁護士には適用しない。 第三章 外国法事務弁護士となる資格 第一節 法務大臣による承認 (外国法事務弁護士となる資格) 第七条 外国弁護士となる資格を有する者は、法務大臣の承認を受けた場合に限り、外国法事務弁護士となる資格を有する。 (欠格事由) 第八条 弁護士法第七条の規定は、外国法事務弁護士となる資格について準用する。 (承認の申請) 第九条 第七条の規定による承認(以下「承認」という。)を受けようとする者は、氏名、生年月日、国籍、住所、外国弁護士となる資格を取得した年月日、その資格を取得した外国(次条において「資格取得国」という。)の国名、当該外国弁護士の名称その他の法務省令で定める事項を記載した承認申請書を法務大臣に提出しなければならない。 2 前項の承認申請書には、外国弁護士となる資格を取得したことを証する書類、次条第一項各号に掲げる基準に適合することを証する書類その他の法務省令で定める書類を添付しなければならない。 3 承認を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。 (承認の基準) 第十条 法務大臣は、前条第一項の規定による申請をした者(以下「承認申請者」という。)が次に掲げる基準に適合するものでなければ、承認をすることができない。 一 外国弁護士となる資格を有し、かつ、その資格を取得した後三年以上資格取得国において外国弁護士として職務を行つた経験(資格取得国における外国弁護士が資格取得国以外の外国において外国弁護士となる資格を基礎として資格取得国の法に関する法律事務を行う業務に従事した経験を含む。)を有すること。 二 次に掲げる者でないこと。 イ 禁錮以上の刑に相当する外国の法令による刑に処せられた者 ロ 弾劾裁判所の罷免の裁判に相当する外国の法令による裁判を受けた者 ハ 弁護士法第七条第三号に規定する処分に相当する外国の法令による処分を受け、その処分を受けた日から三年を経過しない者 ニ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ないものと外国の法令上同様に取り扱われている者 三 誠実に職務を遂行する意思並びに適正かつ確実に職務を遂行するための計画、住居及び財産的基礎を有するとともに、依頼者に与えた損害を賠償する能力を有すること。 2 前項第一号の規定の適用については、外国弁護士となる資格を有する者がその資格を取得した後に国内において弁護士、弁護士法人、外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人に雇用され、かつ、当該弁護士、当該弁護士法人、当該外国法事務弁護士又は当該外国法事務弁護士法人に対し資格取得国の法に関する知識に基づいて行つた労務の提供は、通算して二年を限度として資格取得国において外国弁護士として行つた職務の経験とみなす。 3 法務大臣は、承認申請者が第一項各号に掲げる基準に適合するものである場合においても、次の各号のいずれかに掲げる事情があるときでなければ、承認をすることができない。 一 弁護士となる資格を有する者に対し第一項第一号の外国においてこの法律による取扱いと実質的に同等な取扱いが行われていること。 二 弁護士となる資格を有する者に対し第一項第一号の外国においてこの法律による取扱いと実質的に同等な取扱いが行われていない場合においては、そのことを理由に承認をしないことが条約その他の国際約束の誠実な履行を妨げることとなること。 4 法務大臣は、承認をする場合には、あらかじめ、日本弁護士連合会の意見を聴かなければならない。 (承認の告示等) 第十一条 法務大臣は、承認をしたときは、遅滞なく、その旨を承認申請者及び日本弁護士連合会に書面で通知するとともに、官報で告示しなければならない。 2 承認は、前項の告示があつた日からその効力を生ずる。 (承認の失効) 第十二条 承認を受けた者が、前条第一項の規定による告示の日の翌日から起算して六箇月以内に、又は第二十九条の規定による請求により登録の取消しを受けた日の翌日から起算して六箇月以内に、第二十五条第一項の規定による請求をしなかつたときは、その承認は、その効力を失う。 (報告等) 第十三条 法務大臣は、承認を受けた者に対し、必要があると認めるときは、第十条第一項各号に掲げる基準に係る事項又は弁護士となる資格を有する者に対する原資格国における取扱いに関する事項について、報告又は資料の提出を求めることができる。 2 法務大臣は、承認に関する事務の処理に関し必要があると認めるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。 (承認の取消し) 第十四条 法務大臣は、承認を受けた者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その承認を取り消さなければならない。 一 原資格国の外国弁護士となる資格を失つたとき。 二 第八条において準用する弁護士法第七条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至つたとき。 三 第二十六条の規定により登録が拒絶されたとき。 四 第三十条第二項の規定により登録が取り消されたとき。 2 法務大臣は、承認を受けた者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その承認を取り消すことができる。 一 第九条第一項の承認申請書又は同条第二項の添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けていることが判明したとき。 二 第十条第一項第二号に掲げる基準に適合しなくなつたとき。 三 業務又は財産の状況が著しく悪化し、これによつて依頼者が損害を受けるおそれがある場合において、その損害を防止するためやむを得ないと認められるとき。 四 第十条第一項各号に掲げる基準に係る事項について、前条第一項の報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。 3 法務大臣は、承認後に次の各号のいずれかに掲げる事情が生じているときは、当該各号に規定する外国を原資格国として承認を受けた者に対し、その承認を取り消すことができる。 一 弁護士となる資格を有する者に対し外国においてこの法律による取扱いと実質的に同等な取扱いが行われなくなり、そのことを理由に承認を取り消すことが条約その他の国際約束の誠実な履行を妨げることとならないこと。 二 弁護士となる資格を有する者に対し引き続き外国においてこの法律による取扱いと実質的に同等な取扱いが行われていない場合においては、そのことを理由に承認を取り消すことが条約その他の国際約束の誠実な履行を妨げることとならなくなつたこと。 4 第十条第四項及び第十一条の規定は、前三項の規定による承認の取消しについて準用する。 第十五条 削除 第二節 特定外国法の指定 (指定) 第十六条 法務大臣は、承認を受けた者が次の各号に掲げる条件のいずれかに該当するときは、その者に対し、特定外国法を指定することができる。 一 特定外国の外国弁護士となる資格を有する者であること。 二 特定外国の外国弁護士となる資格を有する者と同程度に当該特定外国の法に関する学識を有し、かつ、その法に関する法律事務の取扱いについて五年以上の実務経験を有する者であること。 2 第十条第四項及び第十一条の規定は、前項の規定による指定について準用する。 (指定の申請) 第十七条 承認を受けた者が前条第一項の規定による指定(以下「指定」という。)を受けようとするときは、指定申請書を法務大臣に提出しなければならない。 2 前項の指定申請書には、前条第一項各号に掲げる条件の一に該当することを証する書類その他の法務省令で定める書類を添付しなければならない。 3 指定を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。 (指定の失効) 第十八条 承認がその効力を失い、又は取り消されたときは、指定は、その効力を失う。指定を受けた者が第十六条第二項において準用する第十一条第一項の規定による告示の日の翌日から起算して六箇月以内に第三十三条第一項の規定による請求をしなかつたときも、同様とする。 (報告等) 第十九条 法務大臣は、指定を受けた者に対し、必要があると認めるときは、第十六条第一項各号に掲げる条件に係る事項について、報告又は資料の提出を求めることができる。 2 第十三条第二項の規定は、指定に関する事務の処理について準用する。 (指定の取消し) 第二十条 法務大臣は、指定を受けた者が第十六条第一項第一号の資格を失つたときは、その指定を取り消さなければならない。 2 法務大臣は、指定を受けた者が次の各号の一に該当する場合には、その指定を取り消すことができる。 一 第十七条第一項の指定申請書又は同条第二項の添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けていることが判明したとき。 二 前条第一項の報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。 3 第十条第四項及び第十一条の規定は、前二項の規定による指定の取消しについて準用する。 第四章 外国法事務弁護士の登録及び業務 第一節 総則 (弁護士会及び日本弁護士連合会の目的等) 第二十一条 弁護士法第三十一条第一項、第四十一条及び第四十二条第二項(同法第五十条において準用する場合を含む。)並びに同法第四十五条第二項、第四十八条及び第四十九条の規定の適用については、外国法事務弁護士及び外国法事務弁護士法人は、それぞれ弁護士及び弁護士法人とみなす。 (弁護士会の会則の記載事項の特則) 第二十二条 弁護士会の会則には、弁護士法第三十三条第二項各号に掲げるもののほか、日本弁護士連合会の会則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載するものとする。 一 外国法事務弁護士及び外国法事務弁護士法人に関する弁護士法第三十三条第二項第三号、第九号、第十五号及び第十六号に掲げる事項 二 外国法事務弁護士及び外国法事務弁護士法人の綱紀保持に関する規定 三 官公署その他に対する外国法事務弁護士の推薦に関する規定 四 外国法事務弁護士及び外国法事務弁護士法人の職務に関する紛議の調停に関する規定 五 外国法事務弁護士及び外国法事務弁護士法人の懲戒の請求に関する規定 六 外国法事務弁護士の営利業務の届出及び営利業務従事外国法事務弁護士名簿に関する規定 七 その他外国法事務弁護士及び外国法事務弁護士法人に関する必要な規定 (日本弁護士連合会の会則の記載事項の特則) 第二十三条 日本弁護士連合会の会則には、弁護士法第四十六条第二項各号に掲げるもののほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 前条第一号から第三号までに掲げる事項 二 外国法事務弁護士名簿の登録、登録換え及び登録の取消しに関する規定 三 外国法事務弁護士登録審査会に関する規定 四 外国法事務弁護士及び外国法事務弁護士法人の懲戒、外国法事務弁護士懲戒委員会並びに外国法事務弁護士綱紀委員会に関する規定 五 その他外国法事務弁護士及び外国法事務弁護士法人に関する必要な規定 第二節 外国法事務弁護士の登録 第一款 外国法事務弁護士名簿 (登録) 第二十四条 外国法事務弁護士となる資格を有する者が、外国法事務弁護士となるには、日本弁護士連合会に備える外国法事務弁護士名簿に、氏名、生年月日、国籍、原資格国の国名、国内の住所、事務所、所属弁護士会その他の日本弁護士連合会の会則で定める事項の登録を受けなければならない。 2 外国法事務弁護士名簿の登録は、日本弁護士連合会が行う。 (登録の請求等) 第二十五条 前条の規定による登録(以下「登録」という。)を受けようとする者は、入会しようとする弁護士会を経由して、日本弁護士連合会に登録請求書を提出しなければならない。 2 前項の登録請求書には、次に掲げる事項を記載し、外国法事務弁護士となる資格を有することを証する書類その他の日本弁護士連合会の会則で定める書類を添付しなければならない。 一 登録を受けるべき事項 二 承認を受けた年月日 三 外国弁護士として受けた賞罰及びその職務上の監督機関によるその職務歴に関する評価 四 その他日本弁護士連合会の会則で定める事項 3 第一項の登録請求書の提出を受けた弁護士会は、速やかに、これを日本弁護士連合会に進達しなければならない。 4 前項の弁護士会は、日本弁護士連合会に対し、第一項の規定による登録の請求(以下「登録請求」という。)について意見を述べることができる。 (登録の拒絶) 第二十六条 日本弁護士連合会は、登録請求をした者が、弁護士会若しくは日本弁護士連合会の秩序若しくは信用を害するおそれがあるとき、又は次の各号のいずれかに該当し、外国法事務弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれがあるときは、外国法事務弁護士登録審査会の議決に基づき、その登録を拒絶することができる。 一 心身に故障があるとき。 二 第八条において準用する弁護士法第七条第三号に規定する処分を受けた者が当該処分を受けた日から三年を経過して請求したとき。 (登録に関する通知) 第二十七条 日本弁護士連合会は、登録請求を受けた場合において、登録をしたときはその旨を、登録を拒絶したときはその旨及びその理由を当該登録請求をした者及びこれを進達した弁護士会並びに法務大臣に書面により通知しなければならない。 (登録換えの請求等) 第二十八条 外国法事務弁護士は、所属弁護士会を変更しようとするときは、新たに入会しようとする弁護士会を経由して、日本弁護士連合会に登録換え請求書を提出しなければならない。 2 外国法事務弁護士は、前項の規定による登録換えの請求(以下「登録換え請求」という。)をするときは、所属弁護士会にその旨を届け出なければならない。 3 第二十五条第三項及び第四項並びに前二条の規定は、登録換え請求について準用する。 (登録の取消しの請求) 第二十九条 外国法事務弁護士は、その業務をやめようとするときは、所属弁護士会を経由して、日本弁護士連合会に登録の取消しを請求しなければならない。 (登録の取消し) 第三十条 日本弁護士連合会は、外国法事務弁護士が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を取り消さなければならない。 一 第八条において準用する弁護士法第七条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至つたとき。 二 前条の規定により登録の取消しを請求したとき。 三 退会命令を受けたとき。 四 第十四条第一項第一号若しくは第二項各号のいずれかに該当することにより、又は同条第三項の規定により承認が取り消されたとき。 五 死亡したとき。 2 日本弁護士連合会は、外国法事務弁護士が、第二十六条各号に掲げる事項について虚偽の申告をしていたとき、若しくは心身の故障により外国法事務弁護士の職務を行わせることがその適性を欠くおそれがあるとき、又は第四十八条の規定に違反したときは、外国法事務弁護士登録審査会の議決に基づき、その登録を取り消すことができる。 3 日本弁護士連合会は、第一項第一号から第四号まで又は前項の規定により登録を取り消したときは、その旨及びその理由を当該外国法事務弁護士及び従前の所属弁護士会並びに法務大臣に書面により通知しなければならない。 (登録の取消事由の報告) 第三十一条 弁護士会は、所属の外国法事務弁護士に登録の取消事由があると認めるときは、日本弁護士連合会に、速やかに、その旨を報告しなければならない。 (登録等の公告) 第三十二条 日本弁護士連合会は、登録、登録換え及び登録の取消しをしたときは、速やかに、その旨を官報で公告しなければならない。 (指定法の付記の請求) 第三十三条 外国法事務弁護士は、登録に指定法の付記を受けようとするときは、所属弁護士会を経由して、日本弁護士連合会に対し、指定法付記請求書を提出しなければならない。 2 前項の指定法付記請求書には、日本弁護士連合会の会則で定める事項を記載し、指定を受けたことを証する書類を添付しなければならない。 3 第二十五条第三項の規定は、第一項の指定法付記請求書の進達について準用する。 (指定法の付記) 第三十四条 日本弁護士連合会は、前条の規定による請求を受けたときは、速やかに、当該外国法事務弁護士の登録に当該指定法を付記しなければならない。 2 第二十七条の規定は、前項の規定による付記をした場合について準用する。 (指定法の付記の抹消) 第三十五条 日本弁護士連合会は、指定が取り消されたときは、当該指定法の付記を抹消しなければならない。 (指定法の付記等の公告) 第三十六条 第三十二条の規定は、指定法の付記及びその付記の抹消について準用する。 第二款 外国法事務弁護士登録審査会 (設置) 第三十七条 日本弁護士連合会に外国法事務弁護士登録審査会を置く。 2 外国法事務弁護士登録審査会は、日本弁護士連合会の請求により、外国法事務弁護士の登録請求、登録換え請求、第二十九条の規定による登録の取消しの請求及び第三十条第二項の規定による登録の取消しに関して必要な審査を行うものとする。 (組織) 第三十八条 外国法事務弁護士登録審査会は、会長及び委員十三人をもつて組織する。 2 会長は、日本弁護士連合会の会長が指名する日本弁護士連合会の副会長をもつて充てる。 3 委員のうち、八人は弁護士の中から、三人は裁判官、検察官及び学識経験者の中からそれぞれ一人ずつ、二人は政府職員の中から日本弁護士連合会の会長が委嘱する。ただし、裁判官、検察官又は政府職員である委員は最高裁判所、検事総長又は法務大臣の推薦に基づき、その他の委員は日本弁護士連合会の会則で定める日本弁護士連合会の機関の決議に基づかなければならない。 4 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。 5 外国法事務弁護士登録審査会に予備委員十三人を置く。 6 第三項及び第四項並びに弁護士法第五十三条第三項の規定は、前項の予備委員について準用する。 7 弁護士法第五十四条の規定は外国法事務弁護士登録審査会の会長について、同条第二項の規定は外国法事務弁護士登録審査会の委員及び予備委員について準用する。 (審査手続) 第三十九条 弁護士法第五十五条第一項の規定は、外国法事務弁護士登録審査会の審査手続について準用する。 2 外国法事務弁護士登録審査会は、登録請求若しくは登録換え請求の拒絶又は第三十条第二項の規定による登録の取消しを可とする議決をする場合には、あらかじめ、当事者に対してその旨を通知し、かつ、これに関して陳述及び資料の提出をする機会を与えなければならない。 第三款 弁護士会及び日本弁護士連合会への入会及び退会 (弁護士会及び日本弁護士連合会への入会及び退会) 第四十条 登録を受けた者は、当該登録の時に、当該弁護士会及び日本弁護士連合会に入会するものとする。 2 登録換えを受けた者は、当該登録換えの時に、当該弁護士会に入会するものとし、これによつて従前の所属弁護士会を退会するものとする。 3 第二十九条の規定による請求により登録の取消しを受けた者は、その取消しの時に、所属弁護士会及び日本弁護士連合会を退会するものとする。 第四十一条 弁護士会が合併したときは、合併により解散した弁護士会に所属した外国法事務弁護士は、当然、合併後存続し又は合併により設立された弁護士会に入会するものとする。 2 第二十八条第一項の規定は、前項の場合について準用する。 (会則を守る義務) 第四十二条 外国法事務弁護士は、所属弁護士会及び日本弁護士連合会の会則中外国法事務弁護士に関する規定を守らなければならない。 (外国法事務弁護士の議決権) 第四十三条 外国法事務弁護士は、所属弁護士会又は日本弁護士連合会が、第二十二条各号又は第二十三条各号に掲げる事項についての会則の制定又は改廃を審議すべき総会を召集するときは、その総会に出席し、意見を述べ、及び議決に加わることができる。 第三節 外国法事務弁護士の権利及び義務 (外国法事務弁護士の資格の表示) 第四十四条 外国法事務弁護士は、業務を行うに際しては、外国法事務弁護士の名称を用い、かつ、その名称に原資格国の国名を付加しなければならない。 (外国法事務弁護士の事務所) 第四十五条 外国法事務弁護士の事務所は、外国法事務弁護士事務所と称さなければならない。 2 外国法事務弁護士の事務所の名称中には、他の個人又は団体の名称を用いてはならない。ただし、法律事務の処理を目的とする原資格国の法人、組合その他の事業体で自己が所属するもの(以下「所属事業体」という。)の名称については、次に掲げる場合に限り、用いることができる。 一 当該所属事業体の名称を用いている外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人がない場合 二 既に当該所属事業体の名称を用いている外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人がある場合において、その外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人と事務所を共にするとき。 3 前二項の規定にかかわらず、外国法事務弁護士は、外国法事務弁護士、外国法事務弁護士法人、弁護士又は弁護士法人に雇用されているときは、その外国法事務弁護士、外国法事務弁護士法人、弁護士又は弁護士法人の事務所の名称を使用することができる。 4 外国法事務弁護士事務所は、その外国法事務弁護士の所属弁護士会の地域内に設けなければならない。 5 外国法事務弁護士は、いかなる名義をもつてしても、国内に二個以上の事務所を設けることができない。 (原資格国法及び指定法の表示) 第四十六条 外国法事務弁護士は、日本弁護士連合会の会則で定めるところにより、その事務所内の公衆の見やすい場所に、原資格国法及び指定法を表示する標識を掲示しなければならない。 2 前項の規定による掲示のほか、原資格国法及び指定法の表示に関し必要な事項は、日本弁護士連合会の会則で定める。 (外国弁護士の名称等の使用) 第四十七条 外国法事務弁護士は、業務を行うに際しては、外国法事務弁護士の名称及び原資格国の国名に付加する場合に限り、原資格国における外国弁護士の名称を用いることができる。 2 外国法事務弁護士は、第四十五条第二項ただし書の規定により事務所の名称中に用いることができる場合のほか、業務を行うに際しては、同項各号に掲げる場合において自己の氏名又は事務所の名称に付加するときに限り、所属事業体の名称を用いることができる。 (在留義務) 第四十八条 外国法事務弁護士は、一年のうち百八十日以上本邦に在留しなければならない。 2 外国法事務弁護士が、自己又は親族の傷病その他のやむを得ない事情に基づき、出国をして本邦外の地域に在つた場合においては、その本邦外の地域に在つた期間は、前項の規定の適用については、本邦に在留した期間とみなす。 (権限外法律事務の取扱いについての雇用関係に基づく業務上の命令の禁止等) 第四十九条 外国法事務弁護士であつて弁護士又は外国法事務弁護士を雇用するものは、自己の第三条及び第五条から第五条の三までに規定する業務の範囲を超える法律事務(以下「権限外法律事務」という。)の取扱いについて、その雇用する弁護士又は外国法事務弁護士に対し、雇用関係に基づく業務上の命令をしてはならない。 2 前項の規定に違反してされた命令を受けて、使用者である外国法事務弁護士が権限外法律事務を行うことに関与した弁護士又は外国法事務弁護士は、これが雇用関係に基づく業務上の命令に従つたものであることを理由として、懲戒その他の責任を免れることができない。 3 外国法事務弁護士であつて弁護士又は外国法事務弁護士を雇用するものは、第一項に規定するもののほか、その雇用する弁護士又は外国法事務弁護士が自ら行う法律事務であつて当該使用者である外国法事務弁護士の権限外法律事務に当たるものの取扱いについて、不当な関与をしてはならない。 (外国法共同事業における不当関与の禁止) 第四十九条の二 外国法共同事業を営む外国法事務弁護士は、当該外国法共同事業に係る弁護士又は弁護士法人が自ら行う法律事務であつて当該外国法事務弁護士の権限外法律事務に当たるものの取扱いについて、不当な関与をしてはならない。 (弁護士の雇用及び外国法共同事業に係る届出) 第四十九条の三 外国法事務弁護士は、弁護士を雇用しようとするとき又は外国法共同事業を営もうとするときは、あらかじめ、次に掲げる事項その他日本弁護士連合会の会則で定める事項を日本弁護士連合会に届け出なければならない。この場合においては、日本弁護士連合会の会則で定める書類を添付しなければならない。 一 当該雇用に係る弁護士の氏名及び事務所 二 当該外国法共同事業に係る弁護士又は弁護士法人の氏名又は名称及び事務所並びに当該外国法共同事業において行う法律事務の範囲 2 日本弁護士連合会は、前項の規定による届出があつたときは、当該外国法事務弁護士の登録に当該届出に係る事項で日本弁護士連合会の会則で定めるものを付記しなければならない。 3 第一項の規定による届出をした外国法事務弁護士は、当該届出に係る事項のうち、外国法共同事業において行う法律事務の範囲その他の日本弁護士連合会の会則で定める重要な事項の変更をしようとするときは、あらかじめ、その旨を日本弁護士連合会に届け出なければならない。この場合においては、同項後段の規定を準用する。 4 日本弁護士連合会は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に基づき、第二項の規定により当該外国法事務弁護士の登録に付記された事項の訂正をしなければならない。 5 第一項の規定による届出をした外国法事務弁護士は、弁護士を雇用すること又は外国法共同事業を営むことをやめたときは、遅滞なく、その旨を日本弁護士連合会に届け出なければならない。 6 日本弁護士連合会は、前項の規定による届出があつたときは、第二項の規定により当該外国法事務弁護士の登録に付記された事項を抹消しなければならない。 7 日本弁護士連合会は、第一項、第三項又は第五項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を当該外国法事務弁護士の所属弁護士会及び当該雇用若しくは外国法共同事業に係る弁護士又は当該外国法共同事業に係る弁護士法人の所属弁護士会に書面により通知しなければならない。 (外国法共同事業の表示) 第四十九条の四 前条第一項の規定により外国法共同事業に係る届出をした外国法事務弁護士は、次条の規定によりその事務所の名称中に「外国法共同事業」の文字を使用する場合を除き、その事務所の名称に、外国法共同事業を営む旨及び当該外国法共同事業に係る弁護士又は弁護士法人の事務所の名称を付加しなければならない。 (外国法共同事業に係る事務所の名称の特例) 第四十九条の五 外国法共同事業を営む外国法事務弁護士の事務所については、当該外国法事務弁護士が当該外国法共同事業に係る弁護士又は弁護士法人と事務所(弁護士法人にあつては、その主たる事務所に限る。以下この条において同じ。)を共にし、かつ、当該外国法共同事業において行う法律事務の範囲に制限を設けていない場合であつて、その弁護士又は弁護士法人の事務所の名称中に「外国法共同事業」の文字があるときは、第四十五条第一項及び第二項の規定にかかわらず、これと同一の名称を使用することができる。 (弁護士法の準用等) 第五十条 弁護士法第二十三条から第三十条までの規定は、外国法事務弁護士について準用する。この場合において、同法第二十五条第六号中「弁護士法人(第三十条の二第一項に規定する弁護士法人」とあるのは「外国法事務弁護士法人(外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法(昭和六十一年法律第六十六号)第二条第三号の二に規定する外国法事務弁護士法人」と、「外国法事務弁護士法人(外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法(昭和六十一年法律第六十六号)第二条第三号の二に規定する外国法事務弁護士法人」とあるのは「弁護士法人(第三十条の二第一項に規定する弁護士法人」と、同条第七号から第九号までの規定中「弁護士法人の社員」とあるのは「外国法事務弁護士法人の社員」と、「外国法事務弁護士法人の使用人」とあるのは「弁護士法人の使用人」と、同法第三十条第二項及び第四項中「営利業務従事弁護士名簿」とあるのは「営利業務従事外国法事務弁護士名簿」と読み替えるものとする。 2 弁護士法第七十四条第二項の規定は、外国法事務弁護士には適用しない。 第五章 外国法事務弁護士法人 (設立) 第五十条の二 外国法事務弁護士は、この章の定めるところにより、外国法事務弁護士法人を設立することができる。 (名称) 第五十条の三 外国法事務弁護士法人は、その名称中に外国法事務弁護士法人という文字を使用しなければならない。 (社員の資格) 第五十条の四 外国法事務弁護士法人の社員は、外国法事務弁護士でなければならない。 2 次に掲げる者は、社員となることができない。 一 第五十一条の規定により業務の停止の懲戒を受け、当該業務の停止の期間を経過しない者 二 第五十一条の規定により外国法事務弁護士法人が除名され、又は外国法事務弁護士法人の業務の停止の懲戒を受けた場合において、その処分を受けた日以前三十日内にその社員であつた者でその処分を受けた日から三年(外国法事務弁護士法人の業務の停止の懲戒を受けた場合にあつては、当該業務の停止の期間)を経過しないもの (業務の範囲) 第五十条の五 外国法事務弁護士法人は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によつて、外国法に関する法律事務を行うほか、定款で定めるところにより、法令等に基づき外国法事務弁護士が行うことができるものとして法務省令で定める業務の全部又は一部を行うことができる。ただし、次に掲げる業務を行うことは、この限りでない。 一 第三条第一項第一号、第二号及び第四号から第六号までに掲げる法律事務 二 国内において効力を有し、又は有した法(外国において効力を有し、又は有した法に含まれる条約その他の国際法を除く。)の解釈又は適用についての鑑定その他の法的意見の表明 2 外国法事務弁護士法人は、前項に規定するもののほか、国際仲裁事件の手続等及び国際調停事件の手続についての代理を行うことができる。 (設立の手続) 第五十条の六 外国法事務弁護士法人を設立するには、その社員になろうとする外国法事務弁護士が、定款を定めなければならない。 2 弁護士法第三十条の八第二項及び第三項の規定は、外国法事務弁護士法人の定款について準用する。この場合において、同項第三号中「法律事務所」とあるのは「事務所」と、同項第五号中「住所」とあるのは「住所、外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法第二条第五号に規定する原資格国法、同条第九号に規定する指定法」と読み替えるものとする。 (弁護士会及び日本弁護士連合会への入会及び退会) 第五十条の七 外国法事務弁護士法人は、その成立の時に、主たる事務所の所在する地域の弁護士会(二個以上の弁護士会があるときは、当該外国法事務弁護士法人が定款に記載した弁護士会)及び日本弁護士連合会に入会するものとする。 2 第四十一条第一項及び弁護士法第三十六条の二第二項から第七項までの規定は、外国法事務弁護士法人について準用する。この場合において、同条第二項から第四項までの規定中「法律事務所」とあるのは「事務所」と、同条第二項中「の会員となる」とあるのは「に入会するものとする」と読み替えるものとする。 (業務の執行) 第五十条の八 外国法事務弁護士法人の社員は、定款で業務を執行しないものとされた場合を除き、次に掲げる業務を執行する。 一 当該社員の原資格国法に関する法律事務(第三条第一項各号に掲げる法律事務を除く。) 二 国際仲裁事件の手続等及び国際調停事件の手続についての代理 2 業務を執行する社員は、前項に規定するもののほか、指定を受け、かつ、第三十四条第一項の規定による指定法の付記を受けたときは、当該指定法に関する法律事務について業務を執行することができる。ただし、第三条第一項第一号、第二号及び第四号から第六号までに掲げる法律事務並びに当該指定法以外の法の解釈又は適用についての鑑定その他の法的意見の表明については、この限りでない。 3 業務を執行する社員は、前二項に規定するもののほか、第五条の二第一項各号に掲げる者の書面による助言を受けてするときは、特定外国法に関する法律事務について業務を執行することができる。ただし、第三条第一項第一号、第二号及び第四号から第六号までに掲げる法律事務並びに当該特定外国法以外の法の解釈又は適用についての鑑定その他の法的意見の表明については、この限りでない。 4 業務を執行する社員は、前三項の規定により執行することのできる業務であつても、第三条第二項各号に掲げるものについては、弁護士と共同し、又は弁護士の書面による助言を受けて行わなければならない。 (社員の資格の表示) 第五十条の九 外国法事務弁護士法人は、社員が業務を執行するに際しては、当該社員に、外国法事務弁護士の名称を用いさせ、かつ、その名称に原資格国の国名を付加させなければならない。 (事務所) 第五十条の十 外国法事務弁護士法人は、その事務所の名称中に当該外国法事務弁護士法人の名称を用いなければならない。 2 第四十五条第二項及び第四項の規定は外国法事務弁護士法人の事務所について、第四十九条の四の規定は外国法事務弁護士法人及びその事務所について、第四十九条の五の規定は外国法事務弁護士法人について準用する。この場合において、第四十五条第二項ただし書中「原資格国」とあるのは「社員の原資格国」と、「自己」とあるのは「当該社員」と、第四十九条の五中「外国法事務弁護士の事務所」とあるのは「外国法事務弁護士法人の主たる事務所」と、「弁護士法人にあつては」とあるのは「弁護士法人又は外国法事務弁護士法人にあつては」と、「限る。以下この条において同じ」とあるのは「限る」と、「事務所の」とあるのは「事務所(弁護士法人にあつては、その主たる事務所に限る。)の」と読み替えるものとする。 (業務の範囲を超える法律事務の取扱いについての雇用関係に基づく業務上の命令の禁止等) 第五十条の十一 外国法事務弁護士法人は、自己の業務の範囲を超える法律事務の取扱いについて、その雇用する弁護士又は外国法事務弁護士に対し、雇用関係に基づく業務上の命令をしてはならない。 2 前項の規定に違反してされた命令を受けて、使用者である外国法事務弁護士法人が自己の業務の範囲を超える法律事務を行うことに関与した弁護士又は外国法事務弁護士は、これが雇用関係に基づく業務上の命令に従つたものであることを理由として、懲戒その他の責任を免れることができない。 3 外国法事務弁護士法人は、第一項に規定するもののほか、その雇用する弁護士又は外国法事務弁護士が自ら行う法律事務であつて当該使用者である外国法事務弁護士法人の業務の範囲を超える法律事務に当たるものの取扱いについて、不当な関与をしてはならない。 4 外国法事務弁護士法人の社員は、当該外国法事務弁護士法人が雇用する弁護士又は外国法事務弁護士が自ら行う法律事務であつて当該社員の権限外法律事務に当たるものの取扱いについて、不当な関与をしてはならない。 (外国法共同事業における不当関与の禁止) 第五十条の十二 外国法共同事業を営む外国法事務弁護士法人は、当該外国法共同事業に係る弁護士又は弁護士法人が自ら行う法律事務であつて当該外国法事務弁護士法人の業務の範囲を超える法律事務に当たるものの取扱いについて、不当な関与をしてはならない。 2 外国法共同事業を営む外国法事務弁護士法人の社員は、当該外国法共同事業に係る弁護士又は弁護士法人が自ら行う法律事務であつて当該社員の権限外法律事務に当たるものの取扱いについて、不当な関与をしてはならない。 (外国法事務弁護士の義務の規定及び弁護士法の準用等) 第五十条の十三 第四十二条並びに第四十九条の三第一項、第三項、第五項及び第七項の規定は、外国法事務弁護士法人について準用する。 2 弁護士法第一条、第二十一条、第二十三条の二、第二十四条、第二十七条から第二十九条まで、第三十条の七、第三十条の九から第三十条の十一まで、第三十条の十三から第三十条の十六まで、第三十条の十七本文、第三十条の十八から第三十条の二十まで及び第三十条の二十二から第三十条の三十までの規定は、外国法事務弁護士法人について準用する。この場合において、同法第二十一条、第三十条の九、第三十条の十七本文、第三十条の二十六の三及び第三十条の二十七第二項中「法律事務所」とあるのは「事務所」と、同法第三十条の十八第四号中「社員若しくは使用人である弁護士又は使用人である外国法事務弁護士(以下「社員等」という。)」とあり、及び同法第三十条の二十中「社員等」とあるのは「社員若しくは使用人である外国法事務弁護士又は使用人である弁護士」と、同法第三十条の二十二第五号中「第十一条」とあるのは「外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法第二十九条」と、同条第六号中「第五十七条第一項第二号」とあるのは「外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法第五十二条第一項第二号」と、「第十三条第一項」とあるのは「同法第三十条第二項」と、同法第三十条の二十三第一項第六号中「第五十六条又は第六十条」とあるのは「外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法第五十一条」と、同法第三十条の二十六第一項中「弁護士で」とあるのは「弁護士又は外国法事務弁護士で」と、同法第三十条の三十第一項中「「弁護士法」とあるのは「「外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法(昭和六十一年法律第六十六号)第五十条の十三第二項において準用する弁護士法」と、同条第二項中「「弁護士法」とあるのは「「外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法第五十条の十三第二項において準用する弁護士法」と読み替えるものとする。 3 弁護士法第七十二条及び第七十四条第二項の規定は、外国法事務弁護士法人には適用しない。 第六章 懲戒 第一節 懲戒の処分 (懲戒事由及び懲戒権者) 第五十一条 外国法事務弁護士及び外国法事務弁護士法人は、この法律(弁護士法人の使用人である外国法事務弁護士にあつては、この法律又は弁護士法)又は所属弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則中外国法事務弁護士若しくは外国法事務弁護士法人に関する規定に違反し、所属弁護士会又は日本弁護士連合会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。 2 懲戒は、日本弁護士連合会が外国法事務弁護士懲戒委員会の議決に基づいて行う。 (懲戒の種類) 第五十二条 外国法事務弁護士に対する懲戒は、次の四種とする。 一 戒告 二 二年以内の業務の停止 三 退会命令 四 除名 2 外国法事務弁護士法人に対する懲戒は、次の三種とする。 一 戒告 二 二年以内の外国法事務弁護士法人の業務の停止又はその事務所の業務の停止 三 除名 (懲戒の手続) 第五十三条 何人も、外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人について懲戒の事由があると思料するときは、その事由の説明を添えて、当該外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人の所属弁護士会を経由して、日本弁護士連合会に懲戒の請求をすることができる。 2 弁護士会は、所属の外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人について、懲戒の事由があると思料するとき、又は前項の請求があつたときは、懲戒の手続に付し、弁護士法第七十条第一項の規定によりその弁護士会に置かれた綱紀委員会に調査をさせることができる。この場合において、その綱紀委員会が当該外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人を懲戒することを相当と認めたときは、その綱紀委員会の調査結果及び意見を添えて日本弁護士連合会に懲戒の請求をしなければならない。 3 日本弁護士連合会は、外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人について、懲戒の事由があると思料するとき、又は第一項の請求があつたときは、懲戒の手続に付し、外国法事務弁護士綱紀委員会にその調査をさせなければならない。ただし、同一の事由について前項の調査が行われているときは、この限りでない。 4 日本弁護士連合会は、外国法事務弁護士綱紀委員会が前項の調査により外国法事務弁護士若しくは外国法事務弁護士法人を懲戒することを相当と認めたとき、又は第二項の請求があつたときは、外国法事務弁護士懲戒委員会にその審査を求めなければならない。 5 弁護士会の綱紀委員会及び外国法事務弁護士綱紀委員会は、調査に関し必要があるときは、懲戒の手続に付された外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人、第一項の請求をした者、関係人及び官公署その他に対して陳述、説明又は資料の提出を求めることができる。 6 日本弁護士連合会は、外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人を懲戒するときは、当該外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人に懲戒の処分の内容及びその理由を書面により通知しなければならない。 7 日本弁護士連合会は、外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人を懲戒したときは、遅滞なく、懲戒の処分の内容を官報をもつて公告しなければならない。 8 日本弁護士連合会は、第一項若しくは第二項の請求に係る外国法事務弁護士若しくは外国法事務弁護士法人を懲戒したとき、又はその外国法事務弁護士若しくは外国法事務弁護士法人を懲戒しないこととしたときは、その旨を第一項の請求をした者又は第二項の請求をした弁護士会に通知しなければならない。 (弁護士法の準用) 第五十四条 弁護士法第五十七条の二第一項の規定は懲戒を受けた外国法事務弁護士法人について、同法第六十二条の規定は懲戒の手続に付された外国法事務弁護士及び外国法事務弁護士法人について、同法第六十三条の規定は外国法事務弁護士及び外国法事務弁護士法人の懲戒の手続について準用する。この場合において、同法第五十七条の二第一項並びに第六十二条第二項及び第四項中「法律事務所」とあるのは「事務所」と、同項及び同条第五項中「この章の規定の適用については」とあるのは「当該懲戒の手続との関係においては」と読み替えるものとする。 第二節 外国法事務弁護士懲戒委員会及び外国法事務弁護士綱紀委員会 (外国法事務弁護士懲戒委員会の設置) 第五十五条 日本弁護士連合会に外国法事務弁護士懲戒委員会を置く。 2 外国法事務弁護士懲戒委員会は、日本弁護士連合会の請求により、外国法事務弁護士及び外国法事務弁護士法人の懲戒に関して必要な審査を行うものとする。 (組織) 第五十六条 外国法事務弁護士懲戒委員会は、委員十五人をもつて組織する。 2 委員のうち、八人は弁護士の中から、六人は裁判官、検察官及び政府職員の中からそれぞれ二人ずつ、一人は学識経験者の中から日本弁護士連合会の会長が委嘱する。ただし、裁判官、検察官又は政府職員である委員は最高裁判所、検事総長又は法務大臣の推薦に基づき、その他の委員は日本弁護士連合会の会則で定める日本弁護士連合会の機関の決議に基づかなければならない。 3 外国法事務弁護士懲戒委員会に委員長を置き、委員が互選する。 4 第三十八条第四項の規定は、外国法事務弁護士懲戒委員会の委員の任期について準用する。 5 外国法事務弁護士懲戒委員会に予備委員十五人を置く。 6 第二項及び第三十八条第四項並びに弁護士法第六十六条の四第二項の規定は、前項の予備委員について準用する。この場合において、同条第二項中「弁護士会の会長又は日本弁護士連合会の会長」とあるのは、「委員長」と読み替えるものとする。 7 弁護士法第六十六条の二第四項の規定は外国法事務弁護士懲戒委員会の委員長、委員及び予備委員について、同法第六十六条の三第二項及び第三項の規定は外国法事務弁護士懲戒委員会の委員長について準用する。 (審査手続) 第五十七条 外国法事務弁護士懲戒委員会は、審査を求められたときは、速やかに、審査の期日を定め、懲戒の手続に付された外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人にその旨を通知しなければならない。 2 審査を受ける外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人の社員は、審査期日に出頭し、かつ、陳述することができる。この場合において、その外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人の社員は、委員長の指揮に従わなければならない。 3 外国法事務弁護士懲戒委員会は、審査に関し必要があるときは、懲戒の手続に付された外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人、第五十三条第一項の請求をした者、同条第二項の請求をした弁護士会、関係人及び官公署その他に対して陳述、説明又は資料の提出を求めることができる。 4 弁護士法第六十七条の二及び第六十八条の規定は、外国法事務弁護士懲戒委員会の審査手続について準用する。 (外国法事務弁護士綱紀委員会の設置等) 第五十八条 日本弁護士連合会に外国法事務弁護士綱紀委員会を置く。 2 外国法事務弁護士綱紀委員会は、第五十三条第三項の調査を行うものとする。 3 外国法事務弁護士綱紀委員会は、委員若干人をもつて組織する。 4 委員は、弁護士、裁判官、検察官、政府職員及び学識経験者の中から日本弁護士連合会の会長が委嘱する。ただし、裁判官、検察官又は政府職員である委員は最高裁判所、検事総長又は法務大臣の推薦に基づき、その他の委員は日本弁護士連合会の会則で定める日本弁護士連合会の機関の決議に基づかなければならない。 5 外国法事務弁護士綱紀委員会に委員長を置き、委員が互選する。 6 第三十八条第四項の規定は、外国法事務弁護士綱紀委員会の委員の任期について準用する。 7 外国法事務弁護士綱紀委員会に予備委員若干人を置く。 8 第四項及び第三十八条第四項並びに弁護士法第七十条の五第二項の規定は、前項の予備委員について準用する。この場合において、同条第二項中「弁護士会の会長又は日本弁護士連合会の会長」とあるのは、「委員長」と読み替えるものとする。 9 弁護士法第七十条の三第四項の規定は外国法事務弁護士綱紀委員会の委員長、委員及び予備委員について、同法第七十条の四第二項及び第三項の規定は外国法事務弁護士綱紀委員会の委員長について準用する。 第七章 雑則 (外国弁護士による国際仲裁事件の手続等及び国際調停事件の手続の代理) 第五十八条の二 外国弁護士(外国法事務弁護士である者を除く。)であつて外国において当該外国弁護士となる資格を基礎として法律事務を行う業務に従事している者(国内において雇用されて外国法に関する知識に基づいて労務の提供を行つている者を除く。)は、弁護士法第七十二条の規定にかかわらず、その外国において依頼され又は受任した国際仲裁事件の手続等及び国際調停事件の手続についての代理を行うことができる。ただし、第五十二条第一項第二号又は同法第五十七条第一項第二号に規定する処分に相当する外国の法令による処分により業務を停止されているときは、この限りでない (行政不服審査法の適用除外) 第五十八条の三 行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二章第四節の規定は、法務大臣が第十条第四項(第十四条第四項、第十六条第二項及び第二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により日本弁護士連合会の意見を聴いて行つた承認に関する処分、第十四条第一項から第三項までの規定による承認の取消しの処分、指定に関する処分及び第二十条第一項又は第二項の規定による指定の取消しの処分についての審査請求については、適用しない。 (行政手続法の適用除外) 第五十八条の四 行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章、第三章及び第四章の二の規定は、日本弁護士連合会及び弁護士会がこの法律に基づいて行う処分については、適用しない。 (審査請求の制限) 第五十九条 この法律に基づく日本弁護士連合会の処分又はその不作為については、審査請求をすることができない。 (訴えの提起) 第六十条 第二十六条の規定により登録を拒絶された者、第二十八条第三項において準用する第二十六条の規定により登録換えを拒絶された者、第三十条第二項の規定により登録を取り消された者又は第五十一条の規定による懲戒を受けた者は、東京高等裁判所に当該処分の取消しの訴えを提起することができる。 2 登録請求又は登録換え請求をした者は、その請求の日の翌日から起算して五箇月を経過しても、日本弁護士連合会が当該請求に対して何ら処分をしないときは、当該登録又は登録換えを拒絶されたものとして、前項の訴えを提起することができる。 (非外国法事務弁護士の虚偽標示等の禁止) 第六十一条 外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人でない者は、外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士事務所の標示又は記載をしてはならない。 2 外国法事務弁護士法人でない者は、その名称中に外国法事務弁護士法人又はこれに類似する名称を用いてはならない。 (法務省令への委任) 第六十二条 この法律に定めるもののほか、承認及びその取消し並びに指定及びその取消しの手続その他第三章の規定の実施に関し必要な事項は、法務省令で定める。 第八章 罰則 第六十三条 外国法事務弁護士が、業務に関し、次の各号に掲げる法律事務を行つたときは、二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。 一 国内の裁判所における訴訟事件(刑事に関するものを除く。)、非訟事件、家事審判事件、民事執行事件、民事保全事件その他民事に関する事件の手続についての代理 二 刑事に関する事件の手続についての代理、刑事に関する事件における弁護人としての活動、少年の保護事件における付添人としての活動又は逃亡犯罪人引渡審査請求事件における補佐 三 国内の行政庁に対する審査請求、再調査の請求その他の不服申立事件の手続についての代理 四 国内において効力を有し、又は有した法(原資格国法若しくは指定法に含まれる条約その他の国際法又は第五条の二第一項の規定により特定外国法に関する法律事務を行う場合の特定外国法に含まれる条約その他の国際法を除く。)の解釈又は適用についての書面による鑑定 第六十四条 偽りその他不正の手段により、外国法事務弁護士名簿に登録をさせ、又は登録に指定法の付記をさせた者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。 2 前項の未遂罪は、罰する。 第六十五条 第五十条第一項において準用する弁護士法第二十六条又は第五十条の十三第二項において準用する同法第三十条の二十の規定に違反した者は、三年以下の懲役に処する。 第六十六条 第五十条第一項又は第五十条の十三第二項において準用する弁護士法第二十七条又は第二十八条の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。 第六十七条 外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士であつた者が、正当な理由がないのに、その業務に関して知ることができた人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。 2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。 第六十八条 第六十一条の規定に違反した者は、百万円以下の罰金に処する。 第六十九条 第五十条の十三第二項において準用する弁護士法第三十条の二十八第六項において準用する会社法(平成十七年法律第八十六号)第九百五十五条第一項の規定に違反して、同項に規定する調査記録簿等に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は当該調査記録簿等を保存しなかつた者は、三十万円以下の罰金に処する。 第七十条 弁護士法人の使用人である外国法事務弁護士又は外国法事務弁護士法人の社員若しくは使用人である外国法事務弁護士若しくは使用人である弁護士が、その弁護士法人又は外国法事務弁護士法人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その弁護士法人又は外国法事務弁護士法人に対して当該各号に定める罰金刑を科する。 一 第六十三条 同条の罰金刑 二 第六十五条(第五十条の十三第二項において準用する弁護士法第三十条の二十に係る部分に限る。) 三百万円以下の罰金刑 三 第六十六条(第五十条の十三第二項において準用する弁護士法第二十七条又は第二十八条に係る部分に限る。) 第六十六条の罰金刑 2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前二条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。 第七十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。 一 第五十条の十三第二項において準用する弁護士法第三十条の二十八第六項において準用する会社法第九百四十六条第三項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者 二 正当な理由がないのに、第五十条の十三第二項において準用する弁護士法第三十条の二十八第六項において準用する会社法第九百五十一条第二項各号又は第九百五十五条第二項各号に掲げる請求を拒んだ者 第七十二条 次の各号のいずれかに該当する場合には、外国法事務弁護士法人の社員又は清算人は、三十万円以下の過料に処する。 一 第五十条の十三第二項において準用する弁護士法第三十条の七第一項の規定に基づく政令に違反して登記をすることを怠つたとき。 二 第五十条の十三第二項において準用する弁護士法第三十条の二十八第二項又は第五項の規定に違反して合併をしたとき。 三 第五十条の十三第二項において準用する弁護士法第三十条の二十八第六項において準用する会社法第九百四十一条の規定に違反して同条の調査を求めなかつたとき。 四 定款又は第五十条の十三第二項において準用する弁護士法第三十条の三十第一項において準用する会社法第六百十五条第一項の会計帳簿若しくは第五十条の十三第二項において準用する弁護士法第三十条の三十第一項において準用する会社法第六百十七条第一項若しくは第二項の貸借対照表に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。 五 第五十条の十三第二項において準用する弁護士法第三十条の三十第二項において準用する会社法第六百五十六条第一項の規定に違反して破産手続開始の申立てを怠つたとき。 六 第五十条の十三第二項において準用する弁護士法第三十条の三十第二項において準用する会社法第六百六十四条の規定に違反して財産を分配したとき。 七 第五十条の十三第二項において準用する弁護士法第三十条の三十第二項において準用する会社法第六百七十条第二項又は第五項の規定に違反して財産を処分したとき。