食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)
最終更新:平成三十年法律第四十六号
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食品衛生法
昭和二十二年十二月二十四日法律第二百三十三号
目次
第一章 総則(第一条―第四条)
第二章 食品及び添加物(第五条―第十四条)
第三章 器具及び容器包装(第十五条―第十八条)
第四章 表示及び広告(第十九条・第二十条)
第五章 食品添加物公定書(第二十一条)
第六章 監視指導(第二十一条の二―第二十四条)
第七章 検査(第二十五条―第三十条)
第八章 登録検査機関(第三十一条―第四十七条)
第九章 営業(第四十八条―第六十一条)
第十章 雑則(第六十二条―第八十条)
第十一章 罰則(第八十一条―第八十九条)
第一章 総則
第一条この法律は、食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もつて国民の健康の保護を図ることを目的とする。
第二条国、都道府県、地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項の規定に基づく政令で定める市(以下「保健所を設置する市」という。)及び特別区は、教育活動及び広報活動を通じた食品衛生に関する正しい知識の普及、食品衛生に関する情報の収集、整理、分析及び提供、食品衛生に関する研究の推進、食品衛生に関する検査の能力の向上並びに食品衛生の向上にかかわる人材の養成及び資質の向上を図るために必要な措置を講じなければならない。
国、都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、食品衛生に関する施策が総合的かつ迅速に実施されるよう、相互に連携を図らなければならない。
国は、食品衛生に関する情報の収集、整理、分析及び提供並びに研究並びに輸入される食品、添加物、器具及び容器包装についての食品衛生に関する検査の実施を図るための体制を整備し、国際的な連携を確保するために必要な措置を講ずるとともに、都道府県、保健所を設置する市及び特別区(以下「都道府県等」という。)に対し前二項の責務が十分に果たされるように必要な技術的援助を与えるものとする。
第三条食品等事業者(食品若しくは添加物を採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、運搬し、若しくは販売すること若しくは器具若しくは容器包装を製造し、輸入し、若しくは販売することを営む人若しくは法人又は学校、病院その他の施設において継続的に不特定若しくは多数の者に食品を供与する人若しくは法人をいう。以下同じ。)は、その採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、運搬し、販売し、不特定若しくは多数の者に授与し、又は営業上使用する食品、添加物、器具又は容器包装(以下「販売食品等」という。)について、自らの責任においてそれらの安全性を確保するため、販売食品等の安全性の確保に係る知識及び技術の習得、販売食品等の原材料の安全性の確保、販売食品等の自主検査の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
食品等事業者は、販売食品等に起因する食品衛生上の危害の発生の防止に必要な限度において、当該食品等事業者に対して販売食品等又はその原材料の販売を行つた者の名称その他必要な情報に関する記録を作成し、これを保存するよう努めなければならない。
食品等事業者は、販売食品等に起因する食品衛生上の危害の発生を防止するため、前項に規定する記録の国、都道府県等への提供、食品衛生上の危害の原因となつた販売食品等の廃棄その他の必要な措置を適確かつ迅速に講ずるよう努めなければならない。
第四条この法律で食品とは、全ての飲食物をいう。ただし、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)に規定する医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品は、これを含まない。
この法律で添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によつて使用する物をいう。
この法律で天然香料とは、動植物から得られた物又はその混合物で、食品の着香の目的で使用される添加物をいう。
この法律で器具とは、飲食器、割ぽう具その他食品又は添加物の採取、製造、加工、調理、貯蔵、運搬、陳列、授受又は摂取の用に供され、かつ、食品又は添加物に直接接触する機械、器具その他の物をいう。ただし、農業及び水産業における食品の採取の用に供される機械、器具その他の物は、これを含まない。
この法律で容器包装とは、食品又は添加物を入れ、又は包んでいる物で、食品又は添加物を授受する場合そのままで引き渡すものをいう。
この法律で食品衛生とは、食品、添加物、器具及び容器包装を対象とする飲食に関する衛生をいう。
この法律で営業とは、業として、食品若しくは添加物を採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、運搬し、若しくは販売すること又は器具若しくは容器包装を製造し、輸入し、若しくは販売することをいう。ただし、農業及び水産業における食品の採取業は、これを含まない。
この法律で営業者とは、営業を営む人又は法人をいう。
この法律で登録検査機関とは、第三十三条第一項の規定により厚生労働大臣の登録を受けた法人をいう。
第二章 食品及び添加物
第五条販売(不特定又は多数の者に対する販売以外の授与を含む。以下同じ。)の用に供する食品又は添加物の採取、製造、加工、使用、調理、貯蔵、運搬、陳列及び授受は、清潔で衛生的に行われなければならない。
第六条次に掲げる食品又は添加物は、これを販売し(不特定又は多数の者に授与する販売以外の場合を含む。以下同じ。)、又は販売の用に供するために、採取し、製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。
腐敗し、若しくは変敗したもの又は未熟であるもの。ただし、一般に人の健康を損なうおそれがなく飲食に適すると認められているものは、この限りでない。
有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いがあるもの。ただし、人の健康を損なうおそれがない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。
病原微生物により汚染され、又はその疑いがあり、人の健康を損なうおそれがあるもの。
不潔、異物の混入又は添加その他の事由により、人の健康を損なうおそれがあるもの。
第七条厚生労働大臣は、一般に飲食に供されることがなかつた物であつて人の健康を損なうおそれがない旨の確証がないもの又はこれを含む物が新たに食品として販売され、又は販売されることとなつた場合において、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、それらの物を食品として販売することを禁止することができる。
厚生労働大臣は、一般に食品として飲食に供されている物であつて当該物の通常の方法と著しく異なる方法により飲食に供されているものについて、人の健康を損なうおそれがない旨の確証がなく、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、その物を食品として販売することを禁止することができる。
厚生労働大臣は、食品によるものと疑われる人の健康に係る重大な被害が生じた場合において、当該被害の態様からみて当該食品に当該被害を生ずるおそれのある一般に飲食に供されることがなかつた物が含まれていることが疑われる場合において、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、その食品を販売することを禁止することができる。
厚生労働大臣は、前三項の規定による販売の禁止をした場合において、厚生労働省令で定めるところにより、当該禁止に関し利害関係を有する者の申請に基づき、又は必要に応じ、当該禁止に係る物又は食品に起因する食品衛生上の危害が発生するおそれがないと認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、当該禁止の全部又は一部を解除するものとする。
厚生労働大臣は、第一項から第三項までの規定による販売の禁止をしたとき、又は前項の規定による禁止の全部若しくは一部の解除をしたときは、官報で告示するものとする。
第八条食品衛生上の危害の発生を防止する見地から特別の注意を必要とする成分又は物であつて、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定したもの(第三項及び第七十条第一項において「指定成分等」という。)を含む食品(以下この項において「指定成分等含有食品」という。)を取り扱う営業者は、その取り扱う指定成分等含有食品が人の健康に被害を生じ、又は生じさせるおそれがある旨の情報を得た場合は、当該情報を、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長(以下「都道府県知事等」という。)に届け出なければならない。
都道府県知事等は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を厚生労働大臣に報告しなければならない。
医師、歯科医師、薬剤師その他の関係者は、指定成分等の摂取によるものと疑われる人の健康に係る被害の把握に努めるとともに、都道府県知事等が、食品衛生上の危害の発生を防止するため指定成分等の摂取によるものと疑われる人の健康に係る被害に関する調査を行う場合において、当該調査に関し必要な協力を要請されたときは、当該要請に応じ、当該被害に関する情報の提供その他必要な協力をするよう努めなければならない。
第九条厚生労働大臣は、特定の国若しくは地域において採取され、製造され、加工され、調理され、若しくは貯蔵され、又は特定の者により採取され、製造され、加工され、調理され、若しくは貯蔵される特定の食品又は添加物について、第二十六条第一項から第三項まで又は第二十八条第一項の規定による検査の結果次に掲げる食品又は添加物に該当するものが相当数発見されたこと、生産地における食品衛生上の管理の状況その他の厚生労働省令で定める事由からみて次に掲げる食品又は添加物に該当するものが相当程度含まれるおそれがあると認められる場合において、人の健康を損なうおそれの程度その他の厚生労働省令で定める事項を勘案して、当該特定の食品又は添加物に起因する食品衛生上の危害の発生を防止するため特に必要があると認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、当該特定の食品又は添加物を販売し、又は販売の用に供するために、採取し、製造し、輸入し、加工し、使用し、若しくは調理することを禁止することができる。
第六条各号に掲げる食品又は添加物
第十二条に規定する食品
第十三条第一項の規定により定められた規格に合わない食品又は添加物
第十三条第一項の規定により定められた基準に合わない方法により添加物を使用した食品
第十三条第三項に規定する食品
厚生労働大臣は、前項の規定による禁止をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。
厚生労働大臣は、第一項の規定による禁止をした場合において、当該禁止に関し利害関係を有する者の申請に基づき、又は必要に応じ、厚生労働省令で定めるところにより、当該禁止に係る特定の食品又は添加物に起因する食品衛生上の危害が発生するおそれがないと認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、当該禁止の全部又は一部を解除するものとする。
厚生労働大臣は、第一項の規定による禁止をしたとき、又は前項の規定による禁止の全部若しくは一部の解除をしたときは、官報で告示するものとする。
第十条第一号若しくは第三号に掲げる疾病にかかり、若しくはその疑いがあり、第一号若しくは第三号に掲げる異常があり、又はへい死した獣畜(と畜場法(昭和二十八年法律第百十四号)第三条第一項に規定する獣畜及び厚生労働省令で定めるその他の物をいう。以下同じ。)の肉、骨、乳、臓器及び血液又は第二号若しくは第三号に掲げる疾病にかかり、若しくはその疑いがあり、第二号若しくは第三号に掲げる異常があり、又はへい死した家きん(食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律(平成二年法律第七十号)第二条第一号に規定する食鳥及び厚生労働省令で定めるその他の物をいう。以下同じ。)の肉、骨及び臓器は、厚生労働省令で定める場合を除き、これを食品として販売し、又は食品として販売の用に供するために、採取し、加工し、使用し、調理し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。ただし、へい死した獣畜又は家きんの肉、骨及び臓器であつて、当該職員が、人の健康を損なうおそれがなく飲食に適すると認めたものは、この限りでない。
と畜場法第十四条第六項各号に掲げる疾病又は異常
食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第十五条第四項各号に掲げる疾病又は異常
前二号に掲げる疾病又は異常以外の疾病又は異常であつて厚生労働省令で定めるもの
獣畜の肉、乳及び臓器並びに家きんの肉及び臓器並びに厚生労働省令で定めるこれらの製品(以下この項において「獣畜の肉等」という。)は、輸出国の政府機関によつて発行され、かつ、前項各号に掲げる疾病にかかり、若しくはその疑いがあり、同項各号に掲げる異常があり、又はへい死した獣畜の肉、乳若しくは臓器若しくは家きんの肉若しくは臓器又はこれらの製品でない旨その他厚生労働省令で定める事項(以下この項において「衛生事項」という。)を記載した証明書又はその写しを添付したものでなければ、これを食品として販売の用に供するために輸入してはならない。ただし、厚生労働省令で定める国から輸入する獣畜の肉等であつて、当該獣畜の肉等に係る衛生事項が当該国の政府機関から電気通信回線を通じて、厚生労働省の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。)に送信され、当該電子計算機に備えられたファイルに記録されたものについては、この限りでない。
第十一条食品衛生上の危害の発生を防止するために特に重要な工程を管理するための措置が講じられていることが必要なものとして厚生労働省令で定める食品又は添加物は、当該措置が講じられていることが確実であるものとして厚生労働大臣が定める国若しくは地域又は施設において製造し、又は加工されたものでなければ、これを販売の用に供するために輸入してはならない。
第六条各号に掲げる食品又は添加物のいずれにも該当しないことその他厚生労働省令で定める事項を確認するために生産地における食品衛生上の管理の状況の証明が必要であるものとして厚生労働省令で定める食品又は添加物は、輸出国の政府機関によつて発行され、かつ、当該事項を記載した証明書又はその写しを添付したものでなければ、これを販売の用に供するために輸入してはならない。
第十二条人の健康を損なうおそれのない場合として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める場合を除いては、添加物(天然香料及び一般に食品として飲食に供されている物であつて添加物として使用されるものを除く。)並びにこれを含む製剤及び食品は、これを販売し、又は販売の用に供するために、製造し、輸入し、加工し、使用し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。
第十三条厚生労働大臣は、公衆衛生の見地から、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、販売の用に供する食品若しくは添加物の製造、加工、使用、調理若しくは保存の方法につき基準を定め、又は販売の用に供する食品若しくは添加物の成分につき規格を定めることができる。
前項の規定により基準又は規格が定められたときは、その基準に合わない方法により食品若しくは添加物を製造し、加工し、使用し、調理し、若しくは保存し、その基準に合わない方法による食品若しくは添加物を販売し、若しくは輸入し、又はその規格に合わない食品若しくは添加物を製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、保存し、若しくは販売してはならない。
農薬(農薬取締法(昭和二十三年法律第八十二号)第二条第一項に規定する農薬をいう。次条において同じ。)、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和二十八年法律第三十五号)第二条第三項の規定に基づく農林水産省令で定める用途に供することを目的として飼料(同条第二項に規定する飼料をいう。)に添加、混和、浸潤その他の方法によつて用いられる物及び医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第一項に規定する医薬品であつて動物のために使用されることが目的とされているものの成分である物質(その物質が化学的に変化して生成した物質を含み、人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質を除く。)が、人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める量を超えて残留する食品は、これを販売の用に供するために製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、保存し、又は販売してはならない。ただし、当該物質の当該食品に残留する量の限度について第一項の食品の成分に係る規格が定められている場合については、この限りでない。
第十四条厚生労働大臣は、前条第一項の食品の成分に係る規格として、食品に残留する農薬、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律第二条第三項に規定する飼料添加物又は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第一項に規定する医薬品であつて専ら動物のために使用されることが目的とされているもの(以下この条において「農薬等」という。)の成分である物質(その物質が化学的に変化して生成した物質を含む。)の量の限度を定めるとき、同法第二条第九項に規定する再生医療等製品であつて専ら動物のために使用されることが目的とされているもの(以下この条において「動物用再生医療等製品」という。)が使用された対象動物(同法第八十三条第一項の規定により読み替えられた同法第十四条第二項第三号ロに規定する対象動物をいう。)の肉、乳その他の生産物について食用に供することができる範囲を定めるときその他必要があると認めるときは、農林水産大臣に対し、農薬等の成分又は動物用再生医療等製品の構成細胞、導入遺伝子その他厚生労働省令で定めるものに関する資料の提供その他必要な協力を求めることができる。
第三章 器具及び容器包装
第十五条営業上使用する器具及び容器包装は、清潔で衛生的でなければならない。
第十六条有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着して人の健康を損なうおそれがある器具若しくは容器包装又は食品若しくは添加物に接触してこれらに有害な影響を与えることにより人の健康を損なうおそれがある器具若しくは容器包装は、これを販売し、販売の用に供するために製造し、若しくは輸入し、又は営業上使用してはならない。
第十七条厚生労働大臣は、特定の国若しくは地域において製造され、又は特定の者により製造される特定の器具又は容器包装について、第二十六条第一項から第三項まで又は第二十八条第一項の規定による検査の結果次に掲げる器具又は容器包装に該当するものが相当数発見されたこと、製造地における食品衛生上の管理の状況その他の厚生労働省令で定める事由からみて次に掲げる器具又は容器包装に該当するものが相当程度含まれるおそれがあると認められる場合において、人の健康を損なうおそれの程度その他の厚生労働省令で定める事項を勘案して、当該特定の器具又は容器包装に起因する食品衛生上の危害の発生を防止するため特に必要があると認めるときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、当該特定の器具又は容器包装を販売し、販売の用に供するために製造し、若しくは輸入し、又は営業上使用することを禁止することができる。
前条に規定する器具又は容器包装
次条第一項の規定により定められた規格に合わない器具又は容器包装
次条第三項の規定に違反する器具又は容器包装
厚生労働大臣は、前項の規定による禁止をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。
第九条第三項及び第四項の規定は、第一項の規定による禁止が行われた場合について準用する。この場合において、同条第三項中「食品又は添加物」とあるのは、「器具又は容器包装」と読み替えるものとする。
第十八条厚生労働大臣は、公衆衛生の見地から、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、販売の用に供し、若しくは営業上使用する器具若しくは容器包装若しくはこれらの原材料につき規格を定め、又はこれらの製造方法につき基準を定めることができる。
前項の規定により規格又は基準が定められたときは、その規格に合わない器具若しくは容器包装を販売し、販売の用に供するために製造し、若しくは輸入し、若しくは営業上使用し、その規格に合わない原材料を使用し、又はその基準に合わない方法により器具若しくは容器包装を製造してはならない。
器具又は容器包装には、成分の食品への溶出又は浸出による公衆衛生に与える影響を考慮して政令で定める材質の原材料であつて、これに含まれる物質(その物質が化学的に変化して生成した物質を除く。)について、当該原材料を使用して製造される器具若しくは容器包装に含有されることが許容される量又は当該原材料を使用して製造される器具若しくは容器包装から溶出し、若しくは浸出して食品に混和することが許容される量が第一項の規格に定められていないものは、使用してはならない。ただし、当該物質が人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める量を超えて溶出し、又は浸出して食品に混和するおそれがないように器具又は容器包装が加工されている場合(当該物質が器具又は容器包装の食品に接触する部分に使用される場合を除く。)については、この限りでない。
第四章 表示及び広告
第十九条内閣総理大臣は、一般消費者に対する器具又は容器包装に関する公衆衛生上必要な情報の正確な伝達の見地から、消費者委員会の意見を聴いて、前条第一項の規定により規格又は基準が定められた器具又は容器包装に関する表示につき、必要な基準を定めることができる。
前項の規定により表示につき基準が定められた器具又は容器包装は、その基準に合う表示がなければ、これを販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない。
販売の用に供する食品及び添加物に関する表示の基準については、食品表示法(平成二十五年法律第七十号)で定めるところによる。
第二十条食品、添加物、器具又は容器包装に関しては、公衆衛生に危害を及ぼすおそれがある虚偽の又は誇大な表示又は広告をしてはならない。
第五章 食品添加物公定書
第二十一条厚生労働大臣及び内閣総理大臣は、食品添加物公定書を作成し、第十三条第一項の規定により基準又は規格が定められた添加物及び食品表示法第四条第一項の規定により基準が定められた添加物につき当該基準及び規格を収載するものとする。
第六章 監視指導
第二十一条の二国及び都道府県等は、食品、添加物、器具又は容器包装に起因する中毒患者又はその疑いのある者(以下「食中毒患者等」という。)の広域にわたる発生又はその拡大を防止し、及び広域にわたり流通する食品、添加物、器具又は容器包装に関してこの法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に係る違反を防止するため、その行う食品衛生に関する監視又は指導(以下「監視指導」という。)が総合的かつ迅速に実施されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。
第二十一条の三厚生労働大臣は、監視指導の実施に当たつての連携協力体制の整備を図るため、厚生労働省令で定めるところにより、国、都道府県等その他関係機関により構成される広域連携協議会(以下この条及び第六十六条において「協議会」という。)を設けることができる。
協議会は、必要があると認めるときは、当該協議会の構成員以外の都道府県等その他協議会が必要と認める者をその構成員として加えることができる。
協議会において協議が調つた事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。
前三項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
第二十二条厚生労働大臣及び内閣総理大臣は、国及び都道府県等が行う監視指導の実施に関する指針(以下「指針」という。)を定めるものとする。
指針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
監視指導の実施に関する基本的な方向
重点的に監視指導を実施すべき項目に関する事項
監視指導の実施体制に関する事項
監視指導の実施に当たつての国、都道府県等その他関係機関相互の連携協力の確保に関する事項
その他監視指導の実施に関する重要事項
厚生労働大臣及び内閣総理大臣は、指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、都道府県知事等に通知しなければならない。
第二十三条厚生労働大臣は、指針に基づき、毎年度、翌年度の食品、添加物、器具及び容器包装の輸入について国が行う監視指導の実施に関する計画(以下「輸入食品監視指導計画」という。)を定めるものとする。
輸入食品監視指導計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
生産地の事情その他の事情からみて重点的に監視指導を実施すべき項目に関する事項
輸入を行う営業者に対する自主的な衛生管理の実施に係る指導に関する事項
その他監視指導の実施のために必要な事項
厚生労働大臣は、輸入食品監視指導計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
厚生労働大臣は、輸入食品監視指導計画の実施の状況について、公表するものとする。
第二十四条都道府県知事等は、指針に基づき、毎年度、翌年度の当該都道府県等が行う監視指導の実施に関する計画(以下「都道府県等食品衛生監視指導計画」という。)を定めなければならない。
都道府県等食品衛生監視指導計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
重点的に監視指導を実施すべき項目に関する事項
食品等事業者に対する自主的な衛生管理の実施に係る指導に関する事項
監視指導の実施に当たつての国、他の都道府県等その他関係機関との連携協力の確保に関する事項
その他監視指導の実施のために必要な事項
都道府県等食品衛生監視指導計画は、当該都道府県等の区域における食品等事業者の施設の設置の状況、食品衛生上の危害の発生の状況その他の地域の実情を勘案して定められなければならない。
都道府県知事等は、都道府県等食品衛生監視指導計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、厚生労働省令・内閣府令で定めるところにより、厚生労働大臣及び内閣総理大臣に報告しなければならない。
都道府県知事等は、都道府県等食品衛生監視指導計画の実施の状況について、厚生労働省令・内閣府令で定めるところにより、公表しなければならない。
第七章 検査
第二十五条第十三条第一項の規定により規格が定められた食品若しくは添加物又は第十八条第一項の規定により規格が定められた器具若しくは容器包装であつて政令で定めるものは、政令で定める区分に従い厚生労働大臣若しくは都道府県知事又は登録検査機関の行う検査を受け、これに合格したものとして厚生労働省令で定める表示が付されたものでなければ、販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない。
前項の規定による厚生労働大臣又は登録検査機関の行う検査を受けようとする者は、検査に要する実費の額を考慮して、厚生労働大臣の行う検査にあつては厚生労働大臣が定める額の、登録検査機関の行う検査にあつては当該登録検査機関が厚生労働大臣の認可を受けて定める額の手数料を納めなければならない。
前項の手数料は、厚生労働大臣の行う検査を受けようとする者の納付するものについては国庫の、登録検査機関の行う検査を受けようとする者の納付するものについては当該登録検査機関の収入とする。
前三項に定めるもののほか、第一項の検査及び当該検査に合格した場合の措置に関し必要な事項は、政令で定める。
第一項の検査の結果については、審査請求をすることができない。
第二十六条都道府県知事は、次の各号に掲げる食品、添加物、器具又は容器包装を発見した場合において、これらを製造し、又は加工した者の検査の能力等からみて、その者が製造し、又は加工する食品、添加物、器具又は容器包装がその後引き続き当該各号に掲げる食品、添加物、器具又は容器包装に該当するおそれがあり、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、政令で定める要件及び手続に従い、その者に対し、当該食品、添加物、器具又は容器包装について、当該都道府県知事又は登録検査機関の行う検査を受けるべきことを命ずることができる。
第六条第二号又は第三号に掲げる食品又は添加物
第十三条第一項の規定により定められた規格に合わない食品又は添加物
第十三条第一項の規定により定められた基準に合わない方法により添加物を使用した食品
第十三条第三項に規定する食品
第十六条に規定する器具又は容器包装
第十八条第一項の規定により定められた規格に合わない器具又は容器包装
第十八条第三項の規定に違反する器具又は容器包装
厚生労働大臣は、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、前項各号に掲げる食品、添加物、器具若しくは容器包装又は第十二条に規定する食品を製造し、又は加工した者が製造し、又は加工した同種の食品、添加物、器具又は容器包装を輸入する者に対し、当該食品、添加物、器具又は容器包装について、厚生労働大臣又は登録検査機関の行う検査を受けるべきことを命ずることができる。
厚生労働大臣は、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、生産地の事情その他の事情からみて第一項各号に掲げる食品、添加物、器具若しくは容器包装又は第十二条に規定する食品に該当するおそれがあると認められる食品、添加物、器具又は容器包装を輸入する者に対し、当該食品、添加物、器具又は容器包装について、厚生労働大臣又は登録検査機関の行う検査を受けるべきことを命ずることができる。
前三項の命令を受けた者は、当該検査を受け、その結果についての通知を受けた後でなければ、当該食品、添加物、器具又は容器包装を販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない。
前項の通知であつて登録検査機関がするものは、当該検査を受けるべきことを命じた都道府県知事又は厚生労働大臣を経由してするものとする。
第一項から第三項までの規定による厚生労働大臣又は登録検査機関の行う検査を受けようとする者は、検査に要する実費の額を考慮して、厚生労働大臣の行う検査にあつては厚生労働大臣が定める額の、登録検査機関の行う検査にあつては当該登録検査機関が厚生労働大臣の認可を受けて定める額の手数料を納めなければならない。
前条第三項から第五項までの規定は、第一項から第三項までの検査について準用する。
第二十七条販売の用に供し、又は営業上使用する食品、添加物、器具又は容器包装を輸入しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、その都度厚生労働大臣に届け出なければならない。
第二十八条厚生労働大臣、内閣総理大臣又は都道府県知事等は、必要があると認めるときは、営業者その他の関係者から必要な報告を求め、当該職員に営業の場所、事務所、倉庫その他の場所に臨検し、販売の用に供し、若しくは営業上使用する食品、添加物、器具若しくは容器包装、営業の施設、帳簿書類その他の物件を検査させ、又は試験の用に供するのに必要な限度において、販売の用に供し、若しくは営業上使用する食品、添加物、器具若しくは容器包装を無償で収去させることができる。
前項の規定により当該職員に臨検検査又は収去をさせる場合においては、これにその身分を示す証票を携帯させ、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示させなければならない。
第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
厚生労働大臣、内閣総理大臣又は都道府県知事等は、第一項の規定により収去した食品、添加物、器具又は容器包装の試験に関する事務を登録検査機関に委託することができる。
第二十九条国及び都道府県は、第二十五条第一項又は第二十六条第一項から第三項までの検査(以下「製品検査」という。)及び前条第一項の規定により収去した食品、添加物、器具又は容器包装の試験に関する事務を行わせるために、必要な検査施設を設けなければならない。
保健所を設置する市及び特別区は、前条第一項の規定により収去した食品、添加物、器具又は容器包装の試験に関する事務を行わせるために、必要な検査施設を設けなければならない。
都道府県等の食品衛生検査施設に関し必要な事項は、政令で定める。
第三十条第二十八条第一項に規定する当該職員の職権及び食品衛生に関する指導の職務を行わせるために、厚生労働大臣、内閣総理大臣又は都道府県知事等は、その職員のうちから食品衛生監視員を命ずるものとする。
都道府県知事等は、都道府県等食品衛生監視指導計画の定めるところにより、その命じた食品衛生監視員に監視指導を行わせなければならない。
内閣総理大臣は、指針に従い、その命じた食品衛生監視員に食品、添加物、器具及び容器包装の表示又は広告に係る監視指導を行わせるものとする。
厚生労働大臣は、輸入食品監視指導計画の定めるところにより、その命じた食品衛生監視員に食品、添加物、器具及び容器包装の輸入に係る監視指導を行わせるものとする。
前各項に定めるもののほか、食品衛生監視員の資格その他食品衛生監視員に関し必要な事項は、政令で定める。
第八章 登録検査機関
第三十一条登録検査機関の登録を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付して、厚生労働大臣に登録の申請をしなければならない。
第三十二条次の各号のいずれかに該当する法人は、登録検査機関の登録を受けることができない。
その法人又はその業務を行う役員がこの法律又はこの法律に基づく処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しないもの
第四十三条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない法人
第四十三条の規定による登録の取消しの日前三十日以内にその取消しに係る法人の業務を行う役員であつた者でその取消しの日から二年を経過しないものがその業務を行う役員となつている法人
第三十三条厚生労働大臣は、第三十一条の規定により登録を申請した者(以下この項において「登録申請者」という。)が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、厚生労働省令で定める。
別表の第一欄に掲げる製品検査の種類ごとに、それぞれ同表の第二欄に掲げる機械器具その他の設備を有し、かつ、製品検査は同表の第三欄に掲げる条件に適合する知識経験を有する者が実施し、その人数が同表の第四欄に掲げる数以上であること。
次に掲げる製品検査の信頼性の確保のための措置が執られていること。
検査を行う部門に製品検査の種類ごとにそれぞれ専任の管理者を置くこと。
製品検査の業務の管理及び精度の確保に関する文書が作成されていること。
ロに掲げる文書に記載されたところに従い製品検査の業務の管理及び精度の確保を行う専任の部門を置くこと。
登録申請者が、第二十五条第一項又は第二十六条第一項から第三項までの規定により製品検査を受けなければならないこととされる食品、添加物、器具又は容器包装を販売し、販売の用に供するために製造し、輸入し、加工し、若しくは陳列し、又は営業上使用する営業者(以下この号及び第三十九条第二項において「受検営業者」という。)に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。
登録申請者が株式会社である場合にあつては、受検営業者がその親法人(会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第一項に規定する親法人をいう。)であること。
登録申請者の役員(持分会社(会社法第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。)にあつては、業務を執行する社員)に占める受検営業者の役員又は職員(過去二年間に当該受検営業者の役員又は職員であつた者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。
登録申請者の代表権を有する役員が、受検営業者の役員又は職員(過去二年間に当該受検営業者の役員又は職員であつた者を含む。)であること。
登録は、次に掲げる事項を登録台帳に記帳して行う。
登録年月日及び登録番号
登録検査機関の名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地
登録検査機関が行う製品検査の種類
登録検査機関が製品検査を行う事業所の名称及び所在地
第三十四条登録検査機関の登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
第三十一条から前条までの規定は、前項の登録の更新について準用する。
第三十五条登録検査機関は、製品検査を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、製品検査を行わなければならない。
登録検査機関は、公正に、かつ、厚生労働省令で定める技術上の基準に適合する方法により製品検査を行わなければならない。
第三十六条登録検査機関は、製品検査を行う事業所を新たに設置し、廃止し、又はその所在地を変更しようとするときは、その設置し、廃止し、又は変更しようとする日の一月前までに、厚生労働大臣に届け出なければならない。
登録検査機関は、第三十三条第二項第二号及び第四号(事業所の名称に係る部分に限る。)に掲げる事項に変更があつたときは、遅滞なく、同項第三号に掲げる事項を変更しようとするときは、変更しようとする日の一月前までに、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
第三十七条登録検査機関は、製品検査の業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、製品検査の業務の開始前に、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
業務規程には、製品検査の実施方法、製品検査に関する手数料その他の厚生労働省令で定める事項を定めておかなければならない。
厚生労働大臣は、第一項の認可をした業務規程が製品検査の公正な実施上不適当となつたと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
第三十八条登録検査機関は、厚生労働大臣の許可を受けなければ、製品検査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
第三十九条登録検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項及び第八十九条において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備えて置かなければならない。
受検営業者その他の利害関係人は、登録検査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録検査機関の定めた費用を支払わなければならない。
財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
前号の書面の謄本又は抄本の請求
財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
第四十条登録検査機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、その製品検査の業務又は第二十八条第四項の規定により委託を受けた事務(次項において「委託事務」という。)に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
製品検査の業務又は委託事務に従事する登録検査機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第四十一条厚生労働大臣は、登録検査機関が第三十三条第一項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その登録検査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
第四十二条厚生労働大臣は、登録検査機関が第三十五条の規定に違反していると認めるとき、又は登録検査機関が行う製品検査若しくは第二十五条第一項の規定による表示若しくは第二十六条第四項の規定による通知の記載が適当でないと認めるときは、当該登録検査機関に対し、製品検査を行うべきこと又は製品検査の方法その他の業務の方法の改善に必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
第四十三条厚生労働大臣は、登録検査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて製品検査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
この章の規定に違反したとき。
第三十二条第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
第三十七条第一項の認可を受けた業務規程によらないで製品検査を行つたとき。
第三十七条第三項又は前二条の規定による命令に違反したとき。
正当な理由がないのに第三十九条第二項各号の規定による請求を拒んだとき。
不正の手段により第三十三条第一項の登録を受けたとき。
第四十四条登録検査機関は、厚生労働省令で定めるところにより、帳簿を備え、製品検査に関し厚生労働省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
第四十五条厚生労働大臣は、次の場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
第三十三条第一項の登録をしたとき。
第三十四条第一項の規定により登録検査機関の登録が効力を失つたとき。
第三十六条第一項又は第二項の規定による届出があつたとき。
第三十八条の許可をしたとき。
第四十三条の規定により登録を取り消し、又は製品検査の業務の停止を命じたとき。
第四十六条登録検査機関以外の者は、その行う業務が製品検査であると人を誤認させるような表示、広告その他の行為をしてはならない。
厚生労働大臣は、登録検査機関以外の者に対し、その行う業務が製品検査であると人を誤認させないようにするための措置を執るべきことを命ずることができる。
第四十七条厚生労働大臣は、この法律の施行に必要な限度において、登録検査機関に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又は当該職員に、登録検査機関の事務所若しくは事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
第二十八条第二項及び第三項の規定は、前項の場合に準用する。
第九章 営業
第四十八条乳製品、第十二条の規定により厚生労働大臣が定めた添加物その他製造又は加工の過程において特に衛生上の考慮を必要とする食品又は添加物であつて政令で定めるものの製造又は加工を行う営業者は、その製造又は加工を衛生的に管理させるため、その施設ごとに、専任の食品衛生管理者を置かなければならない。ただし、営業者が自ら食品衛生管理者となつて管理する施設については、この限りでない。
営業者が、前項の規定により食品衛生管理者を置かなければならない製造業又は加工業を二以上の施設で行う場合において、その施設が隣接しているときは、食品衛生管理者は、同項の規定にかかわらず、その二以上の施設を通じて一人で足りる。
食品衛生管理者は、当該施設においてその管理に係る食品又は添加物に関してこの法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に係る違反が行われないように、その食品又は添加物の製造又は加工に従事する者を監督しなければならない。
食品衛生管理者は、前項に定めるもののほか、当該施設においてその管理に係る食品又は添加物に関してこの法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に係る違反の防止及び食品衛生上の危害の発生の防止のため、当該施設における衛生管理の方法その他の食品衛生に関する事項につき、必要な注意をするとともに、営業者に対し必要な意見を述べなければならない。
営業者は、その施設に食品衛生管理者を置いたときは、前項の規定による食品衛生管理者の意見を尊重しなければならない。
次の各号のいずれかに該当する者でなければ、食品衛生管理者となることができない。
医師、歯科医師、薬剤師又は獣医師
学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学、旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)に基づく大学又は旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)に基づく専門学校において医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学又は農芸化学の課程を修めて卒業した者(当該課程を修めて同法に基づく専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)
都道府県知事の登録を受けた食品衛生管理者の養成施設において所定の課程を修了した者
学校教育法に基づく高等学校若しくは中等教育学校若しくは旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)に基づく中等学校を卒業した者又は厚生労働省令で定めるところによりこれらの者と同等以上の学力があると認められる者で、第一項の規定により食品衛生管理者を置かなければならない製造業又は加工業において食品又は添加物の製造又は加工の衛生管理の業務に三年以上従事し、かつ、都道府県知事の登録を受けた講習会の課程を修了した者
前項第四号に該当することにより食品衛生管理者たる資格を有する者は、衛生管理の業務に三年以上従事した製造業又は加工業と同種の製造業又は加工業の施設においてのみ、食品衛生管理者となることができる。
第一項に規定する営業者は、食品衛生管理者を置き、又は自ら食品衛生管理者となつたときは、十五日以内に、その施設の所在地の都道府県知事に、その食品衛生管理者の氏名又は自ら食品衛生管理者となつた旨その他厚生労働省令で定める事項を届け出なければならない。食品衛生管理者を変更したときも、同様とする。
第四十九条前条第六項第三号の養成施設又は同項第四号の講習会の登録に関して必要な事項は政令で、受講科目その他同項第三号の養成施設又は同項第四号の講習会の課程に関して必要な事項は厚生労働省令で定める。
第五十条厚生労働大臣は、食品又は添加物の製造又は加工の過程において有毒な又は有害な物質が当該食品又は添加物に混入することを防止するための措置に関し必要な基準を定めることができる。
営業者(食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第六条第一項に規定する食鳥処理業者を除く。)は、前項の規定により基準が定められたときは、これを遵守しなければならない。
第五十一条厚生労働大臣は、営業(器具又は容器包装を製造する営業及び食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第二条第五号に規定する食鳥処理の事業(第五十四条及び第五十七条第一項において「食鳥処理の事業」という。)を除く。)の施設の衛生的な管理その他公衆衛生上必要な措置(以下この条において「公衆衛生上必要な措置」という。)について、厚生労働省令で、次に掲げる事項に関する基準を定めるものとする。
施設の内外の清潔保持、ねずみ及び昆虫の駆除その他一般的な衛生管理に関すること。
食品衛生上の危害の発生を防止するために特に重要な工程を管理するための取組(小規模な営業者(器具又は容器包装を製造する営業者及び食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第六条第一項に規定する食鳥処理業者を除く。次項において同じ。)その他の政令で定める営業者にあつては、その取り扱う食品の特性に応じた取組)に関すること。
営業者は、前項の規定により定められた基準に従い、厚生労働省令で定めるところにより公衆衛生上必要な措置を定め、これを遵守しなければならない。
都道府県知事等は、公衆衛生上必要な措置について、第一項の規定により定められた基準に反しない限り、条例で必要な規定を定めることができる。
第五十二条厚生労働大臣は、器具又は容器包装を製造する営業の施設の衛生的な管理その他公衆衛生上必要な措置(以下この条において「公衆衛生上必要な措置」という。)について、厚生労働省令で、次に掲げる事項に関する基準を定めるものとする。
施設の内外の清潔保持その他一般的な衛生管理に関すること。
食品衛生上の危害の発生を防止するために必要な適正に製造を管理するための取組に関すること。
器具又は容器包装を製造する営業者は、前項の規定により定められた基準(第十八条第三項に規定する政令で定める材質以外の材質の原材料のみが使用された器具又は容器包装を製造する営業者にあつては、前項第一号に掲げる事項に限る。)に従い、公衆衛生上必要な措置を講じなければならない。
都道府県知事等は、公衆衛生上必要な措置について、第一項の規定により定められた基準に反しない限り、条例で必要な規定を定めることができる。
第五十三条第十八条第三項に規定する政令で定める材質の原材料が使用された器具又は容器包装を販売し、又は販売の用に供するために製造し、若しくは輸入する者は、厚生労働省令で定めるところにより、その取り扱う器具又は容器包装の販売の相手方に対し、当該取り扱う器具又は容器包装が次の各号のいずれかに該当する旨を説明しなければならない。
第十八条第三項に規定する政令で定める材質の原材料について、同条第一項の規定により定められた規格に適合しているもののみを使用した器具又は容器包装であること。
第十八条第三項ただし書に規定する加工がされている器具又は容器包装であること。
器具又は容器包装の原材料であつて、第十八条第三項に規定する政令で定める材質のものを販売し、又は販売の用に供するために製造し、若しくは輸入する者は、当該原材料を使用して器具又は容器包装を製造する者から、当該原材料が同条第一項の規定により定められた規格に適合しているものである旨の確認を求められた場合には、厚生労働省令で定めるところにより、必要な説明をするよう努めなければならない。
第五十四条都道府県は、公衆衛生に与える影響が著しい営業(食鳥処理の事業を除く。)であつて、政令で定めるものの施設につき、厚生労働省令で定める基準を参酌して、条例で、公衆衛生の見地から必要な基準を定めなければならない。
第五十五条前条に規定する営業を営もうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。
前項の場合において、都道府県知事は、その営業の施設が前条の規定による基準に合うと認めるときは、許可をしなければならない。ただし、同条に規定する営業を営もうとする者が次の各号のいずれかに該当するときは、同項の許可を与えないことができる。
この法律又はこの法律に基づく処分に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
第五十九条から第六十一条までの規定により許可を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
都道府県知事は、第一項の許可に五年を下らない有効期間その他の必要な条件を付けることができる。
第五十六条前条第一項の許可を受けた者(以下この条において「許可営業者」という。)について相続、合併又は分割(当該営業を承継させるものに限る。)があつたときは、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により当該営業を承継すべき相続人を選定したときは、その者)、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により当該営業を承継した法人は、許可営業者の地位を承継する。
前項の規定により許可営業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その事実を証する書面を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
第五十七条営業(第五十四条に規定する営業、公衆衛生に与える影響が少ない営業で政令で定めるもの及び食鳥処理の事業を除く。)を営もうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、その営業所の名称及び所在地その他厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に届け出なければならない。
前条の規定は、前項の規定による届出をした者について準用する。この場合において、同条第一項中「前条第一項の許可を受けた者」とあるのは「次条第一項の規定による届出をした者」と、「許可営業者」とあるのは「届出営業者」と、同条第二項中「許可営業者」とあるのは「届出営業者」と読み替えるものとする。
第五十八条営業者が、次の各号のいずれかに該当する場合であつて、その採取し、製造し、輸入し、加工し、若しくは販売した食品若しくは添加物又はその製造し、輸入し、若しくは販売した器具若しくは容器包装を回収するとき(次条第一項又は第二項の規定による命令を受けて回収するとき、及び食品衛生上の危害が発生するおそれがない場合として厚生労働省令・内閣府令で定めるときを除く。)は、厚生労働省令・内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、回収に着手した旨及び回収の状況を都道府県知事に届け出なければならない。
第六条、第十条から第十二条まで、第十三条第二項若しくは第三項、第十六条、第十八条第二項若しくは第三項又は第二十条の規定に違反し、又は違反するおそれがある場合
第九条第一項又は第十七条第一項の規定による禁止に違反し、又は違反するおそれがある場合
都道府県知事は、前項の規定による届出があつたときは、厚生労働省令・内閣府令で定めるところにより、当該届出に係る事項を厚生労働大臣又は内閣総理大臣に報告しなければならない。
第五十九条厚生労働大臣又は都道府県知事は、営業者が第六条、第十条から第十二条まで、第十三条第二項若しくは第三項、第十六条若しくは第十八条第二項若しくは第三項の規定に違反した場合又は第九条第一項若しくは第十七条第一項の規定による禁止に違反した場合においては、営業者若しくは当該職員にその食品、添加物、器具若しくは容器包装を廃棄させ、又はその他営業者に対し食品衛生上の危害を除去するために必要な処置をとることを命ずることができる。
内閣総理大臣又は都道府県知事は、営業者が第二十条の規定に違反した場合においては、営業者若しくは当該職員にその食品、添加物、器具若しくは容器包装を廃棄させ、又はその他営業者に対し虚偽の若しくは誇大な表示若しくは広告による食品衛生上の危害を除去するために必要な処置をとることを命ずることができる。
第六十条都道府県知事は、営業者が第六条、第八条第一項、第十条から第十二条まで、第十三条第二項若しくは第三項、第十六条、第十八条第二項若しくは第三項、第十九条第二項、第二十条、第二十五条第一項、第二十六条第四項、第四十八条第一項、第五十条第二項、第五十一条第二項、第五十二条第二項若しくは第五十三条第一項の規定に違反した場合、第七条第一項から第三項まで、第九条第一項若しくは第十七条第一項の規定による禁止に違反した場合、第五十五条第二項第一号若しくは第三号に該当するに至つた場合又は同条第三項の規定による条件に違反した場合においては、同条第一項の許可を取り消し、又は営業の全部若しくは一部を禁止し、若しくは期間を定めて停止することができる。
厚生労働大臣は、営業者(食品、添加物、器具又は容器包装を輸入することを営む人又は法人に限る。)が第六条、第八条第一項、第十条第二項、第十一条、第十二条、第十三条第二項若しくは第三項、第十六条、第十八条第二項若しくは第三項、第二十六条第四項、第五十条第二項、第五十一条第二項、第五十二条第二項若しくは第五十三条第一項の規定に違反した場合又は第七条第一項から第三項まで、第九条第一項若しくは第十七条第一項の規定による禁止に違反した場合においては、営業の全部若しくは一部を禁止し、又は期間を定めて停止することができる。
第六十一条都道府県知事は、営業者がその営業の施設につき第五十四条の規定による基準に違反した場合においては、その施設の整備改善を命じ、又は第五十五条第一項の許可を取り消し、若しくはその営業の全部若しくは一部を禁止し、若しくは期間を定めて停止することができる。
第十章 雑則
第六十二条国庫は、政令で定めるところにより、次に掲げる都道府県又は保健所を設置する市の費用に対して、その二分の一を負担する。
第二十八条第一項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定による収去に要する費用
第三十条第一項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定による食品衛生監視員の設置に要する費用
第五十五条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定による営業の許可に要する費用
第五十九条(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定による廃棄に要する費用
第六十四条第一項又は第二項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定による死体の解剖に要する費用
この法律の施行に関する訴訟事件に要する費用及びその結果支払う賠償の費用
第六十三条食中毒患者等を診断し、又はその死体を検案した医師は、直ちに最寄りの保健所長にその旨を届け出なければならない。
保健所長は、前項の届出を受けたときその他食中毒患者等が発生していると認めるときは、速やかに都道府県知事等に報告するとともに、政令で定めるところにより、調査しなければならない。
都道府県知事等は、前項の規定により保健所長より報告を受けた場合であつて、食中毒患者等が厚生労働省令で定める数以上発生し、又は発生するおそれがあると認めるときその他厚生労働省令で定めるときは、直ちに、厚生労働大臣に報告しなければならない。
保健所長は、第二項の規定による調査を行つたときは、政令で定めるところにより、都道府県知事等に報告しなければならない。
都道府県知事等は、前項の規定による報告を受けたときは、政令で定めるところにより、厚生労働大臣に報告しなければならない。
第六十四条都道府県知事等は、原因調査上必要があると認めるときは、食品、添加物、器具又は容器包装に起因し、又は起因すると疑われる疾病で死亡した者の死体を遺族の同意を得て解剖に付することができる。
前項の場合において、その死体を解剖しなければ原因が判明せず、その結果公衆衛生に重大な危害を及ぼすおそれがあると認めるときは、遺族の同意を得ないでも、これに通知した上で、その死体を解剖に付することができる。
前二項の規定は、刑事訴訟に関する規定による強制の処分を妨げない。
第一項又は第二項の規定により死体を解剖する場合においては、礼意を失わないように注意しなければならない。
第六十五条厚生労働大臣は、食中毒患者等が厚生労働省令で定める数以上発生し、若しくは発生するおそれがある場合又は食中毒患者等が広域にわたり発生し、若しくは発生するおそれがある場合であつて、食品衛生上の危害の発生を防止するため緊急を要するときは、都道府県知事等に対し、期限を定めて、食中毒の原因を調査し、調査の結果を報告するように求めることができる。
第六十六条前条に規定する場合において、厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、協議会を開催し、食中毒の原因調査及びその結果に関する必要な情報を共有し、関係機関等の連携の緊密化を図るとともに、食中毒患者等の広域にわたる発生又はその拡大を防止するために必要な対策について協議を行うよう努めなければならない。
第六十七条都道府県等は、食中毒の発生を防止するとともに、地域における食品衛生の向上を図るため、食品等事業者に対し、必要な助言、指導その他の援助を行うように努めるものとする。
都道府県等は、食品等事業者の食品衛生の向上に関する自主的な活動を促進するため、社会的信望があり、かつ、食品衛生の向上に熱意と識見を有する者のうちから、食品衛生推進員を委嘱することができる。
食品衛生推進員は、飲食店営業の施設の衛生管理の方法その他の食品衛生に関する事項につき、都道府県等の施策に協力して、食品等事業者からの相談に応じ、及びこれらの者に対する助言その他の活動を行う。
第六十八条第六条、第九条、第十二条、第十三条第一項及び第二項、第十六条から第二十条まで(第十八条第三項を除く。)、第二十五条から第六十一条まで(第五十一条、第五十二条第一項第二号及び第二項並びに第五十三条を除く。)並びに第六十三条から第六十五条までの規定は、乳幼児が接触することによりその健康を損なうおそれがあるものとして厚生労働大臣の指定するおもちやについて、これを準用する。この場合において、第十二条中「添加物(天然香料及び一般に食品として飲食に供されている物であつて添加物として使用されるものを除く。)」とあるのは、「おもちやの添加物として用いることを目的とする化学的合成品(化学的手段により元素又は化合物に分解反応以外の化学的反応を起こさせて得られた物質をいう。)」と読み替えるものとする。
第六条並びに第十三条第一項及び第二項の規定は、洗浄剤であつて野菜若しくは果実又は飲食器の洗浄の用に供されるものについて準用する。
第十五条から第十八条まで、第二十五条第一項、第二十八条から第三十条まで、第五十一条、第五十四条、第五十七条及び第五十九条から第六十一条までの規定は、営業以外の場合で学校、病院その他の施設において継続的に不特定又は多数の者に食品を供与する場合に、これを準用する。
第六十九条厚生労働大臣、内閣総理大臣及び都道府県知事は、食品衛生上の危害の発生を防止するため、この法律又はこの法律に基づく処分に違反した者の名称等を公表し、食品衛生上の危害の状況を明らかにするよう努めるものとする。
第七十条厚生労働大臣は、第六条第二号ただし書(第六十八条第一項及び第二項において準用する場合を含む。)に規定する人の健康を損なうおそれがない場合を定めようとするとき、第七条第一項から第三項までの規定による販売の禁止をしようとし、若しくは同条第四項の規定による禁止の全部若しくは一部の解除をしようとするとき、第八条第一項の規定により指定成分等を指定しようとするとき、第十条第一項の厚生労働省令を制定し、若しくは改廃しようとするとき、第十二条に規定する人の健康を損なうおそれのない場合を定めようとするとき、第十三条第一項(第六十八条第一項及び第二項において準用する場合を含む。)に規定する基準若しくは規格を定めようとするとき、第十三条第三項に規定する人の健康を損なうおそれのないことが明らかである物質若しくは人の健康を損なうおそれのない量を定めようとするとき、第十八条第一項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)に規定する基準若しくは規格を定めようとするとき、第十八条第三項ただし書に規定する人の健康を損なうおそれのない量を定めようとするとき、第二十三条第一項に規定する輸入食品監視指導計画を定め、若しくは変更しようとするとき、第五十条第一項に規定する基準を定めようとするとき、又は第五十一条第一項、第五十二条第一項若しくは第五十四条の厚生労働省令を制定し、若しくは改廃しようとするときは、その趣旨、内容その他の必要な事項を公表し、広く国民の意見を求めるものとする。ただし、食品衛生上の危害の発生を防止するため緊急を要する場合で、あらかじめ広く国民の意見を求めるいとまがないときは、この限りでない。
都道府県知事等は、第二十四条第一項に規定する都道府県等食品衛生監視指導計画を定め、又は変更しようとするときは、その趣旨、内容その他の必要な事項を公表し、広く住民の意見を求めなければならない。
厚生労働大臣は、第一項ただし書の場合においては、事後において、遅滞なく、広く国民の意見を求めるものとする。
第一項及び前項の規定は、内閣総理大臣が第十九条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)に規定する表示についての基準を定めようとするとき、並びに厚生労働大臣及び内閣総理大臣が指針を定め、又は変更しようとするときについて準用する。
第七十一条厚生労働大臣、内閣総理大臣及び都道府県知事等は、食品衛生に関する施策に国民又は住民の意見を反映し、関係者相互間の情報及び意見の交換の促進を図るため、当該施策の実施状況を公表するとともに、当該施策について広く国民又は住民の意見を求めなければならない。
第七十二条第七十条第一項本文に規定する場合には、厚生労働大臣は、あらかじめ、内閣総理大臣に協議しなければならない。
内閣総理大臣は、第十九条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)に規定する表示についての基準を定めようとするときは、あらかじめ、厚生労働大臣に協議しなければならない。
厚生労働大臣は、第十八条第一項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)又は第六十八条第一項若しくは第二項において準用する第十三条第一項に規定する基準又は規格を定めたときその他必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、第十九条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)に規定する表示についての基準を定めることを求めることができる。
第七十三条厚生労働大臣及び内閣総理大臣は、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止するため、必要な情報交換を行うことその他相互の密接な連携の確保に努めるものとする。
第七十四条削除
第七十五条削除
第七十六条第四十八条第八項、第五十五条、第五十六条第二項(第五十七条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)、第五十七条第一項、第五十八条、第五十九条、第六十条第一項、第六十一条及び第六十九条中「都道府県知事」とあるのは、保健所を設置する市又は特別区にあつては、「市長」又は「区長」とする。ただし、政令で定める営業に関する政令で定める処分については、この限りでない。
第七十七条前条本文に規定するもののほか、この法律中都道府県が処理することとされている事務で政令で定めるものは、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)及び同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「中核市」という。)においては、政令の定めるところにより、指定都市又は中核市(以下「指定都市等」という。)が処理するものとする。この場合においては、この法律中都道府県に関する規定は、指定都市等に関する規定として指定都市等に適用があるものとする。
第七十八条この法律の規定により地方公共団体(都道府県を除く。次項において同じ。)の長が行う処分(地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務(次項及び次条において「第一号法定受託事務」という。)に係るものに限る。)についての審査請求の裁決に不服がある者は、厚生労働大臣(第五十九条第二項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定による処分に係るものにあつては、内閣総理大臣。次項において同じ。)に対して再審査請求をすることができる。
地方公共団体の長がこの法律の規定によりその処理することとされた事務のうち第一号法定受託事務に係る処分をする権限をその補助機関である職員又はその管理に属する行政機関の長に委任した場合において、委任を受けた職員又は行政機関の長がその委任に基づいてした処分につき、地方自治法第二百五十五条の二第二項の再審査請求の裁決があつたときは、当該裁決に不服がある者は、同法第二百五十二条の十七の四第五項から第七項までの規定の例により、厚生労働大臣に対して再々審査請求をすることができる。
第七十九条第二十五条第一項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)、第二十六条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)、第二十八条第一項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)、第三十条第二項(第五十四条に規定する営業(食品又は添加物の流通の状況を考慮して政令で定めるものに限る。)の許可に付随する監視指導に係る部分を除くものとし、第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)、第五十九条(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)、第六十三条(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)及び第六十四条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定により都道府県が処理することとされている事務は、第一号法定受託事務とする。
第二十八条第一項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)、第三十条第二項(第五十四条に規定する営業(食品又は添加物の流通の状況を考慮して政令で定めるものに限る。)の許可に付随する監視指導に係る部分を除くものとし、第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)、第五十九条(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)、第六十三条(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)及び第六十四条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定により保健所を設置する市又は特別区が処理することとされている事務は、第一号法定受託事務とする。
第八十条この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。
前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。
内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を消費者庁長官に委任する。
第十一章 罰則
第八十一条次の各号のいずれかに該当する者は、これを三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
第六条(第六十八条第一項及び第二項において準用する場合を含む。)、第十条第一項又は第十二条(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
第七条第一項から第三項までの規定による禁止に違反した者
第五十九条第一項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定による厚生労働大臣若しくは都道府県知事(第七十六条の規定により読み替えられる場合は、市長又は区長。以下この号において同じ。)の命令若しくは第五十九条第二項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定による内閣総理大臣若しくは都道府県知事の命令に従わない営業者(第六十八条第三項に規定する食品を供与する者を含む。)又は第六十条(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定による処分に違反して営業を行つた者
前項の罪を犯した者には、情状により懲役及び罰金を併科することができる。
第八十二条第十三条第二項(第六十八条第一項及び第二項において準用する場合を含む。)若しくは第三項、第十六条(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)、第十九条第二項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)、第二十条(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)又は第五十五条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
前項の罪を犯した者には、情状により懲役及び罰金を併科することができる。
第八十三条次の各号のいずれかに該当する者は、これを一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第十条第二項、第十一条、第十八条第二項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)若しくは第三項、第二十五条第一項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)、第二十六条第四項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)又は第六十三条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
第九条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)又は第十七条第一項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定による禁止に違反した者
第四十条第一項の規定に違反して、その職務に関して知り得た秘密を漏らした者
第五十四条(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定による基準又は第五十五条第三項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定による条件に違反した者
第六十一条(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定による都道府県知事(第七十六条の規定により読み替えられる場合は、市長又は区長)の命令に従わない営業者(同項に規定する食品を供与する者を含む。)又は第六十一条(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定による処分に違反して営業を行つた者
第八十四条第四十三条の規定による業務の停止の命令に違反した場合には、その違反行為をした登録検査機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第八十五条次の各号のいずれかに該当する者は、これを五十万円以下の罰金に処する。
第二十八条第一項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定による当該職員の臨検検査又は収去を拒み、妨げ、又は忌避した者
第二十八条第一項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第二十七条、第四十八条第八項(それぞれ第六十八条第一項において準用する場合を含む。)、第五十七条第一項又は第五十八条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第四十六条第二項の規定による命令に違反した者
第八十六条次の各号のいずれかに掲げる違反があつた場合には、その違反行為をした登録検査機関の役員又は職員は、五十万円以下の罰金に処する。
第三十八条の許可を受けないで製品検査の業務の全部を廃止したとき。
第四十四条の規定に違反して同条に規定する事項の記載をせず、虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。
第四十七条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
第四十七条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
第八十七条食品衛生管理者が第四十八条第三項に規定する職務を怠つたときは、当該施設においてその管理に係る食品又は添加物に関し第八十一条から第八十三条までの違反に該当する行為があつた場合において、その行為の態様に応じ各本条の罰金刑を科する。ただし、その食品衛生管理者がその行為を行つた者であるときは、この限りでない。
第八十八条法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。ただし、その人が食品衛生管理者として、前条の規定により罰金刑を科せられるべきときは、その人については、この限りでない。
第八十一条又は第八十二条(第十三条第二項(第六十八条第一項及び第二項において準用する場合を含む。)又は第三項、第十九条第二項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)及び第二十条(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定に係る部分に限る。)一億円以下の罰金刑
第八十二条(第十三条第二項(第六十八条第一項及び第二項において準用する場合を含む。)又は第三項、第十九条第二項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)及び第二十条(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定に係る部分を除く。)、第八十三条又は第八十五条各本条の罰金刑
第八十九条第三十九条第一項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第二項各号の規定による請求を拒んだ者は、二十万円以下の過料に処する。
別表 (第三十三条関係)
理化学的検査
一 遠心分離機
次の各号のいずれかに該当すること。
四名
二 純水製造装置
一 学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。)、旧大学令に基づく大学又は旧専門学校令に基づく専門学校において医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学、農芸化学若しくは応用化学の課程又はこれらに相当する課程を修めて卒業した後、一年以上理化学的検査の業務に従事した経験を有する者であること。
三 超低温槽
二 学校教育法に基づく短期大学又は高等専門学校において工業化学の課程又はこれに相当する課程を修めて卒業した後、三年以上理化学的検査の業務に従事した経験を有する者であること。
四 ホモジナイザー
三 前二号に掲げる者と同等以上の知識経験を有する者であること。
五 ガスクロマトグラフ
六 ガスクロマトグラフ質量分析計(食品に残留する農薬取締法第二条第一項に規定する農薬の検査を行う者に限る。)
七 原子吸光分光光度計
八 高速液体クロマトグラフ
細菌学的検査
一 遠心分離機
次の各号のいずれかに該当すること。
四名
二 純水製造装置
一 学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。)、旧大学令に基づく大学又は旧専門学校令に基づく専門学校において医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学、農芸化学若しくは生物学の課程又はこれらに相当する課程を修めて卒業した後、一年以上細菌学的検査の業務に従事した経験を有する者であること。
三 超低温槽
二 学校教育法に基づく短期大学又は高等専門学校において生物学の課程又はこれに相当する課程を修めて卒業した後、三年以上細菌学的検査の業務に従事した経験を有する者であること。
四 ホモジナイザー
三 前二号に掲げる者と同等以上の知識経験を有する者であること。
五 乾熱滅菌器
六 光学顕微鏡
七 高圧滅菌器
八 ふ卵器
動物を用いる検査
一 遠心分離機
次の各号のいずれかに該当すること。
三名
二 純水製造装置
一 学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。)、旧大学令に基づく大学又は旧専門学校令に基づく専門学校において医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学、農芸化学若しくは生物学の課程又はこれらに相当する課程を修めて卒業した後、一年以上動物を用いる検査の業務に従事した経験を有する者であること。
三 超低温槽
二 学校教育法に基づく短期大学又は高等専門学校において生物学の課程又はこれに相当する課程を修めて卒業した後、三年以上動物を用いる検査の業務に従事した経験を有する者であること。
四 ホモジナイザー
三 前二号に掲げる者と同等以上の知識経験を有する者であること。