資金移動業者に関する内閣府令(平成二十二年内閣府令第四号)
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資金移動業者に関する内閣府令
平成二十二年三月一日内閣府令第四号
資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)及び資金決済に関する法律施行令(平成二十二年政令第十九号)の規定に基づき、並びに同法及び同令を実施するため、資金移動業者に関する内閣府令を次のように定める。
第一章 総則(第一条―第十条)
第二章 業務(第十一条―第三十二条)
第三章 監督(第三十三条―第三十六条)
第四章 雑則(第三十七条―第四十二条)
附則
第一章 総則
(定義)
第一条この府令において「資金移動業」、「資金移動業者」、「外国資金移動業者」、「認定資金決済事業者協会」、「信託会社等」又は「銀行等」とは、それぞれ資金決済に関する法律(以下「法」という。)第二条に規定する資金移動業、資金移動業者、外国資金移動業者、認定資金決済事業者協会、信託会社等又は銀行等をいう。
(訳文の添付)
第二条法(第三章に限る。次条において同じ。)、資金決済に関する法律施行令(以下「令」といい、第三章に限る。次条において同じ。)又はこの府令の規定により金融庁長官(令第二十九条第一項の規定により財務局長又は福岡財務支局長(以下「財務局長等」という。)に金融庁長官の権限が委任されている場合にあっては、当該財務局長等。第十二条、第十九条第五号及び第二十条を除き、以下同じ。)に提出する書類で、特別の事情により日本語をもって記載することができないものがあるときは、その訳文を付さなければならない。ただし、当該書類が定款であり、かつ、英語で記載されたものであるときは、その概要の訳文を付すことをもって足りるものとする。
(外国通貨の換算)
第三条法、令又はこの府令の規定により金融庁長官に提出する書類中、外国通貨をもって金額を表示するものがあるときは、当該金額を本邦通貨に換算した金額及びその換算に用いた標準を付記しなければならない。
(登録の申請)
第四条法第三十七条の登録を受けようとする者は、別紙様式第一号(外国資金移動業者にあっては、別紙様式第二号)により作成した法第三十八条第一項の登録申請書に、当該登録申請書の写し二通及び同条第二項の書類を添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
(登録申請書のその他の記載事項)
第五条法第三十八条第一項第十号に規定する内閣府令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
一各営業日における未達債務の額(法第四十三条第二項に規定する未達債務の額をいう。以下同じ。)の算出時点及びその算出方法
二資金移動業の利用者からの苦情又は相談に応ずる営業所の所在地及び連絡先
三加入する認定資金決済事業者協会の名称
(登録申請書の添付書類)
第六条法第三十八条第二項に規定する内閣府令で定める書類は、次に掲げる書類(官公署が証明する書類については、申請の日前三月以内に発行されたものに限る。)とする。
一別紙様式第三号により作成した法第四十条第一項各号に該当しないことを誓約する書面
二取締役等(法第四十条第一項第十号に規定する取締役等をいう。以下同じ。)の住民票の抄本(当該取締役等が外国人である場合には、外国人登録証明書の写し又は外国人登録済証明書)又はこれに代わる書面
三取締役等が法第四十条第一項第十号イ及びロに該当しない旨の官公署の証明書(当該取締役等が外国人である場合には、別紙様式第四号により作成した誓約書)又はこれに代わる書面
四別紙様式第五号又は第六号により作成した取締役等の履歴書又は沿革
五別紙様式第七号により作成した株主の名簿並びに定款及び登記事項証明書又はこれに代わる書面
六外国資金移動業者である場合にあっては、外国の法令の規定により当該外国において法第三十七条の登録と同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を受けて為替取引を業として営む者であることを証する書面
七最終の貸借対照表(関連する注記を含む。)及び損益計算書(関連する注記を含む。)又はこれらに代わる書面(登録の申請の日を含む事業年度に設立された法人にあっては、会社法(平成十七年法律第八十六号)第四百三十五条第一項の規定により作成するその成立の日における貸借対照表又はこれに代わる書面)
八会計監査人設置会社である場合にあっては、登録の申請の日を含む事業年度の前事業年度の会社法第三百九十六条第一項の規定による会計監査報告の内容を記載した書面
九事業開始後三事業年度における資金移動業に係る収支の見込みを記載した書面
十資金移動業に関する組織図(内部管理に関する業務を行う組織を含む。)
十一資金移動業を管理する責任者の履歴書
十二資金移動業に関する社内規則等(社内規則その他これに準ずるものをいう。第三十二条において同じ。)
十三資金移動業の利用者と為替取引を行う際に使用する契約書類
十四資金移動業を第三者に委託する場合にあっては、当該委託に係る契約の契約書
十五その他参考となる事項を記載した書面
(登録申請者への通知)
第七条金融庁長官は、法第三十九条第二項に規定する登録の通知をするときは、別紙様式第八号により作成した登録済通知書により行うものとする。
(資金移動業者登録簿の縦覧)
第八条金融庁長官は、その登録をした資金移動業者に係る資金移動業者登録簿を当該資金移動業者の本店(外国資金移動業者にあっては、国内における主たる営業所。以下同じ。)の所在地を管轄する財務局又は福岡財務支局に備え置き、公衆の縦覧に供するものとする。
(登録の拒否の通知)
第九条金融庁長官は、法第四十条第二項の規定による通知をするときは、別紙様式第九号により作成した登録拒否通知書により行うものとする。
(変更の届出)
第十条資金移動業者は、法第四十一条第一項の規定による届出をしようとするときは、別紙様式第十号により作成した変更届出書に、当該変更届出書の写し二通及び次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める書類(官公署が証明する書類については、届出の日前三月以内に発行されたものに限る。)を添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
一商号を変更した場合当該変更に係る事項を記載した登記事項証明書又はこれに代わる書面及び別紙様式第三号により作成した法第四十条第一項各号に該当しないことを誓約する書面
二資本金の額を変更した場合当該変更に係る事項を記載した登記事項証明書又はこれに代わる書面
三営業所の設置、位置の変更又は廃止をした場合(第九号に掲げる場合を除く。)当該変更に係る事項を記載した登記事項証明書
四取締役等に変更があった場合新たに取締役等になった者に係る第六条第二号から第四号までに掲げる書類及び当該変更に係る同条第五号に掲げる書類並びに別紙様式第三号により作成した法第四十条第一項各号に該当しないことを誓約する書面
五主要株主(総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。)の百分の十以上の議決権を保有している株主をいう。)に変更があった場合別紙様式第七号により作成した株主の名簿
六資金移動業の内容又は方法に変更があった場合当該変更があった事項に係る第六条第十号から第十三号までに掲げる書類
七委託に係る業務の内容又は委託先に変更があった場合当該変更があった事項に係る第六条第十四号に掲げる書類
八他に行っている事業に変更があった場合当該変更に係る事項を記載した登記事項証明書又はこれに代わる書面
九法第三十七条の登録を財務局長等から受けている資金移動業者が本店の所在地を他の財務局長等の管轄する区域に変更した場合第三号に定める書類及び当該変更前に交付を受けた第七条の登録済通知書
十認定資金決済事業者協会に加入し、又は脱退した場合認定資金決済事業者協会に加入し、又は脱退した事実が確認できる書面
2財務局長等は、前項第九号に掲げる場合における同項の規定による届出があったときは、同号の他の財務局長等に当該届出があった旨を通知しなければならない。
3前項の通知を受けた財務局長等は、通知を受けた事項を資金移動業者登録簿に登録するとともに、当該届出をした者に対し第七条の登録済通知書により通知するものとする。
第二章 業務
(履行保証金の供託)
第十一条法第四十三条第一項に規定する内閣府令で定める期間は、一週間とする。
2法第四十三条第二項に規定する未達債務の額は、各営業日における未達債務算出時点において、当該資金移動業者が国内にある利用者に対して負担する為替取引に係る債務の額(国内にある利用者に対して負担する債務の額と国外にある利用者に対して負担する債務の額を区分できない場合には、当該資金移動業者がすべての利用者に対して負担する為替取引に係る債務の額)とする。
3資金移動業者がその行う為替取引に関し負担する債務に係る債権者である利用者に対して当該為替取引に関する債権を有する場合には、当該利用者ごとに算定した当該債務の額から当該債権の額を控除した額の合計額をもって前項に掲げる未達債務の額を算出することができる。
4為替取引が外国通貨で表示された金額で行われる場合における第二項の未達債務の額の算出は、各営業日における外国為替の売買相場により、外国通貨で表示された金額を本邦通貨で表示された金額へ換算して行うものとする。
5法第四十三条第二項に規定する権利の実行の手続に関する費用の額は、次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に掲げる方法により算出した額とする。
一第二項の規定により算出した未達債務の額が一億円以下であるとき当該未達債務の額に百分の五を乗じて得た額
二第二項の規定により算出した未達債務の額が一億円を超えるとき当該未達債務の額から一億円を控除した残額に百分の一を乗じて得た額に五百万円を加えた額
6資金移動業に係る業務の承継が行われた場合には、当該業務を承継した者が法第四十三条第一項の規定により要供託額(同項に規定する要供託額をいう。以下同じ。)以上の額の履行保証金の供託(履行保証金の全部又は一部の供託に代えて法第四十四条の規定により履行保証金保全契約(同条に規定する履行保証金保全契約をいう。以下同じ。)を締結し、その旨を金融庁長官に届け出る場合を含む。)を行うまでの間及び法第四十五条第一項の規定により履行保証金信託契約(同項に規定する履行保証金信託契約をいう。以下同じ。)を締結し、金融庁長官の承認を受けて、当該承認の日の次の当該資金移動業者の営業日においてその直前の営業日における要履行保証額(法第四十三条第二項に規定する要履行保証額をいう。以下同じ。)以上の額の信託財産を信託するまでの間は、当該業務の承継を行った者が供託した履行保証金又は締結した履行保証金保全契約若しくは履行保証金信託契約は、当該業務を承継した者のために供託され、又は締結されたものとみなす。
(履行保証金に充てることができる債券の種類)
第十二条法第四十三条第三項に規定する内閣府令で定める債券は、次に掲げる債券とする。
一国債証券(その権利の帰属が社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)の規定による振替口座簿の記載又は記録により定まるものとされるものを含む。第十九条第五号において同じ。)
二地方債証券
三政府保証債券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項第三号に掲げる有価証券のうち政府が元本の償還及び利息の支払について保証しているものをいう。第二十条第二項第三号において同じ。)
四金融庁長官の指定する社債券その他の債券
(履行保証金に充てることができる債券の評価額)
第十三条法第四十三条第三項の規定により債券を履行保証金に充てる場合における当該債券の評価額は、次の各号に掲げる債券の区分に応じ、当該各号に定める額とする。
一前条第一号に掲げる債券額面金額(その権利の帰属が社債、株式等の振替に関する法律の規定による振替口座簿の記載又は記録により定まるものにあっては、振替口座簿に記載又は記録された金額。以下この条において同じ。)
二前条第二号に掲げる債券額面金額百円につき九十円として計算した額
三前条第三号に掲げる債券額面金額百円につき九十五円として計算した額
四前条第四号に掲げる債券額面金額百円につき八十円として計算した額
2割引の方法により発行した債券については、その発行価額に次の算式により算出した額を加えた額を額面金額とみなして、前項の規定を適用する。
((額面金額―発行価額)÷発行の日から償還の日までの年数)×発行の日から供託の日までの年数
3前項の算式による計算において、発行の日から償還の日までの年数及び発行の日から供託の日までの年数について生じた一年未満の端数並びに額面金額と発行価額との差額を発行の日から償還の日までの年数で除した金額について生じた一円未満の端数は、切り捨てる。
(履行保証金保全契約の届出)
第十四条法第四十四条の規定による届出をする者は、別紙様式第十一号により作成した履行保証金保全契約届出書に、履行保証金保全契約に係る契約書の写しを添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
(履行保証金保全契約を締結することができる銀行等が満たすべき要件等)
第十五条令第十六条第一項に規定する内閣府令で定める健全な自己資本の状況にある旨の区分は、次の各号に掲げる銀行等の種類に応じ、当該各号に掲げる区分とする。
一海外営業拠点を有する銀行(外国銀行支店(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第四十七条第二項に規定する外国銀行支店をいう。第六号において同じ。)を除く。次号において同じ。)、長期信用銀行又は信用金庫連合会最終の業務及び財産の状況に関する説明書類(当該説明書類に係る事業年度の翌事業年度の中間事業年度に係る説明書類がある場合にあっては、当該説明書類)における国際統一基準に係る単体自己資本比率が八パーセント以上であること。
二海外営業拠点を有しない銀行、長期信用銀行又は信用金庫連合会若しくは信用金庫最終の業務及び財産の状況に関する説明書類(当該説明書類に係る事業年度の翌事業年度の中間事業年度に係る説明書類がある場合にあっては、当該説明書類)における国内基準に係る単体自己資本比率が四パーセント以上であること。
三労働金庫、労働金庫連合会、信用協同組合、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会、農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第三号の事業を行う農業協同組合若しくは農業協同組合連合会、水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第十一条第一項第四号の事業を行う漁業協同組合、同法第八十七条第一項第四号の事業を行う漁業協同組合連合会、同法第九十三条第一項第二号の事業を行う水産加工業協同組合又は同法第九十七条第一項第二号の事業を行う水産加工業協同組合連合会最終の業務及び財産の状況に関する説明書類における単体自己資本比率が四パーセント以上であること。
四農林中央金庫最終の業務及び財産の状況に関する説明書類における単体自己資本比率が八パーセント以上であること。
五株式会社商工組合中央金庫最終の業務及び財産の状況に関する説明書類(当該説明書類に係る事業年度の翌事業年度の中間事業年度に係る説明書類がある場合にあっては、当該説明書類)における単体自己資本比率が八パーセント以上であること。
六外国銀行支店当該外国銀行支店に係る外国銀行(銀行法第十条第二項第八号に規定する外国銀行をいう。)が外国において適用される同法第十四条の二に規定する基準に相当する基準を満たしていること。
2前項第一号及び第二号の「海外営業拠点」とは、海外に所在する支店若しくは従たる事務所又は銀行業を営む外国の会社(銀行、長期信用銀行又は信用金庫連合会が総株主、総社員又は総出資者の議決権の百分の五十を超える議決権を保有しているものに限る。)であって、その所在地において常勤の役員又は従業員を持つものをいう。
3第一項第一号の「国際統一基準」とは、次項に規定する基準のうち海外営業拠点(前項に規定する海外営業拠点をいう。第五項において同じ。)を有する銀行、長期信用銀行又は信用金庫連合会に係るものをいう。
5第一項第二号の「国内基準」とは、前項に規定する基準のうち海外営業拠点を有しない銀行、長期信用銀行又は信用金庫連合会若しくは信用金庫に係るものをいう。
6第一項第三号の「単体自己資本比率」とは、労働金庫、労働金庫連合会、信用協同組合又は中小企業等協同組合法第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会にあっては労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第九十四条第一項又は協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条第一項において準用する銀行法第十四条の二第一号に規定する基準に係る算式により得られる比率を、農業協同組合法第十条第一項第三号の事業を行う農業協同組合又は農業協同組合連合会にあっては同法第十一条の二第一項第一号に規定する基準に係る算式により得られる比率を、水産業協同組合法第十一条第一項第四号の事業を行う漁業協同組合、同法第八十七条第一項第四号の事業を行う漁業協同組合連合会、同法第九十三条第一項第二号の事業を行う水産加工業協同組合又は同法第九十七条第一項第二号の事業を行う水産加工業協同組合連合会にあっては同法第十一条の六第一項第一号(同法第九十二条第一項、第九十六条第一項又は第百条第一項において準用する場合を含む。)に規定する基準に係る算式により得られる比率をいう。
7第一項第四号の「単体自己資本比率」とは、農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第五十六条第一号に規定する基準に係る算式により得られる比率をいう。
8第一項第五号の「単体自己資本比率」とは、株式会社商工組合中央金庫法(平成十九年法律第七十四号)第二十三条第一項第一号に規定する基準に係る算式により得られる比率をいう。
(履行保証金保全契約を締結することができる銀行等以外の者が満たすべき要件等)
第十六条令第十六条第二項に規定する内閣府令で定める健全な保険金等の支払能力の充実の状況にある旨の区分は、最終の業務及び財産の状況に関する説明書類における保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率が二百パーセント以上であることとする。
2前項に規定する「保険金等の支払能力の充実の状況を示す比率」とは、保険業法(平成七年法律第百五号)第百三十条、第二百二条又は第二百二十八条に規定する基準に係る算式により得られる比率をいう。
3令第十六条第二項に規定する内閣府令で定める者は、保険業法第二条第二項に規定する保険会社、同条第七項に規定する外国保険会社等又は同法第二百十九条第一項の免許を受けた者の引受社員(同項に規定する引受社員をいう。)とする。
(履行保証金保全契約の解除)
第十七条履行保証金保全契約を締結している資金移動業者は、次の各号に掲げる場合に該当することとなったときは、金融庁長官の承認を受けて、当該各号に定める履行保証金保全契約の全部又は一部を解除することができる。
一基準日における要供託額が、その直前の基準日における履行保証金の額と法第四十四条に規定する保全金額の合計額を下回る場合当該保全金額の範囲内において、その下回る額に達するまでの額に係る履行保証金保全契約
二法第五十九条第一項の権利の実行の手続が終了した場合当該履行保証金保全契約の全部
三為替取引に関し負担する債務の履行を完了した場合として令第十七条第二項に定める場合当該履行保証金保全契約の全部
四資金移動業者が履行保証金信託契約を締結し、金融庁長官の承認を受けた場合において、当該承認の日の次の当該資金移動業者の営業日においてその直前の営業日における要履行保証額以上の額の信託財産を信託したとき当該履行保証金保全契約の全部
2資金移動業者は、前項の承認を受けようとするときは、別紙様式第十二号により作成した履行保証金保全契約解除承認申請書に、第三十三条第一項第四号から第七号までに掲げる帳簿書類(前項の事実を証するものに限る。)の写しを添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
3金融庁長官は、第一項の承認をしたときは、別紙様式第十三号により作成した履行保証金保全契約解除承認書により資金移動業者に通知するものとする。
4資金移動業者は、第一項の承認を受けて履行保証金保全契約の全部又は一部を解除したときは、別紙様式第十四号により作成した履行保証金保全契約解除届出書に、当該解除後の契約書の写しを添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
(履行保証金信託契約の承認の申請)
第十八条資金移動業者は、法第四十五条第一項の承認を受けようとするときは、別紙様式第十五号により作成した履行保証金信託契約承認申請書に、当該履行保証金信託契約承認申請書の写し二通及び履行保証金信託契約に係る契約書の写しを添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
2金融庁長官は、前項の承認をしたときは、別紙様式第十六号により作成した履行保証金信託契約承認書により資金移動業者に通知するものとする。
3資金移動業者は、第一項の承認後最初に履行保証金信託契約に基づき財産を信託したときは、別紙様式第十七号により作成した履行保証金信託契約届出書に、信託財産の額及び当該届出の日前三営業日における要履行保証額を証する書面を添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
(履行保証金信託契約の内容)
第十九条法第四十五条第二項第七号に規定する内閣府令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
一信託契約資金移動業者(法第四十五条第二項第一号に規定する信託契約資金移動業者をいう。以下同じ。)を委託者とし、信託会社等を受託者とし、かつ、当該信託契約資金移動業者がその行う為替取引の利用者のうち国内にある利用者(信託契約資金移動業者が国内にある利用者に対して負担する債務の額と国外にある利用者に対して負担する債務の額を区分できない場合にあっては、当該資金移動業者が行う為替取引のすべての利用者)を信託財産の元本の受益者とすること。
二複数の履行保証金信託契約を締結する場合にあっては、当該複数の履行保証金信託契約について同一の受益者代理人を選任すること。
三信託契約資金移動業者が次に掲げる要件に該当することとなった場合には、信託契約資金移動業者が信託会社等に対して信託財産の運用の指図を行わないこと。
イ法第五十六条第一項又は第二項の規定により法第三十七条の登録を取り消されたとき。
ロ破産手続開始の申立て等(法第二条第十項に規定する破産手続開始の申立て等をいう。)が行われたとき。
ハ資金移動業の廃止(外国資金移動業者にあっては、国内に設けたすべての営業所における資金移動業の廃止。ハにおいて同じ。)をしたとき、又は法第六十一条第三項の規定による資金移動業の廃止の公告をしたとき。
ニ法第五十六条第一項の規定による資金移動業の全部又は一部の停止の命令(同項第三号に該当する場合に限る。)を受けたとき。
ホ金融庁長官が供託命令を発したとき。
四信託契約資金移動業者が前号に掲げる要件に該当することとなった場合には、受益者及び受益者代理人が信託会社等に対して受益債権を行使することができないこと。
五履行保証金信託契約(信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。以下この条において同じ。)へ金銭を信託するものであって元本補てんがあるものを除く。次号において同じ。)に基づき信託される信託財産の運用を行う場合にあっては、その運用が次に掲げる方法によること。
イ国債証券その他金融庁長官の指定する債券の保有
ロ銀行等に対する預貯金
ハ次に掲げる方法
(1)コール資金の貸付け
(2)受託者である信託業務を営む金融機関に対する銀行勘定貸
(3)金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第六条の規定により元本の補てんの契約をした金銭信託
六信託契約資金移動業者が信託財産を債券とし、又は履行保証金信託契約に基づき信託される信託財産を前号イに掲げる方法により運用する場合にあっては、信託会社等又は信託契約資金移動業者がその評価額を第二十一条に規定する方法により算定すること。
七履行保証金信託契約が信託業務を営む金融機関への金銭信託契約で元本補てんがある場合にあっては、その信託財産の元本の評価額を当該金銭信託契約の元本額とすること。
八複数の履行保証金信託契約を締結する場合にあっては、信託契約資金移動業者が、すべての信託会社等が、適時に、当該複数の履行保証金信託契約に基づき信託される信託財産の合計額を把握するために必要な措置を講じること。
九信託会社等が、信託契約資金移動業者から通知を受けた要履行保証額が大幅かつ急激に減少した場合、信託契約資金移動業者が要履行保証額を通知しない場合その他信託契約資金移動業者の履行保証金信託契約を履行せず、又は履行しないおそれがあると認めた場合には、直ちに金融庁長官にその旨を届け出ること。
十次に掲げる場合以外の場合には、履行保証金信託契約の全部又は一部の解除を行うことができないこと。
イ各営業日において信託されている信託財産の元本の評価額が、その直前の営業日における要履行保証額を超過する場合に、その超過額の範囲内で履行保証金信託契約の全部又は一部の解除を行う場合
ロ履行保証金信託契約に基づき信託されている信託財産を他の履行保証金信託契約に基づき信託される信託財産として信託することを目的として履行保証金信託契約の全部又は一部の解除を行う場合
ハ基準日における履行保証金の額と保全金額の合計額が、その直前の基準日における要供託額を上回る場合
十一前号に掲げる場合に行う履行保証金信託契約の全部又は一部の解除に係る信託財産を信託契約資金移動業者に帰属させるものであること。
十二信託会社等が法第四十六条の規定による命令に応じて、信託財産を換価し、金融庁長官が指定する供託所に供託すること。
十三信託会社等が法第四十六条の規定による命令に応じて供託した場合には、当該履行保証金信託契約を終了することができること。
十四前号の場合であって、当該履行保証金信託契約の全部が終了したときにおける残余財産を信託契約資金移動業者に帰属させることができること。
十五信託契約資金移動業者が信託会社等又は受益者代理人に支払うべき報酬その他一切の費用及び当該信託会社等が信託財産の換価に要する費用が信託財産の元本以外の財産をもって充てられること。
(信託財産とすることができる預貯金等の種類)
第二十条法第四十五条第三項に規定する内閣府令で定める預貯金は、銀行等に対する預貯金とする。
2法第四十五条第三項に規定する内閣府令で定める債券は、次に掲げる債券(その権利の帰属が社債、株式等の振替に関する法律の規定による振替口座簿の記載又は記録により定まるものとされるものを含む。以下同じ。)とする。
一国債証券
二地方債証券
三政府保証債券
四金融商品取引法施行令(昭和四十年政令第三百二十一号)第二条の十一に規定する債券
五外国の発行する債券(証券情報等の提供又は公表に関する内閣府令(平成二十年内閣府令第七十八号)第十三条第三号に掲げる場合に該当するものに限る。)
六金融庁長官の指定する社債券その他の債券
(信託財産とすることができる債券の評価額)
第二十一条法第四十五条第三項の規定により債券を信託財産とし、又は第十九条第五号イの規定により信託財産の運用として債券を保有する場合の当該債券の評価額は、次の各号に掲げる債券の区分に応じ、当該各号に定める率を資金移動業者の各営業日における当該債券の時価に乗じて得た額を超えない額とする。
一前条第二項第一号に掲げる債券百分の百
二前条第二項第二号に掲げる債券百分の九十
三前条第二項第三号に掲げる債券百分の九十五
四前条第二項第四号に掲げる債券百分の九十
五前条第二項第五号に掲げる債券百分の八十五
六前条第二項第六号に掲げる債券百分の八十
(金融庁長官の命令に基づく履行保証金の供託)
第二十二条法第四十六条の規定による命令に基づき履行保証金の供託を行う場合においては、履行保証金保全契約又は履行保証金信託契約を締結した資金移動業者の本店の最寄りの供託所に供託しなければならない。
2前項の供託をした者は、遅滞なく、別紙様式第十八号により作成した届出書に、当該供託に係る供託書正本を添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
(債務の履行をすることができない場合の公告)
第二十三条令第十七条第二項第二号の規定による公告は、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙により行うものとする。
(資金移動業に係る情報の安全管理措置)
第二十四条資金移動業者は、その業務の内容及び方法に応じ、資金移動業に係る電子情報処理組織の管理を十分に行うための措置を講じなければならない。
(個人利用者情報の安全管理措置等)
第二十五条資金移動業者は、その取り扱う個人である資金移動業の利用者に関する情報の安全管理、従業者の監督及び当該情報の取扱いを委託する場合にはその委託先の監督について、当該情報の漏えい、滅失又はき損の防止を図るために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
(特別の非公開情報の取扱い)
第二十六条資金移動業者は、その取り扱う個人である資金移動業の利用者に関する人種、信条、門地、本籍地、保健医療又は犯罪経歴についての情報その他の特別の非公開情報(その業務上知り得た公表されていない情報をいう。)を取り扱うときは、適切な業務の運営の確保その他必要と認められる目的以外の目的のために利用しないことを確保するための措置を講じなければならない。
(委託業務の適正かつ確実な遂行を確保するための措置)
第二十七条資金移動業者は、その業務を第三者に委託する場合には、当該業務の内容に応じ、次に掲げる措置を講じなければならない。
一当該業務を適正かつ確実に遂行することができる能力を有する者に委託するための措置
二委託先における当該業務の実施状況を、定期的に又は必要に応じて確認すること等により、委託先が当該業務を適正かつ確実に遂行しているかを検証し、必要に応じ改善させる等、委託先に対する必要かつ適切な監督等を行うための措置
三委託先が行う資金移動業に係る利用者からの苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な措置
四委託先が当該業務を適切に行うことができない事態が生じた場合には、他の適切な第三者に当該業務を速やかに委託する等、資金移動業の利用者の保護に支障が生じること等を防止するための措置
五資金移動業者の業務の適正かつ確実な遂行を確保し、当該業務に係る利用者の保護を図るため必要がある場合には、当該業務の委託に係る契約の変更又は解除をする等の必要な措置を講ずるための措置
(銀行等が行う為替取引との誤認防止)
第二十八条資金移動業者は、資金移動業の利用者との間で為替取引を行うときは、あらかじめ、当該利用者に対し、書面の交付その他の適切な方法により、銀行等が行う為替取引との誤認を防止するための説明を行わなければならない。
2資金移動業者は、前項に規定する説明を行う場合には、次に掲げる事項を説明するものとする。
一銀行等が行う為替取引ではないこと。
二預金若しくは貯金又は定期積金等(銀行法第二条第四項に規定する定期積金等をいう。)を受け入れるものではないこと。
四資金移動業者がその利用者のために行う履行保証金の供託、履行保証金保全契約又は履行保証金信託契約の別及び履行保証金保全契約若しくは履行保証金信託契約を締結している場合にあっては、これらの契約の相手方の氏名、商号又は名称
五その他銀行等が行う為替取引との誤認防止に関し参考となると認められる事項
3資金移動業者は、その営業所において、資金移動業の利用者と為替取引を行う場合には、前項第一号から第四号までに掲げる事項を当該利用者の目につきやすいように窓口に掲示しなければならない。
(利用者に対する情報の提供)
第二十九条資金移動業者は、資金移動業の利用者との間で為替取引を行うときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法により、当該為替取引に係る契約の内容についての情報を提供しなければならない。
一為替取引を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結することなく為替取引を行う場合為替取引に係る指図を行う利用者に対して次に掲げる事項を明示する方法
イ標準履行期間
ロ利用者が支払うべき手数料、報酬若しくは費用の金額若しくはその上限額又はこれらの計算方法
ハ利用者からの苦情又は相談に応ずる営業所の所在地及び連絡先
ニ為替取引が外国通貨で表示された金額で行われる場合においては当該金額を本邦通貨に換算した金額及びその換算に用いた標準又はこれらの計算方法
ホその他当該為替取引の内容に関し参考となると認められる事項
二為替取引を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結する場合当該契約の相手方となる利用者に対して次に掲げる事項を明示する方法
イ取り扱う為替取引の額の上限
ロ前号イからニまでに掲げる事項
ハ契約期間
ニ契約期間の中途での解約時の取扱い(手数料、報酬又は費用の計算方法を含む。)
ホその他当該契約の内容に関し参考となると認められる事項
2資金移動業者がその行う為替取引に関し負担する債務に係る権利を表章する証書その他の物(以下「為替証書等」という。)を発行して為替取引を行う場合であって、当該為替証書等に次に掲げる事項を表示したときは、前項の規定は、適用しない。
一当該為替証書等によって権利を行使することができる額又はその上限
二当該為替証書等によって権利を行使することができる期間又は期限が設けられている場合は、当該期間又は期限
三前項第一号ロからニまでに掲げる事項
四当該為替証書等によって権利を行使することができる施設又は場所の範囲
五当該為替証書等の利用上の必要な注意
六電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法をいう。)により金額を記録している為替証書等にあっては、その残高又は当該残高を知ることができる方法
(受取証書の交付)
第三十条資金移動業者は、その行う為替取引に関し、資金移動業の利用者から金銭その他の資金を受領したときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を当該利用者に交付しなければならない。ただし、資金移動業者が、為替証書等を発行して為替取引を行う場合は、この限りでない。
一資金移動業者の商号及び登録番号
二当該利用者から受領した資金の額
三受領年月日
2前項の規定は、預金又は貯金の口座に対する払込みにより資金を受領する場合にあっては、当該利用者の請求があったときに限り、適用する。
3資金移動業者は、第一項に規定する書面の交付に代えて、次項の規定により当該利用者の承諾を得て、第一項に掲げる事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、資金移動業者は、同項に規定する書面の交付を行ったものとみなす。
4資金移動業者は、前項の規定により第一項に掲げる事項を提供しようとするときは、あらかじめ、当該利用者に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。
5前項に規定する承諾を得た資金移動業者は、当該利用者から書面又は電磁的方法により電磁的方法による提供を受けない旨の申出があったときは、当該利用者に対し、第一項に掲げる事項の提供を電磁的方法によってしてはならない。ただし、当該利用者が再び前項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。
6前三項の「電磁的方法」とは、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法とする。
一電磁的方法による提供を受ける旨の承諾又は受けない旨の申出をする場合次に掲げる方法
イ承諾若しくは申出を受ける者又は同意を得る者の使用に係る電子機器に備えられたファイルにその旨を記録する方法
ロ磁気ディスク、シー・ディー・ロムその他これに準ずる方法により一定の情報を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルにその旨を記録したものを交付する方法
二前号に掲げる場合以外の場合次に掲げる方法
イ電子情報処理組織を使用する方法のうち次に掲げるもの
(1)送信者の使用に係る電子機器と受信者の使用に係る電子機器とを接続する電気通信回線を通じて送信し、当該受信者の使用に係る電子機器に備えられたファイルに記録する方法
(2)送信者の使用に係る電子機器に備えられたファイルに記録された情報の内容を電気通信回線を通じて受信者の閲覧に供し、当該受信者の使用に係る電子機器に備えられたファイルに当該情報を記録する方法
ロ磁気ディスク、シー・ディー・ロムその他これに準ずる方法により一定の情報を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに情報を記録したものを交付する方法
7前項各号に定める方法は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一前項第一号に定める方法にあっては、承諾又は申出を受ける者が承諾又は申出をする者に対し、電磁的方法による提供を受ける旨の承諾又は受けない旨の申出の内容を書面その他の適切な方法により通知するものであること。
二前項第二号に定める方法にあっては、受信者がファイルへの記録を出力すること(当該記録を他の電子機器に送信することその他の方法を用いて出力することを含む。)により書面を作成できるものであること。
三前項第二号イに掲げる方法のうち受信者の電子機器として携帯電話又はPHSを用いるものにあっては、送信した日又は閲覧に供した日から三月間、受信者の請求により、送信者が電磁的方法により提供した事項に係る書面の交付を行うものであること。
8第六項第二号イの「電子情報処理組織」とは、送信者の使用に係る電子機器と、受信者の使用に係る電子機器とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。
(その他利用者保護を図るための措置)
第三十一条資金移動業者は、その行う為替取引に関し、資金移動業の利用者の保護を図るため、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
一資金移動業者が、その行う為替取引について、捜査機関等から当該為替取引が詐欺等の犯罪行為に利用された旨の情報の提供があることその他の事情を勘案して犯罪行為が行われた疑いがあると認めるときは、当該為替取引の停止等を行う措置
二資金移動業者が、電気通信回線に接続している電子計算機を利用して、資金移動業の利用者と為替取引を行う場合にあっては、当該利用者が当該資金移動業者と他の者を誤認することを防止するための適切な措置
三資金移動業者が、資金移動業の利用者から電気通信回線に接続している電子計算機を利用して為替取引に係る指図を受ける場合にあっては、当該指図の内容を、当該利用者が当該指図に係る電子計算機の操作を行う際に容易に確認し及び訂正することができるようにするための適切な措置
(社内規則等)
第三十二条資金移動業者は、その業務の内容及び方法に応じ、資金移動業の利用者の保護を図り、及び資金移動業の適正かつ確実な遂行を確保するための措置(犯罪を防止するための措置を含む。)に関する社内規則等を定めるとともに、従業者に対する研修、委託先に対する指導その他の当該社内規則等に基づいて業務が運営されるための十分な体制を整備しなければならない。
第三章 監督
(資金移動業に関する帳簿書類の作成及び保存)
第三十三条法第五十二条に規定する資金移動業に関する帳簿書類は、次に掲げる帳簿書類とする。
一資金移動業に係る取引記録
二総勘定元帳
三顧客勘定元帳(資金移動業の利用者との間で為替取引を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結する場合に限る。)
四各営業日における未達債務の額及び要履行保証額の記録
五各基準日における要供託額の記録(信託契約資金移動業者を除く。)
六各基準日に係る履行保証金の額の記録(履行保証金を供託している場合に限る。)
七各営業日における信託財産の額の記録(信託契約資金移動業者に限る。)
八各営業日における資金移動業の利用者ごとの為替取引に関し負担する債務の額及び当該為替取引に関し有する債権の額の記録(第十一条第三項の規定により未達債務の額を算出する場合に限る。)
2資金移動業者は、帳簿の閉鎖の日から、前項第一号から第三号まで及び第八号に掲げる帳簿書類にあっては少なくとも十年間、同項第四号から第七号までに掲げる帳簿書類にあっては少なくとも五年間、当該帳簿書類を保存しなければならない。
(資金移動業に関する報告書)
第三十四条法第五十三条第一項の資金移動業に関する報告書は、事業概況書及び資金移動業に係る収支の状況を記載した書面に分けて、別紙様式第十九号(外国資金移動業者にあっては、別紙様式第二十号)により作成して、事業年度の末日から三月以内に金融庁長官に提出しなければならない。
2前項の報告書を提出しようとするときは、当該報告書にその写し二通並びに最終の貸借対照表(関連する注記を含む。)及び損益計算書(関連する注記を含む。)を添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
(未達債務の額等に関する報告書)
第三十五条法第五十三条第二項の報告書は、別紙様式第二十一号により作成し、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める日(以下この条において「基準日」という。)ごとに、当該基準日から一月以内に金融庁長官に提出しなければならない。
一法第四十三条第一項の履行保証金の全部の供託に代えて、履行保証金保全契約を締結し、その旨を金融庁長官に届け出ている資金移動業者毎年三月三十一日及び九月三十日
二法第四十三条第一項の履行保証金の供託を行う資金移動業者毎年三月三十一日、六月三十日、九月三十日及び十二月三十一日
三信託契約資金移動業者毎月末日
2前項の報告書を提出しようとするときは、当該報告書にその写し二通を添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
3法第四十三条第一項の規定による供託をした資金移動業者は、第一項の報告書に、供託に係る供託書正本の写しを添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
4法第四十四条の規定による届出をした資金移動業者が履行保証金保全契約の内容の変更(当該履行保証金保全契約の一部の解除を除く。)をし、又は履行保証金保全契約を更新した場合には、第一項の報告書に、その契約書又はその旨を証する書面の写しを添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
5信託契約資金移動業者は、第一項の報告書に、信託会社等が発行する基準日における信託財産の額を証明する書面を添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
6金融庁長官は、必要があると認めるときは、資金移動業者に対し、第三項の供託書正本又は第四項の契約書の正本の提出を命ずることができる。
(公告の方法)
第三十六条法第五十六条第二項及び第五十八条の規定による公告は、官報によるものとする。
第四章 雑則
(権利実行事務代行者への委託)
第三十七条金融庁長官は、法第五十九条第三項に規定する権利実行事務代行者に対し、同条第二項の規定による公示に係る事務、令第十九条第二項の規定による通知に係る事務、同条第四項の規定による権利の調査(同項に規定する公示又は機会の付与を含む。)に係る事務、同条第五項の規定による配当表の作成、公示又は通知に係る事務、同条第十項及び第十一項の規定による仮配当に係る事務その他の権利の実行の手続に関する事務の全部又は一部を委託することができる。
(廃止の届出等)
第三十八条法第六十一条第一項の規定による届出をしようとする者は、別紙様式第二十二号により作成した届出書に、当該届出書の写し二通を添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
2前項の届出書には、次に掲げる事項を記載するものとする。
一商号
二登録年月日及び登録番号
三届出事由
四法第六十一条第一項各号のいずれかに該当することとなった年月日
五資金移動業を廃止したときは、その理由
六事業譲渡、合併又は会社分割その他の事由により資金移動業を廃止したときは、当該業務の承継方法及びその承継先
3法第六十一条第三項の規定による公告は、官報又は時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙により行うものとする。
4法第六十一条第三項の規定による公告及び営業所での掲示には、同条第五項の規定による債務の履行の完了の方法を示すものとする(事業譲渡、合併又は会社分割その他の事由により当該承継に係る公告をする場合を除く。)。
5資金移動業者は、法第六十一条第三項の規定による公告をしたときは、直ちに、別紙様式第二十三号により作成した届出書に、当該公告の写しを添付して、金融庁長官に提出しなければならない。
6資金移動業者が事業譲渡、合併又は会社分割その他の事由により資金移動業を廃止したときは、前項の届出書には、当該業務の承継に係る契約の内容及び当該業務の承継方法を記載した書面を添付しなければならない。
(法令違反行為等の届出)
第三十九条資金移動業者は、取締役等又は従業者に資金移動業に関し法令に違反する行為又は資金移動業の適正かつ確実な遂行に支障を来す行為があったことを知った場合には、当該事実を知った日から二週間以内に、別紙様式第二十四号に従い、次に掲げる事項を記載した届出書を財務局長等に提出しなければならない。
一当該行為が発生した営業所の名称
二当該行為を行った取締役等又は従業者の氏名又は名称及び役職名
三当該行為の概要
(経由官庁)
第四十条資金移動業者は、第四条に規定する登録申請書その他法及びこの府令に規定する書類(以下この条及び次条において「申請書等」という。)を財務局長等に提出しようとする場合において、当該資金移動業者の本店の所在地を管轄する財務事務所又は小樽出張所若しくは北見出張所があるときは、当該資金移動業者は、当該申請書等を当該財務事務所長又は出張所長を経由してこれを提出しなければならない。
(申請書等の認定資金決済事業者協会の経由)
第四十一条資金移動業者は、申請書等を財務局長等に提出しようとするとき(前条の規定により財務事務所長又は出張所長を経由するときを含む。)は、認定資金決済事業者協会を経由して提出することができる。
(標準処理期間)
第四十二条金融庁長官は、法、令又はこの府令の規定による登録に関する申請がその事務所に到達してから二月以内に、当該申請に対する処分をするよう努めるものとする。
2第十七条第一項に規定する履行保証金保全契約の解除の承認に関する申請に対する処分は、二十日以内にするよう努めるものとする。
3前二項に規定する期間には、次に掲げる期間を含まないものとする。
一当該申請を補正するために要する期間
二当該申請をした者が当該申請の内容を変更するために要する期間
三当該申請をした者が当該申請に係る審査に必要と認められる資料を追加するために要する期間