民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)
最終更新:平成二十三年法律第五十三号
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February 4, 2023
- Last Version: Act No. 53 of 2011
- Translated Date: March 7, 2022
- Dictionary Version: 14.0
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October 5, 2016
- Last Version: Act No. 152 of 2004
- Translated Date: December 16, 2010
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民事調停法
昭和二十六年六月九日法律第二百二十二号
第一章 総則
第一節 通則 (第一条―第二十三条)
第二節 民事調停官 (第二十三条の二―第二十三条の五)
第二章 特則
第一節 宅地建物調停 (第二十四条―第二十四条の三)
第二節 農事調停 (第二十五条―第三十条)
第三節 商事調停 (第三十一条)
第四節 鉱害調停 (第三十二条・第三十三条)
第五節 交通調停 (第三十三条の二)
第六節 公害等調停 (第三十三条の三)
第三章 罰則 (第三十四条―第三十八条)
附 則
第一章 総則
第一節 通則
(この法律の目的)
第一条この法律は、民事に関する紛争につき、当事者の互譲により、条理にかない実情に即した解決を図ることを目的とする。
(調停事件)
第二条民事に関して紛争を生じたときは、当事者は、裁判所に調停の申立てをすることができる。
(管轄)
第三条調停事件は、特別の定めがある場合を除いて、相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する簡易裁判所又は当事者が合意で定める地方裁判所若しくは簡易裁判所の管轄とする。
2調停事件は、日本国内に相手方(法人その他の社団又は財団を除く。)の住所及び居所がないとき、又は住所及び居所が知れないときは、その最後の住所地を管轄する簡易裁判所の管轄に属する。
3調停事件は、相手方が法人その他の社団又は財団(外国の社団又は財団を除く。)である場合において、日本国内にその事務所若しくは営業所がないとき、又はその事務所若しくは営業所の所在地が知れないときは、代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する簡易裁判所の管轄に属する。
4調停事件は、相手方が外国の社団又は財団である場合において、日本国内にその事務所又は営業所がないときは、日本における代表者その他の主たる業務担当者の住所地を管轄する簡易裁判所の管轄に属する。
(移送等)
第四条裁判所は、調停事件の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるとき(次項本文に規定するときを除く。)は、申立てにより又は職権で、これを管轄権のある地方裁判所又は簡易裁判所に移送しなければならない。ただし、事件を処理するために特に必要があると認めるときは、職権で、土地管轄の規定にかかわらず、事件の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送し、又は自ら処理することができる。
2裁判所は、調停事件の全部又は一部がその管轄に属しないと認める場合であって、その事件が家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第二百四十四条の規定により家庭裁判所が調停を行うことができる事件であるときは、職権で、これを管轄権のある家庭裁判所に移送しなければならない。ただし、事件を処理するために特に必要があると認めるときは、土地管轄の規定にかかわらず、事件の全部又は一部を他の家庭裁判所に移送することができる。
3裁判所は、調停事件がその管轄に属する場合においても、事件を処理するために適当であると認めるときは、職権で、土地管轄の規定にかかわらず、事件の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。
(調停の申立て)
第四条の二調停の申立ては、申立書を裁判所に提出してしなければならない。
2前項の申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一当事者及び法定代理人
二申立ての趣旨及び紛争の要点
(調停機関)
第五条裁判所は、調停委員会で調停を行う。ただし、裁判所が相当であると認めるときは、裁判官だけでこれを行うことができる。
2裁判所は、当事者の申立てがあるときは、前項ただし書の規定にかかわらず、調停委員会で調停を行わなければならない。
(調停委員会の組織)
第六条調停委員会は、調停主任一人及び民事調停委員二人以上で組織する。
(調停主任等の指定)
第七条調停主任は、裁判官の中から、地方裁判所が指定する。
2調停委員会を組織する民事調停委員は、裁判所が各事件について指定する。
(民事調停委員)
第八条民事調停委員は、調停委員会で行う調停に関与するほか、裁判所の命を受けて、他の調停事件について、専門的な知識経験に基づく意見を述べ、嘱託に係る紛争の解決に関する事件の関係人の意見の聴取を行い、その他調停事件を処理するために必要な最高裁判所の定める事務を行う。
2民事調停委員は、非常勤とし、その任免に関して必要な事項は、最高裁判所が定める。
(民事調停委員の除斥)
第九条民事調停委員の除斥については、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第十一条、第十三条第二項、第八項及び第九項並びに第十四条第二項の規定(忌避に関する部分を除く。)を準用する。
2民事調停委員の除斥についての裁判は、民事調停委員の所属する裁判所がする。
(手当等)
第十条民事調停委員には、別に法律で定めるところにより手当を支給し、並びに最高裁判所の定めるところにより旅費、日当及び宿泊料を支給する。
(利害関係人の参加)
第十一条調停の結果について利害関係を有する者は、調停委員会の許可を受けて、調停手続に参加することができる。
2調停委員会は、相当であると認めるときは、調停の結果について利害関係を有する者を調停手続に参加させることができる。
(調停前の措置)
第十二条調停委員会は、調停のために特に必要があると認めるときは、当事者の申立てにより、調停前の措置として、相手方その他の事件の関係人に対して、現状の変更又は物の処分の禁止その他調停の内容たる事項の実現を不能にし又は著しく困難ならしめる行為の排除を命ずることができる。
2前項の措置は、執行力を有しない。
(調停手続の指揮)
第十二条の二調停委員会における調停手続は、調停主任が指揮する。
(期日の呼出し)
第十二条の三調停委員会は、調停手続の期日を定めて、事件の関係人を呼び出さなければならない。
(調停の場所)
第十二条の四調停委員会は、事件の実情を考慮して、裁判所外の適当な場所で調停を行うことができる。
(調書の作成)
第十二条の五裁判所書記官は、調停手続の期日について、調書を作成しなければならない。ただし、調停主任においてその必要がないと認めるときは、この限りでない。
(記録の閲覧等)
第十二条の六当事者又は利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、調停事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は調停事件に関する証明書の交付を請求することができる。
2民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第九十一条第四項及び第五項の規定は、前項の記録について準用する。
(事実の調査及び証拠調べ等)
第十二条の七調停委員会は、職権で事実の調査をし、かつ、申立てにより又は職権で、必要と認める証拠調べをすることができる。
2調停委員会は、調停主任に事実の調査又は証拠調べをさせることができる。
(調停をしない場合)
第十三条調停委員会は、事件が性質上調停をするのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的でみだりに調停の申立てをしたと認めるときは、調停をしないものとして、事件を終了させることができる。
(調停の不成立)
第十四条調停委員会は、当事者間に合意が成立する見込みがない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合において、裁判所が第十七条の決定をしないときは、調停が成立しないものとして、事件を終了させることができる。
(裁判官の調停への準用)
第十五条第十一条から前条までの規定は、裁判官だけで調停を行う場合に準用する。
(調停の成立・効力)
第十六条調停において当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、その記載は、裁判上の和解と同一の効力を有する。
(調停に代わる決定)
第十七条裁判所は、調停委員会の調停が成立する見込みがない場合において相当であると認めるときは、当該調停委員会を組織する民事調停委員の意見を聴き、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を見て、職権で、当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で、事件の解決のために必要な決定をすることができる。この決定においては、金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命ずることができる。
(異議の申立て)
第十八条前条の決定に対しては、当事者又は利害関係人は、異議の申立てをすることができる。その期間は、当事者が決定の告知を受けた日から二週間とする。
2裁判所は、前項の規定による異議の申立てが不適法であると認めるときは、これを却下しなければならない。
3前項の規定により異議の申立てを却下する裁判に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。
4適法な異議の申立てがあったときは、前条の決定は、その効力を失う。
5第一項の期間内に異議の申立てがないときは、前条の決定は、裁判上の和解と同一の効力を有する。
(調停不成立等の場合の訴の提起)
第十九条第十四条(第十五条において準用する場合を含む。)の規定により事件が終了し、又は前条第四項の規定により決定が効力を失った場合において、申立人がその旨の通知を受けた日から二週間以内に調停の目的となった請求について訴えを提起したときは、調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなす。
(調停の申立ての取下げ)
第十九条の二調停の申立ては、調停事件が終了するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。ただし、第十七条の決定がされた後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。
(付調停)
第二十条受訴裁判所は、適当であると認めるときは、職権で、事件を調停に付した上、管轄裁判所に処理させ又は自ら処理することができる。ただし、事件について争点及び証拠の整理が完了した後において、当事者の合意がない場合には、この限りでない。
2前項の規定により事件を調停に付した場合において、調停が成立し又は第十七条の決定が確定したときは、訴えの取下げがあったものとみなす。
3第一項の規定により受訴裁判所が自ら調停により事件を処理する場合には、調停主任は、第七条第一項の規定にかかわらず、受訴裁判所がその裁判官の中から指定する。
4前三項の規定は、非訟事件を調停に付する場合について準用する。
(調停が成立した場合の費用の負担)
第二十条の二調停が成立した場合において、調停手続の費用の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。
2前条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)及び第二十四条の二第二項の規定により調停に付された訴訟事件又は非訟事件について調停が成立した場合において、訴訟費用及び非訟事件の手続の費用の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。
(訴訟手続等の中止)
第二十条の三調停の申立てがあった事件について訴訟が係属しているとき、又は第二十条第一項若しくは第二十四条の二第二項の規定により事件が調停に付されたときは、受訴裁判所は、調停事件が終了するまで訴訟手続を中止することができる。ただし、事件について争点及び証拠の整理が完了した後において、当事者の合意がない場合には、この限りでない。
2前項の規定は、調停の申立てがあった事件について非訟事件が係属しているとき、又は第二十条第四項において準用する同条第一項の規定により非訟事件が調停に付されたときについて準用する。
(終局決定以外の決定に対する即時抗告)
第二十一条調停手続における終局決定以外の決定に対しては、この法律に定めるもののほか、最高裁判所規則で定めるところにより、即時抗告をすることができる。
(非訟事件手続法の準用)
第二十二条特別の定めがある場合を除いて、調停に関しては、その性質に反しない限り、非訟事件手続法第二編の規定を準用する。ただし、同法第四十条及び第五十二条の規定は、この限りでない。
(この法律に定のない事項)
第二十三条この法律に定めるもののほか、調停に関して必要な事項は、最高裁判所が定める。
第二節 民事調停官
(民事調停官の任命等)
第二十三条の二民事調停官は、弁護士で五年以上その職にあったもののうちから、最高裁判所が任命する。
2民事調停官は、この法律の定めるところにより、調停事件の処理に必要な職務を行う。
3民事調停官は、任期を二年とし、再任されることができる。
4民事調停官は、非常勤とする。
5民事調停官は、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、在任中、その意に反して解任されることがない。
一弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第七条各号のいずれかに該当するに至ったとき。
二心身の故障のため職務の執行ができないと認められたとき。
三職務上の義務違反その他民事調停官たるに適しない非行があると認められたとき。
6この法律に定めるもののほか、民事調停官の任免に関して必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
(民事調停官の権限等)
第二十三条の三民事調停官は、裁判所の指定を受けて、調停事件を取り扱う。
2民事調停官は、その取り扱う調停事件の処理について、次条第三項ただし書に規定する権限並びにこの法律の規定(第二十二条において準用する非訟事件手続法の規定を含む。)及び特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律(平成十一年法律第百五十八号)の規定において裁判官が行うものとして規定されている民事調停及び特定調停に関する権限(調停主任に係るものを含む。)のほか、次に掲げる権限を行うことができる。
一第四条、第五条第一項ただし書、第七条第二項、第八条第一項、第十七条、第三十条(第三十三条において準用する場合を含む。)において準用する第二十八条、第三十四条及び第三十五条の規定において裁判所が行うものとして規定されている民事調停に関する権限
二第二十二条において準用する非訟事件手続法の規定(同法第十三条及び第十四条第三項本文(同法第十五条において準用する場合を含む。)の規定を除く。)において裁判所が行うものとして規定されている権限であって民事調停に関するもの
三特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律の規定において裁判所が行うものとして規定されている特定調停に関する権限
3民事調停官は、独立してその職権を行う。
4民事調停官は、その権限を行うについて、裁判所書記官に対し、その職務に関し必要な命令をすることができる。この場合において、裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第六十条第五項の規定は、民事調停官の命令を受けた裁判所書記官について準用する。
(民事調停官の除斥及び忌避)
第二十三条の四民事調停官の除斥及び忌避については、非訟事件手続法第十一条、第十二条並びに第十三条第二項から第四項まで、第八項及び第九項の規定を準用する。
2非訟事件手続法第十三条第五項各号に掲げる事由があるとして忌避の申立てを却下する裁判があったときは、前項において準用する同条第四項本文の規定にかかわらず、調停手続は停止しない。
3民事調停官の除斥又は忌避についてはその民事調停官の所属する裁判所が、簡易裁判所に所属する民事調停官の除斥又は忌避についてはその裁判所の所在地を管轄する地方裁判所が、裁判をする。ただし、前項の裁判は、忌避された民事調停官がすることができる。
(民事調停官に対する手当等)
第二十三条の五民事調停官には、別に法律で定めるところにより手当を支給し、並びに最高裁判所の定めるところにより旅費、日当及び宿泊料を支給する。
第二章 特則
第一節 宅地建物調停
(宅地建物調停事件・管轄)
第二十四条宅地又は建物の貸借その他の利用関係の紛争に関する調停事件は、紛争の目的である宅地若しくは建物の所在地を管轄する簡易裁判所又は当事者が合意で定めるその所在地を管轄する地方裁判所の管轄とする。
(地代借賃増減請求事件の調停の前置)
第二十四条の二借地借家法(平成三年法律第九十号)第十一条の地代若しくは土地の借賃の額の増減の請求又は同法第三十二条の建物の借賃の額の増減の請求に関する事件について訴えを提起しようとする者は、まず調停の申立てをしなければならない。
2前項の事件について調停の申立てをすることなく訴えを提起した場合には、受訴裁判所は、その事件を調停に付さなければならない。ただし、受訴裁判所が事件を調停に付することを適当でないと認めるときは、この限りでない。
(地代借賃増減調停事件について調停委員会が定める調停条項)
第二十四条の三前条第一項の請求に係る調停事件については、調停委員会は、当事者間に合意が成立する見込みがない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合において、当事者間に調停委員会の定める調停条項に服する旨の書面による合意(当該調停事件に係る調停の申立ての後にされたものに限る。)があるときは、申立てにより、事件の解決のために適当な調停条項を定めることができる。
2前項の調停条項を調書に記載したときは、調停が成立したものとみなし、その記載は、裁判上の和解と同一の効力を有する。
第二節 農事調停
(農事調停事件)
第二十五条農地又は農業経営に付随する土地、建物その他の農業用資産(以下「農地等」という。)の貸借その他の利用関係の紛争に関する調停事件については、前章に定めるもののほか、この節の定めるところによる。
(管轄)
第二十六条前条の調停事件は、紛争の目的である農地等の所在地を管轄する地方裁判所又は当事者が合意で定めるその所在地を管轄する簡易裁判所の管轄とする。
(小作官等の意見陳述)
第二十七条小作官又は小作主事は、調停手続の期日に出席し、又は調停手続の期日外において、調停委員会に対して意見を述べることができる。
(小作官等の意見聴取)
第二十八条調停委員会は、調停をしようとするときは、小作官又は小作主事の意見を聴かなければならない。
(裁判官の調停への準用)
第二十九条前二条の規定は、裁判官だけで調停を行う場合に準用する。
(移送等への準用)
第三十条第二十八条の規定は、裁判所が、第四条第一項ただし書若しくは第三項の規定により事件を移送し若しくは自ら処理しようとし、又は第十七条の決定をしようとする場合に準用する。
第三節 商事調停
(商事調停事件について調停委員会が定める調停条項)
第三十一条第二十四条の三の規定は、商事の紛争に関する調停事件に準用する。
第四節 鉱害調停
(鉱害調停事件・管轄)
第三十二条鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)に定める鉱害の賠償の紛争に関する調停事件は、損害の発生地を管轄する地方裁判所の管轄とする。
(農事調停等に関する規定の準用)
第三十三条第二十四条の三及び第二十七条から第三十条までの規定は、前条の調停事件に準用する。この場合において、第二十七条及び第二十八条中「小作官又は小作主事」とあるのは、「経済産業局長」と読み替えるものとする。
第五節 交通調停
(交通調停事件・管轄)
第三十三条の二自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合における損害賠償の紛争に関する調停事件は、第三条に規定する裁判所のほか、損害賠償を請求する者の住所又は居所の所在地を管轄する簡易裁判所の管轄とする。
第六節 公害等調停
(公害等調停事件・管轄)
第三十三条の三公害又は日照、通風等の生活上の利益の侵害により生ずる被害に係る紛争に関する調停事件は、第三条に規定する裁判所のほか、損害の発生地又は損害が発生するおそれのある地を管轄する簡易裁判所の管轄とする。
第三章 罰則
(不出頭に対する制裁)
第三十四条裁判所又は調停委員会の呼出しを受けた事件の関係人が正当な事由がなく出頭しないときは、裁判所は、五万円以下の過料に処する。
(措置違反に対する制裁)
第三十五条当事者又は参加人が正当な事由がなく第十二条(第十五条において準用する場合を含む。)の規定による措置に従わないときは、裁判所は、十万円以下の過料に処する。
(過料についての決定)
第三十六条前二条の過料の決定は、裁判官の命令で執行する。この命令は、執行力のある債務名義と同一の効力を有する。
2前項に規定するもののほか、過料についての決定に関しては、非訟事件手続法第五編の規定(同法第百十九条及び第百二十一条第一項の規定並びに同法百二十条及び第百二十二条の規定中検察官に関する部分を除く。)を準用する。
(評議の秘密を漏らす罪)
第三十七条民事調停委員又は民事調停委員であった者が正当な事由がなく評議の経過又は調停主任若しくは民事調停委員の意見若しくはその多少の数を漏らしたときは、三十万円以下の罰金に処する。
(人の秘密を漏らす罪)
第三十八条民事調停委員又は民事調停委員であった者が正当な事由がなくその職務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。