国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)
最終更新:平成二十四年法律第二十八号
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  • April 24, 2015
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国民健康保険法(二十八号の一部は、平成二十七年四月一日施行のため未改正)
昭和三十三年十二月二十七日法律第百九十二号
第一章 総則(第一条―第四条)
第二章 市町村(第五条―第十二条)
第三章 国民健康保険組合
第一節 通則(第十三条―第二十二条)
第二節 管理(第二十三条―第三十一条)
第三節 解散及び合併(第三十二条―第三十四条)
第四節 雑則(第三十五条)
第四章 保険給付
第一節 療養の給付等(第三十六条―第五十七条の三)
第二節 その他の給付(第五十八条)
第三節 保険給付の制限(第五十九条―第六十三条の二)
第四節 雑則(第六十四条―第六十八条)
第四章の二 広域化等支援方針(第六十八条の二・第六十八条の三)
第五章 費用の負担(第六十九条―第八十一条)
第六章 保健事業(第八十二条)
第七章 国民健康保険団体連合会(第八十三条―第八十六条)
第八章 診療報酬審査委員会(第八十七条―第九十条)
第九章 審査請求(第九十一条―第百三条)
第九章の二 保健事業等に関する援助等(第百四条・第百五条)
第十章 監督(第百六条―第百九条)
第十一章 雑則(第百十条―第百二十条)
第十二章 罰則(第百二十条の二―第百二十八条)
附 則
第一章 総則
(この法律の目的)
第一条この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。
(国民健康保険)
第二条国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとする。
(保険者)
第三条市町村及び特別区は、この法律の定めるところにより、国民健康保険を行うものとする。
国民健康保険組合は、この法律の定めるところにより、国民健康保険を行うことができる。
(国及び都道府県の義務)
第四条国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるようにつとめなければならない。
都道府県は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるように、必要な指導をしなければならない。
第二章 市町村
(被保険者)
第五条市町村又は特別区(以下単に「市町村」という。)の区域内に住所を有する者は、当該市町村が行う国民健康保険の被保険者とする。
(適用除外)
第六条前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者は、市町村が行う国民健康保険の被保険者としない。
健康保険法(大正十一年法律第七十号)の規定による被保険者。ただし、同法第三条第二項の規定による日雇特例被保険者を除く。
船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の規定による被保険者
国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)又は地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)に基づく共済組合の組合員
私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)の規定による私立学校教職員共済制度の加入者
健康保険法の規定による被扶養者。ただし、同法第三条第二項の規定による日雇特例被保険者の同法の規定による被扶養者を除く。
船員保険法国家公務員共済組合法(他の法律において準用する場合を含む。)又は地方公務員等共済組合法の規定による被扶養者
健康保険法第百二十六条の規定により日雇特例被保険者手帳の交付を受け、その手帳に健康保険印紙をはり付けるべき余白がなくなるに至るまでの間にある者及び同法の規定によるその者の被扶養者。ただし、同法第三条第二項ただし書の規定による承認を受けて同項の規定による日雇特例被保険者とならない期間内にある者及び同法第百二十六条第三項の規定により当該日雇特例被保険者手帳を返納した者並びに同法の規定によるその者の被扶養者を除く。
高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)の規定による被保険者
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)による保護を受けている世帯(その保護を停止されている世帯を除く。)に属する者
国民健康保険組合の被保険者
十一その他特別の理由がある者で厚生労働省令で定めるもの
(資格取得の時期)
第七条市町村が行う国民健康保険の被保険者は、当該市町村の区域内に住所を有するに至つた日又は前条各号のいずれにも該当しなくなつた日から、その資格を取得する。
(資格喪失の時期)
第八条市町村が行う国民健康保険の被保険者は、当該市町村の区域内に住所を有しなくなつた日の翌日又は第六条各号(第九号及び第十号を除く。)のいずれかに該当するに至つた日の翌日から、その資格を喪失する。ただし、当該市町村の区域内に住所を有しなくなつた日に他の市町村の区域内に住所を有するに至つたときは、その日から、その資格を喪失する。
市町村が行う国民健康保険の被保険者は、第六条第九号又は第十号に該当するに至つた日から、その資格を喪失する。
(届出等)
第九条被保険者の属する世帯の世帯主(以下単に「世帯主」という。)は、厚生労働省令の定めるところにより、その世帯に属する被保険者の資格の取得及び喪失に関する事項その他必要な事項を市町村に届け出なければならない。
世帯主は、市町村に対し、その世帯に属するすべての被保険者に係る被保険者証の交付を求めることができる。
市町村は、保険料(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定による国民健康保険税を含む。以下この項、第七項、第六十三条の二、第六十八条の二第二項第四号、附則第七条第一項第三号並びに附則第二十一条第三項第三号及び第四項第三号において同じ。)を滞納している世帯主(その世帯に属するすべての被保険者が原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成六年法律第百十七号)による一般疾病医療費の支給その他厚生労働省令で定める医療に関する給付(第六項及び第八項において「原爆一般疾病医療費の支給等」という。)を受けることができる世帯主を除く。)が、当該保険料の納期限から厚生労働省令で定める期間が経過するまでの間に当該保険料を納付しない場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認められる場合を除き、厚生労働省令で定めるところにより、当該世帯主に対し被保険者証の返還を求めるものとする。
市町村は、前項に規定する厚生労働省令で定める期間が経過しない場合においても、同項に規定する世帯主に対し被保険者証の返還を求めることができる。ただし、同項に規定する政令で定める特別の事情があると認められるときは、この限りでない。
前二項の規定により被保険者証の返還を求められた世帯主は、市町村に当該被保険者証を返還しなければならない。
前項の規定により世帯主が被保険者証を返還したときは、市町村は、当該世帯主に対し、その世帯に属する被保険者(原爆一般疾病医療費の支給等を受けることができる者及び十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者を除く。)に係る被保険者資格証明書(その世帯に属する被保険者の一部が原爆一般疾病医療費の支給等を受けることができる者又は十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者であるときは当該被保険者資格証明書及びそれらの者に係る被保険者証(十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者(原爆一般疾病医療費の支給等を受けることができる者を除く。)にあつては、有効期間を六月とする被保険者証。以下この項において同じ。)、その世帯に属するすべての被保険者が原爆一般疾病医療費の支給等を受けることができる者又は十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者であるときはそれらの者に係る被保険者証)を交付する。
市町村は、被保険者資格証明書の交付を受けている世帯主が滞納している保険料を完納したとき又はその者に係る滞納額の著しい減少、災害その他の政令で定める特別の事情があると認めるときは、当該世帯主に対し、その世帯に属するすべての被保険者に係る被保険者証を交付する。
世帯主が被保険者資格証明書の交付を受けている場合において、その世帯に属する被保険者が原爆一般疾病医療費の支給等を受けることができる者となつたときは、市町村は、当該世帯主に対し、当該被保険者に係る被保険者証を交付する。
世帯主は、その世帯に属する被保険者がその資格を喪失したときは、厚生労働省令の定めるところにより、速やかに、市町村にその旨を届け出るとともに、当該被保険者に係る被保険者証又は被保険者資格証明書を返還しなければならない。
10市町村は、被保険者証及び被保険者資格証明書の有効期間を定めることができる。この場合において、この法律の規定による保険料(地方税法の規定による国民健康保険税を含む。)を滞納している世帯主(第三項の規定により市町村が被保険者証の返還を求めるものとされる者を除く。)及びその世帯に属する被保険者、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)の規定による保険料を滞納している世帯主(同法第八十八条第二項の規定により保険料を納付する義務を負う者を含み、厚生労働大臣が厚生労働省令で定める要件に該当するものと認め、その旨を市町村に通知した者に限る。)及びその世帯に属する被保険者その他厚生労働省令で定める者の被保険者証については、特別の有効期間を定めることができる。ただし、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者が属する世帯の世帯主又はその世帯に属する被保険者の被保険者証について六月未満の特別の有効期間を定める場合においては、当該者に係る被保険者証の特別の有効期間は、六月以上としなければならない。
11市町村は、前項の規定により被保険者証又は被保険者資格証明書の有効期間を定める場合(被保険者証につき特別の有効期間を定める場合を含む。)には、同一の世帯に属するすべての被保険者(同項ただし書に規定する場合における当該世帯に属する十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者その他厚生労働省令で定める者を除く。)について同一の有効期間を定めなければならない。
12第十項の規定による厚生労働大臣の通知の権限に係る事務は、日本年金機構に行わせるものとする。
13国民年金法第百九条の四第三項、第四項、第六項及び第七項の規定は、前項の通知の権限について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
14住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第二十二条から第二十四条まで、第二十五条、第三十条の四十六又は第三十条の四十七の規定による届出があつたとき(当該届出に係る書面に同法第二十八条の規定による付記がされたときに限る。)は、その届出と同一の事由に基づく第一項又は第九項の規定による届出があつたものとみなす。
15前各項に規定するもののほか、被保険者に関する届出並びに被保険者証及び被保険者資格証明書に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。
(特別会計)
第十条市町村は、国民健康保険に関する収入及び支出について、政令の定めるところにより、特別会計を設けなければならない。
(国民健康保険運営協議会)
第十一条国民健康保険事業の運営に関する重要事項を審議するため、市町村に国民健康保険運営協議会を置く。
前項に規定するもののほか、国民健康保険運営協議会に関して必要な事項は、政令で定める。
第十二条削除
第三章 国民健康保険組合
第一節 通則
(組織)
第十三条国民健康保険組合(以下「組合」という。)は、同種の事業又は業務に従事する者で当該組合の地区内に住所を有するものを組合員として組織する。
前項の組合の地区は、一又は二以上の市町村の区域によるものとする。ただし、特別の理由があるときは、この区域によらないことができる。
第一項の規定にかかわらず、第六条各号(第八号及び第十号を除く。)のいずれかに該当する者及び他の組合が行う国民健康保険の被保険者である者は、組合員となることができない。ただし、その者の世帯に同条各号(第十号を除く。)のいずれにも該当せず、かつ、他の組合が行う国民健康保険の被保険者でない者があるときは、この限りでない。
第一項の規定にかかわらず、組合に使用される者で、第六条各号(第八号及び第十号を除く。)のいずれにも該当せず、かつ、他の組合が行う国民健康保険の被保険者でないものは、当該組合の組合員となることができる。
(人格)
第十四条組合は、法人とする。
(名称)
第十五条組合は、その名称中に「国民健康保険組合」という文字を用いなければならない。
組合以外の者は、「国民健康保険組合」という名称又はこれに類する名称を用いてはならない。
(住所)
第十六条組合の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
(設立)
第十七条組合を設立しようとするときは、主たる事務所の所在地の都道府県知事の認可を受けなければならない。
前項の認可の申請は、十五人以上の発起人が規約を作成し、組合員となるべき者三百人以上の同意を得て行うものとする。
都道府県知事は、第一項の認可の申請があつた場合においては、当該組合の地区をその区域に含む市町村の長の意見をきき、当該組合の設立によりこれらの市町村の国民健康保険事業の運営に支障を及ぼさないと認めるときでなければ、同項の認可をしてはならない。
組合は、設立の認可を受けた時に成立する。
(規約の記載事項)
第十八条組合の規約には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
名称
事務所の所在地
組合の地区及び組合員の範囲
組合員の加入及び脱退に関する事項
被保険者の資格の取得及び喪失に関する事項
役員に関する事項
組合会に関する事項
保険料に関する事項
準備金その他の財産の管理に関する事項
公告の方法
十一前各号に掲げる事項のほか厚生労働省令で定める事項
(被保険者)
第十九条組合員及び組合員の世帯に属する者は、当該組合が行う国民健康保険の被保険者とする。ただし、第六条各号(第十号を除く。)のいずれかに該当する者及び他の組合が行う国民健康保険の被保険者は、この限りでない。
前項の規定にかかわらず、組合は、規約の定めるところにより、組合員の世帯に属する者を包括して被保険者としないことができる。
(資格取得の時期)
第二十条組合が行う国民健康保険の被保険者は、当該組合の組合員若しくは組合員の世帯に属する者となつた日又は第六条各号(第十号を除く。)のいずれにも該当しなくなつた日若しくは他の組合が行う国民健康保険の被保険者でなくなつた日から、その資格を取得する。
(資格喪失の時期)
第二十一条組合が行う国民健康保険の被保険者は、組合員若しくは組合員の世帯に属する者でなくなつた日の翌日又は第六条各号(第九号及び第十号を除く。)のいずれかに該当するに至つた日の翌日から、その資格を喪失する。ただし、組合員又は組合員の世帯に属する者でなくなつたことにより、市町村又は他の組合が行う国民健康保険の被保険者となつたときは、その日から、その資格を喪失する。
組合が行う国民健康保険の被保険者は、第六条第九号に該当するに至つた日から、その資格を喪失する。
(準用規定)
第二十二条第九条(第十二項から第十四項までを除く。)の規定は、組合が行う国民健康保険の被保険者に関する届出並びに被保険者証及び被保険者資格証明書について準用する。この場合において、同条第一項から第九項までの規定中「被保険者の属する世帯の世帯主」又は「世帯主」とあるのは「組合員」と、「市町村」とあるのは「組合」と、同条第十項中「市町村は」とあるのは「組合は」と、「世帯主(第三項の規定により市町村が被保険者証の返還を求めるものとされる者を除く。)及びその世帯に属する被保険者、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)の規定による保険料を滞納している世帯主(同法第八十八条第二項の規定により保険料を納付する義務を負う者を含み、厚生労働大臣が厚生労働省令で定める要件に該当するものと認め、その旨を市町村に通知した者に限る。)」とあるのは「組合員(第三項の規定により組合が被保険者証の返還を求めるものとされる者を除く。)」と、「世帯の世帯主」とあるのは「世帯の組合員」と、同条第十一項中「市町村」とあるのは「組合」と読み替えるものとする。
第二節 管理
(役員)
第二十三条組合に、役員として、理事及び監事を置く。
理事の定数は五人以上、監事の定数は二人以上とし、それぞれ規約で定める。
理事及び監事は、規約の定めるところにより、組合員のうちから組合会で選任する。ただし、特別の事情があるときは、組合員以外の者のうちから組合会で選任することを妨げない。
理事及び監事の任期は、三年をこえない範囲内において、規約で定める。
(役員の職務)
第二十四条理事は、規約の定めるところにより、組合の業務を執行し、及び組合を代表する。
組合の業務は、規約に別段の定がある場合を除くほか、理事の過半数で決する。
監事は、組合の業務の執行及び財産の状況を監査する。
(理事の代表権の制限)
第二十四条の二理事の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
(理事の代理行為の委任)
第二十四条の三理事は、規約又は組合会の決議によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。
(仮理事)
第二十四条の四理事が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、都道府県知事は、利害関係人の請求により又は職権で、仮理事を選任しなければならない。
(利益相反行為)
第二十四条の五組合と理事との利益が相反する事項については、理事は、代表権を有しない。この場合においては、都道府県知事は、利害関係人の請求により又は職権で、特別代理人を選任しなければならない。
(理事の専決処分)
第二十五条組合会が成立しないとき、又はその議決すべき事項を議決しないときは、理事は、都道府県知事の指揮を受け、その議決すべき事項を処分することができる。
組合会において議決すべき事項に関し臨時急施を要する場合において、組合会が成立しないとき、又は組合会を招集する暇がないときは、理事は、その議決すべき事項を処分することができる。
前二項の規定による処分については、理事は、その後最初に招集される組合会に報告しなければならない。
(組合会)
第二十六条組合に組合会を置く。
組合会は、組合会議員をもつて組織するものとし、組合会議員の定数は、組合員の総数の二十分の一を下らない範囲内において、規約で定める。ただし、組合員の総数が六百人をこえる組合にあつては、三十人以上であることをもつて足りる。
組合会議員は、規約の定めるところにより、組合員が、組合員のうちから選挙する。
組合会議員の任期は、三年をこえない範囲内において、規約で定める。
(組合会の議決事項)
第二十七条次の各号に掲げる事項は、組合会の議決を経なければならない。
規約の変更
借入金の借入及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
収入支出の予算
決算
予算をもつて定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約
準備金その他重要な財産の処分
訴訟の提起及び和解
前各号に掲げる事項のほか、規約で組合会の議決を経なければならないものと定めた事項
前項第一号、第二号及び第六号に掲げる事項(同項第一号及び第二号に掲げる事項のうち、合併により消滅する組合の地区を合併後存続する組合の地区の一部とする地区の拡張に係る規約の変更その他の厚生労働省令で定めるものを除く。)の議決は、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第十七条第三項の規定は、組合の地区の拡張に係る規約の変更に関する前項の認可について準用する。
組合は、第一項第三号に掲げる事項及び第二項に規定する厚生労働省令で定める事項の議決をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
(組合会の招集)
第二十八条理事は、規約の定めるところにより、毎年度一回通常組合会を招集しなければならない。
組合会議員が、その定数の三分の一以上の同意を得て、会議の目的である事項及び招集の理由を記載した書面を組合に提出して組合会の招集を請求したときは、理事は、その請求があつた日から起算して二十日以内に、臨時組合会を招集しなければならない。
(選挙権及び議決権)
第二十九条組合員は、各自一箇の選挙権を有し、組合会議員は、各自一箇の議決権を有する。
(議決権のない場合)
第二十九条の二組合と特定の組合会議員との関係について議決をする場合には、その組合会議員は、議決権を有しない。
(組合会の権限)
第三十条組合会は、組合の事務に関する書類を検査し、理事若しくは監事の報告を請求し、又は事務の管理、議決の執行若しくは出納を検査することができる。
組合会は、組合会議員のうちから選任した者に、前項の組合会の権限に属する事項を行わせることができる。
第三十一条一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第七十八条の規定は、組合について準用する。
第三節 解散及び合併
(解散)
第三十二条組合は、次の各号に掲げる理由により解散する。
組合会の議決
規約で定めた解散理由の発生
第百八条第四項の規定による解散命令
合併
組合は、前項第一号又は第二号に掲げる理由により解散しようとするときは、厚生労働省令の定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。
(残余財産の帰属)
第三十二条の二解散した組合の財産は、規約で指定した者に帰属する。
規約で権利の帰属すべき者を指定せず、又はその者を指定する方法を定めなかつたときは、理事は、都道府県知事の許可を得て、その組合の目的に類似する目的のために、その財産を処分することができる。ただし、組合会の決議を経なければならない。
前二項の規定により処分されない財産は、国庫に帰属する。
(清算中の組合の能力)
第三十二条の三解散した組合は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。
(清算人)
第三十二条の四組合が解散したときは、破産手続開始の決定による解散の場合を除き、理事がその清算人となる。ただし、規約に別段の定めがあるとき、又は組合会において理事以外の者を選任したときは、この限りでない。
(裁判所による清算人の選任)
第三十二条の五前条の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を選任することができる。
(清算人の解任)
第三十二条の六重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を解任することができる。
(清算人及び解散の届出)
第三十二条の七清算人は、破産手続開始の決定及び第百八条第四項の規定による解散命令の場合を除き、その氏名及び住所並びに解散の原因及び年月日を都道府県知事に届け出なければならない。
清算中に就職した清算人は、その氏名及び住所を都道府県知事に届け出なければならない。
前項の規定は、第百八条第四項の規定による解散命令の際に就職した清算人について準用する。
(清算人の職務及び権限)
第三十二条の八清算人の職務は、次のとおりとする。
現務の結了
債権の取立て及び債務の弁済
残余財産の引渡し
清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。
(債権の申出の催告等)
第三十二条の九清算人は、その就職の日から二箇月以内に、少なくとも三回の公告をもつて、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。
前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。
清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。
第一項の公告は、官報に掲載してする。
(期間経過後の債権の申出)
第三十二条の十前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、組合の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。
(裁判所による監督)
第三十二条の十一組合の解散及び清算は、裁判所の監督に属する。
裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。
組合の解散及び清算を監督する裁判所は、組合の業務を監督する官庁に対し、意見を求め、又は調査を嘱託することができる。
前項に規定する官庁は、同項に規定する裁判所に対し、意見を述べることができる。
(清算結了の届出)
第三十二条の十二清算が結了したときは、清算人は、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
(解散及び清算の監督等に関する事件の管轄)
第三十二条の十三組合の解散及び清算の監督並びに清算人に関する事件は、その主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
(不服申立ての制限)
第三十二条の十四清算人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
(裁判所の選任する清算人の報酬)
第三十二条の十五裁判所は、第三十二条の五の規定により清算人を選任した場合には、組合が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。この場合においては、裁判所は、当該清算人及び監事の陳述を聴かなければならない。
(即時抗告)
第三十二条の十六清算人の解任についての裁判及び前条の規定による裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
(検査役の選任)
第三十二条の十七裁判所は、組合の解散及び清算の監督に必要な調査をさせるため、検査役を選任することができる。
前三条の規定は、前項の規定により裁判所が検査役を選任した場合について準用する。この場合において、第三十二条の十五中「清算人及び監事」とあるのは、「組合及び検査役」と読み替えるものとする。
(合併)
第三十三条組合は、合併しようとする場合においては、組合会においてその旨を議決しなければならない。
組合が合併した場合においては、合併により新たに設立された組合又は合併後存続する組合は、合併により消滅した組合の権利義務(その組合が、国民健康保険事業に関し、行政庁の許可、認可その他の処分に基いて有する権利義務を含む。)を承継する。
第三十四条削除
第四節 雑則
(政令への委任)
第三十五条この章に規定するもののほか、組合の管理、財産の保管その他組合に関して必要な事項は、政令で定める。
第四章 保険給付
第一節 療養の給付等
(療養の給付)
第三十六条市町村及び組合(以下「保険者」という。)は、被保険者の疾病及び負傷に関しては、次の各号に掲げる療養の給付を行う。ただし、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員が当該被保険者に係る被保険者資格証明書の交付を受けている間は、この限りでない。
診察
薬剤又は治療材料の支給
処置、手術その他の治療
居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
次に掲げる療養に係る給付は、前項の給付に含まれないものとする。
食事の提供たる療養であつて前項第五号に掲げる療養と併せて行うもの(医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第七条第二項第四号に規定する療養病床への入院及びその療養に伴う世話その他の看護であつて、当該療養を受ける際、六十五歳に達する日の属する月の翌月以後である被保険者(以下「特定長期入院被保険者」という。)に係るものを除く。以下「食事療養」という。)
次に掲げる療養であつて前項第五号に掲げる療養と併せて行うもの(特定長期入院被保険者に係るものに限る。以下「生活療養」という。)
食事の提供たる療養
温度、照明及び給水に関する適切な療養環境の形成たる療養
評価療養(健康保険法第六十三条第二項第三号に規定する評価療養をいう。以下同じ。)
選定療養(健康保険法第六十三条第二項第四号に規定する選定療養をいう。以下同じ。)
被保険者が第一項の給付を受けようとするときは、自己の選定する保険医療機関又は保険薬局(健康保険法第六十三条第三項第一号に規定する保険医療機関又は保険薬局をいう。以下同じ。)に被保険者証を提出して、そのものについて受けるものとする。ただし、厚生労働省令で定める場合に該当するときは、被保険者証を提出することを要しない。
第三十七条削除
第三十八条削除
第三十九条削除
(保険医療機関等の責務)
第四十条保険医療機関若しくは保険薬局(以下「保険医療機関等」という。)又は保険医若しくは保険薬剤師(健康保険法第六十四条に規定する保険医又は保険薬剤師をいう。以下同じ。)が、国民健康保険の療養の給付を担当し、又は国民健康保険の診療若しくは調剤に当たる場合の準則については、同法第七十条第一項及び第七十二条第一項の規定による厚生労働省令の例による。
前項の場合において、同項に規定する厚生労働省令の例により難いとき又はよることが適当と認められないときの準則については、厚生労働省令で定める。
(厚生労働大臣又は都道府県知事の指導)
第四十一条保険医療機関等は療養の給付に関し、保険医及び保険薬剤師は国民健康保険の診療又は調剤に関し、厚生労働大臣又は都道府県知事の指導を受けなければならない。
厚生労働大臣又は都道府県知事は、前項の指導をする場合において、必要があると認めるときは、診療又は調剤に関する学識経験者をその関係団体の指定により指導に立ち会わせるものとする。ただし、関係団体が指定を行わない場合又は指定された者が立ち会わない場合は、この限りでない。
(療養の給付を受ける場合の一部負担金)
第四十二条第三十六条第三項の規定により保険医療機関等について療養の給付を受ける者は、その給付を受ける際、次の各号の区分に従い、当該給付につき第四十五条第二項又は第三項の規定により算定した額に当該各号に掲げる割合を乗じて得た額を、一部負担金として、当該保険医療機関等に支払わなければならない。
六歳に達する日以後の最初の三月三十一日の翌日以後であつて七十歳に達する日の属する月以前である場合十分の三
六歳に達する日以後の最初の三月三十一日以前である場合十分の二
七十歳に達する日の属する月の翌月以後である場合(次号に掲げる場合を除く。)十分の二
七十歳に達する日の属する月の翌月以後である場合であつて、当該療養の給付を受ける者の属する世帯に属する被保険者(七十歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する者その他政令で定める者に限る。)について政令の定めるところにより算定した所得の額が政令で定める額以上であるとき十分の三
保険医療機関等は、前項の一部負担金(第四十三条前項の規定により一部負担金の割合が減ぜられたときは、同条第二項に規定する保険医療機関等にあつては、当該減ぜられた割合による一部負担金とし、第四十四条第一項第一号の措置が採られたときは、当該減額された一部負担金とする。)の支払を受けるべきものとし、保険医療機関等が善良な管理者と同一の注意をもつてその支払を受けることに努めたにもかかわらず、なお被保険者が当該一部負担金の全部又は一部を支払わないときは、保険者は、当該保険医療機関等の請求に基づき、この法律の規定による徴収金の例によりこれを処分することができる。
第四十二条の二前条第一項の規定により一部負担金を支払う場合においては、同項の一部負担金の額に五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。
第四十三条保険者は、政令の定めるところにより、条例又は規約で、第四十二条第一項に規定する一部負担金の割合を減ずることができる。
前項の規定により一部負担金の割合が減ぜられたときは、保険者が開設者の同意を得て定める保険医療機関等について療養の給付を受ける被保険者は、第四十二条第一項の規定にかかわらず、その減ぜられた割合による一部負担金を当該保険医療機関等に支払うをもつて足りる。
第一項の規定により一部負担金の割合が減ぜられた場合において、被保険者が前項に規定する保険医療機関等以外の保険医療機関等について療養の給付を受けたときは、保険者は、当該被保険者が第四十二条第一項の規定により当該保険医療機関等に支払つた一部負担金と第一項の規定により減ぜられた割合による一部負担金との差額を当該被保険者に支給しなければならない。
前条の規定は、第二項の場合における一部負担金の支払について準用する。
第四十四条保険者は、特別の理由がある被保険者で、保険医療機関等に第四十二条又は前条の規定による一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、次の各号の措置を採ることができる。
一部負担金を減額すること。
一部負担金の支払を免除すること。
保険医療機関等に対する支払に代えて、一部負担金を直接に徴収することとし、その徴収を猶予すること。
前項の措置を受けた被保険者は、第四十二条第一項及び前条第二項の規定にかかわらず、前項第一号の措置を受けた被保険者にあつては、その減額された一部負担金を保険医療機関等に支払うをもつて足り、同項第二号又は第三号の措置を受けた被保険者にあつては、一部負担金を保険医療機関等に支払うことを要しない。
第四十二条の二の規定は、前項の場合における一部負担金の支払について準用する。
(保険医療機関等の診療報酬)
第四十五条保険者は、療養の給付に関する費用を保険医療機関等に支払うものとし、保険医療機関等が療養の給付に関し保険者に請求することができる費用の額は、療養の給付に要する費用の額から、当該療養の給付に関し被保険者(第五十七条に規定する場合にあつては、世帯主又は組合員)が当該保険医療機関等に対して支払わなければならない一部負担金に相当する額を控除した額とする。
前項の療養の給付に要する費用の額の算定については、健康保険法第七十六条第二項の規定による厚生労働大臣の定めの例による。
保険者は、都道府県知事の認可を受け、保険医療機関等との契約により、当該保険医療機関等において行われる療養の給付に関する第一項の療養の給付に要する費用の額につき、前項の規定により算定される額の範囲内において、別段の定めをすることができる。
保険者は、保険医療機関等から療養の給付に関する費用の請求があつたときは、第四十条に規定する準則並びに第二項に規定する額の算定方法及び前項の定めに照らして審査した上、支払うものとする。
保険者は、前項の規定による審査及び支払に関する事務を都道府県の区域を区域とする国民健康保険団体連合会(加入している保険者の数がその区域内の保険者の総数の三分の二に達しないものを除く。)又は社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)による社会保険診療報酬支払基金に委託することができる。
国民健康保険団体連合会は、前項の規定及び健康保険法第七十六条第五項の規定による委託を受けて行う診療報酬請求書の審査に関する事務のうち厚生労働大臣の定める診療報酬請求書の審査に係るものを、一般社団法人又は一般財団法人であつて、審査に関する組織その他の事項につき厚生労働省令で定める要件に該当し、当該事務を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして厚生労働大臣が指定するものに委託することができる。
前項の規定により厚生労働大臣の定める診療報酬請求書の審査に係る事務の委託を受けた者は、当該診療報酬請求書の審査を厚生労働省令で定める要件に該当する者に行わせなければならない。
前各項に規定するもののほか、保険医療機関等の療養の給付に関する費用の請求に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。
(保険医療機関等の報告等)
第四十五条の二厚生労働大臣又は都道府県知事は、療養の給付に関して必要があると認めるときは、保険医療機関等若しくは保険医療機関等の開設者若しくは管理者、保険医、保険薬剤師その他の従業者であつた者(以下この項において「開設者であつた者等」という。)に対し報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、保険医療機関等の開設者若しくは管理者、保険医、保険薬剤師その他の従業者(開設者であつた者等を含む。)に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは保険医療機関等について設備若しくは診療録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
前項の規定による質問又は検査を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。
第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第四十一条第二項の規定は、第一項の規定による質問又は検査について準用する。
都道府県知事は、保険医療機関等につきこの法律による療養の給付に関し健康保険法第八十条の規定による処分が行われる必要があると認めるとき、又は保険医若しくは保険薬剤師につきこの法律による診療若しくは調剤に関し健康保険法第八十一条の規定による処分が行われる必要があると認めるときは、理由を付して、その旨を厚生労働大臣に通知しなければならない。
健康保険法の準用)
第四十六条健康保険法第六十四条及び第八十二条第一項の規定は、本法による療養の給付について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
第四十七条削除
第四十八条削除
第四十九条削除
第五十条削除
第五十一条削除
(入院時食事療養費)
第五十二条保険者は、被保険者(特定長期入院被保険者を除く。)が、自己の選定する保険医療機関について第三十六条第一項第五号に掲げる療養の給付と併せて受けた食事療養に要した費用について、世帯主又は組合員に対し、入院時食事療養費を支給する。ただし、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員が当該被保険者に係る被保険者資格証明書の交付を受けている間は、この限りでない。
入院時食事療養費の額は、当該食事療養につき健康保険法第八十五条第二項の規定による厚生労働大臣の定める基準の例により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額とする。)から、同項に規定する食事療養標準負担額(以下単に「食事療養標準負担額」という。)を控除した額とする。
被保険者が保険医療機関について食事療養を受けたときは、保険者は、その世帯主又は組合員が当該保険医療機関に支払うべき食事療養に要した費用について、入院時食事療養費として世帯主又は組合員に対し支給すべき額の限度において、世帯主又は組合員に代わり、当該保険医療機関に支払うことができる。
前項の規定による支払があつたときは、世帯主又は組合員に対し入院時食事療養費の支給があつたものとみなす。
保険医療機関は、食事療養に要した費用につき、その支払を受ける際、当該支払をした世帯主又は組合員に対し、厚生労働省令の定めるところにより、領収証を交付しなければならない。
健康保険法第六十四条並びに本法第三十六条第三項、第四十条、第四十一条、第四十五条第三項から第八項まで及び第四十五条の二の規定は、保険医療機関について受けた食事療養及びこれに伴う入院時食事療養費の支給について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
(入院時生活療養費)
第五十二条の二保険者は、特定長期入院被保険者が、自己の選定する保険医療機関について第三十六条第一項第五号に掲げる療養の給付と併せて受けた生活療養に要した費用について、世帯主又は組合員に対し、入院時生活療養費を支給する。ただし、当該特定長期入院被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員が当該特定長期入院被保険者に係る被保険者資格証明書の交付を受けている間は、この限りでない。
入院時生活療養費の額は、当該生活療養につき健康保険法第八十五条の二第二項の規定による厚生労働大臣の定める基準の例により算定した費用の額(その額が現に当該生活療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に生活療養に要した費用の額とする。)から、同項に規定する生活療養標準負担額(以下「生活療養標準負担額」という。)を控除した額とする。
健康保険法第六十四条並びに本法第三十六条第三項、第四十条、第四十一条、第四十五条第三項から第八項まで、第四十五条の二及び前条第三項から第五項までの規定は、保険医療機関について受けた生活療養及びこれに伴う入院時生活療養費の支給について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
(保険外併用療養費)
第五十三条保険者は、被保険者が自己の選定する保険医療機関等について評価療養又は選定療養を受けたときは、世帯主又は組合員に対し、その療養に要した費用について、保険外併用療養費を支給する。ただし、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員が当該被保険者に係る被保険者資格証明書の交付を受けている間は、この限りでない。
保険外併用療養費の額は、第一号に規定する額(当該療養に食事療養が含まれるときは、当該額及び第二号に規定する額の合算額、当該療養に生活療養が含まれるときは、当該額及び第三号に規定する額の合算額)とする。
当該療養(食事療養及び生活療養を除く。)につき健康保険法第八十六条第二項第一号の規定による厚生労働大臣の定めの例により算定した費用の額(その額が現に当該療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額とする。)から、その額に第四十二条第一項各号の区分に応じ、同項各号に掲げる割合(第四十三条第一項の規定により一部負担金の割合が減ぜられたときは、当該減ぜられた割合とする。)を乗じて得た額(療養の給付に係る第四十二条第一項の一部負担金について第四十四条第一項各号の措置が採られるべきときは、当該措置が採られたものとした場合の額とする。)を控除した額
当該食事療養につき健康保険法第八十五条第二項の規定による厚生労働大臣の定める基準の例により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額とする。)から、食事療養標準負担額を控除した額
当該生活療養につき健康保険法第八十五条の二第二項の規定による厚生労働大臣の定める基準の例により算定した費用の額(その額が現に当該生活療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に生活療養に要した費用の額とする。)から、生活療養標準負担額を控除した額
健康保険法第六十四条並びに本法第三十六条第三項、第四十条、第四十一条、第四十五条第三項から第八項まで、第四十五条の二及び第五十二条第三項から第五項までの規定は、保険医療機関等について受けた評価療養及び選定療養並びにこれらに伴う保険外併用療養費の支給について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
第四十二条の二の規定は、前項において準用する第五十二条第三項の場合において当該療養につき第二項の規定により算定した費用の額(その額が現に療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額とする。)から当該療養に要した費用について保険外併用療養費として支給される額に相当する額を控除した額の支払について準用する。
(療養費)
第五十四条保険者は、療養の給付若しくは入院時食事療養費、入院時生活療養費若しくは保険外併用療養費の支給(以下この項及び次項において「療養の給付等」という。)を行うことが困難であると認めるとき、又は被保険者が保険医療機関等以外の病院、診療所若しくは薬局その他の者について診療、薬剤の支給若しくは手当を受けた場合において、保険者がやむを得ないものと認めるときは、療養の給付等に代えて、療養費を支給することができる。ただし、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員が当該被保険者に係る被保険者資格証明書の交付を受けている間は、この限りでない。
保険者は、被保険者が被保険者証を提出しないで保険医療機関等について診療又は薬剤の支給を受けた場合において、被保険者証を提出しなかつたことが、緊急その他やむを得ない理由によるものと認めるときは、療養の給付等に代えて、療養費を支給するものとする。ただし、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員が当該被保険者に係る被保険者資格証明書の交付を受けている間は、この限りでない。
療養費の額は、当該療養(食事療養及び生活療養を除く。)について算定した費用の額から、その額に第四十二条第一項各号の区分に応じ、同項各号に掲げる割合を乗じて得た額を控除した額及び当該食事療養又は生活療養について算定した費用の額から食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額を控除した額を基準として、保険者が定める。
前項の費用の額の算定については、療養の給付を受けるべき場合においては第四十五条第二項の規定を、入院時食事療養費の支給を受けるべき場合においては第五十二条第二項の規定を、入院時生活療養費の支給を受けるべき場合においては第五十二条の二第二項の規定を、保険外併用療養費の支給を受けるべき場合においては前条第二項の規定を準用する。ただし、その額は、現に療養に要した費用の額を超えることができない。
(訪問看護療養費)
第五十四条の二保険者は、被保険者が指定訪問看護事業者(健康保険法第八十八条第一項に規定する指定訪問看護事業者をいう。以下同じ。)について指定訪問看護(同項に規定する指定訪問看護をいう。以下同じ。)を受けたときは、世帯主又は組合員に対し、その指定訪問看護に要した費用について、訪問看護療養費を支給する。ただし、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員が当該被保険者に係る被保険者資格証明書の交付を受けている間は、この限りでない。
前項の訪問看護療養費は、厚生労働省令の定めるところにより保険者が必要と認める場合に限り、支給するものとする。
被保険者が指定訪問看護を受けようとするときは、自己の選定する指定訪問看護事業者に被保険者証を提出して、そのものについて受けるものとする。
訪問看護療養費の額は、当該指定訪問看護につき健康保険法第八十八条第四項の規定による厚生労働大臣の定めの例により算定した費用の額から、その額に第四十二条第一項各号の区分に応じ、同項各号に掲げる割合(第四十三条第一項の規定により一部負担金の割合が減ぜられたときは、当該減ぜられた割合とする。)を乗じて得た額(療養の給付について第四十四条第一項各号の措置が採られるべきときは、当該措置が採られたものとした場合の額とする。)を控除した額とする。
被保険者が指定訪問看護事業者について指定訪問看護を受けたときは、保険者は、その世帯主又は組合員が当該指定訪問看護事業者に支払うべき当該指定訪問看護に要した費用について、訪問看護療養費として世帯主又は組合員に対し支給すべき額の限度において、世帯主又は組合員に代わり、当該指定訪問看護事業者に支払うことができる。
前項の規定による支払があつたときは、世帯主又は組合員に対し訪問看護療養費の支給があつたものとみなす。
第四十二条の二の規定は、第五項の場合において第四項の規定により算定した費用の額から当該指定訪問看護に要した費用について訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額の支払について準用する。
指定訪問看護事業者は、指定訪問看護に要した費用につき、その支払を受ける際、当該支払をした世帯主又は組合員に対し、厚生労働省令の定めるところにより、領収証を交付しなければならない。
保険者は、指定訪問看護事業者から訪問看護療養費の請求があつたときは、第四項に規定する額の算定方法及び次項に規定する準則に照らして審査した上、支払うものとする。
10指定訪問看護事業者が、国民健康保険の指定訪問看護を提供する場合の準則については、健康保険法第九十二条第二項に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準(指定訪問看護の取扱いに関する部分に限る。)の例によるものとし、これにより難いとき又はよることが適当と認められないときの準則については、厚生労働省令で定める。
11指定訪問看護は、第三十六条第一項各号に掲げる療養に含まれないものとする。
12健康保険法第九十二条第三項及び本法第四十五条第五項から第八項までの規定は、指定訪問看護事業者について受けた指定訪問看護及びこれに伴う訪問看護療養費の支給について準用する。この場合において、これらの規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
(厚生労働大臣又は都道府県知事の指導)
第五十四条の二の二指定訪問看護事業者及び当該指定に係る事業所の看護師その他の従業者は、指定訪問看護に関し、厚生労働大臣又は都道府県知事の指導を受けなければならない。
(報告等)
第五十四条の二の三厚生労働大臣又は都道府県知事は、訪問看護療養費の支給に関して必要があると認めるときは、指定訪問看護事業者又は指定訪問看護事業者であつた者若しくは当該指定に係る事業所の看護師その他の従業者であつた者(以下この項において「指定訪問看護事業者であつた者等」という。)に対し報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、指定訪問看護事業者若しくは当該指定に係る事業所の看護師その他の従業者(指定訪問看護事業者であつた者等を含む。)に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該指定訪問看護事業者の当該指定に係る事業所について帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
第四十五条の二第二項の規定は、前項の規定による質問又は検査について、同条第三項の規定は、前項の規定による権限について準用する。
都道府県知事は、指定訪問看護事業者につきこの法律による指定訪問看護に関し健康保険法第九十五条の規定による処分が行われる必要があると認めるときは、理由を付して、その旨を厚生労働大臣に通知しなければならない。
(特別療養費)
第五十四条の三保険者は、世帯主又は組合員がその世帯に属する被保険者に係る被保険者資格証明書の交付を受けている場合において、当該被保険者が保険医療機関等又は指定訪問看護事業者について療養を受けたときは、世帯主又は組合員に対し、その療養に要した費用について、特別療養費を支給する。
健康保険法第六十四条並びに本法第三十六条第三項、第四十条、第四十一条、第四十五条第三項、第四十五条の二、第五十二条第五項、第五十三条第二項、第五十四条の二第三項、第八項及び第十項、第五十四条の二の二並びに前条の規定は、保険医療機関等又は指定訪問看護事業者について受けた特別療養費に係る療養及びこれに伴う特別療養費の支給について準用する。この場合において、第五十三条第二項中「保険外併用療養費の額」とあるのは「特別療養費の額」と、「健康保険法第八十六条第二項第一号」とあるのは「、被保険者証が交付されているならば療養の給付を受けることができる場合は健康保険法第七十六条第二項の規定による厚生労働大臣の定めの例により、被保険者証が交付されているならば保険外併用療養費の支給を受けることができる場合は同法第八十六条第二項第一号の規定による厚生労働大臣の定めの例により、被保険者証が交付されているならば訪問看護療養費の支給を受けることができる場合は同法第八十八条第四項」と読み替えるほか、その他の規定に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
第一項に規定する場合において、当該世帯主又は組合員に対し当該被保険者に係る被保険者証が交付されているとすれば第五十四条第一項の規定が適用されることとなるときは、保険者は、療養費を支給することができる。
第一項に規定する場合において、被保険者が被保険者資格証明書を提出しないで保険医療機関等について診療又は薬剤の支給を受け、被保険者資格証明書を提出しなかつたことが、緊急その他やむを得ない理由によるものと認めるときは、保険者は、療養費を支給するものとする。
第五十四条第三項及び第四項の規定は、前二項の規定による療養費について準用する。この場合において、同条第四項中「療養の給付を受けるべき場合」とあるのは「被保険者証が交付されているならば療養の給付を受けることができる場合」と、「入院時食事療養費の支給を受けるべき場合」とあるのは「被保険者証が交付されているならば入院時食事療養費の支給を受けることができる場合」と、「入院時生活療養費の支給を受けるべき場合」とあるのは「被保険者証が交付されているならば入院時生活療養費の支給を受けることができる場合」と、「保険外併用療養費の支給を受けるべき場合」とあるのは「被保険者証が交付されているならば保険外併用療養費の支給を受けることができる場合」と読み替えるものとする。
(移送費)
第五十四条の四保険者は、被保険者が療養の給付(保険外併用療養費に係る療養及び特別療養費に係る療養を含む。)を受けるため病院又は診療所に移送されたときは、世帯主又は組合員に対し、移送費として、厚生労働省令の定めるところにより算定した額を支給する。
前項の移送費は、厚生労働省令の定めるところにより保険者が必要であると認める場合に限り、支給するものとする。
(被保険者が日雇労働者又はその被扶養者となつた場合)
第五十五条被保険者が第六条第七号に該当するに至つたためその資格を喪失した場合において、その資格を喪失した際現に療養の給付、入院時食事療養費に係る療養、入院時生活療養費に係る療養、保険外併用療養費に係る療養、訪問看護療養費に係る療養若しくは特別療養費に係る療養又は介護保険法(平成九年法律第百二十三号)の規定による居宅介護サービス費に係る指定居宅サービス(同法第四十一条第一項に規定する指定居宅サービスをいう。)(療養に相当するものに限る。)、特例居宅介護サービス費に係る居宅サービス(同法第八条第一項に規定する居宅サービスをいう。)若しくはこれに相当するサービス(これらのサービスのうち療養に相当するものに限る。)、地域密着型介護サービス費に係る指定地域密着型サービス(同法第四十二条の二第一項に規定する指定地域密着型サービスをいう。)(療養に相当するものに限る。)、特例地域密着型介護サービス費に係る地域密着型サービス(同法第八条第十四項に規定する地域密着型サービスをいう。)若しくはこれに相当するサービス(これらのサービスのうち療養に相当するものに限る。)、施設介護サービス費に係る指定施設サービス等(同法第四十八条第一項に規定する指定施設サービス等をいう。)(療養に相当するものに限る。)、特例施設介護サービス費に係る施設サービス(同法第八条第二十五項に規定する施設サービスをいう。)(療養に相当するものに限る。)、介護予防サービス費に係る指定介護予防サービス(同法第五十三条第一項に規定する指定介護予防サービスをいう。)(療養に相当するものに限る。)若しくは特例介護予防サービス費に係る介護予防サービス(同法第八条の二第一項に規定する介護予防サービスをいう。)若しくはこれに相当するサービス(これらのサービスのうち療養に相当するものに限る。)を受けていたときは、その者は、当該疾病又は負傷及びこれによつて発した疾病について当該保険者から療養の給付、入院時食事療養費の支給、入院時生活療養費の支給、保険外併用療養費の支給、訪問看護療養費の支給、特別療養費の支給又は移送費の支給を受けることができる。
前項の規定による療養の給付、入院時食事療養費の支給、入院時生活療養費の支給、保険外併用療養費の支給、訪問看護療養費の支給、特別療養費の支給又は移送費の支給は、次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、行わない。
当該疾病又は負傷につき、健康保険法第五章の規定による療養の給付、入院時食事療養費の支給、入院時生活療養費の支給、保険外併用療養費の支給、訪問看護療養費の支給、移送費の支給、家族療養費の支給、家族訪問看護療養費の支給又は家族移送費の支給を受けることができるに至つたとき。
その者が、第六条第一号から第六号まで、第八号、第九号又は第十一号のいずれかに該当するに至つたとき。
その者が、他の保険者の被保険者となつたとき。
被保険者の資格を喪失した日から起算して六箇月を経過したとき。
第一項の規定による療養の給付、入院時食事療養費の支給、入院時生活療養費の支給、保険外併用療養費の支給、訪問看護療養費の支給、特別療養費の支給又は移送費の支給は、当該疾病又は負傷につき、健康保険法第五章の規定による特別療養費の支給又は移送費の支給若しくは家族移送費の支給を受けることができる間は、行わない。
第一項の規定による療養の給付、入院時食事療養費の支給、入院時生活療養費の支給、保険外併用療養費の支給、訪問看護療養費の支給又は特別療養費の支給は、当該疾病又は負傷につき、介護保険法の規定によりそれぞれの給付に相当する給付を受けることができる場合には、行わない。
(他の法令による医療に関する給付との調整)
第五十六条療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、訪問看護療養費、特別療養費若しくは移送費の支給は、被保険者の当該疾病又は負傷につき、健康保険法船員保険法国家公務員共済組合法(他の法律において準用し、又は例による場合を含む。)、地方公務員等共済組合法若しくは高齢者の医療の確保に関する法律の規定によつて、医療に関する給付を受けることができる場合又は介護保険法の規定によつて、それぞれの給付に相当する給付を受けることができる場合には、行わない。労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)の規定による療養補償、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の規定による療養補償給付若しくは療養給付、国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号。他の法律において準用する場合を含む。)の規定による療養補償、地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)若しくは同法に基づく条例の規定による療養補償その他政令で定める法令による医療に関する給付を受けることができるとき、又はこれらの法令以外の法令により国若しくは地方公共団体の負担において医療に関する給付が行われたときも、同様とする。
保険者は、前項に規定する法令による給付が医療に関する現物給付である場合において、その給付に関し一部負担金の支払若しくは実費徴収が行われ、かつ、その一部負担金若しくは実費徴収の額が、その給付がこの法律による療養の給付として行われたものとした場合におけるこの法律による一部負担金の額(第四十三条第一項の規定により第四十二条第一項の一部負担金の割合が減ぜられているときは、その減ぜられた割合による一部負担金の額)を超えるとき、又は前項に規定する法令(介護保険法を除く。)による給付が医療費の支給である場合において、その支給額が、当該療養につきこの法律による入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費又は移送費の支給をすべきものとした場合における入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費又は移送費の額に満たないときは、それぞれその差額を当該被保険者に支給しなければならない。
前項の場合において、被保険者が保険医療機関等について当該療養を受けたときは、保険者は、同項の規定により被保険者に支給すべき額の限度において、当該被保険者が保険医療機関等に支払うべき当該療養に要した費用を、当該被保険者に代わつて保険医療機関等に支払うことができる。ただし、当該保険者が第四十三条第一項の規定により一部負担金の割合を減じているときは、被保険者が同条第二項に規定する保険医療機関等について当該療養を受けた場合に限る。
前項の規定により保険医療機関等に対して費用が支払われたときは、その限度において、被保険者に対し第二項の規定による支給が行われたものとみなす。
(世帯主又は組合員でない被保険者に係る一部負担金等)
第五十七条一部負担金の支払又は納付、第四十三条第三項又は前条第二項の規定による差額の支給及び療養費の支給に関しては、当該疾病又は負傷が世帯主又は組合員でない被保険者に係るものであるときは、これらの事項に関する各本条の規定にかかわらず、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員が一部負担金を支払い、又は納付すべき義務を負い、及び当該世帯主又は組合員に対して第四十三条第三項若しくは前条第二項の規定による差額又は療養費を支給するものとする。
(高額療養費)
第五十七条の二保険者は、療養の給付について支払われた一部負担金の額又は療養(食事療養及び生活療養を除く。次項において同じ。)に要した費用の額からその療養に要した費用につき保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費若しくは特別療養費として支給される額若しくは第五十六条第二項の規定により支給される差額に相当する額を控除した額(次条第一項において「一部負担金等の額」という。)が著しく高額であるときは、世帯主又は組合員に対し、高額療養費を支給する。ただし、当該療養について療養の給付、保険外併用療養費の支給、療養費の支給、訪問看護療養費の支給若しくは特別療養費の支給又は第五十六条第二項の規定による差額の支給を受けなかつたときは、この限りでない。
高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関して必要な事項は、療養に必要な費用の負担の家計に与える影響及び療養に要した費用の額を考慮して、政令で定める。
(高額介護合算療養費)
第五十七条の三保険者は、一部負担金等の額(前条第一項の高額療養費が支給される場合にあつては、当該支給額に相当する額を控除して得た額)並びに介護保険法第五十一条第一項に規定する介護サービス利用者負担額(同項の高額介護サービス費が支給される場合にあつては、当該支給額を控除して得た額)及び同法第六十一条第一項に規定する介護予防サービス利用者負担額(同項の高額介護予防サービス費が支給される場合にあつては、当該支給額を控除して得た額)の合計額が著しく高額であるときは、世帯主又は組合員に対し、高額介護合算療養費を支給する。ただし、当該一部負担金等の額に係る療養の給付、保険外併用療養費の支給、療養費の支給、訪問看護療養費の支給若しくは特別療養費の支給又は第五十六条第二項の規定による差額の支給を受けなかつたときは、この限りでない。
前条第二項の規定は、高額介護合算療養費の支給について準用する。
第二節 その他の給付
第五十八条保険者は、被保険者の出産及び死亡に関しては、条例又は規約の定めるところにより、出産育児一時金の支給又は葬祭費の支給若しくは葬祭の給付を行うものとする。ただし、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる。
保険者は、前項の保険給付のほか、条例又は規約の定めるところにより、傷病手当金の支給その他の保険給付を行うことができる。
保険者は、第一項の保険給付及び前項の傷病手当金の支払に関する事務を国民健康保険団体連合会に委託することができる。
第三節 保険給付の制限
第五十九条被保険者又は被保険者であつた者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、その期間に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、訪問看護療養費、特別療養費若しくは移送費の支給(以下この節において「療養の給付等」という。)は、行わない。
少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき。
刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき。
第六十条被保険者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に疾病にかかり、又は負傷したときは、当該疾病又は負傷に係る療養の給付等は、行わない。
第六十一条被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によつて疾病にかかり、又は負傷したときは、当該疾病又は負傷に係る療養の給付等は、その全部又は一部を行わないことができる。
第六十二条保険者は、被保険者又は被保険者であつた者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、療養の給付等の一部を行わないことができる。
第六十三条保険者は、被保険者若しくは被保険者であつた者又は保険給付を受ける者が、正当な理由なしに、第六十六条の規定による命令に従わず、又は答弁若しくは受診を拒んだときは、療養の給付等の全部又は一部を行わないことができる。
第六十三条の二保険者は、保険給付(第四十三条第三項又は第五十六条第二項の規定による差額の支給を含む。以下同じ。)を受けることができる世帯主又は組合員が保険料を滞納しており、かつ、当該保険料の納期限から厚生労働省令で定める期間が経過するまでの間に当該保険料を納付しない場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認められる場合を除き、厚生労働省令で定めるところにより、保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めるものとする。
保険者は、前項に規定する厚生労働省令で定める期間が経過しない場合においても、保険給付を受けることができる世帯主又は組合員が保険料を滞納している場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認められる場合を除き、厚生労働省令で定めるところにより、保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めることができる。
保険者は、第九条第六項(第二十二条において準用する場合を含む。)の規定により被保険者資格証明書の交付を受けている世帯主又は組合員であつて、前二項の規定による保険給付の全部又は一部の支払の一時差止がなされているものが、なお滞納している保険料を納付しない場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、当該世帯主又は組合員に通知して、当該一時差止に係る保険給付の額から当該世帯主又は組合員が滞納している保険料額を控除することができる。
第四節 雑則
(損害賠償請求権)
第六十四条保険者は、給付事由が第三者の行為によつて生じた場合において、保険給付を行つたときは、その給付の価額(当該保険給付が療養の給付であるときは、当該療養の給付に要する費用の額から当該療養の給付に関し被保険者が負担しなければならない一部負担金に相当する額を控除した額とする。次条第一項において同じ。)の限度において、被保険者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
前項の場合において、保険給付を受けるべき者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、保険者は、その価額の限度において、保険給付を行う責を免かれる。
保険者は、第一項の規定により取得した請求権に係る損害賠償金の徴収又は収納の事務を第四十五条第五項に規定する国民健康保険団体連合会であつて厚生労働省令の定めるものに委託することができる。
(不正利得の徴収等)
第六十五条偽りその他不正の行為によつて保険給付を受けた者があるときは、保険者は、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができる。
前項の場合において、保険医療機関において診療に従事する保険医又は健康保険法第八十八条第一項に規定する主治の医師が、保険者に提出されるべき診断書に虚偽の記載をしたため、その保険給付が行われたものであるときは、保険者は、当該保険医又は主治の医師に対し、保険給付を受けた者に連帯して前項の徴収金を納付すべきことを命ずることができる。
保険者は、保険医療機関等又は指定訪問看護事業者が偽りその他不正の行為によつて療養の給付に関する費用の支払又は第五十二条第三項(第五十二条の二第三項及び第五十三条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第五十四条の二第五項の規定による支払を受けたときは、当該保険医療機関等又は指定訪問看護事業者に対し、その支払つた額につき返還させるほか、その返還させる額に百分の四十を乗じて得た額を支払わせることができる。
(強制診断等)
第六十六条保険者は、保険給付に関して必要があると認めるときは、当該被保険者若しくは被保険者であつた者又は保険給付を受ける者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問若しくは診断をさせることができる。
(受給権の保護)
第六十七条保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
(租税その他の公課の禁止)
第六十八条租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない。
第四章の二 広域化等支援方針
(広域化等支援方針)
第六十八条の二都道府県は、国民健康保険事業の運営の広域化又は国民健康保険の財政の安定化を推進するための当該都道府県内の市町村に対する支援の方針(以下「広域化等支援方針」という。)を定めることができる。
広域化等支援方針においては、おおむね次に掲げる事項について定めるものとする。
国民健康保険事業の運営の広域化又は国民健康保険の財政の安定化の推進に関する基本的な事項
国民健康保険の現況及び将来の見通し
前号の現況及び将来の見通しを勘案して、国民健康保険事業の運営の広域化又は国民健康保険の財政の安定化の推進において都道府県が果たすべき役割
国民健康保険事業に係る事務の共同実施、医療に要する費用の適正化、保険料の納付状況の改善その他の国民健康保険事業の運営の広域化又は国民健康保険の財政の安定化を図るための具体的な施策
前号に掲げる施策の実施のために必要な関係市町村相互間の連絡調整
前各号に掲げるもののほか、国民健康保険事業の運営の広域化又は国民健康保険の財政の安定化を推進するため都道府県が必要と認める事項
都道府県は、当該都道府県内の市町村のうち、その医療に要する費用の額について厚生労働省令で定めるところにより被保険者の数及び年齢階層別の分布状況その他の事情を勘案してもなお著しく多額であると認められるものがある場合には、その定める広域化等支援方針において前項第四号に掲げる事項として医療に要する費用の適正化その他の必要な措置を定めるよう努めるものとする。
都道府県は、広域化等支援方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、市町村の意見を聴かなければならない。
都道府県は、広域化等支援方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるものとする。
市町村は、国民健康保険事業の運営に当たつては、広域化等支援方針を尊重するよう努めるものとする。
都道府県は、広域化等支援方針の作成及び広域化等支援方針に定める施策の実施に関して必要があると認めるときは、国民健康保険団体連合会その他の関係者に対して必要な協力を求めることができる。
(広域化等支援基金)
第六十八条の三都道府県は、広域化等支援方針の作成、広域化等支援方針に定める施策の実施その他国民健康保険事業の運営の広域化又は国民健康保険の財政の安定化に資する事業に必要な費用に充てるため、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十一条の基金として、広域化等支援基金を設けることができる。
第五章 費用の負担
(国の負担)
第六十九条国は、政令の定めるところにより、組合に対して国民健康保険の事務(高齢者の医療の確保に関する法律の規定による前期高齢者納付金等(以下「前期高齢者納付金等」という。)及び同法の規定による後期高齢者支援金等(以下「後期高齢者支援金等」という。)並びに介護保険法の規定による納付金(以下「介護納付金」という。)の納付に関する事務を含む。)の執行に要する費用を負担する。
第七十条国は、政令の定めるところにより、市町村に対し、療養の給付並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費、移送費、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給に要する費用(第七十三条第一項及び第百四条において「療養の給付等に要する費用」という。)並びに高齢者の医療の確保に関する法律の規定による前期高齢者納付金(以下「前期高齢者納付金」という。)及び同法の規定による後期高齢者支援金(以下「後期高齢者支援金」という。)並びに介護納付金の納付に要する費用について、次の各号に掲げる額の合算額の百分の三十二を負担する。
被保険者に係る療養の給付に要する費用の額から当該給付に係る一部負担金に相当する額を控除した額並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費、移送費、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給に要する費用の額の合算額から第七十二条の三第一項の規定による繰入金の二分の一に相当する額を控除した額
前期高齢者納付金及び後期高齢者支援金並びに介護納付金の納付に要する費用の額(高齢者の医療の確保に関する法律の規定による前期高齢者交付金(以下「前期高齢者交付金」という。)がある場合には、これを控除した額)
第四十三条第一項の規定により一部負担金の割合を減じている市町村及び都道府県又は市町村が被保険者の全部又は一部について、その一部負担金に相当する額の全部又は一部を負担することとしている市町村に対する前項の規定の適用については、同項第一号に掲げる額は、当該一部負担金の割合の軽減又は一部負担金に相当する額の全部若しくは一部の負担の措置が講ぜられないものとして、政令の定めるところにより算定した同号に掲げる額に相当する額とする。
(国庫負担金の減額)
第七十一条市町村が確保すべき収入を不当に確保しなかつた場合においては、国は、政令の定めるところにより、前条の規定により当該市町村に対して負担すべき額を減額することができる。
前項の規定により減額する額は、不当に確保しなかつた額をこえることができない。
(調整交付金等)
第七十二条国は、国民健康保険の財政を調整するため、政令の定めるところにより、市町村に対して調整交付金を交付する。
前項の規定による調整交付金の総額は、次の各号に掲げる額の合算額とする。
第七十条第一項第一号に掲げる額(同条第二項の規定の適用がある場合にあつては、同項の規定を適用して算定した額)及び同条第一項第二号に掲げる額の合算額の見込額の総額(次条において「算定対象額」という。)の百分の九に相当する額
第七十二条の三第一項の規定による繰入金の総額の四分の一に相当する額
第七十二条の二都道府県は、当該都道府県内の市町村が行う国民健康保険の財政を調整するため、政令の定めるところにより、条例で、市町村に対して都道府県調整交付金を交付する。
前項の規定による都道府県調整交付金の総額は、算定対象額の百分の九に相当する額とする。
都道府県調整交付金の交付は、広域化等支援方針(都道府県が広域化等支援方針に定める施策を実施するため地方自治法第二百四十五条の四第一項の規定による勧告をした場合にあつては、広域化等支援方針及び当該勧告の内容)との整合性を確保するように努めるものとする。
(国民健康保険に関する特別会計への繰入れ等)
第七十二条の三市町村は、政令の定めるところにより、一般会計から、所得の少ない者について条例の定めるところにより行う保険料の減額賦課又は地方税法第七百三条の五に規定する国民健康保険税の減額に基づき被保険者に係る保険料又は同法の規定による国民健康保険税につき減額した額の総額を基礎とし、国民健康保険の財政の状況その他の事情を勘案して政令の定めるところにより算定した額を国民健康保険に関する特別会計に繰り入れなければならない。
都道府県は、政令の定めるところにより、前項の規定による繰入金の四分の三に相当する額を負担する。
第七十二条の四国及び都道府県は、政令の定めるところにより、市町村に対し、高齢者の医療の確保に関する法律第二十条の規定による特定健康診査及び同法第二十四条の規定による特定保健指導(第八十二条第一項及び第八十六条において「特定健康診査等」という。)に要する費用のうち政令で定めるものの三分の一に相当する額をそれぞれ負担する。
(組合に対する補助)
第七十三条国は、政令の定めるところにより、組合に対し、療養の給付等に要する費用並びに前期高齢者納付金及び後期高齢者支援金並びに介護納付金の納付に要する費用について、次の各号に掲げる額の合算額を補助することができる。
次に掲げる額の合算額の百分の三十二に相当する額
療養の給付に要する費用の額から当該給付に係る一部負担金に相当する額を控除した額並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費、移送費、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給に要する費用の額の合算額から、当該合算額のうち組合特定被保険者(健康保険法第三条第一項第八号又は同条第二項ただし書の規定による承認を受けて同法の被保険者とならないことにより当該組合の被保険者である者及びその世帯に属する当該組合の被保険者をいう。ロにおいて同じ。)に係る額として政令の定めるところにより算定した額(以下この条において「特定給付額」という。)を控除した額
前期高齢者納付金及び後期高齢者支援金並びに介護納付金の納付に要する費用の額(前期高齢者交付金がある場合には、これを控除した額)から、当該費用の額のうち組合特定被保険者に係る費用の額として政令の定めるところにより算定した額(以下この条において「特定納付費用額」という。)を控除した額
特定給付額及び特定納付費用額のそれぞれに特定割合を乗じて得た額の合算額
前項第二号の特定割合は、百分の三十二を下回る割合であつて、健康保険法による健康保険事業に要する費用(前期高齢者納付金及び後期高齢者支援金並びに介護納付金の納付に要する費用を含む。)に対する国の補助の割合を勘案して、特定給付額及び特定納付費用額のそれぞれについて、政令で定めるものとする。
第四十三条第一項の規定により一部負担金の割合を減じている組合及び組合員の全部又は一部について、その一部負担金に相当する額の全部又は一部を負担することとしている組合に対する第一項の規定の適用については、同項第一号イに掲げる額及び特定給付額は、当該一部負担金の割合の軽減又は一部負担金に相当する額の全部若しくは一部の負担の措置が講ぜられないものとして、政令の定めるところにより算定した同号イに掲げる額及び特定給付額に相当する額とする。
国は、第一項の補助をする場合において、政令の定めるところにより、組合の財政力等を勘案して、同項の補助の額を増額することができる。
前項の規定により増額することができる補助の額の総額は、第一項第一号イに掲げる額及び特定給付額(これらの額について第三項の規定の適用がある場合にあつては、同項の規定を適用して算定した額)並びに同号ロに掲げる額及び特定納付費用額の合算額の見込額の総額の百分の十五に相当する額の範囲内の額とする。
(国の補助)
第七十四条国は、第六十九条、第七十条、第七十二条、第七十二条の四及び前条に規定するもののほか、予算の範囲内において、保健師に要する費用についてはその三分の一を、国民健康保険事業に要するその他の費用についてはその一部を補助することができる。
(都道府県及び市町村の補助及び貸付)
第七十五条都道府県及び市町村は、第七十二条の二、第七十二条の三第二項及び第七十二条の四に規定するもののほか、国民健康保険事業に要する費用(前期高齢者納付金等及び後期高齢者支援金等並びに介護納付金の納付に要する費用を含む。)に対し、補助金を交付し、又は貸付金を貸し付けることができる。
(保険料)
第七十六条保険者は、国民健康保険事業に要する費用(前期高齢者納付金等及び後期高齢者支援金等並びに介護納付金の納付に要する費用を含み、健康保険法第百七十九条に規定する組合にあつては、同法の規定による日雇拠出金の納付に要する費用を含む。)に充てるため、世帯主又は組合員から保険料を徴収しなければならない。ただし、地方税法の規定により国民健康保険税を課するときは、この限りでない。
前項の規定による保険料のうち、介護納付金の納付に要する費用に充てるための保険料は、介護保険法第九条第二号に規定する被保険者である被保険者について賦課するものとする。
(賦課期日)
第七十六条の二市町村による前条の保険料の賦課期日は、当該年度の初日とする。
(保険料の徴収の方法)
第七十六条の三市町村による第七十六条の保険料の徴収については、特別徴収(市町村が老齢等年金給付を受ける被保険者である世帯主(政令で定めるものを除く。)から老齢等年金給付の支払をする者に保険料を徴収させ、かつ、その徴収すべき保険料を納入させることをいう。以下同じ。)の方法による場合を除くほか、普通徴収(市町村が世帯主に対し、地方自治法第二百三十一条の規定により納入の通知をすることによつて保険料を徴収することをいう。以下同じ。)の方法によらなければならない。
前項の老齢等年金給付は、国民年金法による老齢基礎年金その他の同法、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)、国家公務員共済組合法地方公務員等共済組合法又は私立学校教職員共済法に基づく老齢若しくは退職、障害又は死亡を支給事由とする年金たる給付であつて政令で定めるもの及びこれらの年金たる給付に類する老齢若しくは退職、障害又は死亡を支給事由とする年金たる給付であつて政令で定めるものをいう。
介護保険法の準用)
第七十六条の四介護保険法第百三十四条から第百四十一条の二までの規定は、前条の規定により行う保険料の特別徴収について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(保険料の減免等)
第七十七条保険者は、条例又は規約の定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。
地方税法の準用)
第七十八条保険料その他この法律の規定による徴収金(附則第十条第一項に規定する拠出金を除く。第九十一条第一項において同じ。)については、地方税法第九条、第十三条の二、第二十条、第二十条の二及び第二十条の四の規定を準用する。
(督促及び延滞金の徴収)
第七十九条保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納した者に対しては、組合は、期限を指定して、これを督促しなければならない。ただし、前条において準用する地方税法第十三条の二第一項の規定により繰上徴収をするときは、この限りでない。
前項の規定によつて督促をしようとするときは、組合は、納付義務者に対して督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、地方税法第十三条の二第一項各号のいずれかに該当する場合を除き、督促状を発する日から起算して十日以上を経過した日でなければならない。
前項の規定によつて督促をしたときは、組合は、規約の定めるところにより、延滞金を徴収することができる。
(滞納処分)
第七十九条の二市町村が徴収する保険料その他この法律の規定による徴収金は、地方自治法第二百三十一条の三第三項に規定する法律で定める歳入とする。
第八十条第七十九条の規定による督促又は地方税法第十三条の二第一項各号のいずれかに該当したことによる繰上徴収の告知を受けた納付義務者が、その指定の期限までに当該徴収金を完納しないときは、組合は、都道府県知事の認可を受けてこれを処分し、又は納付義務者の住所地又はその財産の所在地の市町村に対しこれの処分を請求することができる。
前項の規定により組合が処分を行う場合においては、地方自治法第二百三十一条の三第三項前段及び第十項の規定を準用する。
第一項の規定により組合が市町村に対し処分の請求を行つた場合においては、市町村は、市町村が徴収する保険料の例によつて、これを処分する。この場合においては、組合は、徴収金額の百分の四に相当する金額を当該市町村に交付しなければならない。
保険料その他この法律の規定による組合の徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
(保険料の徴収の委託)
第八十条の二市町村は、普通徴収の方法による保険料の徴収の事務については、収入の確保及び被保険者の便益の増進に寄与すると認める場合に限り、政令の定めるところにより、私人に委託することができる。
(条例又は規約への委任)
第八十一条この章に規定するもののほか、賦課額、料率、納期、減額賦課その他保険料の賦課及び徴収等に関する事項は、政令で定める基準に従つて条例又は規約で定める。
第六章 保健事業
第八十二条保険者は、特定健康診査等を行うものとするほか、これらの事業以外の事業であつて、健康教育、健康相談、健康診査その他の被保険者の健康の保持増進のために必要な事業を行うように努めなければならない。
保険者は、被保険者の療養のために必要な用具の貸付けその他の被保険者の療養環境の向上のために必要な事業、保険給付のために必要な事業、被保険者の療養又は出産のための費用に係る資金の貸付けその他の必要な事業を行うことができる。
組合は、前二項の事業に支障がない場合に限り、被保険者でない者に当該事業を利用させることができる。
厚生労働大臣は、第一項の規定により保険者が行う健康の保持増進のために必要な事業に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
前項の指針は、健康増進法(平成十四年法律第百三号)第九条第一項に規定する健康診査等指針と調和が保たれたものでなければならない。
第七章 国民健康保険団体連合会
(設立、人格及び名称)
第八十三条保険者は、共同してその目的を達成するため、国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)を設立することができる。
連合会は、法人とする。
連合会は、その名称中に「国民健康保険団体連合会」という文字を用いなければならない。
連合会でない者は、「国民健康保険団体連合会」という名称又はこれに類する名称を用いてはならない。
(設立の認可等)
第八十四条連合会を設立しようとするときは、当該連合会の区域をその区域に含む都道府県を統轄する都道府県知事の認可を受けなければならない。
連合会は、設立の認可を受けた時に成立する。
都道府県の区域を区域とする連合会に、その区域内の三分の二以上の保険者が加入したときは、当該区域内のその他の保険者は、すべて当該連合会の会員となる。
(規約の記載事項)
第八十五条連合会の規約には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
事業
名称
事務所の所在地
連合会の区域
会員の加入及び脱退に関する事項
経費の分担に関する事項
業務の執行及び会計に関する事項
役員に関する事項
総会又は代議員会に関する事項
準備金その他の財産に関する事項
十一公告の方法
十二前各号に掲げる事項のほか厚生労働省令で定める事項
(準用規定)
第八十六条第十六条、第二十三条から第二十五条まで、第二十六条第一項、第二十七条から第三十五条まで及び第八十二条(特定健康診査等に係るものを除く。)の規定は、連合会について準用する。この場合において、これらの規定中「組合員」とあるのは「会員たる保険者を代表する者」と、「組合会」とあるのは「総会又は代議員会」と、「組合会議員」とあるのは「総会又は代議員会の議員」と読み替えるものとする。
第八章 診療報酬審査委員会
(審査委員会)
第八十七条第四十五条第五項の規定による委託を受けて診療報酬請求書の審査を行うため、都道府県の区域を区域とする連合会(加入している保険者の数がその区域内の保険者の総数の三分の二に達しないものを除く。)に、国民健康保険診療報酬審査委員会(以下「審査委員会」という。)を置く。
連合会は、前項の規定による事務の遂行に支障のない範囲内で、健康保険法第七十六条第五項の規定による委託を受けて行う診療報酬請求書の審査を審査委員会に行わせることができる。
(審査委員会の組織)
第八十八条審査委員会は、都道府県知事が定めるそれぞれ同数の保険医及び保険薬剤師を代表する委員、保険者を代表する委員並びに公益を代表する委員をもつて組織する。
委員は、都道府県知事が委嘱する。
前項の委嘱は、保険医及び保険薬剤師を代表する委員並びに保険者を代表する委員については、それぞれ関係団体の推薦によつて行わなければならない。
(審査委員会の権限)
第八十九条審査委員会は、診療報酬請求書の審査を行うため必要があると認めるときは、都道府県知事の承認を得て、当該保険医療機関等若しくは指定訪問看護の事業を行う事業所に対して、報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を求め、又は当該保険医療機関等の開設者若しくは管理者、指定訪問看護事業者若しくは当該保険医療機関等において療養を担当する保険医若しくは保険薬剤師に対して、出頭若しくは説明を求めることができる。
連合会は、前項の規定により審査委員会に出頭した者に対し、旅費、日当及び宿泊料を支給しなければならない。ただし、当該保険医療機関等又は指定訪問看護の事業を行う事業所が提出した診療報酬請求書又は診療録その他の帳簿書類の記載が不備又は不当であつたため出頭を求められて出頭した者に対しては、この限りでない。
(省令への委任)
第九十条この章に規定するもののほか、審査委員会に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。
第九章 審査請求
(審査請求)
第九十一条保険給付に関する処分(被保険者証の交付の請求又は返還に関する処分を含む。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、国民健康保険審査会に審査請求をすることができる。
前項の審査請求は、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。
(審査会の設置)
第九十二条国民健康保険審査会(以下「審査会」という。)は、各都道府県に置く。
(組織)
第九十三条審査会は、被保険者を代表する委員、保険者を代表する委員及び公益を代表する委員各三人をもつて組織する。
委員は、非常勤とする。
(委員の任期)
第九十四条委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
委員は、再任されることができる。
(会長)
第九十五条審査会に、公益を代表する委員のうちから委員が選挙する会長一人を置く。
会長に事故があるときは、前項の規定に準じて選挙された者が、その職務を代行する。
(定足数)
第九十六条審査会は、被保険者を代表する委員、保険者を代表する委員及び公益を代表する委員各一人以上を含む過半数の委員の出席がなければ、議事を開き、議決をすることができない。
(表決)
第九十七条審査会の議事は、出席した委員の過半数をもつて決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
(管轄審査会)
第九十八条審査請求は、当該処分をした保険者(第八十条第三項の規定による処分については、当該処分をした市町村とする。)の所在地の都道府県の審査会に対してしなければならない。
審査請求が管轄違であるときは、審査会は、すみやかに、事件を所轄の審査会に移送し、かつ、その旨を審査請求人に通知しなければならない。
事件が移送されたときは、はじめから、移送を受けた審査会に審査請求があつたものとみなす。
(審査請求の期間及び方式)
第九十九条審査請求は、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して六十日以内に、文書又は口頭でしなければならない。ただし、正当な理由により、この期間内に審査請求をすることができなかつたことを疎明したときは、この限りでない。
(保険者に対する通知)
第百条審査会は、審査請求を受理したときは、原処分をした保険者及びその他の利害関係人に通知しなければならない。
(審理のための処分)
第百一条審査会は、審理を行うため必要があると認めるときは、審査請求人若しくは関係人に対して報告若しくは意見を求め、その出頭を命じて審問し、又は医師若しくは歯科医師に診断若しくは検案をさせることができる。
都道府県は、前項の規定により審査会に出頭した関係人又は診断若しくは検案をした医師若しくは歯科医師に対し、政令の定めるところにより、旅費、日当及び宿泊料又は報酬を支給しなければならない。
(政令への委任)
第百二条この章及び行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)に規定するもののほか、審査会及び審査請求の手続に関して必要な事項は、政令で定める。
(審査請求と訴訟との関係)
第百三条第九十一条第一項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができない。
第九章の二 保健事業等に関する援助等
(保健事業等に関する援助等)
第百四条連合会及び第四十五条第六項に規定する厚生労働大臣が指定する法人(以下単に「指定法人」という。)は、国民健康保険事業の運営の安定化を図るため、市町村が行う第八十二条第一項及び第二項に規定する事業、療養の給付等に要する費用の適正化のための事業その他の事業(以下この条において「保健事業等」という。)に関する調査研究及び保健事業等の実施に係る市町村相互間の連絡調整を行うとともに、保健事業等に関し、専門的な技術又は知識を有する者の派遣、情報の提供その他の必要な援助を行うよう努めなければならない。
(国及び地方公共団体の措置)
第百五条国及び地方公共団体は、前条の規定により連合会又は指定法人が行う事業を促進するために必要な助言、情報の提供その他の措置を講ずるよう努めなければならない。
第十章 監督
(報告の徴収等)
第百六条厚生労働大臣又は都道府県知事は、保険者又は連合会について、必要があると認めるときは、その事業及び財産の状況に関する報告を徴し、又は当該職員に実地にその状況を検査させることができる。
前項の規定による検査を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。
第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(事業状況の報告)
第百七条保険者及び連合会は、厚生労働省令の定めるところにより、事業状況を都道府県知事に報告しなければならない。
(組合等に対する監督)
第百八条厚生労働大臣又は都道府県知事は、第百六条の規定により報告を徴し、又は検査した場合において、組合若しくは連合会の事業若しくは財産の管理若しくは執行が法令、規約若しくは厚生労働大臣若しくは都道府県知事の処分に違反していると認めるとき、確保すべき収入を不当に確保せず、不当に経費を支出し、若しくは不当に財産を処分する等著しく事業の適正な執行を欠くと認めるとき、又は組合若しくは連合会の役員がその事業若しくは財産の管理若しくは執行を明らかに怠つていると認めるときは、期間を定めて、組合若しくは連合会又はその役員に対し、その事業若しくは財産の管理若しくは執行について違反の是正又は改善のため必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。
組合若しくは連合会又はその役員が前項の命令に違反したときは、厚生労働大臣又は都道府県知事は、当該組合又は連合会に対し、期間を定めて、その役員の全部又は一部の改任を命ずることができる。
組合又は連合会が前項の命令に違反したときは、厚生労働大臣又は都道府県知事は、同項の命令に係る役員を改任することができる。
組合又は連合会が第一項の規定による命令に違反したとき、又はその事業若しくは財産の状況によりその事業の継続が困難であると認めるときは、厚生労働大臣又は都道府県知事は、当該組合又は連合会の解散を命ずることができる。
第百九条削除
第十一章 雑則
(時効)
第百十条保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によつて消滅する。
保険料その他この法律の規定による徴収金の徴収の告知又は督促は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を生ずる。
(期間の計算)
第百十一条この法律又はこの法律に基く命令に規定する期間の計算については、民法の期間に関する規定を準用する。
(戸籍に関する無料証明)
第百十二条市町村長(特別区及び地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては、区長とする。)は、保険者又は保険給付を受ける者に対し、当該市町村の条例の定めるところにより、被保険者又は被保険者であつた者の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。
(文書の提出等)
第百十三条保険者は、被保険者の資格、保険給付及び保険料に関して必要があると認めるときは、世帯主若しくは組合員又はこれらであつた者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
(資料の提供等)
第百十三条の二市町村は、被保険者の資格、保険給付及び保険料に関し必要があると認めるときは、被保険者若しくは被保険者の属する世帯の世帯主の資産若しくは収入の状況又は国民年金の被保険者の種別の変更若しくは国民年金法の規定による保険料の納付状況につき、官公署に対し、必要な書類の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は銀行、信託会社その他の機関若しくは被保険者の雇用主その他の関係者に報告を求めることができる。
市町村は、被保険者の資格に関し必要があると認めるときは、他の市町村、組合、第六条第一号から第三号までに掲げる法律の規定による保険者若しくは共済組合又は私立学校教職員共済法の規定により私立学校教職員共済制度を管掌することとされた日本私立学校振興・共済事業団に対し、他の市町村若しくは組合が行う国民健康保険の被保険者、健康保険若しくは船員保険の被保険者若しくは被扶養者、共済組合の組合員若しくは被扶養者又は私立学校教職員共済制度の加入者若しくは被扶養者の氏名及び住所、健康保険法第三条第三項に規定する適用事業所の名称及び所在地その他の必要な資料の提供を求めることができる。
(診療録の提示等)
第百十四条厚生労働大臣又は都道府県知事は、保険給付に関して必要があると認めるときは、医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行つた者又はこれを使用する者に対し、その行つた診療、薬剤の支給又は手当に関し、報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
厚生労働大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、訪問看護療養費若しくは特別療養費の支給を受けた被保険者又は被保険者であつた者に対し、当該療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、訪問看護療養費若しくは特別療養費の支給に係る診療、調剤又は指定訪問看護の内容に関し、報告を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
(準用規定)
第百十五条第百六条第二項の規定は、前二条の規定による質問について、第百六条第三項の規定は、前二条の規定による権限について準用する。
(修学中の被保険者の特例)
第百十六条修学のため一の市町村の区域内に住所を有する被保険者であつて、修学していないとすれば他の市町村の区域内に住所を有する他人と同一の世帯に属するものと認められるものは、第五条の規定にかかわらず、当該他の市町村の行なう国民健康保険の被保険者とし、かつ、この法律の適用については、当該世帯に属するものとみなす。
(病院等に入院、入所又は入居中の被保険者の特例)
第百十六条の二次の各号に掲げる入院、入所又は入居(以下この条において「入院等」という。)をしたことにより、当該各号に規定する病院、診療所又は施設(以下この条において「病院等」という。)の所在する場所に住所を変更したと認められる被保険者であつて、当該病院等に入院等をした際他の市町村(当該病院等が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるものは、第五条の規定にかかわらず、当該他の市町村が行う国民健康保険の被保険者とする。ただし、二以上の病院等に継続して入院等をしている被保険者であつて、現に入院等をしている病院等(以下この条において「現入院病院等」という。)に入院等をする直前に入院等をしていた病院等(以下この項において「直前入院病院等」という。)及び現入院病院等のそれぞれに入院等をしたことにより直前入院病院等及び現入院病院等のそれぞれの所在する場所に順次住所を変更したと認められるもの(次項において「特定継続入院等被保険者」という。)については、この限りでない。
病院又は診療所への入院
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第七条第一項に規定する児童福祉施設への入所(同法第二十七条第一項第三号又は同法第二十七条の二の規定による入所措置がとられた場合に限る。)
障害者自立支援法(平成十七年法律第百二十三号)第五条第十二項に規定する障害者支援施設又は同条第一項の厚生労働省令で定める施設への入所
独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法(平成十四年法律第百六十七号)第十一条第一号の規定により独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の設置する施設への入所
老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第二十条の四又は第二十条の五に規定する養護老人ホーム又は特別養護老人ホームへの入所(同法第十一条第一項第一号又は第二号の規定による入所措置がとられた場合に限る。)
介護保険法第八条第十一項に規定する特定施設(老人福祉法第二十九条第一項に規定する有料老人ホームであつて、高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)第五条第一項の登録を受けた高齢者向けの賃貸住宅であるもの(介護保険法第八条第十一項に規定する特定施設入居者生活介護の事業を行う事業所に係る同法第四十一条第一項本文の指定を受けていないものに限る。)を除く。)への入居又は同法第八条第二十四項に規定する介護保険施設への入所
特定継続入院等被保険者のうち、次の各号に掲げるものは、第五条の規定にかかわらず、当該各号に定める市町村が行う国民健康保険の被保険者とする。
継続して入院等をしている二以上の病院等のそれぞれに入院等をすることによりそれぞれの病院等の所在する場所に順次住所を変更したと認められる被保険者であつて、当該二以上の病院等のうち最初の病院等に入院等をした際他の市町村(現入院病院等が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるもの当該他の市町村
継続して入院等をしている二以上の病院等のうち一の病院等から継続して他の病院等に入院等をすること(以下この号において「継続入院等」という。)により当該一の病院等の所在する場所以外の場所から当該他の病院等の所在する場所への住所の変更(以下この号において「特定住所変更」という。)を行つたと認められる被保険者であつて、最後に行つた特定住所変更に係る継続入院等の際他の市町村(現入院病院等が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるもの当該他の市町村
前二項の規定の適用を受ける被保険者が入院等をしている病院等は、当該病院等の所在する市町村及び当該被保険者に対し国民健康保険を行う市町村に、必要な協力をしなければならない。
(読替規定)
第百十七条この法律中「都道府県知事」とあるのは、その区域が二以上の都道府県の区域にまたがる連合会については、「厚生労働大臣」と読み替えるものとする。
(権限の委任)
第百十八条この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。
前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。
(厚生労働大臣と都道府県知事との連携)
第百十九条第四十一条第一項(第五十二条第六項、第五十二条の二第三項、第五十三条第三項及び第五十四条の三第二項において準用する場合を含む。)及び第二項(第四十五条の二第四項、第五十二条第六項、第五十二条の二第三項、第五十三条第三項及び第五十四条の三第二項において準用する場合を含む。)、第四十五条の二第一項(第五十二条第六項、第五十二条の二第三項、第五十三条第三項及び第五十四条の三第二項において準用する場合を含む。)、第五十四条の二の二(第五十四条の三第二項において準用する場合を含む。)、第五十四条の二の三第一項(第五十四条の三第二項において準用する場合を含む。)並びに第百十四条第二項の規定により、厚生労働大臣又は都道府県知事がこれらの規定に規定する事務を行うときは、相互に密接な連携の下に行うものとする。
(事務の区分)
第百十九条の二第十七条第一項及び第三項(第二十七条第三項において準用する場合を含む。)、第二十四条の四、第二十四条の五、第二十五条第一項、第二十七条第二項及び第四項、第三十二条第二項、第三十二条の二第二項、第三十二条の七第一項及び第二項(同条第三項において準用する場合を含む。)、第三十二条の十二、第四十一条第一項(第五十二条第六項、第五十二条の二第三項、第五十三条第三項及び第五十四条の三第二項において準用する場合を含む。)及び第二項(第四十五条の二第四項、第五十二条第六項、第五十二条の二第三項、第五十三条第三項及び第五十四条の三第二項において準用する場合を含む。)、第四十五条第三項並びに第四十五条の二第一項及び第五項(これらの規定を第五十二条第六項、第五十二条の二第三項、第五十三条第三項及び第五十四条の三第二項において準用する場合を含む。)、第五十四条の二の二並びに第五十四条の二の三第一項及び第三項(これらの規定を第五十四条の三第二項において準用する場合を含む。)、第八十条第一項、第八十八条並びに第八十九条第一項の規定により都道府県が処理することとされている事務、第百六条第一項、第百七条及び第百八条の規定により都道府県が処理することとされている事務のうち組合に係るもの並びに第百十四条、附則第十六条において準用する高齢者の医療の確保に関する法律第四十四条第四項及び第百三十四条第二項並びに附則第十九条において準用する同法第百五十二条第一項及び第三項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(実施規定)
第百二十条この法律に特別の規定があるものを除くほか、この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は、厚生労働省令で定める。
第十二章 罰則
第百二十条の二保険者の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者が、正当な理由なしに、国民健康保険事業に関して職務上知得した秘密を漏らしたときは、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第百二十一条審査委員会若しくは審査会の委員若しくは連合会の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者が、正当な理由なしに、職務上知得した秘密を漏らしたときは、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第四十五条第七項(第五十二条第六項、第五十二条の二第三項、第五十三条第三項及び第五十四条の二第十二項において準用する場合を含む。)の規定により厚生労働大臣の定める診療報酬請求書の審査を行う者若しくはこれを行つていた者又は指定法人の役員、職員若しくはこれらの職にあつた者が、正当な理由なしに、職務上知得した秘密を漏らしたときも、前項と同様とする。
第百二十二条正当な理由なしに、第百一条第一項の規定による処分に違反して、出頭せず、陳述をせず、報告をせず、若しくは虚偽の陳述若しくは報告をし、又は診断若しくは検案をしなかつた者は、三十万円以下の罰金に処する。ただし、審査会の行う審査の手続における請求人又は第百条第一項の規定により通知を受けた保険者その他の利害関係人は、この限りでない。
第百二十三条被保険者又は被保険者であつた者が、第百十四条第二項の規定により報告を命ぜられ、正当な理由なしにこれに従わず、又は同条同項の規定による当該職員の質問に対して、正当な理由なしに答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、三十万円以下の罰金に処する。
第百二十四条医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行つた者又はこれを使用する者が、第百十四条第一項の規定により報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命ぜられ、正当な理由なしにこれに従わず、又は同条同項の規定による当該職員の質問に対して、正当な理由なしに答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、十万円以下の過料に処する。
第百二十五条組合又は連合会が、第二十七条第四項(第八十六条において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をし、第百六条第一項の規定による報告を命ぜられ、正当な理由なしにこれに応ぜず、若しくは虚偽の報告をし、又は第百八条第一項の規定による命令に違反したときは、その役員又は清算人を二十万円以下の過料に処する。
第百二十六条第十五条第二項又は第八十三条第四項の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。
第百二十七条市町村は、条例で、第九条第一項若しくは第九項の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をした者又は同条第三項若しくは第四項の規定により被保険者証の返還を求められてこれに応じない者に対し十万円以下の過料を科する規定を設けることができる。
市町村は、条例で、世帯主又は世帯主であつた者が正当な理由なしに、第百十三条の規定により文書その他の物件の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は同条の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、十万円以下の過料を科する規定を設けることができる。
市町村は、条例で、偽りその他不正の行為により保険料その他この法律の規定による徴収金の徴収を免かれた者に対し、その徴収を免かれた金額の五倍に相当する金額以下の過料を科する規定を設けることができる。
地方自治法第二百五十五条の三の規定は、前三項の規定による過料の処分について準用する。
第百二十八条前条第一項から第三項までの規定は、組合について準用する。この場合において、これらの規定中「条例」とあるのは「規約」と、「過料」とあるのは「過怠金」と読み替えるものとする。
組合又は連合会は、規約の定めるところにより、その施設の使用に関し十万円以下の過怠金を徴収することができる。
附 則
(施行期日等)
第一条この法律は、昭和三十四年一月一日から施行する。
第二条この法律の施行の際現に国民健康保険を行つていない市町村は、第三条第一項の規定にかかわらず、昭和三十六年四月一日までに国民健康保険事業を開始するをもつて足りる。
第三条前条の市町村で、特別の事情があるものは、第三条第一項及び前条の規定にかかわらず、昭和三十六年四月一日以後も当分の間、厚生大臣の承認を受けて、国民健康保険を行わないことができる。
第四条第十一条の規定は、前二条の規定により国民健康保険を行わない市町村には、適用しない。
第五条前三条に規定するもののほか、この法律の施行に関して必要な事項は、別に法律で定める。
(指定介護老人福祉施設に入所中の被保険者の特例)
第五条の二指定介護老人福祉施設(介護保険法第四十八条第一項第一号に規定する指定介護老人福祉施設をいう。以下この項において同じ。)に入所をすることにより当該指定介護老人福祉施設の所在する場所に住所を変更したと認められる被保険者であつて、当該指定介護老人福祉施設に入所をした際他の市町村(当該指定介護老人福祉施設が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるものは、当該指定介護老人福祉施設が入所定員の減少により同法第八条第二十一項に規定する地域密着型介護老人福祉施設(同項に規定する地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の事業を行う事業所に係る同法第四十二条の二第一項本文の指定を受けているものに限る。以下この条において「変更後地域密着型介護老人福祉施設」という。)となつた場合においても、当該変更後地域密着型介護老人福祉施設に継続して入所をしている間は、第五条の規定にかかわらず、当該他の市町村が行う国民健康保険の被保険者とする。ただし、変更後地域密着型介護老人福祉施設となつた指定介護老人福祉施設(以下この条において「変更前介護老人福祉施設」という。)を含む二以上の病院等(第百十六条の二第一項に規定する病院等をいう。以下この条において同じ。)に継続して入院、入所又は入居(以下この条において「入院等」という。)をしていた被保険者(当該変更後地域密着型介護老人福祉施設に継続して入所をしている者に限る。)であつて、当該変更前介護老人福祉施設に入所をする直前に入院等をしていた病院等(以下この項において「直前入院病院等」という。)及び変更前介護老人福祉施設のそれぞれに入院等をすることにより直前入院病院等及び変更前介護老人福祉施設のそれぞれの所在する場所に順次住所を変更したと認められるもの(次項において「特定継続入院等被保険者」という。)については、この限りでない。
特定継続入院等被保険者のうち、次の各号に掲げるものは、第五条の規定にかかわらず、当該各号に定める市町村が行う国民健康保険の被保険者とする。
継続して入院等をしていた二以上の病院等のそれぞれに入院等をすることによりそれぞれの病院等の所在する場所に順次住所を変更したと認められる被保険者であつて、当該二以上の病院等のうち最初の病院等に入院等をした際他の市町村(変更前介護老人福祉施設が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるもの当該他の市町村
継続して入院等をしていた二以上の病院等のうち一の病院等から継続して他の病院等に入院等をすること(以下この号において「継続入院等」という。)により当該一の病院等の所在する場所以外の場所から当該他の病院等の所在する場所への住所の変更(以下この号において「特定住所変更」という。)を行つたと認められる被保険者であつて、最後に行つた特定住所変更に係る継続入院等の際他の市町村(変更前介護老人福祉施設が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるもの当該他の市町村
前二項の規定の適用を受ける被保険者については、変更後地域密着型介護老人福祉施設を病院等とみなして、第百十六条の二の規定を適用する。
(退職被保険者等の経過措置)
第六条平成二十六年度までの間において、市町村が行う国民健康保険の被保険者(六十五歳に達する日の属する月の翌月以後であるものを除く。)のうち、次に掲げる法令に基づく老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付を受けることができる者であつて、これらの法令の規定による被保険者、組合員若しくは加入者であつた期間(当該期間に相当するものとして政令で定める期間を含む。)又はこれらの期間を合算した期間(以下この項及び附則第二十条において「年金保険の被保険者等であつた期間」という。)が二十年(その受給資格期間たる年金保険の被保険者等であつた期間が二十年未満である当該年金たる給付を受けることができる者にあつては、当該年金たる給付の区分に応じ政令で定める期間)以上であるか、又は四十歳に達した月以後の年金保険の被保険者等であつた期間が十年以上であるものに該当する者は、退職被保険者とする。ただし、当該年金たる給付の支給がその者の年齢を事由としてその全額につき停止されている者については、この限りでない。
恩給法(大正十二年法律第四十八号。他の法律において準用する場合を含む。)
国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法(昭和三十三年法律第百二十九号)
地方公務員等共済組合法の長期給付等に関する施行法(昭和三十七年法律第百五十三号)
地方公務員の退職年金に関する条例
旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法(昭和二十五年法律第二百五十六号)
市町村が行う国民健康保険の被保険者(六十五歳に達する日の属する月の翌月以後であるものを除く。)であつて、次の各号のいずれかに該当するものは、退職被保険者の被扶養者とする。
退職被保険者の直系尊属、配偶者(届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この項において同じ。)その他三親等内の親族であつて、その退職被保険者と同一の世帯に属し、主としてその者により生計を維持するもの
退職被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子であつて、その退職被保険者と同一の世帯に属し、主としてその者により生計を維持するもの
前号の配偶者の死亡後における父母及び子であつて、引き続きその退職被保険者と同一の世帯に属し、主としてその者により生計を維持するもの
(療養給付費等交付金)
第七条退職被保険者及びその被扶養者(以下「退職被保険者等」という。)の住所の存する市町村(第百十六条又は第百十六条の二の規定により他の市町村の行う国民健康保険の被保険者である場合については、当該他の市町村とする。以下「退職被保険者等所属市町村」という。)が負担する費用のうち、第一号及び第二号に掲げる額の合算額から第三号に掲げる額を控除した額(以下「被用者保険等拠出対象額」という。)については、政令で定めるところにより、社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)が退職被保険者等所属市町村に対して交付する療養給付費等交付金をもつて充てる。
退職被保険者等に係る療養の給付に要する費用の額から当該給付に係る一部負担金に相当する額を控除した額並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、特別療養費、移送費、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給に要する費用の額の合算額
調整対象基準額及び後期高齢者支援金の額の合算額に当該退職被保険者等所属市町村に係る被保険者の総数に対する退職被保険者等の総数の割合として厚生労働省令の定めるところにより算定した割合(以下「退職被保険者等所属割合」という。)を乗じて得た額
退職被保険者等に係る保険料に相当する額の合算額から当該保険料に係る介護納付金の納付に要する費用に相当する額の合算額を控除した額
前項の療養給付費等交付金(以下「療養給付費等交付金」という。)は、附則第十条の規定により支払基金が徴収する療養給付費等拠出金をもつて充てる。
第一項第二号に規定する調整対象基準額は、療養給付費等交付金の交付を受ける年度の概算調整対象基準額(高齢者の医療の確保に関する法律第三十四条第三項に規定する概算調整対象基準額をいう。以下この項において同じ。)とする。ただし、当該年度の前々年度の概算調整対象基準額が当該年度の前々年度の確定調整対象基準額(同法第三十五条第三項に規定する確定調整対象基準額をいう。以下この項において同じ。)を超えるときは、当該年度の概算調整対象基準額からその超える額とその超える額に係る調整対象基準調整金額(当該年度の前々年度におけるすべての退職被保険者等所属市町村に係る概算調整対象基準額と確定調整対象基準額との過不足額につき生ずる利子その他の事情を勘案して厚生労働省令で定めるところにより各退職被保険者等所属市町村ごとに算定される額をいう。以下この項において同じ。)との合計額を控除して得た額とするものとし、当該年度の前々年度の概算調整対象基準額が当該年度の前々年度の確定調整対象基準額に満たないときは、当該年度の概算調整対象基準額にその満たない額とその満たない額に係る調整対象基準調整金額との合計額を加算して得た額とする。
(療養給付費等交付金の減額)
第八条厚生労働大臣は、退職被保険者等所属市町村の退職被保険者等に係る国民健康保険事業の運営に関し、退職被保険者等所属市町村が確保すべき収入を不当に確保しなかつた場合又は退職被保険者等所属市町村が支出すべきでない経費を不当に支出した場合においては、政令の定めるところにより、支払基金に対し、前条第一項の規定により当該退職被保険者等所属市町村に対して交付する同項の療養給付費等交付金の額を減額することを命ずることができる。
前項の規定により減額する額は、不当に確保しなかつた額又は不当に支出した額を超えることができない。
(国の負担等の経過措置に関する読替え)
第九条退職被保険者等所属市町村については、第七十条第一項第一号中「被保険者」とあるのは「一般被保険者(附則第六条の規定による退職被保険者又は退職被保険者の被扶養者以外の被保険者をいう。第七十二条の三第一項において同じ。)」と、同項第二号中「後期高齢者支援金」とあるのは「後期高齢者支援金の納付に要する費用の額から、附則第七条第一項第二号に規定する調整対象基準額及び後期高齢者支援金の額の合算額に同号に規定する退職被保険者等所属割合を乗じて得た額を控除した額」と、第七十二条の三第一項中「被保険者」とあるのは「一般被保険者」とする。
次条第三項の規定により厚生労働大臣が定める組合にあつては、第七十六条第一項中「保険者」とあるのは「附則第十条第三項の規定により厚生労働大臣が定める組合」と、「並びに介護納付金の納付に要する費用を含み、健康保険法第百七十九条に規定する組合にあつては、同法」とあるのは「、介護納付金、同条第一項の規定による拠出金並びに健康保険法」とする。
(拠出金の徴収及び納付義務)
第十条支払基金は、附則第十七条に規定する業務及び当該業務に関する事務の処理に要する費用に充てるため、年度(毎年四月一日から翌年三月三十一日までをいう。以下同じ。)ごとに、被用者保険等保険者から、療養給付費等拠出金及び事務費拠出金(以下この条、附則第十六条及び第十七条において「拠出金」という。)を徴収する。
被用者保険等保険者は、拠出金を納付する義務を負う。
第一項の被用者保険等保険者は、健康保険法の規定による保険者、船員保険法の規定による保険者、第六条第三号に規定する共済組合、日本私立学校振興・共済事業団及び健康保険法第三条第一項第八号の規定による承認を受けて同法の被保険者とならない者を組合員とする組合であつて厚生労働大臣が定めるものとする。
(療養給付費等拠出金の額)
第十一条前条第一項の規定により被用者保険等保険者から徴収する療養給付費等拠出金の額は、当該年度の概算療養給付費等拠出金の額とする。ただし、前々年度の概算療養給付費等拠出金の額が前々年度の確定療養給付費等拠出金の額を超えるときは、当該年度の概算療養給付費等拠出金の額からその超える額とその超える額に係る拠出金調整金額との合計額を控除して得た額とするものとし、前々年度の概算療養給付費等拠出金の額が前々年度の確定療養給付費等拠出金の額に満たないときは、当該年度の概算療養給付費等拠出金の額にその満たない額とその満たない額に係る拠出金調整金額との合計額を加算して得た額とする。
前項に規定する拠出金調整金額は、前々年度におけるすべての被用者保険等保険者に係る概算療養給付費等拠出金の額と確定療養給付費等拠出金の額との過不足額につき生ずる利子その他の事情を勘案して厚生労働省令で定めるところにより各被用者保険等保険者ごとに算定される額とする。
(概算療養給付費等拠出金)
第十二条前条第一項の概算療養給付費等拠出金の額は、被用者保険等保険者ごとの当該年度の標準報酬総額(健康保険法の規定による保険者又は船員保険法の規定による保険者にあつては、被保険者ごとのこれらの法律に規定する標準報酬(標準報酬月額及び標準賞与額をいう。)の当該年度の合計額の総額とし、第六条第三号に規定する共済組合にあつては、組合員ごとの同号に規定する法律に規定する標準報酬の月額及び標準期末手当等の額又は給料の月額及び期末手当等の額の当該年度の合計額の総額を、日本私立学校振興・共済事業団にあつては、加入者ごとの私立学校教職員共済法に規定する標準給与の月額及び標準賞与の額の当該年度の合計額の総額を、組合にあつては、組合員ごとのこれらの報酬に相当するものとして厚生労働省令で定めるものの当該年度の合計額の総額を、それぞれ政令で定めるところにより補正して得た額とする。以下同じ。)の見込額として厚生労働省令で定めるところにより算定される額に概算拠出率を乗じて得た額とする。
前項の概算拠出率は、厚生労働省令で定めるところにより、当該年度の各退職被保険者等所属市町村における被用者保険等拠出対象額の見込額の合計額を当該年度の被用者保険等保険者の標準報酬総額の見込額の合計額で除して得た率とする。
(確定療養給付費等拠出金)
第十三条附則第十一条第一項の確定療養給付費等拠出金の額は、各被用者保険等保険者の前々年度の標準報酬総額に確定拠出率を乗じて得た額とする。
前項の確定拠出率は、厚生労働省令で定めるところにより、前々年度の各退職被保険者等所属市町村における被用者保険等拠出対象額の合計額を前々年度の被用者保険等保険者の標準報酬総額の合計額で除して得た率とする。
(事務費拠出金の額)
第十四条附則第十条第一項の規定により各被用者保険等保険者から徴収する事務費拠出金の額は、厚生労働省令で定めるところにより、当該年度における附則第十七条に規定する支払基金の業務に関する事務の処理に要する費用の見込額に前々年度の各被用者保険等保険者の標準報酬総額を前々年度の被用者保険等保険者の標準報酬総額の合計額で除して得た率を乗じて得た額とする。
(通知等)
第十五条退職被保険者等所属市町村は、厚生労働省令で定めるところにより、支払基金に対し、各年度における被用者保険等拠出対象額その他厚生労働省令で定める事項を通知しなければならない。
退職被保険者等所属市町村は、前項の規定による通知の事務を第四十五条第五項に規定する者に委託することができる。
(拠出金に関する高齢者の医療の確保に関する法律の準用)
第十六条高齢者の医療の確保に関する法律第四十一条及び第四十三条から第四十六条まで、第百三十四条第二項及び第三項並びに第百五十九条の規定は、拠出金に関して準用する。この場合において、これらの規定中「保険者」とあるのは、「被用者保険等保険者」と読み替えるものとする。
(支払基金の業務)
第十七条支払基金は、社会保険診療報酬支払基金法第十五条に規定する業務のほか、この法律の目的を達成するため、次の業務(以下「退職者医療関係業務」という。)を行う。
被用者保険等保険者から拠出金を徴収すること。
退職被保険者等所属市町村に対し附則第七条第一項の療養給付費等交付金を交付すること。
前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
第十八条附則第八条第一項に規定する命令は、社会保険診療報酬支払基金法第十一条第二項及び第三項の規定の適用については、同法第二十九条に規定する命令とみなし、退職者医療関係業務は、同法第三十二条第二項の規定の適用については、同法第十五条に規定する業務とみなす。
(支払基金の退職者医療関係業務に関する高齢者の医療の確保に関する法律の準用)
第十九条高齢者の医療の確保に関する法律第百四十条から第百五十二条まで、第百五十四条、第百六十八条及び第百七十条第一項の規定は、支払基金の退職者医療関係業務に関して準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(資料の提供等)
第二十条退職被保険者等所属市町村は、退職被保険者の資格に関し必要があると認めるときは、退職被保険者の年金保険の被保険者等であつた期間又は退職被保険者に対する附則第六条第一項各号に掲げる法令に基づく老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付の支給状況につき、当該年金たる給付の支払をする者に対し、必要な書類の閲覧又は資料の提供を求めることができる。
(特例退職被保険者等の経過措置)
第二十一条健康保険法附則第三条第一項に規定する健康保険の被保険者(平成二十六年度までの間において、附則第六条第一項の規定による退職被保険者となることができる者に限る。以下「特例退職被保険者」という。)及びその被扶養者(六十五歳に達する日の属する月の翌月以後であるもの又は同一の世帯に属さない者を除く。以下同じ。)は、附則第十二条の規定による当該年度の被用者保険等保険者の標準報酬総額の見込額及び被用者保険等拠出対象額の見込額、附則第十三条の規定による前々年度の被用者保険等保険者の標準報酬総額及び被用者保険等拠出対象額並びに附則第十四条の規定による前々年度の被用者保険等保険者の標準報酬総額の算定に当たつては、退職被保険者等とみなす。
健康保険法附則第三条第一項に規定する健康保険組合(以下「特定健康保険組合」という。)は、厚生労働省令で定めるところにより、支払基金に対し、各年度における特例退職被保険者及びその被扶養者に係る療養の給付その他医療に関する給付に要した費用その他厚生労働省令で定める事項を通知しなければならない。
特定健康保険組合が納付する概算療養給付費等拠出金の額は、附則第十二条第一項の規定により算定した額から、第一号及び第二号に掲げる額の合算額から第三号に掲げる額を控除した額を控除した額とする。
当該特定健康保険組合が負担する特例退職被保険者及びその被扶養者に係る療養の給付に要する費用の額の見込額から当該給付に係る一部負担金に相当する額の見込額を控除した額並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給に要する費用の額の見込額の合算額
当該特定健康保険組合に係る調整対象基準額及び当該特定健康保険組合が負担する後期高齢者支援金の合算額に当該特定健康保険組合に係る被保険者及びその被扶養者の総数に対する特例退職被保険者及びその被扶養者の総数の割合として政令の定めるところにより算定した割合(以下「特例退職被保険者等所属割合」という。)を乗じて得た額
特例退職被保険者及びその被扶養者が退職被保険者等であり、かつ、これらの者を管掌する国民健康保険の退職被保険者等に係る平均の保険料の額から当該平均の保険料の額に係る介護納付金の納付に要する平均の費用に相当する額を控除した額をこれらの者から徴収した場合における当該控除した額の特例退職被保険者及びその被扶養者に係る合算額の見込額として厚生労働省令で定めるところにより算定される額
特定健康保険組合が納付する確定療養給付費等拠出金の額は、附則第十三条第一項の規定により算定した額から、第一号及び第二号に掲げる額の合算額から第三号に掲げる額を控除した額を控除した額とする。
当該特定健康保険組合が負担した特例退職被保険者及びその被扶養者に係る療養の給付に要した費用の額から当該給付に係る一部負担金に相当する額を控除した額並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給に要した費用の額の合算額
当該特定健康保険組合に係る調整対象基準額及び当該特定健康保険組合が負担した後期高齢者支援金の合算額に特例退職被保険者等所属割合を乗じて得た額
特例退職被保険者及びその被扶養者が退職被保険者等であり、かつ、これらの者を管掌する国民健康保険の退職被保険者等に係る平均の保険料の額から当該平均の保険料の額に係る介護納付金の納付に要する平均の費用に相当する額を控除した額をこれらの者から徴収した場合における当該控除した額の当該特例退職被保険者及びその被扶養者に係る合算額として厚生労働省令で定めるところにより算定される額
第三項第二号及び前項第二号に規定する調整対象基準額は、当該年度の概算調整対象基準額(高齢者の医療の確保に関する法律第三十四条第三項に規定する概算調整対象基準額をいう。以下この項において同じ。)とする。ただし、当該年度の前々年度の概算調整対象基準額が当該年度の前々年度の確定調整対象基準額(同法第三十五条第三項に規定する確定調整対象基準額をいう。以下この項において同じ。)を超えるときは、当該年度の概算調整対象基準額からその超える額とその超える額に係る調整対象基準調整金額(当該年度の前々年度におけるすべての特定健康保険組合に係る概算調整対象基準額と確定調整対象基準額との過不足額につき生ずる利子その他の事情を勘案して厚生労働省令で定めるところにより各特定健康保険組合ごとに算定される額をいう。以下この項において同じ。)との合計額を控除して得た額とするものとし、当該年度の前々年度の概算調整対象基準額が当該年度の前々年度の確定調整対象基準額に満たないときは、当該年度の概算調整対象基準額にその満たない額とその満たない額に係る調整対象基準調整金額との合計額を加算して得た額とする。
第一項から前項までの規定は、国家公務員共済組合法附則第十二条及び地方公務員等共済組合法附則第十八条に規定する特定共済組合並びに特例退職組合員及びその被扶養者並びに私立学校教職員共済法第二十五条において読み替えて準用する国家公務員共済組合法附則第十二条に規定する事業団並びに特例退職加入者及びその被扶養者について準用する。
第二十一条の二平成二十二年度から平成二十四年度までの各年度の概算療養給付費等拠出金の額及び確定療養給付費等拠出金の額についての前条第三項及び第四項の規定の適用については、同条第三項第二号中「が負担する後期高齢者支援金」とあるのは「に係る後期高齢者支援金(当該特定健康保険組合に高齢者の医療の確保に関する法律附則第十四条の三及び第十四条の四の規定の適用がないものとして同法第百十九条の規定を適用するとしたならば同条第一項の規定により算定されることとなるものをいう。次項第二号において同じ。)」と、同条第四項第二号中「が負担した」とあるのは「に係る」とする。
平成二十二年度及び平成二十三年度の各年度における前条第五項の規定の適用については、同項中「第三十四条第三項に規定する概算調整対象基準額をいう。以下この項において同じ」とあるのは「附則第十三条の二第三号及び第四号に掲げる額の合計額をいう」と、「前々年度の概算調整対象基準額」とあるのは「前々年度の概算調整対象基準額(同法第三十四条第三項に規定する概算調整対象基準額をいう。)」と、「ときは、当該年度の概算調整対象基準額」とあるのは「ときは、当該年度の概算調整対象基準額(同法附則第十三条の二第三号及び第四号に掲げる額の合計額をいう。)」と、「概算調整対象基準額と」とあるのは「概算調整対象基準額(同法第三十四条第三項に規定する概算調整対象基準額をいう。)と」とする。
平成二十四年度における前条第五項の規定の適用については、同項中「第三十四条第三項に規定する概算調整対象基準額」とあるのは「附則第十三条の二第三号及び第四号に掲げる額の合計額」と、「第三十五条第三項に規定する確定調整対象基準額」とあるのは「附則第十三条の三第三号及び第四号に掲げる額の合計額」とする。
(病床転換支援金の経過措置)
第二十二条高齢者の医療の確保に関する法律附則第二条に規定する政令で定める日までの間、第六十九条中「及び同法の規定による後期高齢者支援金等(以下「後期高齢者支援金等」という。)」とあるのは「、同法の規定による後期高齢者支援金等(以下「後期高齢者支援金等」という。)及び同法の規定による病床転換支援金等(以下「病床転換支援金等」という。)」と、第七十条第一項(附則第九条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)中「及び同法の規定による後期高齢者支援金(以下「後期高齢者支援金」という。)」とあるのは「、同法の規定による後期高齢者支援金(以下「後期高齢者支援金」という。)及び同法の規定による病床転換支援金(以下「病床転換支援金」という。)」と、同項第二号(附則第九条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)中「及び後期高齢者支援金」とあるのは「、後期高齢者支援金及び病床転換支援金」と、第七十三条第一項及び第二項中「及び後期高齢者支援金」とあるのは「、後期高齢者支援金及び病床転換支援金」と、第七十五条及び第七十六条第一項(附則第九条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)中「及び後期高齢者支援金等」とあるのは「、後期高齢者支援金等及び病床転換支援金等」と、附則第七条第一項第二号中「及び後期高齢者支援金」とあるのは「、後期高齢者支援金及び病床転換支援金」と、附則第二十一条第三項第二号及び第四項第二号中「調整対象基準額及び」とあるのは「調整対象基準額並びに」と、「後期高齢者支援金」とあるのは「後期高齢者支援金及び病床転換支援金」とする。
(組合に対する補助の特例)
第二十二条の二平成二十二年度から平成二十四年度までの各年度における第七十三条第二項の規定の適用については、同項中「補助の割合」とあるのは、「補助の割合及び組合の財政力」とする。
(合併市町村における保険料の賦課に関する特例)
第二十三条市町村の合併の特例に関する法律(平成十六年法律第五十九号)第二条第二項に規定する合併市町村は、同条第三項に規定する合併関係市町村の相互の間に保険料の賦課に関し著しい不均衡があるため、その全区域にわたつて均一の保険料の賦課をすることが著しく衡平を欠くと認められる場合においては、市町村の合併(平成三十二年三月三十一日までの間に行われたものに限る。)が行われた日の属する年度及びこれに続く五箇年度に限り、その衡平を欠く程度を限度として不均一の保険料の賦課をすることができる。
(国民健康保険に関する特別会計への繰入れ等の特例)
第二十四条市町村は、平成二十二年度から平成二十六年度までの各年度において、第七十二条の三第一項の規定に基づき繰り入れる額のほか、政令の定めるところにより、一般会計から、所得の少ない者の数に応じて国民健康保険の財政の状況その他の事情を勘案して政令の定めるところにより算定した額を国民健康保険に関する特別会計に繰り入れなければならない。
国は、平成二十二年度から平成二十六年度までの各年度において、政令の定めるところにより、前項の規定による繰入金の二分の一に相当する額を負担する。
都道府県は、平成二十二年度から平成二十六年度までの各年度において、政令の定めるところにより、第一項の規定による繰入金の四分の一に相当する額を負担する。
(国の負担の特例)
第二十五条平成二十二年度から平成二十六年度までの各年度における第七十条第一項第一号の規定の適用については、同号中「繰入金」とあるのは、「繰入金及び附則第二十四条第一項の規定による繰入金の合算額」とし、当該年度における第七十二条第二項第一号の規定の適用については、同号中「第七十条第一項第一号」とあるのは、「附則第二十五条により読み替えられた第七十条第一項第一号」とし、当該年度における同項第二号の規定の適用については、同号中「繰入金」とあるのは、「繰入金及び附則第二十四条第一項の規定による繰入金の合算額」とする。
(高額な医療に係る交付金事業等)
第二十六条連合会は、政令の定めるところにより、国民健康保険の財政の安定化を図るため、平成二十二年度から平成二十六年度までの間、その会員である市町村に対して次に掲げる交付金を交付する事業を行うものとする。
政令で定める額(第三項の規定により都道府県が特別の額を定めた場合には、その額)以上の医療に要する費用を市町村(連合会の会員である市町村をいう。以下同じ。)が共同で負担することに伴う交付金
政令で定める額以上の高額な医療に要する費用を国、都道府県及び市町村が共同で負担することに伴う交付金
連合会は、前項の事業に要する費用に充てるため、同項各号に掲げる交付金を交付する事業ごとに、政令で定める方法(同項第一号に掲げる交付金を交付する事業について、次項の規定により都道府県が特別の方法を定めた場合には、その方法)により、市町村から拠出金を徴収する。
都道府県は、必要があると認めるときは、第一項第一号に掲げる交付金を交付する事業について、政令で定める基準に従い、広域化等支援方針において、第六十八条の二第二項第四号に掲げる国民健康保険の財政の安定化を図るための具体的な施策として、第一項第一号の政令で定める額又は前項の政令で定める方法に代えて、特別の額又は特別の方法を定めることができる。
市町村は、第二項の規定による拠出金を納付する義務を負う。
国及び都道府県は、政令の定めるところにより、第一項第二号に掲げる交付金を交付する事業に係る第二項の規定による拠出金(当該事業に関する事務の処理に要する費用に係るものを除く。)の四分の一に相当する額をそれぞれ負担する。
指定法人は、連合会からの拠出金その他の当該事業に必要な経費に充てるために支出された金銭を財源として、連合会に対して第一項第二号に掲げる交付金を交付する事業のうち著しく高額な医療に関する給付に係るものについて交付金を交付する事業を行うことができる。
(調整交付金の特例)
第二十七条平成二十二年度から平成二十六年度までの間の各年度の第七十二条第二項に規定する調整交付金の総額は、同項の規定にかかわらず、同項の規定により算定された額から、前条第五項の規定により国が負担する費用の額から当該費用の額の三分の一以内の額を控除した額を控除した額として予算で定める額とする。