合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律 目次 第一章 総則(第一条・第二条) 第二章 基本方針等(第三条―第五条) 第三章 木材関連事業者による合法性の確認等の実施等(第六条―第十二条) 第四章 木材関連事業者の判断の基準となるべき事項等(第十三条・第十四条) 第五章 木材関連事業者の登録(第十五条―第二十二条) 第六章 登録実施機関(第二十三条―第三十七条) 第七章 雑則(第三十八条―第四十三条) 第八章 罰則(第四十四条―第四十九条) 附 則 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、我が国又は外国における違法な森林の伐採(以下「違法伐採」という。)及び違法伐採に係る木材の流通が地球温暖化の防止、自然環境の保全、林産物の供給等の森林の有する多面にわたる機能に影響を及ぼすおそれがあり、また、木材市場における公正な取引を害するおそれがあるものであることに鑑み、合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関し基本的な事項を定めるとともに、木材関連事業者による合法伐採木材等の利用の確保のための措置等を講ずることにより、自然環境の保全に配慮した木材産業の持続的かつ健全な発展を図り、もって地域及び地球の環境の保全に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「木材等」とは、木材(素材を含み、一度使用され、又は使用されずに収集され、若しくは廃棄されたもの及びこれらを材料とするものを除く。以下この条において同じ。)及び木材を加工し、又は主たる原料として製造した家具、紙等の物品であって主務省令で定めるもの(一度使用され、又は使用されずに収集され、若しくは廃棄されたものを除く。)をいう。 2 この法律において「合法伐採木材等」とは、我が国又は原産国の法令(我が国の法令にあっては、条例を含む。第六条第一項第一号において同じ。)に適合して伐採された樹木を材料とする木材及び当該木材を加工し、又は主たる原料として製造した家具、紙等の物品であって主務省令で定めるもの(一度使用され、又は使用されずに収集され、若しくは廃棄されたものを除く。)をいう。 3 この法律において「素材生産販売事業者」とは、自ら所有する樹木又は樹木の所有者から委託を受けて伐採した樹木を材料として生産した素材の販売又は販売の委託をする事業を行う者をいう。 4 この法律において「木材関連事業者」とは、次に掲げる事業を行う者をいう。 一 木材等の製造、加工、輸入、輸出又は販売(自ら所有する樹木又は樹木の所有者から委託を受けて伐採した樹木を材料として生産した素材の販売を除く。)をする事業 二 素材生産販売事業者から委託を受けて素材の販売をする事業 三 木材を使用して建築物その他の工作物の建築又は建設をする事業 四 前三号に掲げるもののほか、木材等を利用する事業であって主務省令で定めるもの 第二章 基本方針等 (基本方針) 第三条 主務大臣は、合法伐採木材等の流通及び利用を総合的かつ計画的に推進するため、合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する基本方針(以下この条及び第十三条第二項において単に「基本方針」という。)を定めるものとする。 2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。 一 合法伐採木材等の流通及び利用の促進の基本的方向 二 第七条第二項に規定する合法性確認木材等の流通及び利用の促進のための措置に関する事項 三 前号に掲げるもののほか、合法伐採木材等の流通及び利用の促進のための措置に関する事項 四 合法伐採木材等の流通及び利用の促進の意義に関する知識の普及に係る事項 五 その他合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する重要事項 3 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを改定しようとするときは、環境大臣その他の関係行政機関の長に協議しなければならない。 4 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを改定したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。 (国の責務) 第四条 国は、合法伐採木材等の流通及び利用を促進するために必要な資金の確保その他の措置を講ずるよう努めなければならない。 2 国は、合法伐採木材等の流通及び利用の促進に資するため、国内外の木材等の生産及び流通の状況並びに我が国及び外国の森林の持続可能な利用に関する法令、貿易等に関する法令その他木材等の適正な流通の確保に関する法令に関する情報の収集及び提供、木材関連事業者による取組のうちその状況が優良なものの公表その他の必要な措置を講ずるとともに、第十五条の木材関連事業者の登録が促進されるよう、当該登録に係る制度の周知その他の必要な措置を講ずるものとする。 3 国は、教育活動、広報活動等を通じて、合法伐採木材等の流通及び利用を促進する意義に関する事業者及び国民の理解を深めるよう必要な措置を講ずるものとする。 (事業者の責務) 第五条 事業者は、木材等を利用するに当たっては、合法伐採木材等を利用するよう努めなければならない。 第三章 木材関連事業者による合法性の確認等の実施等 (木材関連事業者による合法性の確認等) 第六条 木材関連事業者は、その事業として次の各号に掲げる行為をするときは、当該各号に規定する木材等について、その原材料情報の収集又は整理をし、当該原材料情報を踏まえ、主務省令で定めるところにより、当該木材等が違法伐採に係る木材等に該当しない蓋然性が高いかどうかについての確認(以下「合法性の確認」という。)をしなければならない。 一 素材生産販売事業者からの素材(既に合法性の確認がされた素材であることが第八条又は第十三条第一項第五号の規定により伝達された情報により明らかであるものを除く。第九条において同じ。)の譲受け又は譲渡しの受託 二 外国において本邦に輸出される木材等の譲渡しをする事業を営む者からの木材等の譲受け又は譲渡しの受託 三 自ら所有する樹木又は樹木の所有者から委託を受けて伐採した樹木を材料として生産した素材の加工 2 前項の「原材料情報」とは、同項各号に規定する木材等の原材料である樹木についての次に掲げる情報をいう。 一 当該樹木の樹種及び当該樹木が伐採された地域 二 森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第十条の八第一項に規定する届出書の写し若しくは原産国の政府機関により発行された当該樹木が樹木の伐採に係る当該原産国の法令に適合して伐採されたことを証する証明書の写し又はこれらの写しに代わる当該木材等が違法伐採に係る木材等に該当しない蓋然性が高いことを証する情報として政令で定める情報(書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第三十一条において同じ。)によって作成されたものに限る。) (木材関連事業者による記録の作成及び保存) 第七条 前条第一項の規定により原材料情報(同条第二項に規定する原材料情報をいう。以下同じ。)の収集又は整理をした木材関連事業者は、主務省令で定めるところにより、当該原材料情報に関する記録を作成し、当該記録を作成した日から主務省令で定める期間保存しなければならない。 2 前条第一項の規定により合法性の確認をした木材関連事業者は、主務省令で定めるところにより、当該合法性の確認をした木材等が違法伐採に係る木材等に該当しない蓋然性が高いと確認した木材等(以下「合法性確認木材等」という。)であるか否かの別及びその理由に関する記録を作成し、当該記録を作成した日から主務省令で定める期間保存しなければならない。 (木材関連事業者による情報の伝達) 第八条 第六条第一項の規定により原材料情報の収集又は整理をした木材関連事業者は、当該原材料情報の収集又は整理をした木材等について他の木材関連事業者への譲渡しをするときは、主務省令で定めるところにより、前条第一項に規定する記録に関する情報として主務省令で定める情報及び当該木材等が合法性確認木材等であるか否かの別の情報を、当該他の木材関連事業者に伝達しなければならない。 (素材生産販売事業者による情報の提供) 第九条 素材生産販売事業者は、木材関連事業者に対して素材の譲渡し又は譲渡しの委託をするときは、当該木材関連事業者の求めに応じ、当該木材関連事業者がする合法性の確認に資する情報を提供しなければならない。 (指導及び助言) 第十条 主務大臣は、木材関連事業者に対し、第六条第一項の規定による原材料情報の収集若しくは整理、第七条第一項の規定による記録の作成及び保存又は第八条の規定による情報の伝達(第十三条第一項において「原材料情報の収集等」という。)の実施に関し必要があると認めるときは、必要な指導及び助言をすることができる。 2 主務大臣は、素材生産販売事業者に対し、前条の規定による情報の提供の実施に関し必要があると認めるときは、必要な指導及び助言をすることができる。 (勧告及び命令) 第十一条 主務大臣は、第六条第一項(原材料情報の収集又は整理に係る部分に限る。以下この項において同じ。)、第七条第一項又は第八条の規定に違反している木材関連事業者に対し、前条第一項の規定による指導又は助言をした場合において、その者がなお第六条第一項、第七条第一項又は第八条の規定に違反し、又は違反するおそれがあると認めるときは、当該木材関連事業者に対し、これらの規定の違反を是正するために必要な措置又はその違反を防止するために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。 2 主務大臣は、第九条の規定に違反している素材生産販売事業者に対し、前条第二項の規定による指導又は助言をした場合において、その者がなお第九条の規定に違反し、又は違反するおそれがあると認めるときは、当該素材生産販売事業者に対し、同条の規定の違反を是正するために必要な措置又はその違反を防止するために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。 3 主務大臣は、前二項の規定による勧告を受けた木材関連事業者又は素材生産販売事業者がその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。 4 主務大臣は、第一項又は第二項の規定による勧告を受けた木材関連事業者又は素材生産販売事業者が、前項の規定によりその勧告に従わなかった旨を公表された後において、なお、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該木材関連事業者又は素材生産販売事業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 (合法性確認木材等の量の報告) 第十二条 木材関連事業者(その事業としてする第六条第一項各号に掲げる行為に係る木材等の総量又は価額の総額が主務省令で定める基準以上である木材関連事業者に限る。)は、毎年一回、主務省令で定めるところにより、当該木材等の総量及びそのうちの合法性確認木材等の数量を主務大臣に報告しなければならない。 第四章 木材関連事業者の判断の基準となるべき事項等 (木材関連事業者の判断の基準となるべき事項) 第十三条 主務大臣は、合法伐採木材等の流通及び利用を促進するため、主務省令で、木材関連事業者が合法伐採木材等の利用を確保するために取り組むべき措置(原材料情報の収集等、合法性の確認並びに第七条第二項の規定による記録の作成及び保存(第四十条第一項において「合法性の確認等」という。)を除く。以下同じ。)に関し、木材関連事業者の判断の基準となるべき次に掲げる事項を定めるものとする。 一 合法伐採木材等の利用を確保するための体制の整備に関する事項 二 取り扱う木材等のうちの合法性確認木材等の数量を増加させるための措置に関する事項 三 前号に掲げるもののほか、合法伐採木材等の利用を確保し、違法伐採に係る木材等を利用しないようにするための措置に関する事項 四 木材等の譲受けをする場合において当該譲受けの相手方から伝達された第八条に規定する情報の保存に関する事項 五 木材等の譲渡しをする場合(第八条の規定により同条に規定する情報を伝達する場合を除く。)における当該譲渡しの相手方への当該情報の伝達に関する事項 六 その他合法伐採木材等の利用を確保するために必要な事項として主務省令で定める事項 2 前項の木材関連事業者の判断の基準となるべき事項は、基本方針に即し、かつ、国内外の木材等の生産及び流通の状況、我が国及び外国の森林の持続可能な利用に関する法令、貿易等に関する法令その他木材等の適正な流通の確保に関する法令の執行の状況、木材関連事業者の営む事業の種類その他の事情を勘案して定めるものとし、これらの事情の変動に応じて必要な改定をするものとする。 (指導及び助言) 第十四条 主務大臣は、合法伐採木材等の流通及び利用を促進するため必要があると認めるときは、木材関連事業者に対し、前条第一項の木材関連事業者の判断の基準となるべき事項を勘案して、合法伐採木材等の利用を確保するために取り組むべき措置について必要な指導及び助言をすることができる。 第五章 木材関連事業者の登録 (木材関連事業者の登録) 第十五条 木材関連事業者であってその取り扱う木材等について合法伐採木材等の利用を確保するために取り組むべき措置を講ずるものは、主務省令で定めるところにより、第二十三条から第二十五条までの規定により主務大臣の登録を受けた者(以下「登録実施機関」という。)が行う登録を受けることができる。 (登録の申請) 第十六条 前条の木材関連事業者の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を登録実施機関に提出しなければならない。 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名 二 合法伐採木材等の利用を確保するために取り組むべき措置を講ずる事業の範囲に係る事項として主務省令で定める事項 2 前項の申請書には、講じようとする合法伐採木材等の利用を確保するために取り組むべき措置の内容について主務省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。 (登録の実施) 第十七条 登録実施機関は、前条の規定による登録の申請があったときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除き、次に掲げる事項を木材関連事業者登録簿に登録しなければならない。 一 前条第一項各号に掲げる事項 二 登録年月日及び登録番号 2 登録実施機関は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を登録の申請者に通知するとともに、主務省令で定める事項を公示しなければならない。 (登録の拒否) 第十八条 登録実施機関は、第十六条の規定による登録の申請が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を拒否しなければならない。 一 申請者が、第十三条第一項の木材関連事業者の判断の基準となるべき事項を踏まえ、その取り扱う木材等について合法伐採木材等の利用を確保するために取り組むべき措置を適切かつ確実に講ずる者と認められないとき。 二 申請者がこの法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から一年を経過しない者であるとき。 三 申請者が第二十一条第一項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から一年を経過しない者であるとき。 四 申請者が法人である場合において、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるとき。 2 登録実施機関は、前項の規定により登録の拒否をしたときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を登録の申請者に通知しなければならない。 (登録の更新) 第十九条 第十五条の木材関連事業者の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。 2 前三条の規定は、前項の更新について準用する。 (名称の使用等) 第二十条 第十五条の木材関連事業者の登録を受けた者(以下「登録木材関連事業者」という。)は、主務省令で定めるところにより、当該登録に係る合法伐採木材等の利用を確保するために取り組むべき措置を講ずる事業の範囲において、登録木材関連事業者という名称を用いることができる。 2 登録木材関連事業者は、前項に定める場合を除き、登録木材関連事業者という名称又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。 3 登録木材関連事業者以外の者は、登録木材関連事業者という名称又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。 (登録の取消し) 第二十一条 登録実施機関は、登録木材関連事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該登録木材関連事業者について登録を取り消すことができる。 一 第十八条第一項各号のいずれかに該当するに至ったとき。 二 前条第二項の規定に違反して登録木材関連事業者という名称又はこれに紛らわしい名称を用いたとき。 三 不正の手段により第十五条の木材関連事業者の登録又はその更新を受けたとき。 2 第十八条第二項の規定は、前項の場合に準用する。 (登録の抹消) 第二十二条 登録実施機関は、前条第一項の規定による登録の取消しをしたとき又は登録の抹消の申請があったときは、当該登録木材関連事業者の登録を抹消するとともに、その旨を公示しなければならない。 第六章 登録実施機関 (登録実施機関の登録) 第二十三条 第十五条の主務大臣の登録(以下「登録実施機関の登録」という。)は、同条の木材関連事業者の登録の実施に関する事務(以下「登録実施事務」という。)を行おうとする者の申請により行う。 (欠格条項) 第二十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、登録実施機関の登録を受けることができない。 一 この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 二 第三十四条の規定により登録実施機関の登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者 三 法人であって、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの (登録実施機関の登録の要件等) 第二十五条 主務大臣は、第二十三条の規定により登録実施機関の登録を申請した者(前条各号のいずれかに該当する者を除く。以下この項において「登録申請者」という。)が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録実施機関の登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、主務省令で定める。 一 国際標準化機構及び国際電気標準会議が定めた製品、手続及びサービスの認証を行う機関に関する基準に適合する者その他の登録実施事務を適正に実施することができると認められる者であること。 二 登録申請者が、木材関連事業者に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。 イ 登録申請者が株式会社である場合にあっては、木材関連事業者がその親法人(会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第一項に規定する親法人をいう。)であること。 ロ 登録申請者の役員に占める木材関連事業者の役員又は職員(過去二年間に当該木材関連事業者の役員又は職員であった者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。 ハ 登録申請者(法人にあっては、その代表権を有する役員)が、木材関連事業者の役員又は職員(過去二年間に当該木材関連事業者の役員又は職員であった者を含む。)であること。 2 登録実施機関の登録は、登録実施機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。 一 登録実施機関の登録の年月日及び登録番号 二 登録実施機関の登録を受けた者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地) 三 登録実施機関の登録を受けた者が登録実施事務を行う事務所の所在地 (登録実施機関の登録の更新) 第二十六条 登録実施機関の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。 2 前三条の規定は、登録実施機関の登録の更新について準用する。 (登録実施の義務) 第二十七条 登録実施機関は、登録実施事務を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、登録実施事務を行わなければならない。 2 登録実施機関は、公正に、かつ、主務省令で定める基準に適合する方法により登録実施事務を行わなければならない。 (事務所の変更の届出) 第二十八条 登録実施機関は、登録実施事務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を主務大臣に届け出なければならない。 (登録実施事務規程) 第二十九条 登録実施機関は、登録実施事務に関する規程(次項において「登録実施事務規程」という。)を定め、登録実施事務の開始前に、主務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。 2 登録実施事務規程には、登録実施事務の実施方法、登録実施事務に関する料金その他の主務省令で定める事項を定めておかなければならない。 (登録実施事務の休廃止) 第三十条 登録実施機関は、登録実施事務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、主務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を主務大臣に届け出なければならない。 (財務諸表等の備付け及び閲覧等) 第三十一条 登録実施機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事務所に備えて置かなければならない。 2 木材関連事業者その他の利害関係人は、登録実施機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録実施機関の定めた費用を支払わなければならない。 一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 前号の書面の謄本又は抄本の請求 三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を主務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって主務省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 (適合命令) 第三十二条 主務大臣は、登録実施機関が第二十五条第一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その登録実施機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (改善命令) 第三十三条 主務大臣は、登録実施機関が第二十七条の規定に違反していると認めるときは、その登録実施機関に対し、登録実施事務を行うべきこと又は木材関連事業者の登録の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 (登録実施機関の登録の取消し等) 第三十四条 主務大臣は、登録実施機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録実施機関の登録を取り消し、又は期間を定めて登録実施事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。 一 第二十四条第一号又は第三号に該当するに至ったとき。 二 第二十八条から第三十条まで、第三十一条第一項又は次条の規定に違反したとき。 三 正当な理由がないのに第三十一条第二項の規定による請求を拒んだとき。 四 前二条の規定による命令に違反したとき。 五 不正の手段により登録実施機関の登録又はその更新を受けたとき。 (帳簿の記載等) 第三十五条 登録実施機関は、主務省令で定めるところにより、帳簿を備え、登録実施事務に関し主務省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。 (公示) 第三十六条 主務大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。 一 登録実施機関の登録をしたとき。 二 第二十八条又は第三十条の規定による届出があったとき。 三 第三十四条の規定により登録実施機関の登録を取り消し、又は登録実施事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。 (聴聞の方法の特例) 第三十七条 第三十四条の規定による処分に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。 第七章 雑則 (適切な連携) 第三十八条 国は、合法伐採木材等の流通及び利用の促進に当たっては、合法性確認木材等への需要の転換に寄与する活動を行う事業者、民間の団体等との適切な連携を図るものとする。 (国際協力の推進) 第三十九条 国は、木材資源の相当部分を輸入に依存する我が国において合法伐採木材等の流通及び利用を促進するためには、原産国においてその法令に適合した森林の伐採が確保されることが重要であることに鑑み、外国における違法伐採の抑止のための国際的な連携の確保その他の合法伐採木材等の流通及び利用に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずるものとする。 (報告及び立入検査) 第四十条 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、木材関連事業者に対し、合法性の確認等の実施状況若しくは合法伐採木材等の利用を確保するために取り組むべき措置の実施状況に関し報告をさせ、又はその職員に、木材関連事業者の事務所、工場、事業場若しくは倉庫に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。 2 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、素材生産販売事業者に対し、第九条の規定による情報の提供の実施状況に関し報告をさせ、又はその職員に、素材生産販売事業者の事務所、事業場若しくは素材の保管場所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。 3 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、登録実施機関に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、登録実施機関の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。 4 前三項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。 5 第一項から第三項までの規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 (関係行政機関等の協力) 第四十一条 主務大臣は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長又は関係地方公共団体の長に対し、必要な資料又は情報の提供、意見の開陳その他の協力を求めることができる。 (主務大臣等) 第四十二条 この法律における主務大臣は、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣とする。ただし、次の各号に掲げる事項については、当該各号に定める大臣とする。 一 第十条第一項の規定による指導及び助言、第十一条第一項の規定による勧告、同条第三項の規定による木材関連事業者の公表、同条第四項の規定による木材関連事業者に対する命令、第十二条の規定による報告の受理、第十三条第一項の規定による判断の基準となるべき事項の策定、同条第二項の規定による当該事項の改定、第十四条の規定による指導及び助言並びに第四十条第一項の規定による報告の徴収及び立入検査に関する事項 農林水産大臣及び当該木材関連事業者の事業を所管する大臣 二 第十条第二項の規定による指導及び助言、第十一条第二項の規定による勧告、同条第三項の規定による素材生産販売事業者の公表、同条第四項の規定による素材生産販売事業者に対する命令並びに第四十条第二項の規定による報告の徴収及び立入検査に関する事項 農林水産大臣 2 この法律における主務省令は、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣の発する命令とする。ただし、第六条第一項、第七条、第八条、第十二条及び第十三条第一項の主務省令については、農林水産大臣及び当該木材関連事業者の事業を所管する大臣の発する命令とする。 3 この法律に規定する主務大臣の権限は、主務省令で定めるところにより、その一部を地方支分部局の長に委任することができる。 (省令への委任) 第四十三条 この法律に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、主務省令で定める。 第八章 罰則 第四十四条 第三十四条の規定による登録実施事務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 第四十五条 第十一条第四項の規定による命令に違反したときは、その違反行為をした者は、百万円以下の罰金に処する。 第四十六条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。 一 第二十条第三項の規定に違反したとき。 二 第三十条の規定による届出をしないで登録実施事務の全部若しくは一部を休止し、若しくは廃止し、又は虚偽の届出をしたとき。 三 第三十五条の規定に違反して、帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。 四 第四十条第三項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。 第四十七条 第四十条第一項又は第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、その違反行為をした者は、二十万円以下の罰金に処する。 第四十八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関し第四十四条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 第四十九条 第三十一条第一項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第二項各号の規定による請求を拒んだ者は、二十万円以下の過料に処する。 附 則 〔抄〕 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から起算して一年を経過した日から施行する。 (経過措置) 2 この法律の施行の際現に登録木材関連事業者という名称又はこれに紛らわしい名称を用いている者については、第十三条第三項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。 (検討) 3 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 附 則 〔令和四年六月十七日法律第六十八号〕〔抄〕 (施行期日) 1 この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第五百九条の規定 公布の日 附 則 〔令和五年五月八日法律第二十二号〕〔抄〕 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (経過措置) 第二条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律第八条の規定によりされている登録についてのこの法律による改正後の合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(以下「新法」という。)第二十一条第一項の規定の適用については、この法律の施行の日からその登録が新法第十九条第一項の更新を受けるまでの間は、新法第二十一条第一項第一号中「第十八条第一項第一号、第二号又は第四号」とあるのは、「第十八条第一項第二号若しくは第四号又は合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律の一部を改正する法律(令和五年法律第○号)による改正前の第十一条第一項第一号」とする。 (調整規定) 第三条 この法律の施行の日が刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(令和四年法律第六十八号)の施行の日前である場合には、同法第二百七十五条第三十四号中「第三十六条」とあるのは、「第四十四条」とする。 (検討) 第四条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、新法の規定の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 (登録免許税法の一部改正) 第五条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。 別表第一第九十一号の二中「第八条」を「第十五条」に改める。