港湾運送事業法(昭和二十六年法律第百六十一号)
最終更新:平成二十四年法律第五十三号
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  • 平成28年7月11日
    • 最終更新:平成二十四年法律第五十三号
    • 翻訳日:平成26年6月18日
    • 辞書バージョン:3.0

港湾運送事業法
昭和二十六年五月二十九日法律第百六十一号
第一章 総則
(目的)
第一条この法律は、港湾運送に関する秩序を確立し、港湾運送事業の健全な発達を図り、もつて公共の福祉を増進することを目的とする。
(定義)
第二条この法律で「港湾運送」とは、他人の需要に応じて行う行為であつて次に掲げるものをいう。
荷主又は船舶運航事業者の委託を受け、船舶により運送された貨物の港湾における船舶からの受取若しくは荷主への引渡又は船舶により運送されるべき貨物の港湾における船舶への引渡若しくは荷主からの受取にあわせてこれらの行為に先行し又は後続する次号から第五号までに掲げる行為を一貫して行う行為
港湾においてする船舶への貨物の積込又は船舶からの貨物の取卸(第四号に掲げる行為を除く。)
港湾における貨物の船舶又ははしけによる運送(一定の航路に旅客船(十三人以上の旅客定員を有する船舶をいう。)を就航させて人の運送をする事業を営む者が当該航路に就航する当該旅客船により行う貨物の運送その他国土交通省令で定めるものを除く。)、国土交通省令で定める港湾と港湾又は場所との間(以下単に「指定区間」という。)における貨物のはしけによる運送又は港湾若しくは指定区間における引船によるはしけ若しくはいかだのえい航
港湾においてする、船舶若しくははしけにより運送された貨物の上屋その他の荷さばき場(水面貯木場を除く。以下単に「荷さばき場」という。)への搬入、船舶若しくははしけにより運送されるべき貨物の荷さばき場からの搬出、これらの貨物の荷さばき場における荷さばき若しくは保管又は貨物の船舶(国土交通省令で定める総トン数未満のものに限る。以下この号において同じ。)若しくははしけからの取卸し若しくは船舶若しくははしけへの積込み(貨物の船舶からの取卸し又は船舶への積込みにあつては、当該船舶が岸壁、さん橋又は物揚場に係留され、かつ、当該船舶の揚貨装置を使用しないで行なう場合に限る。)
港湾若しくは指定区間におけるいかだに組んでする木材の運送又は港湾においてする、いかだに組んで運送された木材若しくは船舶若しくははしけにより運送された木材の水面貯木場への搬入、いかだに組んで運送されるべき木材若しくは船舶若しくははしけにより運送されるべき木材の水面貯木場からの搬出若しくはこれらの木材の水面貯木場における荷さばき若しくは保管
船積貨物の積込又は陸揚を行うに際してするその貨物の箇数の計算又は受渡の証明(以下「検数」という。)
船積貨物の積付に関する証明、調査及び鑑定(以下「鑑定」という。)
船積貨物の積込又は陸揚を行うに際してするその貨物の容積又は重量の計算又は証明(以下「検量」という。)
この法律で「港湾運送事業」とは、営利を目的とするとしないとを問わず港湾運送を行う事業をいう。
この法律で「港湾運送関連事業」とは、営利を目的とするとしないとを問わず、他人の需要に応じて次に掲げる行為を行なう事業をいう。
港湾においてする、船舶に積み込まれた貨物の位置の固定若しくは積載場所の区画、船積貨物の荷造り若しくは荷直し又は船舶への貨物の積込み若しくは船舶からの貨物の取卸しに先行し若しくは後続する船倉の清掃
港湾においてする船積貨物の警備
この法律で「港湾」とは、政令で指定する港湾(その水域は、政令で定めるものを除くほか、港則法(昭和二十三年法律第百七十四号)に基づく港の区域をいう。)をいう。
(事業の種類)
第三条港湾運送事業の種類は、次に掲げるものとする。
一般港湾運送事業(前条第一項第一号に掲げる行為を行う事業)
港湾荷役事業(前条第一項第二号及び第四号に掲げる行為を行う事業)
はしけ運送事業(前条第一項第三号に掲げる行為を行う事業)
いかだ運送事業(前条第一項第五号に掲げる行為を行う事業)
検数事業(前条第一項第六号に掲げる行為を行う事業)
鑑定事業(前条第一項第七号に掲げる行為を行う事業)
検量事業(前条第一項第八号に掲げる行為を行う事業)
第二章 港湾運送事業等
(許可)
第四条前条第一号から第四号までに掲げる港湾運送事業(以下「一般港湾運送事業等」という。)を営もうとする者は、港湾運送事業の種類及び港湾ごとに、同条第五号から第七号までに掲げる港湾運送事業(以下「検数事業等」という。)を営もうとする者は、港湾運送事業の種類ごとに国土交通大臣の許可を受けなければならない。この場合において、一般港湾運送事業、はしけ運送事業又はいかだ運送事業の許可を受けた者は、当該許可に係る港湾を起点又は終点とする指定区間においても、当該許可に係る一般港湾運送事業等を営むことができる。
(許可の申請)
第五条港湾運送事業の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
港湾運送事業の種類
港湾(検数事業等に係る場合を除く。)
国土交通省令で定める事業計画
前項の申請書には、資金計画その他国土交通省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
国土交通大臣は、申請者に対し、前二項に規定するもののほか、当該申請者の登記事項証明書その他必要な書類の提出を求めることができる。
(許可基準)
第六条国土交通大臣は、港湾運送事業の許可をしようとするときは、次の基準に適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。
一般港湾運送事業等にあつては、少なくとも、港湾運送事業の種類及び港湾ごとに国土交通省令で定める施設及び労働者を有するものであること。
検数事業等にあつては、検数事業等の公正かつ適正な実施を確保するため必要な体制が整備されていること。
当該事業の遂行上適切な計画を有するものであること。
当該事業を営む者の責任の範囲が明確であるような経営形態であること。
当該事業の経理的基礎が確実性を有すること。
国土交通大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めたときは、申請者が次の各号のいずれかに該当する場合を除いて、港湾運送事業の許可をしなければならない。
禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
この法律、港湾運送事業に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるもの又は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号。第三十二条の三第七項及び第三十二条の十一第一項を除く。)の規定に違反して、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
港湾運送事業の許可を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しを受けた法人のその処分を受ける原因となつた事項が発生した当時現にその法人の業務を執行する役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。以下同じ。)として在任した者で当該取消しの日から五年を経過しないものを含む。)
営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者又は成年被後見人であつて、その法定代理人が前三号又は次号のいずれかに該当する者であるもの
法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
第七条削除
第八条削除
(運賃及び料金)
第九条港湾運送事業の許可を受けた者(以下「港湾運送事業者」という。)は、国土交通省令で定めるところにより、運賃及び料金を定め、あらかじめ、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
国土交通大臣は、前項の運賃又は料金が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該港湾運送事業者に対し、期限を定めてその運賃又は料金を変更すべきことを命ずることができる。
特定の利用者に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき。
他の港湾運送事業者との間に不当な競争を引き起こすこととなるおそれがあるものであるとき。
(運賃及び料金の割戻の禁止)
第十条港湾運送事業者は、利用者に対し、収受した運賃及び料金の割戻をしてはならない。
(港湾運送約款)
第十一条一般港湾運送事業の許可を受けた者(以下「一般港湾運送事業者」という。)は、国土交通省令で定めるところにより、港湾運送約款を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、次に掲げる基準によつてこれをしなければならない。
利用者の正当な利益を害するおそれがないものであること。
少なくとも貨物の受取及び引渡し並びに一般港湾運送事業者の責任に関する事項が明確に定められているものであること。
(運賃及び料金並びに港湾運送約款の掲示)
第十二条港湾運送事業者は、第九条第一項の規定により届け出た運賃及び料金(特定の荷主又は船舶運航事業者に限つて定められたものを除く。)並びに前条第一項の規定により認可を受けた港湾運送約款を営業所において利用者の見やすいように掲示しなければならない。
(引渡不能貨物の寄託)
第十三条一般港湾運送事業者は、その責に帰すべからざる事由により貨物の引渡をすることができないときは、荷受人の費用をもつてこれを倉庫営業者に寄託することができる。
一般港湾運送事業者は、前項の規定により貨物を寄託したときは、遅滞なく、その旨を荷受人に通知しなければならない。
(名義利用の禁止)
第十四条港湾運送事業者は、その名義を他人に港湾運送事業のため利用させてはならない。
(差別取扱等の禁止)
第十五条港湾運送事業者は、特定の利用者に対し貨物の多寡その他の理由により不当な差別的取扱をしてはならない。
(下請の制限)
第十六条一般港湾運送事業者は、各月中に引き受けた港湾運送については、第二条第一項第二号から第五号までに掲げる行為の種別ごとに、少なくとも、当該月中に引き受けた港湾運送のうち当該種別のものに係る貨物量に国土交通省令で定める率を乗じて得た貨物量の貨物に係る当該種別の行為を自ら行なわなければならない。
前項の規定の適用については、一般港湾運送事業者がその引き受けた港湾運送を他の港湾運送事業者(当該一般港湾運送事業者が発行済株式の総数の二分の一を超える株式を保有することによりその事業活動を支配するものその他当該一般港湾運送事業者とこれに準ずる国土交通省令で定める密接な関係を有するものに限る。)に下請をさせる場合における当該下請に係る行為は、自ら行つた行為とみなす。ただし、次のいずれかに該当する場合に限る。
当該一般港湾運送事業者が当該月中に引き受けた港湾運送に係る第二条第一項第二号から第五号までに掲げる行為のうちいずれかの種別の行為を前項の規定に従つて自ら行つたとき。
当該一般港湾運送事業者が当該月中に引き受けた港湾運送に係る貨物量に国土交通省令で定める率を乗じて得た貨物量以上の量の貨物について、コンテナ埠頭その他の国土交通省令で定める施設において第二条第一項第二号又は第四号に掲げる行為を国土交通省令で定めるところにより自らの統括管理の下において行つたとき。
第三条第二号から第四号までに掲げる港湾運送事業(以下「港湾荷役事業等」という。)の許可を受けた者は、各月中に引き受けた港湾運送(他の港湾運送事業者から引き受けたものを除く。)については、少なくとも、当該月中に引き受けた港湾運送に係る貨物量に第一項の国土交通省令で定める率を乗じて得た貨物量の貨物に係る港湾運送を自ら行わなければならない。
港湾荷役事業等の許可を受けた者は、他の港湾運送事業者から引き受けた港湾運送については、その全部を自ら行わなければならない。
第一項から第三項までに規定する貨物量の算出の方法は、国土交通省令で定める。
国土交通大臣は、港湾運送事業者が第一項、第三項又は第四項の規定に違反していると認めるときは、当該港湾運送事業者に対し、その是正のために必要な事業施設の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。
(公正な検数事業等の確保)
第十六条の二検数事業等の許可を受けた者は、公正に検数、鑑定又は検量を行わなければならない。
(事業計画の変更)
第十七条港湾運送事業者は、事業計画を変更しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。但し、国土交通省令で定める軽微な事項に係る変更については、この限りでない。
第六条の規定は、前項の認可について準用する。
港湾運送事業者は、第一項但書の事項について事業計画を変更したときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
(事業計画に定める業務の確保)
第十七条の二港湾運送事業者は、天災その他やむを得ない事由がある場合の外、事業計画に定めるところに従い、その業務を行わなければならない。
国土交通大臣は、港湾運送事業者が前項の規定に違反していると認めるときは、当該港湾運送事業者に対し、事業計画に従い業務を行うべきことを命ずることができる。
(事業の譲渡及び譲受の認可等)
第十八条港湾運送事業の譲渡及び譲受は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
港湾運送事業を経営する法人の合併及び分割は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。ただし、港湾運送事業を経営する法人が港湾運送事業を行わない法人を合併する場合又は分割により港湾運送事業を承継させない場合は、この限りでない。
第一項の規定により認可を受けて港湾運送事業を譲り受けた者又は前項の規定により認可を受けて合併若しくは分割をした場合における合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人若しくは分割により港湾運送事業を承継した法人は、許可に基づく権利義務を承継する。
港湾運送事業者が死亡した場合において、相続人が被相続人の行つていた港湾運送事業を引き続き営もうとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
相続人は、前項の規定により被相続人の死亡後六十日以内に認可の申請をした場合においては、その認可をした旨又はその認可をしない旨の通知を受ける日までは、第四条の規定にかかわらず、当該事業を営むことができる。
第六条の規定は、第一項、第二項又は第四項の認可について準用する。
(公益命令)
第十八条の二国土交通大臣は、災害の救助その他公共の安全の維持のため必要な港湾運送であり、且つ、自発的に当該業務を行う者がない場合又は著しく不足する場合に限り、第十五条の規定にかかわらず、港湾運送事業者を指定して、左の各号に掲げる事項を命ずることができる。
国土交通大臣の指定した貨物の取扱又は運送をすること。
貨物の取扱又は運送の方法又は順位を変更すること。
前項の規定による命令で次条の規定による損失の補償を伴うものは、これによつて必要となる補償金の総額が、国会の議決を経た予算の金額をこえない範囲内で、これをしなければならない。
(損失の補償)
第十八条の三前条第一項の規定による命令を受けた者に対しては、その命令を受けたことによつて通常生ずべき損失(その命令を受けなかつたならば通常得らるべき利益が得られなかつたことによる損失を含む。)を補償する。
前項の補償の額は、国土交通大臣がこれを決定する。
前項の決定に不服がある者は、その決定を知つた日から六箇月以内に、訴えをもつて補償の額の増額を請求することができる。
前項の訴えにおいては、国を被告とする。
前四項に定めるものの外、損失の補償に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
第十九条削除
(事業の休廃止の届出)
第二十条港湾運送事業者は、その事業を休止し、又は廃止しようとするときは、国土交通省令で定める手続により、休止又は廃止の日の三十日前までに、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない。
(事業改善命令)
第二十一条国土交通大臣は、港湾運送事業者の事業について利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実があると認めるときは、当該港湾運送事業者に対し、事業計画の変更その他の事業の運営を改善するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(事業の停止及び許可の取消し)
第二十二条国土交通大臣は、港湾運送事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、三月以内において期間を定めて当該事業の停止を命じ、又は当該港湾運送事業の許可を取り消すことができる。
この法律又はこれに基づく処分に違反したとき。
正当な理由がないのに認可を受けた事項を実施しないとき。
第六条第二項第一号、第二号、第四号又は第五号の規定に該当するに至つたとき。
(港湾運送関連事業の届出)
第二十二条の二港湾運送関連事業を営もうとする者は、あらかじめ、港湾ごとに、国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない。当該届出をした者(以下「港湾運送関連事業者」という。)が当該届出をした事項を変更しようとするときも、同様とする。
港湾運送関連事業者は、その事業を休止し、又は廃止したときは、その日から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
(料金)
第二十二条の三港湾運送関連事業者は、国土交通省令で定めるところにより、港湾ごとに、料金を定め、その実施前に、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
第九条第二項の規定は、港湾運送関連事業者が前項の規定により届け出た料金について準用する。
(料金の割戻しの禁止及び料金の掲示)
第二十二条の四第十条の規定は港湾運送関連事業者が収受した料金について、第十二条の規定は港湾運送関連事業者が前条第一項の規定により届け出た料金について準用する。
第三章 港湾運送事業抵当
(港湾運送事業財団の設定)
第二十三条一般港湾運送事業等の許可を受けた者(以下この章において「一般港湾運送事業者等」という。)は、抵当権の目的とするため、港湾運送事業財団を設けることができる。
(財団の組成)
第二十四条港湾運送事業財団は、次に掲げるものであつて、同一の一般港湾運送事業者等に属し、かつ、一般港湾運送事業等に関するものの全部又は一部をもつて組成することができる。
上屋、荷役機械その他の荷さばき施設及びその敷地
はしけ及び引船その他の船舶
事務所その他一般港湾運送事業等のため必要な建物及びその敷地
第一号又は前号に掲げる工作物を所有し、又は使用するため他人の不動産の上に存する地上権、登記した賃借権及び第一号又は前号に掲げる土地のために存する地役権
一般港湾運送事業等の経営のため必要な器具及び機械
(財団設定の制限)
第二十五条前条第一号又は第三号に掲げる不動産のいずれもが存しないときは、一般港湾運送事業者等は、港湾運送事業財団を設けることができない。
工場抵当法の準用)
第二十六条港湾運送事業財団については、この法律に規定するものの外、工場抵当法(明治三十八年法律第五十四号)中工場財団に関する規定を準用する。この場合において、同法第十七条及び同法第四十五条中「工場所在地」とあるのは、「港湾運送事業法第二十四条第一号又ハ第三号ニ掲クル不動産ノ所在地」と読みかえるものとする。
第二十七条削除
(財団の存続)
第二十八条港湾運送事業財団は、その所有者が一般港湾運送事業者等でない者になつたことにより消滅することがない。
第四章 雑則
(許可等の条件又は期限)
第二十九条許可又は認可には、条件又は期限を付し、及びこれを変更することができる。
前項の条件又は期限は、公共の利益を増進し、又は許可若しくは認可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該港湾運送事業者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。
(職権の委任)
第三十条この法律に規定する国土交通大臣の職権の一部であつて政令で定めるものは、地方運輸局長(運輸監理部長を含む。次項において同じ。)が行う。
次条の規定は、地方運輸局長が前項の規定により委任された国土交通大臣の職権を行う場合には、適用しない。
(運輸審議会への諮問)
第三十一条国土交通大臣は、港湾運送事業の許可の取消し若しくは事業の停止又は港湾運送事業における運賃及び料金に関する変更命令に関しては、運輸審議会に諮らなければならない。
(港湾管理者に対する通知等)
第三十二条国土交通大臣は、第九条第二項又は第二十一条の規定により運賃及び料金又は港湾運送約款に関する変更命令(検数事業等に係るものを除く。)をしようとするときは、当該港湾管理者の意見を聴かなければならない。
国土交通大臣は、一般港湾運送事業等に関し、許可をし、事業の廃止の届出の受理をし、又は許可の取消しをした場合においては、その旨を当該港湾管理者に通知しなければならない。
(はしけ等に関する表示)
第三十二条の二港湾運送事業者は、港湾運送又は第三十三条の二第一項の運送に使用するはしけ又は船舶に、その氏名、名称その他国土交通省令で定める事項を見やすいように表示しなければならない。
(報告徴収等)
第三十三条国土交通大臣は、この法律の施行を確保するため必要があると認めるときは、港湾運送事業者又は港湾運送関連事業者に、はしけの使用その他事業に関し報告をさせることができる。
国土交通大臣は、この法律の施行を確保するため必要があると認めるときは、その職員に、港湾運送事業者又は港湾運送関連事業者の事務所若しくは事業場又ははしけ若しくは引船その他の船舶に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
当該職員は、前項の規定により検査をするときは、その身分を示す証票を携帯し、関係人に呈示しなければならない。
第二項の検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(指定区間においてする内航運送の特例)
第三十三条の二内航海運業法(昭和二十七年法律第百五十一号)及び貨物利用運送事業法(平成元年法律第八十二号)の規定は、一般港湾運送事業者又ははしけ運送事業の許可を受けた者(以下「はしけ運送事業者」という。)が当該事業の許可を受けた港湾を起点又は終点とする指定区間においてするはしけ以外の木製船舶による物品の運送(自己の引き受けた運送を他の者に下請をさせる場合を含み、一般港湾運送事業者については一般港湾運送事業に相当する事業の一部として行う場合に限る。)については、これを適用しない。一般港湾運送事業者又ははしけ運送事業者が死亡した場合において、第十八条第五項の規定により引き続き事業を営む者についても、同様とする。
第九条から第十二条まで、第十四条、第十五条、第十八条の二及び第十八条の三の規定は、前項の運送について準用する。この場合において、第十四条中「港湾運送事業」とあるのは、「第三十三条の二第一項の運送」と読み替えるものとする。
(政令への委任)
第三十三条の三この法律の規定に基づき政令を制定し、又は改廃する場合においては、政令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第五章 罰則
第三十四条次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第四条の規定による許可を受けないで港湾運送事業を営んだ者
第十四条(第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
第三十五条第二十二条の規定による事業の停止の命令に違反した者は、一年以下の懲役若しくは百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第三十六条削除
第三十七条第十八条の二第一項(第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者は、六月以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第三十八条次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。
第九条第一項(第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)又は第二十二条の三第一項の規定による届出をしないで、又は届出をした運賃若しくは料金によらないで、運賃又は料金を収受した者
第九条第二項(第二十二条の三第二項及び第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反して運賃又は料金を収受した者
第十条(第二十二条の四及び第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して運賃又は料金の割戻しをした者
第十一条第一項(第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による認可を受けないで、又は認可を受けた港湾運送約款によらないで、運送契約を締結した者
第十五条(第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
第十六条第六項、第十七条の二第二項又は第二十一条の規定による命令に違反した者
第十七条第一項の規定による認可を受けないで事業計画を変更した者
第三十三条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第三十三条第二項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第三十九条法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が法人又は人の業務に関して第三十四条、第三十五条又は前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第四十条次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の過料に処する。
第十二条(第二十二条の四及び第三十三条の二第二項において準用する場合を含む。)又は第三十二条の二の規定による掲示若しくは表示をせず、又は虚偽の掲示若しくは表示をした者
第十七条第三項又は第二十二条の二第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第二十条の規定による届出をしないで、又は虚偽の届出をして、事業を休止し、又は廃止した者
第二十二条の二第一項の規定による届出をしないで、又は虚偽の届出をして、港湾運送関連事業を営んだ者