と畜場法施行令(暫定版) 内閣は、と畜場法(昭和二十八年法律第百十四号)第四条第一項、第九条第一項第五号、第十条第五項及び第十五条第三項の規定に基き、この政令を制定する。 (一般と畜場の構造設備の基準) 第一条 と畜場法(以下「法」という。)第五条第一項の規定による一般と畜場の構造設備の基準は、次のとおりとする。 一 係留所、生体検査所、処理室、冷却設備、検査室、消毒所、隔離所及び汚物処理設備並びに当該と畜場内において食肉(食用に供する内臓を含む。第五号において同じ。)の取引が行われ、かつ、都道府県知事(保健所を設置する市にあつては、市長。以下同じ。)が特に必要があると認めた場合には、取引室を有すること。 二 係留所には、生後一年以上の牛及び馬については一頭ごとに、その他の獣畜については適宜に、これを係留し、又は収容することができる区画が設けられており、かつ、その床は、不浸透性材料(石、コンクリートその他血液及び汚水が浸透しないものをいう。以下同じ。)で築造され、これに適当なこうばいと排水溝が設けられていること。 三 生体検査所は、次の要件を備えること。 イ 床は、不浸透性材料で築造されていること。 ロ 獣畜の計量及び保定に必要な設備が設けられていること。 ハ 法第十四条第一項の検査の事務に従事する者の手指及びその者が使用する器具の洗浄又は消毒に必要な設備が設けられていること。 ニ 洗浄又は消毒に必要な設備は、第八条第二項に規定する措置を講ずるために必要な数が適当な位置に設けられていること。 四 処理室は、次の要件を備えること。 イ と室、病畜と室、内臓取扱室及び外皮取扱室に区画され、各室に、直接処理室外に通ずる出入口が設けられていること。 ロ 床は、不浸透性材料で築造され、これに適当なこうばいと排水溝が設けられていること。 ハ 内壁は、不浸透性材料で築造されている場合を除き、床面から少なくとも一・二メートルまで、不浸透性材料で腰張りされていること。 ニ 十分に換気及び採光のできる窓が設けられていること。 ホ 内臓検査台、内臓処理台、内臓運搬具、と肉懸ちよう器及び計量器が備えられていること。 ヘ 獣畜のとさつ又は解体を行う者及び法第十四条第二項又は第三項の検査の事務に従事する者の手指並びにこれらの者が使用する器具の洗浄又は消毒に必要な設備が設けられていること。 ト 洗浄又は消毒に必要な設備は、法第九条に規定する措置及び第八条第二項に規定する措置を講ずるために必要な数が適当な位置に設けられていること。 チ 洗浄又は消毒に必要な温湯を十分に供給することのできる給湯設備が設けられていること。 リ 飲用に適する水を十分に供給することのできる給水設備が設けられていること。 五 冷却設備は、食肉を十分に冷却することのできるものであること。 六 検査室には、検査台その他検査に必要な器具が備えられ、かつ、給水設備が設けられていること。 七 消毒所には、獣畜の部分等であつて、病毒を伝染させるおそれがあると認められるものの消毒に必要な設備が設けられ、かつ、その床は、不浸透性材料で築造されていること。 八 隔離所には、隔離された獣畜の汚物及び汚水を消毒することのできる設備が設けられており、かつ、その床は、不浸透性材料で築造されていること。 九 汚物処理設備は、次の要件を備えること。 イ 汚物だめ並びに血液及び汚水の処理設備を有すること。ただし、血液及び汚水を終末処理場のある下水道に直接流出させると畜場にあつては、血液及び汚水の処理設備を設けないことができる。 ロ 汚物だめは、処理室及び取引室から適当な距離を有し、かつ、不浸透性材料で築造され、適当な覆いが設けられていること ハ 血液及び汚水の処理設備は、処理室及び取引室から適当な距離を有し、かつ、血液及び汚水の浄化装置を有すること。 十 取引室は、次の要件を備えること。 イ 床は、不浸透性材料で築造され、これに適当なこうばいと排水溝が設けられていること。 ロ 内壁は、不浸透性材料で築造されている場合を除き、床面から少なくとも一・二メートルまで、不浸透性材料で腰張りされていること。 ハ 十分に換気及び採光のできる窓が設けられていること。 ニ と肉懸ちよう器及びハンガーレールが備えられていること。 ホ 飲用に適する水を十分に供給することのできる給水設備が設けられていること。 十一 その他都道府県(保健所を設置する市にあつては、市。以下同じ。)が条例で定める構造設備を有すること。 (簡易と畜場の構造設備の基準) 第二条 法第五条第一項の規定による簡易と畜場の構造設備の基準は、次のとおりとする。 一 処理室、検査所、消毒所及び汚物処理設備並びに生体検査及び隔離を行うために必要な敷地を有すること。 二 処理室は、次の要件を備えること。 イ 内臓及び外皮をそれぞれ各別に取り扱うことができるように、適当な区画が設けられていること。 ロ 床は、不浸透性材料で築造され、これに適当なこうばいと排水溝が設けられていること。 ハ 十分に換気及び採光のできる窓が設けられていること。 ニ 内臓検査台、と肉懸ちよう器及び計量器が備えられていること。 ホ 飲用に適する水を十分に供給することのできる給水設備が設けられていること。 三 検査所には、検査台及び給水設備が設けられていること。 四 消毒所には、消毒に必要な設備が設けられており、かつ、その床は、不浸透性材料で築造されていること。 五 汚物処理設備は、次の要件を備えること。 イ 汚物だめ並びに汚水だめ又は血液及び汚水の処理設備を有すること。ただし、血液及び汚水を終末処理場のある下水道に直接流出させると畜場にあつては、汚水だめ並びに血液及び汚水の処理設備を設けないことができる。 ロ 汚物だめ及び汚水だめは、処理室から適当な距離を有し、かつ、不浸透性材料で築造され、適当な覆いが設けられていること。 ハ 血液及び汚水の処理設備は、処理室から適当な距離を有し、かつ、血液及び汚水の浄化装置を有すること。 (作業衛生責任者について準用する法の規定の読替え) 第三条 法第十条第二項において作業衛生責任者について法第七条第二項から第六項までの規定及び法第八条の規定を準用する場合におけるこれらの規定に係る技術的読替えは、次の表のとおりとする。 |読み替える法の規定|読み替えられる字句|読み替える字句| |第七条第二項|と畜場の衛生管理に関して|獣畜のとさつ又は解体の衛生管理に関して| ||当該と畜場の衛生管理|当該と畜場の獣畜のとさつ又は解体| ||当該と畜場の構造設備を管理し、その他当該と畜場|その他当該と畜場の獣畜のとさつ又は解体| |第七条第三項|と畜場の衛生管理に関して|獣畜のとさつ又は解体の衛生管理に関して| ||当該と畜場の衛生管理|当該と畜場の獣畜のとさつ又は解体の衛生管理| ||と畜場の設置者又は管理者|と畜業者等| |第七条第四項|と畜場の設置者又は管理者|と畜業者等| |第七条第五項第三号|と畜場の衛生管理|獣畜のとさつ又は解体| |第七条第六項|と畜場の管理者|と畜業者等| |第八条|と畜場の管理者|と畜業者等| |第八条第二号|前条第二項|第十条第二項の規定により読み替えて準用する前条第二項| |||| |||| |||| |||| |||| |||| |||| |||| |||| |||| |||| |||| (と畜場以外の場所で獣畜をとさつすることができる場合) 第四条 法第十三条第一項第四号の規定により、と畜場以外の場所において、食用に供する目的で獣畜をとさつすることができるのは、次に掲げる場合とする。 一 災害その他の事故により、と畜場が滅失し、又はその設備がき損し、と畜場以外の場所においてとさつすることがやむを得ない場合 二 離島であるため、その他土地の状況により、と畜場以外の場所においてとさつすることがやむを得ない場合であつて、かつ、都道府県知事が指定した地域において、又は都道府県知事の許可を受けて獣畜をとさつする場合 (と畜場外への持出しの禁止の特例) 第五条 法第十四条第三項第二号の政令で定めるときは、次のとおりとする。 一 法第十四条第三項第二号の厚生労働省令で定める疾病の有無についての同項本文に規定する検査(次号及び第三号において「解体後検査」という。)を行う場合において、都道府県知事の許可を得て皮革の原料として牛の皮を持ち出すとき。 二 解体後検査を行う場合において、都道府県知事の許可を得て牛の改良増殖(学術研究の用に供する場合を含む。)の目的のために牛の卵巣を持ち出すとき。 三 解体後検査を行う場合において、都道府県知事の許可を得て獣畜の肉、内臓、血液、骨又は皮(以下この号から第五号までにおいて「獣畜の肉等」という。)の所有者又は管理者が焼却するために獣畜の肉等の全部又は一部を持ち出すとき。 四 食品衛生監視員が食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第二十八条第一項の規定により獣畜の肉等の一部を収去するとき。 五 家畜防疫官又は家畜防疫員が家畜伝染病予防法(昭和二十六年法律第百六十六号)第五十一条第一項の規定により獣畜の肉等の一部を採取し、又は集取して持ち出すとき。 2 前項第一号から第三号までの許可の基準については、厚生労働省令で定める。 3 第一項第一号から第三号までの許可には、公衆衛生上必要な限度において条件を付することができる。 (都道府県知事及び厚生労働大臣によると畜検査) 第六条 法第十四条第五項の政令で定める疾病は、伝達性海綿状脳症のうち牛、めん羊及び山羊に係るものとする。 2 都道府県知事が法第十四条第五項の規定により行う事務は、次のとおりとする。 一 前項に規定する疾病の有無についての法第十四条第一項及び第二項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定による検査 二 前項に規定する疾病のうち厚生労働省令で定めるものの有無についての法第十四条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による検査のうち、確認検査(疾病にかかつていることを確認するために高度な方法により行う検査をいう。以下同じ。)を実施する必要があるものを発見するために簡易な方法により行う検査 3 厚生労働大臣が法第十四条第五項の規定により行う事務は、第一項に規定する疾病の有無についての法第十四条第三項の規定による検査(前項第二号の厚生労働省令で定める疾病の有無についての検査にあつては、確認検査に限る。)とする。 4 前二項の規定にかかわらず、確認検査(当該確認検査の結果の判断に係る部分を除く。以下この項において同じ。)を適確に実施するに足りる技術的能力を有すると厚生労働大臣が認める都道府県においては、前項の規定により厚生労働大臣が行うこととされている確認検査を都道府県知事が行うことができる。 (検査の申請) 第七条 法第十四条の規定による検査を受けようとする者は、厚生労働省令で定める事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。 (検査の方法) 第八条 法第十四条の規定による検査は、望診、検温、触診、解剖検査、顕微鏡検査その他の必要な方法により行うものとする。 2 前項の検査の事務に従事する者は、清潔な器具を用い、必要に応じ、手指、器具等の洗浄又は消毒を行い、その他公衆衛生上必要な措置を講じなければならない。 (検印) 第九条 都道府県知事は、法第十四条第三項の規定による検査を行つたとき(同条第五項の規定により都道府県知事及び厚生労働大臣が検査を行つたときを含む。)は、厚生労働省令で定めるところにより、検査に合格した肉、内臓及び皮に検印を押さなければならない。 (と畜検査員の資格) 第十条 法第十九条第一項に規定すると畜検査員は、獣医師でなければならない。 附 則 〔抄〕 (施行期日) 1 この政令は、公布の日から施行する。 (屠畜取締の費用負担に関する件の廃止) 2 屠畜取締の費用負担に関する件(明治三十九年勅令第百七十二号)は、廃止する。 附 則 〔昭和四十五年六月十日政令第百七十六号〕 この政令は、公布の日から施行する。 附 則 〔昭和四十六年六月十七日政令第百八十八号〕〔抄〕 (施行期日) 1 この政令は、昭和四十六年六月二十四日から施行する。 附 則 〔昭和五十九年三月十六日政令第三十二号〕〔抄〕 1 この政令は、昭和五十九年四月一日から施行する。 2 この政令の施行の際現に改正前のと畜場法施行令(以下「旧令」という。)第一条に規定する構造設備の基準に適合している一般と畜場であつて、その所在地が保健所を設置する市にあるものについては、昭和六十年三月三十一日までは、改正後のと畜場法施行令(以下「新令」という。)第一条の規定は、適用しない。この場合において、旧令第一条の規定は、なおその効力を有する。 3 この政令の施行前に旧令第三条第二号の規定により都道府県知事がした許可(当該許可に係る場所が保健所を設置する市にある場合に限る。)は、新令第三条第二号の規定により保健所を設置する市の長がした許可とみなす。 附 則 〔昭和六十年七月十二日政令第二百二十五号〕〔抄〕 1 この政令は、公布の日から施行する。 附 則 〔平成九年十一月十二日政令第三百二十六号〕 (施行期日) 1 この政令は、平成十年四月一日から施行する。ただし、第一条第四号ホ及び第二条第二号ニの改正規定は、公布の日から施行する。 (経過措置) 2 この政令の施行の際現に改正前の第一条に規定する構造設備の基準に適合している一般と畜場であって、牛又は馬のとさつ又は解体を行うものについては平成十二年三月三十一日まで、豚、めん羊又は山羊のとさつ又は解体を行うものについては平成十四年三月三十一日までは、改正後の第一条の規定は、適用しない。この場合において、改正前の第一条の規定は、なおその効力を有する。 附 則 〔平成十二年六月七日政令第三百九号〕〔抄〕 (施行期日) 1 この政令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。 附 則 〔平成十四年十一月七日政令第三百二十九号〕〔抄〕 (施行期日) 第一条 この政令は、平成十五年四月一日から施行する。 附 則 〔平成十五年五月三十日政令第二百三十七号〕 この政令は、公布の日から施行する。 附 則 〔平成十五年八月一日政令第三百五十号〕〔抄〕 (施行期日) 第一条 この政令は、食品衛生法等の一部を改正する法律の施行の日(平成十五年八月二十九日)から施行する。 附 則 〔平成十五年十二月十日政令第五百五号〕〔抄〕 (施行期日) 第一条 この政令は、食品衛生法等の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日(平成十六年二月二十七日)から施行する。