化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律(平成七年法律第六十五号)
最終更新:令和四年法律第六八号
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化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律
平成七年四月五日法律第六十五号
目次
第一章 総則 (第一条・第二条)
第二章 化学兵器の製造等の禁止 (第三条)
第三章 特定物質の製造等の規制 (第四条―第二十三条)
第四章 指定物質の製造等に係る届出 (第二十四条―第二十九条)
第五章 国際機関による検査等 (第三十条・第三十一条)
第六章 雑則 (第三十二条―第三十七条)
第七章 罰則 (第三十八条―第四十八条)
附 則
第一章 総則
(目的)
第一条この法律は、化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約(以下「化学兵器禁止条約」という。)及びテロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の適確な実施を確保するため、化学兵器の製造、所持、譲渡し及び譲受けを禁止するとともに、特定物質の製造、使用等を規制する等の措置を講ずることを目的とする。
(定義等)
第二条この法律において「毒性物質」とは、人が吸入し、又は接触した場合に、これを死に至らしめ、又はその身体の機能を一時的若しくは持続的に著しく害する性質(以下「毒性」という。)を有する物質であって、化学兵器禁止条約の規定に即して政令で定めるものをいう。
この法律において「化学兵器」とは、砲弾、ロケット弾その他の政令で定める兵器であって、毒性物質又はこれと同等の毒性を有する物質を充てんしたもの(その他の物質を充てんしたものであって、その内部で化学的変化を生ぜしめ、毒性物質又はこれと同等の毒性を有する物質を生成させるものを含む。)をいう。
この法律において「特定物質」とは、毒性物質及び毒性物質の原料となる物質(以下「原料物質」という。)のうち、化学兵器の製造の用に供されるおそれが高いものとして政令で定めるものをいう。
この法律において「指定物質」とは、特定物質以外の毒性物質及び原料物質のうち、化学兵器の製造の用に供されるおそれがあるものとして政令で定めるものをいう。
この法律において「第一種指定物質」とは、指定物質のうち化学兵器以外の用途に使用されることが少ないものとして政令で定めるものをいい、「第二種指定物質」とは、第一種指定物質以外の指定物質をいう。
前三項の政令は、化学兵器禁止条約の規定に即して定めるものとする。
この法律において特定物質又は指定物質の製造には、他の物質の製造工程において特定物質又は指定物質を一時的に生成させることが含まれるものとし、特定物質又は指定物質の使用には、当該一時的に生成された特定物質又は指定物質を他の物質に変化させることが含まれるものとする。
この法律において「国際機関」とは、化学兵器禁止条約により設立される化学兵器の禁止のための機関をいう。
第二章 化学兵器の製造等の禁止
(禁止行為)
第三条何人も、化学兵器を製造してはならない。
何人も、化学兵器を所持し、譲り渡し、又は譲り受けてはならない。
何人も、化学兵器の製造の用に供する目的をもって、毒性物質若しくはこれと同等の毒性を有する物質又はこれらの物質の原料となる物質を製造し、所持し、譲り渡し、又は譲り受けてはならない。
何人も、専ら化学兵器に使用される部品又は専ら化学兵器を使用する場合に用いられる機械器具であって、政令で定めるものを製造し、所持し、譲り渡し、又は譲り受けてはならない。
第三章 特定物質の製造等の規制
(製造の許可)
第四条特定物質の製造(抽出を含む。以下この章、第三十一条第一項、第三十四条第一項、第四十三条第一号及び第四十四条第二号において同じ。)をしようとする者は、事業所ごとに、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
前項の許可を受けようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次の事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。
氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
製造をしようとする事業所の所在地
製造をしようとする特定物質
製造の方法及びこれに用いる器具、機械又は装置
その他経済産業省令で定める事項
(欠格事由)
第五条次の各号のいずれかに該当する者は、前条第一項の許可を受けることができない。
この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
第九条第一項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者
他の法令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者で、その情状が特定物質の製造をする者として不適当なもの
心身の故障により特定物質の製造を適正に行うことができない者として経済産業省令で定める者
法人であって、その業務を行う役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
(製造の許可の基準)
第六条経済産業大臣は、第四条第一項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
その者の特定物質の製造をする能力が化学兵器禁止条約の規定に即して経済産業省令で定める限度を超えないこと。
その許可をすることによって、我が国全体の特定物質の製造をする能力が化学兵器禁止条約で定める限度を超えることとならないこと。
その他化学兵器禁止条約の適確な実施に支障を及ぼすおそれがないこと。
(変更の許可等)
第七条第四条第一項の許可を受けた者(以下「許可製造者」という。)は、同条第二項第三号又は第四号に掲げる事項を変更しようとするときは、経済産業大臣の許可を受けなければならない。ただし、同号に掲げる事項の変更であって、経済産業省令で定める軽微なものをしようとするときは、この限りでない。
許可製造者は、第四条第二項第二号に掲げる事項を変更しようとするときは、経済産業省令で定めるところにより、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
許可製造者は、次に掲げる場合には、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
第四条第二項第一号に掲げる事項に変更があったとき。
第一項ただし書の経済産業省令で定める軽微な変更をしたとき。
前条の規定は、第一項の許可に準用する。
(製造の廃止の届出)
第八条許可製造者は、特定物質の製造を廃止したときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
前項の規定による届出があったときは、第四条第一項の許可は、その効力を失う。
(製造の許可の取消し等)
第九条経済産業大臣は、許可製造者が次の各号の一に該当するときは、その許可を取り消し、又は期間を定めてその製造の停止を命ずることができる。
第五条第一号又は第三号から第五号までの一に該当するに至ったとき。
不正の手段により第四条第一項又は第七条第一項の許可を受けたとき。
第七条第一項の規定により許可を受けなければならない事項を同項の許可を受けないで変更したとき。
第十四条第一項の規定に違反して特定物質の製造をしたとき。
第十九条第一項の規定により第四条第一項の許可に付された条件に違反したとき。
経済産業大臣は、許可製造者が二年以上引き続き特定物質の製造をしないときは、その許可を取り消すことができる。
(使用の許可)
第十条特定物質の使用をしようとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
前項の許可を受けようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次の事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。
氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
使用をしようとする特定物質及びその数量
使用の目的及び方法
使用の時期及び場所
その他経済産業省令で定める事項
経済産業大臣は、第一項の許可をしたときは、その許可に係る特定物質及びその数量を記載した使用許可証を交付しなければならない。
使用許可証の再交付及び返納その他使用許可証に関する手続的事項は、経済産業省令で定める。
(使用の許可の基準)
第十一条経済産業大臣は、前条第一項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
特定物質が化学兵器禁止条約で認められた目的に使用されることが確実であること。
その数量の特定物質が製造又は輸入されることにより、我が国全体の当該年における製造又は輸入に係る特定物質の総量及び我が国に存する特定物質の総量が化学兵器禁止条約で定める限度を超えることとならないこと。
その他化学兵器禁止条約の適確な実施に支障を及ぼすおそれがないこと。
第五条の規定は、前条第一項の許可に準用する。この場合において、第五条第二号中「第九条第一項」とあるのは、「第十二条」と読み替えるものとする。
(使用の許可の取消し)
第十二条経済産業大臣は、第十条第一項の許可を受けた者(以下「許可使用者」という。)が次の各号の一に該当する場合において、その許可に係る特定物質の使用を終えていないときは、その許可を取り消すことができる。
前条第二項において準用する第五条第一号又は第三号から第五号までの一に該当するに至ったとき。
不正の手段により第十条第一項の許可を受けたとき。
第十九条第一項の規定により第十条第一項の許可に付された条件に違反したとき。
(輸入の承認)
第十三条特定物質を輸入しようとする者は、外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第五十二条の規定により、輸入の承認を受ける義務を課せられるものとする。
(製造及び輸入の制限)
第十四条許可製造者は、許可使用者に譲り渡すためにその使用の許可に係る特定物質(その使用の許可に係る数量の範囲内のものに限る。以下同じ。)の製造をする場合(自らが許可使用者である場合において、その使用の許可に係る特定物質の製造をする場合を含む。)でなければ、特定物質の製造をしてはならない。ただし、経済産業省令で定める場合は、この限りでない。
前条の輸入の承認は、許可使用者に譲り渡すために、又は許可使用者自らが、その使用の許可に係る特定物質を輸入する場合でなければ、これを行わないものとする。
許可使用者に譲り渡すために特定物質の製造又は輸入をしようとする者は、その使用の許可に係る特定物質を使用許可証によって確認するものとする。
(譲渡し及び譲受けの制限)
第十五条何人も、次の各号の一に該当する場合のほか、特定物質を譲り渡し、又は譲り受けてはならない。
許可製造者が、許可使用者にその使用の許可に係る特定物質を譲り渡す場合
第十三条の輸入の承認を受けた者(以下「承認輸入者」という。)が、許可使用者にその使用の許可に係る特定物質を譲り渡す場合
許可使用者が、その使用の許可に係る特定物質を許可製造者又は承認輸入者から譲り受ける場合
許可製造者又は承認輸入者は、その製造又は輸入に係る特定物質を許可使用者に譲り渡した場合には、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
(所持の制限)
第十六条何人も、法令に基づく場合又は次の各号の一に該当する場合のほか、特定物質を所持してはならない。
許可製造者が、その製造した特定物質を許可使用者に譲り渡すまでの間所持する場合
承認輸入者が、その輸入した特定物質を許可使用者に譲り渡すまでの間所持する場合
許可使用者が、特定物質を使用するまでの間所持する場合
第十八条第一項の規定により特定物質を廃棄しなければならない者が、廃棄するまでの間所持する場合
前各号に掲げる者から運搬又は廃棄を委託された者が、その委託に係る特定物質を当該運搬又は廃棄のために所持する場合
前各号に掲げる者の従業者が、その職務上特定物質を所持する場合
前項各号に掲げる者は、その所持する特定物質を、かぎをかけた堅固な設備内に保管しなければならない。
(運搬)
第十七条許可製造者、承認輸入者、許可使用者又は次条第一項の規定により特定物質を廃棄しなければならない者は、特定物質を運搬しようとする場合(他に委託して運搬する場合を含み、船舶又は航空機により運搬する場合を除く。)は、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を都道府県公安委員会に届け出て、届出を証明する文書(以下「運搬証明書」という。)の交付を受けなければならない。
都道府県公安委員会は、前項の規定による届出があった場合において、当該届出に係る運搬において特定物質が盗取され、又は所在不明となることを防ぐため必要があると認めるときは、運搬の日時、経路その他国家公安委員会規則で定める事項について、必要な指示をすることができる。
都道府県公安委員会は、前項の指示をしたときは、その指示の内容を運搬証明書に記載しなければならない。
特定物質を運搬する者は、運搬証明書を携帯し、かつ、当該運搬証明書に記載された内容に従って運搬しなければならない。
運搬証明書の書換え、再交付及び不要となった場合における返納並びに運搬が二以上の都道府県にわたることとなる場合における第一項の届出、第二項の指示並びに運搬証明書の交付、書換え、再交付及び返納に関し必要な都道府県公安委員会の間の連絡については、政令で定める。
(廃棄)
第十八条次の各号の一に該当する場合において、当該各号に掲げる者が特定物質を所持しているときは、その者は、遅滞なく、その特定物質(第三号に該当する場合にあっては、同号に規定する数量を超える部分に限る。)を廃棄しなければならない。
許可製造者が、第八条第一項の規定による届出をしたとき。
許可製造者が、第九条の規定によりその許可を取り消されたとき。
許可製造者が、第十条第一項の許可に係る数量を超えて特定物質の製造をしたとき。
許可使用者が、第十二条の規定によりその許可を取り消されたとき。
許可使用者が、その許可に係る特定物質を使用することを要しなくなったとき。
許可製造者又は承認輸入者が、許可使用者に譲り渡すために特定物質の製造又は輸入をした場合において、その許可使用者がその特定物質を譲り受ける前に、第十二条の規定によりその許可を取り消されたとき。
前項の規定により特定物質を廃棄しなければならない者(以下「廃棄義務者」という。)は、経済産業省令で定めるところにより、廃棄すべき特定物質及びその数量並びにその廃棄の方法を経済産業大臣に届け出なければならない。
経済産業大臣は、前項の規定による届出に係る廃棄の方法が適当でないと認めるときは、その変更をすべきこと(廃棄を他の者に委託することを含む。)を命ずることができる。
(許可の条件)
第十九条第四条第一項又は第十条第一項の許可には、条件を付し、及びこれを変更することができる。
前項の条件は、化学兵器禁止条約の適確な実施を確保し、又は許可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、許可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはならない。
(承継)
第二十条許可製造者又は許可使用者について相続又は合併があったときは、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により承継すべき相続人を選定したときは、その者)又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、許可製造者又は許可使用者の地位を承継する。
前項の規定により許可製造者又は許可使用者の地位を承継した者は、遅滞なく、その事実を証する書面を添えて、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
(製造又は使用に係る数量等の届出)
第二十一条許可製造者は、その製造に係る特定物質に関し、経済産業省令で定めるところにより、毎年、前年において製造をした数量、前年における最大保有量その他経済産業省令で定める事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
許可使用者は、その許可に係る特定物質の使用をした場合には、経済産業省令で定めるところにより、使用をした数量その他経済産業省令で定める事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
(記録)
第二十二条許可製造者は、日誌を備え、その製造に係る特定物質に関し次に掲げる事項を記録しなければならない。
製造をした数量
他の者に譲り渡した場合にあっては、譲り渡した者及び数量
自ら使用した場合にあっては、使用した数量及び用途
保有量
その他経済産業省令で定める事項
前項の日誌は、経済産業省令で定めるところにより、保存しなければならない。
(事故届)
第二十三条許可製造者、承認輸入者、許可使用者若しくは廃棄義務者又はこれらの者から運搬若しくは廃棄を委託された者は、その所持する特定物質が盗取され、又は所在不明となったときは、遅滞なく、その旨を警察官又は海上保安官に届け出なければならない。
第四章 指定物質の製造等に係る届出
(第一種指定物質の製造等の予定数量)
第二十四条第一種指定物質の製造又は抽出若しくは精製(以下「製造等」という。)をする者は、翌年において製造等をしようとする第一種指定物質のその事業所ごと及び物質ごとの数量が経済産業省令で定める数量を超えると見込まれるときは、経済産業省令で定めるところにより、翌年に当該事業所において製造等をしようとする当該第一種指定物質の数量その他経済産業省令で定める事項を経済産業大臣に届け出るものとする。
第一種指定物質の製造等をする者は、その年において製造等をする第一種指定物質のその事業所ごと及び物質ごとの数量が前項の経済産業省令で定める数量を超えるときは、あらかじめ、経済産業省令で定めるところにより、その旨並びにその年に当該事業所において製造等をしようとする当該第一種指定物質の数量及び同項の経済産業省令で定める事項を経済産業大臣に届け出なければならない。ただし、当該年に当該事業所において製造等をしようとする当該第一種指定物質の数量について同項の規定による届出がされている場合は、この限りでない。
前三年のいずれかの年において製造等をした第一種指定物質のその事業所ごと及び物質ごとの数量が第一項の経済産業省令で定める数量を超えた者及びその年のその事業所における製造等に係る第一種指定物質の数量について前二項の規定による届出をした者は、経済産業省令で定めるところにより、翌年に当該事業所において製造等をしようとする当該第一種指定物質の数量及び第一項の経済産業省令で定める事項を経済産業大臣に届け出なければならない。ただし、その数量について同項の規定による届出をする場合は、この限りでない。
前三項の規定による届出をした者は、当該年において製造等をする当該第一種指定物質の数量がその届出に係る数量を著しく上回る場合として経済産業省令で定める場合には、あらかじめ、経済産業省令で定めるところにより、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。ただし、前項の規定による届出をした者がその届出に係る年に当該事業所において製造等をしようとする当該第一種指定物質の数量について第二項の規定による届出をしなければならない場合は、この限りでない。
(第一種指定物質の製造等の実績数量)
第二十五条前条第一項から第三項までの規定による届出をした者は、経済産業省令で定めるところにより、その届出に係る年に当該事業所において製造等をした当該第一種指定物質の数量その他経済産業省令で定める事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
(第一種指定物質等の使用への準用)
第二十六条前二条の規定は、第一種指定物質(第一種指定物質を含む物であって、経済産業省令で定めるものを含む。)の使用であって、経済産業省令で定めるものをする者及びその使用をする第一種指定物質の数量(第一種指定物質を含む物にあっては、これに含まれる第一種指定物質の数量)に準用する。
(第二種指定物質の製造への準用)
第二十七条第二十四条及び第二十五条の規定は、第二種指定物質の製造をする者及びその製造をする第二種指定物質の数量に準用する。この場合において、第二十四条第三項中「前三年のいずれかの年」とあるのは、「前年」と読み替えるものとする。
(指定物質等の輸出入の実績数量)
第二十八条指定物質(指定物質を含む物であって、経済産業省令で定めるものを含む。)の輸出又は輸入をした者は、経済産業省令で定めるところにより、毎年、前年に輸出又は輸入をした指定物質の数量(指定物質を含む物にあっては、これに含まれる指定物質の数量)を経済産業大臣に届け出なければならない。
(有機化学物質の製造の実績数量の区分)
第二十九条特定物質及び指定物質以外の有機化学物質であって、政令で定めるもの(以下単に「有機化学物質」という。)の製造(政令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)をする者は、前年に製造をした有機化学物質のその事業所ごとの数量が経済産業省令で定める数量を超えたときは、経済産業省令で定めるところにより、その旨及び前年に当該事業所において製造をした有機化学物質の数量が経済産業省令で定める区分のいずれに属するかを経済産業大臣に届け出なければならない。
りん、硫黄又はふっ素を含む有機化学物質であって、政令で定めるもの(以下「特定有機化学物質」という。)の製造をする者は、前年に製造をした特定有機化学物質のその事業所ごとの数量が経済産業省令で定める数量を超えたときは、経済産業省令で定めるところにより、その旨及び前年に当該事業所において製造をした特定有機化学物質の数量が経済産業省令で定める区分のいずれに属するかを経済産業大臣に届け出なければならない。
第五章 国際機関による検査等
(国際機関の指定する者の検査等)
第三十条国際機関の指定する者は、経済産業大臣の指定するその職員(政令で定める場合にあっては、経済産業大臣の指定するその職員及び外務大臣の指定するその職員)の立会いの下に、化学兵器禁止条約で定める範囲内で、毒性物質若しくはこれと同等の毒性を有する物質又はこれらの物質の原料となる物質を取り扱う場所その他の場所であって、国際機関が指定するものに立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査し、若しくは撮影し、関係者に質問し、又は試験のために必要な最小限度の分量に限り試料を無償で収去することができる。
化学兵器禁止条約の締約国たる外国の政府(以下「締約国政府」という。)の指定する者は、化学兵器禁止条約で定める範囲内で、前項の規定による検査若しくは撮影、質問又は収去(以下「検査等」という。)に立ち会うことができる。
第一項の規定により検査等に立ち会う職員は、当該検査等が化学兵器禁止条約の範囲内で、適確かつ円滑に行われることを確保するよう努めなければならない。
第一項の規定により検査等に立ち会う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
経済産業大臣は、必要があると認めるときは、独立行政法人製品評価技術基盤機構(以下「機構」という。)に、第一項の規定による検査等に立ち会わせることができる。
経済産業大臣は、前項の規定により機構に検査等に立ち会わせる場合には、機構に対し、当該検査等の場所その他必要な事項を示してこれを実施すべきことを指示するものとする。
第五項の規定により検査等に立ち会う機構の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
(封印又は監視装置の取付け)
第三十一条国際機関の指定する者は、経済産業大臣の指定するその職員の立会いの下に、化学兵器禁止条約で定める範囲内で、許可製造者の工場その他の事業場内において、特定物質の製造又は移動を監視するために必要な封印をし、又は装置を取り付けることができる。
前条第三項及び第四項の規定は、前項の規定により封印又は装置の取付けに立ち会う職員に準用する。
何人も、第一項の規定によりされた封印又は取り付けられた装置を、正当な理由がないのに、取り外し、又はき損してはならない。
許可製造者は、第一項の規定によりされた封印又は取り付けられた装置について、滅失、破損その他の事故が生じたときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
第六章 雑則
(報告徴収)
第三十二条経済産業大臣又は都道府県公安委員会は、この法律(都道府県公安委員会にあっては、第十七条第二項の規定)の施行に必要な限度において、許可製造者、承認輸入者、許可使用者又は廃棄義務者に対し、その業務に関し報告させることができる。
経済産業大臣は、国際機関又は締約国政府から化学兵器禁止条約の定めるところにより要請があった場合にあっては、国際機関又は当該締約国政府に対して説明を行うために必要な限度において、毒性物質若しくはこれと同等の毒性を有する物質又はこれらの物質の原料となる物質を取り扱う者その他の者に対し、その要請に係る事項に関し報告させることができる。
経済産業大臣は、第三十条第一項の規定による検査等が行われた場合にあっては、国際機関に対して説明を行うために必要な限度において、関係者に対し、当該検査等の対象となった活動に関し報告させることができる。
(立入検査)
第三十三条経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、許可製造者、承認輸入者、許可使用者又は廃棄義務者の事務所、工場その他の事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、関係者に質問させ、又は試験のため必要な最小限度の分量に限り試料を無償で収去させることができる。
都道府県公安委員会は、第十七条第二項の規定の施行に必要な限度において、警察職員に、許可製造者、承認輸入者、許可使用者又は廃棄義務者の事務所、工場その他の事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
前二項の規定により職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
経済産業大臣は、必要があると認めるときは、機構に、第一項の規定による立入検査、質問又は収去を行わせることができる。
経済産業大臣は、前項の規定により機構に立入検査、質問又は収去を行わせる場合には、機構に対し、当該立入検査の場所その他必要な事項を示してこれを実施すべきことを指示するものとする。
機構は、前項の指示に従って第四項に規定する立入検査、質問又は収去を行ったときは、その結果を経済産業大臣に報告しなければならない。
第四項の規定により機構の職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(機構に対する命令)
第三十三条の二経済産業大臣は、第三十条第五項の規定による立会い又は前条第四項に規定する立入検査、質問若しくは収去の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、機構に対し、当該業務に関し必要な命令をすることができる。
(機構の収去についての審査請求)
第三十三条の三機構が行う収去について不服がある者は、経済産業大臣に対して行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。この場合において、経済産業大臣は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項及び第三項並びに第四十七条の規定の適用については、機構の上級行政庁とみなす。
(特定施設についての特例)
第三十四条特定施設(国の施設であって、特定物質の毒性から人の身体を守る方法に関する研究(以下「特定研究」という。)のために特定物質の製造をする施設として、一を限り政令で指定するものをいう。以下同じ。)において国が行う政令で定める数量の範囲内の特定物質の製造は、第三十六条の規定により読み替えられた第四条第一項の承認を受けて行うものとみなし、特定施設において国が行う当該政令で定める数量の範囲内の特定物質の特定研究のための使用は、第三十六条の規定により読み替えられた第十条第一項の承認を受けたものとみなす。
第十八条第一項並びに第三十二条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により使用の承認を受けたものとみなされた特定物質及び当該特定物質に係る事項については、適用しない。
国際機関の指定する者が特定施設に立ち入り、検査等を行う場合及び国際機関の指定する者が特定施設において封印をし、又は装置を取り付ける場合には、第三十条第一項及び第三十一条第一項中「経済産業大臣」とあるのは、「特定施設に係る行政機関の長」とする。
(経済産業大臣と国家公安委員会等との関係)
第三十五条経済産業大臣は、第四条第一項、第九条、第十条第一項若しくは第十二条の規定による処分をしたとき、又は第七条第二項若しくは第三項(第二号を除く。)、第八条第一項、第二十条第二項若しくは第二十一条第二項の規定による届出があったときは、遅滞なく、その旨を国家公安委員会に通知しなければならない。第十八条第二項の規定による届出があった場合において、廃棄が他の者に委託されるとき、又は同条第三項の規定により廃棄を他の者に委託することを命じたときも、同様とする。
警察官又は海上保安官は、第二十三条の規定による届出があったときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に通報しなければならない。
経済産業大臣及び国家公安委員会は、特定物質が盗取され、又は所在不明となることを防ぐことについて、相互に協力するものとする。
(国に対する適用)
第三十六条この法律の規定は、次章の規定を除き、国に適用があるものとする。この場合において、「許可」とあるのは、「承認」と読み替えるものとする。
(経過措置)
第三十七条この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第七章 罰則
第三十八条化学兵器を使用して、当該化学兵器に充てんされ、又は当該化学兵器の内部で生成された毒性物質又はこれと同等の毒性を有する物質を発散させた者は、無期若しくは二年以上の懲役又は千万円以下の罰金に処する。
毒性物質又はこれと同等の毒性を有する物質をみだりに発散させて人の生命、身体又は財産に危険を生じさせた者は、十年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
前二項の未遂罪は罰する。
第三十九条第三条第一項の規定に違反した者は、一年以上の有期懲役又は七百万円以下の罰金に処する。
第三条第二項の規定に違反した者は、十年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
第三条第三項又は第四項の規定に違反した者は、七年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
前三項の未遂罪は罰する。
第四十条第三十八条第一項の罪を犯す目的でその予備をした者は、五年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
第四十一条第三十九条第一項の罪を犯す目的でその予備をした者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第四十二条第三十八条第一項及び第三項(同条第一項に係る部分に限る。)の罪は刑法(明治四十年法律第四十五号)第三条及び第四条の二の例に、第三十八条第二項及び第三項(同条第二項に係る部分に限る。)の罪は同法第四条の二の例に、前三条の罪は同法第三条の例に従う。
第四十三条次の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第四条第一項の許可を受けないで特定物質の製造をした者
第九条第一項の規定による命令に違反した者
第十条第一項の許可を受けないで特定物質の使用をした者
第四十四条次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第七条第一項の規定に違反して第四条第二項第三号又は第四号に掲げる事項を変更した者
第十四条第一項の規定に違反して特定物質の製造をした者
第十五条第一項、第十六条第一項又は第十八条第一項の規定に違反した者
第十八条第三項の規定による命令に違反して特定物質を廃棄した者
第四十五条次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
第七条第二項、第十七条第一項、第十八条第二項、第二十一条、第二十三条、第二十四条第二項から第四項まで若しくは第二十五条(これらの規定を第二十六条又は第二十七条において準用する場合を含む。)、第二十八条、第二十九条又は第三十一条第四項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第十六条第二項、第十七条第四項又は第三十一条第三項の規定に違反した者
第二十二条第一項の規定に違反して日誌を備えず、又は日誌に記録せず、若しくは虚偽の記録をした者
第二十二条第二項の規定に違反して日誌を保存しなかった者
第三十条第一項の規定による検査、撮影若しくは収去を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
第三十条第二項の規定による立会いを拒み、妨げ、又は忌避した者
第三十一条第一項の規定による封印又は装置の取付けを拒み、妨げ、又は忌避した者
第三十二条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第三十三条第一項の規定による検査若しくは収去を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
第三十三条第二項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
第四十六条法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第三十八条若しくは第四十条の罪を犯し、又は第三十九条、第四十一条若しくは前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第四十七条第七条第三項、第八条第一項、第十五条第二項又は第二十条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、二十万円以下の過料に処する。
第四十八条第三十三条の二の規定による命令に違反した場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
附 則 〔抄〕
(施行期日)
第一条この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。(平成七年政令第一九一号で平成七年五月五日から施行)
第二十八条、第二十九条及び第四十五条第一号(第二十八条及び第二十九条に係る部分に限る。)並びに附則第四条第一項並びに第三項及び第四項(第一項に係る部分に限る。)並びに第五条第二項第二号(附則第四条第一項(同条第三項又は第四項において準用する場合を含む。)に係る部分に限る。)の規定条約が日本国について効力を生ずる日(以下「発効日」という。)前において政令で定める日(平成九年政令第一八号で平成九年三月一九日から施行)
第二条第八項、第四章(第二十八条及び第二十九条を除く。)、第五章、第三十二条第二項及び第三項、第三十四条第二項(第十八条第一項に係る部分を除く。)及び第三項、第四十五条第一号(第二十四条第二項から第四項まで及び第二十五条(これらの規定を第二十六条又は第二十七条において準用する場合を含む。)並びに第三十一条第四項に係る部分に限る。)、第四十五条第二号(第三十一条第三項に係る部分に限る。)並びに第四十五条第五号から第七号まで及び第八号(第三十二条第一項に係る部分を除く。)並びに附則第三条並びに第四条第二項並びに第三項及び第四項(第二項に係る部分に限る。)の規定発効日(発効日=平成九年四月二九日)
(経過措置)
第二条この法律の施行の際特定物質を所持している者は、この法律の施行の日から三十日を経過するまでの間(以下「猶予期間」という。)に第十条第一項の許可の申請をしなかった場合にあっては猶予期間の経過後遅滞なく、猶予期間に申請した許可を拒否された場合にあってはその処分後遅滞なく、その所持する当該特定物質を廃棄しなければならない。
この法律の施行の際特定物質を所持している者は、次に掲げる期間は、第十六条第一項の規定にかかわらず、その特定物質を所持することができる。その者の従業者がその職務上所持する場合及びその者から運搬又は廃棄を委託された者(その従業者を含む。)がその委託に係る特定物質を当該運搬又は廃棄のために所持する場合も、同様とする。
猶予期間
猶予期間にした第十条第一項の許可の申請についての処分があるまでの間
前項の規定により廃棄するまでの間
第十六条第二項の規定は、前項の規定により特定物質を所持する者に準用する。
第十七条及び第二十三条の規定の適用については、この法律の施行の際特定物質を所持している者は、許可使用者とみなす。
第十八条第二項及び第三項の規定は、この法律の施行の際特定物質を所持する者がその特定物質を廃棄する場合に準用する。
前各項の規定は、この法律の施行の際特定施設内において国が所持する特定物質については、適用しない。
第三条第一種指定物質の製造等をする者であって、発効日の属する年の製造等に係る第一種指定物質のその事業所ごと及び物質ごとの数量が、第二十四条第一項の通商産業省令で定める数量を、発効日前に超えているもの又は発効日から三十日以内に超えるものについての同条第二項の規定の適用については、同項中「あらかじめ」とあるのは、「条約が日本国について効力を生ずる日から三十日以内に」とする。
前項の規定は、第一種指定物質(第一種指定物質を含む物であって、第二十六条の通商産業省令で定めるものを含む。次条第三項において同じ。)の使用であって第二十六条の通商産業省令で定めるものをする者及びその使用をする第一種指定物質の数量(第一種指定物質を含む物にあっては、これに含まれる第一種指定物質の数量。次条第三項において同じ。)に準用する。
第一項の規定は、第二種指定物質の製造をする者及びその製造をする第二種指定物質の数量に準用する。
第四条発効日の属する年の前三年のいずれかの年において製造等をした第一種指定物質のその事業所ごと及び物質ごとの数量が第二十四条第一項の経済産業省令で定める数量を超えた者は、経済産業省令で定めるところにより、当該前三年に当該事業所において製造等をした当該第一種指定物質の数量その他経済産業省令で定める事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
前項の規定による届出をした者は、第二十五条の規定の適用については発効日の属する年の当該事業所において製造等をしようとする当該第一種指定物質の数量について第二十四条第一項から第三項までの規定による届出をした者とみなす。
前二項の規定は、第一種指定物質の使用であって第二十六条の経済産業省令で定めるものをした者及びその使用をした第一種指定物質の数量に準用する。
第一項及び第二項の規定は、第二種指定物質の製造をした者及びその製造をした第二種指定物質の数量に準用する。この場合において、第一項中「前三年のいずれかの年」とあるのは「前年」と、「当該前三年」とあるのは「当該年」と読み替えるものとする。
第五条次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
附則第二条第一項の規定に違反した者
附則第二条第五項において準用する第十八条第三項の規定による命令に違反して特定物質を廃棄した者
次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
附則第二条第三項において準用する第十六条第二項の規定に違反した者
附則第二条第五項において準用する第十八条第二項又は前条第一項(同条第三項又は第四項において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各項の罰金刑を科する。
第六条附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 〔平成九年五月二十三日法律第五十九号〕〔抄〕
(施行期日)
第一条この法律は、平成十年四月一日から施行する。
附 則 〔平成十一年七月十六日法律第八十七号〕〔抄〕
(施行期日)
第一条この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定公布の日
(国等の事務)
第百五十九条この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(手数料に関する経過措置)
第百六十二条施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第百六十三条この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。
(検討)
第二百五十条新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第二百五十一条政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第二百五十二条政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附 則 〔平成十一年十二月八日法律第百五十一号〕〔抄〕
(施行期日)
第一条この法律は、平成十二年四月一日から施行する。
(経過措置)
第三条民法の一部を改正する法律(平成十一年法律第百四十九号)附則第三条第三項の規定により従前の例によることとされる準禁治産者及びその保佐人に関するこの法律による改正規定の適用については、次に掲げる改正規定を除き、なお従前の例による。
一から二十五まで略
第四条この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
○中央省庁等改革関係法施行法(平成一一法律一六〇)抄
(処分、申請等に関する経過措置)
第千三百一条中央省庁等改革関係法及びこの法律(以下「改革関係法等」と総称する。)の施行前に法令の規定により従前の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、改革関係法等の施行後は、改革関係法等の施行後の法令の相当規定に基づいて、相当の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為とみなす。
改革関係法等の施行の際現に法令の規定により従前の国の機関に対してされている申請、届出その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、改革関係法等の施行後は、改革関係法等の施行後の法令の相当規定に基づいて、相当の国の機関に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。
改革関係法等の施行前に法令の規定により従前の国の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならないとされている事項で、改革関係法等の施行の日前にその手続がされていないものについては、法令に別段の定めがあるもののほか、改革関係法等の施行後は、これを、改革関係法等の施行後の法令の相当規定により相当の国の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならないとされた事項についてその手続がされていないものとみなして、改革関係法等の施行後の法令の規定を適用する。
(罰則に関する経過措置)
第千三百三条改革関係法等の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第千三百四十四条第七十一条から第七十六条まで及び第千三百一条から前条まで並びに中央省庁等改革関係法に定めるもののほか、改革関係法等の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附 則 〔平成十一年十二月二十二日法律第百六十号〕〔抄〕
(施行期日)
第一条この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定公布の日
附 則 〔平成十一年十二月二十二日法律第二百四号〕〔抄〕
(施行期日)
第一条この法律は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、附則第八条から第十九条までの規定は、同日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。(平成一二年政令第三三三号で平成一三年四月一日から施行)
(罰則に関する経過措置)
第二十条この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第二十一条附則第二条から第七条まで、第九条、第十一条、第十八条及び前条に定めるもののほか、機構の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 〔平成十三年十一月十六日法律第百二十一号〕〔抄〕
(施行期日)
第一条この法律は、テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。(発効日=平成一三年一二月一六日)
(経過措置)
第二条改正後の爆発物取締罰則第十条の規定、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律第五十一条の二の規定、火炎びんの使用等の処罰に関する法律第四条の規定、細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約等の実施に関する法律第十一条の規定、化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律第四十二条(刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の二に係る部分に限る。)の規定及びサリン等による人身被害の防止に関する法律第八条の規定は、この法律の施行の日以後に日本国について効力を生ずる条約により日本国外において犯したときであっても罰すべきものとされる罪に限り適用する。
附 則 〔平成十九年五月十一日法律第三十八号〕〔抄〕
(施行期日)
第一条この法律は、核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。
附 則 〔平成二十六年六月十三日法律第六十九号〕〔抄〕
(施行期日)
第一条この法律は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の施行の日から施行する。
(経過措置の原則)
第五条行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。
(訴訟に関する経過措置)
第六条この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。
この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。
不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第九条この法律の施行前にした行為並びに附則第五条及び前二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第十条附則第五条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附 則 〔令和元年六月十四日法律第三十七号〕〔抄〕
(施行期日)
第一条この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第四十条、第五十九条、第六十一条、第七十五条(児童福祉法第三十四条の二十の改正規定に限る。)、第八十五条、第百二条、第百七条(民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律第二十六条の改正規定に限る。)、第百十一条、第百四十三条、第百四十九条、第百五十二条、第百五十四条(不動産の鑑定評価に関する法律第二十五条第六号の改正規定に限る。)及び第百六十八条並びに次条並びに附則第三条及び第六条の規定公布の日
(行政庁の行為等に関する経過措置)
第二条この法律(前条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条及び次条において同じ。)の施行の日前に、この法律による改正前の法律又はこれに基づく命令の規定(欠格条項その他の権利の制限に係る措置を定めるものに限る。)に基づき行われた行政庁の処分その他の行為及び当該規定により生じた失職の効力については、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第三条この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(検討)
第七条政府は、会社法(平成十七年法律第八十六号)及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)における法人の役員の資格を成年被後見人又は被保佐人であることを理由に制限する旨の規定について、この法律の公布後一年以内を目途として検討を加え、その結果に基づき、当該規定の削除その他の必要な法制上の措置を講ずるものとする。
○刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(令和四法律六八) 抄
(経過措置の政令への委任)
第五百九条この編に定めるもののほか、刑法等一部改正法等の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 〔令和四年六月十七日法律第六十八号〕〔抄〕
(施行期日)
この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
第五百九条の規定 公布の日