法人税法(昭和四十年法律第三十四号)
最終更新:平成二十年法律第二十三号
目次
履歴
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▶本則
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▶第二編 内国法人の法人税
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▶第一章 各事業年度の所得に対する法人税
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▶第一節 課税標準及びその計算
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▶第四款 損金の額の計算
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▶第五款 利益の額又は損失の額の計算
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▶第三節 申告、納付及び還付等
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▶第三編 外国法人の法人税
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平成30年7月27日
- 最終更新:平成二十年法律第二十三号
- 翻訳日:平成22年7月9日
- 辞書バージョン:4.0
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平成21年3月31日
- 最終更新:平成十九年法律第六号
- 翻訳日:平成21年4月1日
- 辞書バージョン:2.0
法人税法(外国法人関連部分)
昭和四十年三月三十一日法律第三十四号
第一編 総則
第一章 通則
(定義)
第二条この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一国内 この法律の施行地をいう。
二国外 この法律の施行地外の地域をいう。
三内国法人 国内に本店又は主たる事務所を有する法人をいう。
四外国法人 内国法人以外の法人をいう。
五公共法人 別表第一に掲げる法人をいう。
六公益法人等 別表第二に掲げる法人をいう。
七協同組合等 別表第三に掲げる法人をいう。
八人格のない社団等 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。
九普通法人 第五号から第七号までに掲げる法人以外の法人をいい、人格のない社団等を含まない。
九の二非営利型法人 一般社団法人又は一般財団法人(公益社団法人又は公益財団法人を除く。)のうち、次に掲げるものをいう。
イその行う事業により利益を得ること又はその得た利益を分配することを目的としない法人であつてその事業を運営するための組織が適正であるものとして政令で定めるもの
ロその会員から受け入れる会費により当該会員に共通する利益を図るための事業を行う法人であつてその事業を運営するための組織が適正であるものとして政令で定めるもの
十同族会社 会社の株主等(その会社が自己の株式又は出資を有する場合のその会社を除く。)の三人以下並びにこれらと政令で定める特殊の関係のある個人及び法人がその会社の発行済株式又は出資(その会社が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の百分の五十を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合その他政令で定める場合におけるその会社をいう。
十一被合併法人 合併によりその有する資産及び負債の移転を行つた法人をいう。
十二合併法人 合併により被合併法人から資産及び負債の移転を受けた法人をいう。
十二の二分割法人 分割によりその有する資産及び負債の移転を行つた法人をいう。
十二の三分割承継法人 分割により分割法人から資産及び負債の移転を受けた法人をいう。
十二の四現物出資法人 現物出資によりその有する資産の移転を行い、又はこれと併せてその有する負債の移転を行つた法人をいう。
十二の五被現物出資法人 現物出資により現物出資法人から資産の移転を受け、又はこれと併せて負債の移転を受けた法人をいう。
十二の六の二被事後設立法人 事後設立により事後設立法人から資産の移転を受け、又はこれと併せて負債の移転を受けた法人をいう。
十二の六の三株式交換完全子法人 株式交換によりその株主の有する株式を他の法人に取得させた当該株式を発行した法人をいう。
十二の六の四株式交換完全親法人 株式交換により他の法人の株式を取得したことによつて当該法人の発行済株式の全部を有することとなつた法人をいう。
十二の六の五株式移転完全子法人 株式移転によりその株主の有する株式を当該株式移転により設立された法人に取得させた当該株式を発行した法人をいう。
十二の七株式移転完全親法人 株式移転により他の法人の発行済株式の全部を取得した当該株式移転により設立された法人をいう。
十二の七の二連結親法人 第四条の二(連結納税義務者)の承認を受けた同条に規定する内国法人をいう。
十二の七の三連結子法人 第四条の二の承認を受けた同条に規定する他の内国法人をいう。
十二の七の四連結法人 連結親法人又は当該連結親法人との間に連結完全支配関係がある連結子法人をいう。
十二の七の五連結完全支配関係 連結親法人と連結子法人との間の第四条の二に規定する完全支配関係又は当該連結親法人との間に当該完全支配関係がある連結子法人相互の関係をいう。
十二の八適格合併 次のいずれかに該当する合併で被合併法人の株主等に合併法人株式(合併法人の株式又は出資をいう。)又は合併親法人株式(合併法人との間に当該合併法人の発行済株式又は出資(自己が有する自己の株式又は出資を除く。以下この条において「発行済株式等」という。)の全部を保有する関係として政令で定める関係がある法人の株式又は出資をいう。)のいずれか一方の株式又は出資以外の資産(当該株主等に対する剰余金の配当等(株式又は出資に係る剰余金の配当、利益の配当又は剰余金の分配をいう。第十二号の十一において同じ。)として交付される金銭その他の資産及び合併に反対する当該株主等に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されないものをいう。
イその合併に係る被合併法人と合併法人(当該合併が法人を設立する合併(以下この号において「新設合併」という。)である場合にあつては、当該被合併法人と他の被合併法人)との間にいずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係その他の政令で定める関係がある場合の当該合併
ロその合併に係る被合併法人と合併法人(当該合併が新設合併である場合にあつては、当該被合併法人と他の被合併法人)との間にいずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式等の総数(出資にあつては、総額。以下第十二号の十六までにおいて同じ。)の百分の五十を超え、かつ、百分の百に満たない数(出資にあつては、金額。以下第十二号の十六までにおいて同じ。)の株式(出資を含む。以下第十二号の十六までにおいて同じ。)を直接又は間接に保有する関係その他の政令で定める関係がある場合の当該合併のうち、次に掲げる要件のすべてに該当するもの
(1)当該合併に係る被合併法人の当該合併の直前の従業者のうち、その総数のおおむね百分の八十以上に相当する数の者が当該合併後に当該合併に係る合併法人の業務に従事することが見込まれていること(当該合併後に当該合併法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、当該相当する数の者が、当該合併後に当該合併法人の業務に従事し、当該適格合併後に当該適格合併に係る合併法人の業務に従事することが見込まれていること。)。
(2)当該合併に係る被合併法人の当該合併前に営む主要な事業が当該合併後に当該合併に係る合併法人において引き続き営まれることが見込まれていること(当該合併後に当該合併法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、当該主要な事業が、当該合併後に当該合併法人において営まれ、当該適格合併後に当該適格合併に係る合併法人において引き続き営まれることが見込まれていること。)。
ハその合併に係る被合併法人と合併法人(当該合併が新設合併である場合にあつては、当該被合併法人と他の被合併法人)とが共同で事業を営むための合併として政令で定めるもの
十二の九分割型分割 分割により分割法人が交付を受ける分割承継法人の株式その他の資産(次号及び第十二号の十一において「分割対価資産」という。)のすべてがその分割の日において当該分割法人の株主等に交付される場合の当該分割をいう。
十二の十分社型分割 分割により分割法人が交付を受ける分割対価資産がその分割の日において当該分割法人の株主等に交付されない場合の当該分割をいう。
十二の十一適格分割 次のいずれかに該当する分割(分割型分割にあつては分割法人の株主等に分割承継法人の株式又は分割承継親法人株式(分割承継法人との間に当該分割承継法人の発行済株式等の全部を保有する関係として政令で定める関係がある法人の株式をいう。以下この号において同じ。)のいずれか一方の株式以外の資産(当該株主等に対する剰余金の配当等として交付される分割対価資産以外の金銭その他の資産を除く。)が交付されず、かつ、当該株式が当該株主等の有する分割法人の株式の数の割合に応じて交付されるものに、分社型分割にあつては分割法人に分割承継法人の株式又は分割承継親法人株式のいずれか一方の株式以外の資産が交付されないものに限る。)をいう。
イその分割に係る分割法人と分割承継法人との間にいずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係その他の政令で定める関係がある場合の当該分割
ロその分割に係る分割法人と分割承継法人との間にいずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式等の総数の百分の五十を超え、かつ、百分の百に満たない数の株式を直接又は間接に保有する関係その他の政令で定める関係がある場合の当該分割のうち、次に掲げる要件のすべてに該当するもの
(1)当該分割により分割事業(分割法人の分割前に営む事業のうち、当該分割により分割承継法人において営まれることとなるものをいう。ロにおいて同じ。)に係る主要な資産及び負債が当該分割承継法人に移転していること(当該分割後に当該分割承継法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、当該主要な資産及び負債が、当該分割により当該分割承継法人に移転し、当該適格合併により当該適格合併に係る合併法人に移転することが見込まれていること。)。
(2)当該分割の直前の分割事業に係る従業者のうち、その総数のおおむね百分の八十以上に相当する数の者が当該分割後に当該分割承継法人の業務に従事することが見込まれていること(当該分割後に当該分割承継法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、当該相当する数の者が、当該分割後に当該分割承継法人の業務に従事し、当該適格合併後に当該適格合併に係る合併法人の業務に従事することが見込まれていること。)。
(3)当該分割に係る分割事業が当該分割後に当該分割承継法人において引き続き営まれることが見込まれていること(当該分割後に当該分割承継法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、当該分割事業が、当該分割後に当該分割承継法人において営まれ、当該適格合併後に当該適格合併に係る合併法人において引き続き営まれることが見込まれていること。)。
ハその分割に係る分割法人と分割承継法人(当該分割が法人を設立する分割である場合にあつては、当該分割法人と他の分割法人)とが共同で事業を営むための分割として政令で定めるもの
十二の十二適格分割型分割 分割型分割のうち適格分割に該当するものをいう。
十二の十三適格分社型分割 分社型分割のうち適格分割に該当するものをいう。
十二の十四適格現物出資 次のいずれかに該当する現物出資(外国法人に国内にある資産又は負債として政令で定める資産又は負債の移転を行うもの及び新株予約権付社債に付された新株予約権の行使に伴う当該新株予約権付社債についての社債の給付を除き、現物出資法人に被現物出資法人の株式のみが交付されるものに限る。)をいう。
イその現物出資に係る現物出資法人と被現物出資法人との間にいずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係その他の政令で定める関係がある場合の当該現物出資
ロその現物出資に係る現物出資法人と被現物出資法人との間にいずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式等の総数の百分の五十を超え、かつ、百分の百に満たない数の株式を直接又は間接に保有する関係その他の政令で定める関係がある場合の当該現物出資のうち、次に掲げる要件のすべてに該当するもの
(1)当該現物出資により現物出資事業(現物出資法人の現物出資前に営む事業のうち、当該現物出資により被現物出資法人において営まれることとなるものをいう。ロにおいて同じ。)に係る主要な資産及び負債が当該被現物出資法人に移転していること(当該現物出資後に当該被現物出資法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、当該主要な資産及び負債が、当該現物出資により当該被現物出資法人に移転し、当該適格合併により当該適格合併に係る合併法人に移転することが見込まれていること。)。
(2)当該現物出資の直前の現物出資事業に係る従業者のうち、その総数のおおむね百分の八十以上に相当する数の者が当該現物出資後に当該被現物出資法人の業務に従事することが見込まれていること(当該現物出資後に当該被現物出資法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、当該相当する数の者が、当該現物出資後に当該被現物出資法人の業務に従事し、当該適格合併後に当該適格合併に係る合併法人の業務に従事することが見込まれていること。)。
(3)当該現物出資に係る現物出資事業が当該現物出資後に当該被現物出資法人において引き続き営まれることが見込まれていること(当該現物出資後に当該被現物出資法人を被合併法人とする適格合併を行うことが見込まれている場合には、当該現物出資事業が、当該現物出資後に当該被現物出資法人において営まれ、当該適格合併後に当該適格合併に係る合併法人において引き続き営まれることが見込まれていること。)。
ハその現物出資に係る現物出資法人と被現物出資法人(当該現物出資が法人を設立する現物出資である場合にあつては、当該現物出資法人と他の現物出資法人)とが共同で事業を営むための現物出資として政令で定めるもの
十二の十五適格事後設立 事後設立のうち、事後設立法人が被事後設立法人の発行済株式等の全部を保有していることその他の政令で定める要件に該当するもの(外国法人に前号に規定する政令で定める資産又は負債の移転を行うものを除く。)をいう。
十二の十六適格株式交換 次のいずれかに該当する株式交換で株式交換完全子法人の株主に株式交換完全親法人の株式又は株式交換完全支配親法人株式(株式交換完全親法人との間に当該株式交換完全親法人の発行済株式等の全部を保有する関係として政令で定める関係がある法人の株式をいう。)のいずれか一方の株式以外の資産(当該株主に対する剰余金の配当として交付される金銭その他の資産及び株式交換に反対する当該株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されないものをいう。
イその株式交換に係る株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間に同一の者によつてそれぞれの法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有される関係その他の政令で定める関係がある場合の当該株式交換
ロその株式交換に係る株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との間にいずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式等の総数の百分の五十を超え、かつ、百分の百に満たない数の株式を直接又は間接に保有する関係その他の政令で定める関係がある場合の当該株式交換のうち、次に掲げる要件のすべてに該当するもの
(1)当該株式交換完全子法人の当該株式交換の直前の従業者のうち、その総数のおおむね百分の八十以上に相当する数の者が当該株式交換完全子法人の業務に引き続き従事することが見込まれていること(当該株式交換後に当該株式交換完全子法人を被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人(以下この号及び次号において「被合併法人等」という。)とする適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この号及び次号において「適格組織再編成」という。)に伴い当該相当する数の者の全部又は一部が当該適格組織再編成に係る合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(以下この号及び次号において「合併法人等」という。)に引き継がれることが見込まれている場合には、当該相当する数の者のうち当該合併法人等に引き継がれるもの((1)において「合併等引継従業者」という。)が当該株式交換後に当該株式交換完全子法人の業務に従事し、当該適格組織再編成後に当該合併法人等の業務に従事することが見込まれ、かつ、当該相当する数の者のうち当該合併等引継従業者以外のものが当該株式交換完全子法人の業務に引き続き従事することが見込まれていること。)。
(2)当該株式交換完全子法人の当該株式交換前に営む主要な事業が当該株式交換完全子法人において引き続き営まれることが見込まれていること(当該株式交換後に当該株式交換完全子法人を被合併法人等とする適格組織再編成によりその主要な事業が移転することが見込まれている場合には、当該主要な事業が、当該株式交換後に当該株式交換完全子法人において営まれ、当該適格組織再編成後に当該適格組織再編成に係る合併法人等において引き続き営まれることが見込まれていること。)。
ハその株式交換に係る株式交換完全子法人と株式交換完全親法人とが共同で事業を営むための株式交換として政令で定めるもの
十二の十七適格株式移転 次のいずれかに該当する株式移転で株式移転完全子法人の株主に株式移転完全親法人の株式以外の資産(株式移転に反対する当該株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されないものをいう。
イその株式移転に係る株式移転完全子法人と当該株式移転に係る他の株式移転完全子法人(以下この号において「他の株式移転完全子法人」という。)との間に同一の者によつてそれぞれの法人の発行済株式(自己が有する自己の株式を除く。ロにおいて同じ。)の全部を直接若しくは間接に保有される関係その他の政令で定める関係がある場合の当該株式移転又は一の法人のみがその株式移転完全子法人となる株式移転で政令で定めるもの
ロその株式移転に係る株式移転完全子法人と他の株式移転完全子法人との間にいずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式の総数の百分の五十を超え、かつ、百分の百に満たない数の株式を直接又は間接に保有する関係その他の政令で定める関係がある場合の当該株式移転のうち、次に掲げる要件のすべてに該当するもの
(1)当該株式移転に係る各株式移転完全子法人の当該株式移転の直前の従業者のうち、その総数のおおむね百分の八十以上に相当する数の者が当該株式移転完全子法人の業務に引き続き従事することが見込まれていること(当該株式移転後に当該株式移転完全子法人を被合併法人等とする適格組織再編成に伴い当該相当する数の者の全部又は一部が当該適格組織再編成に係る合併法人等に引き継がれることが見込まれている場合には、当該相当する数の者のうち当該合併法人等に引き継がれるもの((1)において「合併等引継従業者」という。)が当該株式移転後に当該株式移転完全子法人の業務に従事し、当該適格組織再編成後に当該合併法人等の業務に従事することが見込まれ、かつ、当該相当する数の者のうち当該合併等引継従業者以外のものが当該株式移転完全子法人の業務に引き続き従事することが見込まれていること。)。
(2)当該株式移転に係る各株式移転完全子法人の当該株式移転前に営む主要な事業が当該株式移転完全子法人において引き続き営まれることが見込まれていること(当該株式移転後に当該株式移転完全子法人を被合併法人等とする適格組織再編成によりその主要な事業が移転することが見込まれている場合には、当該主要な事業が、当該株式移転後に当該株式移転完全子法人において営まれ、当該適格組織再編成後に当該適格組織再編成に係る合併法人等において引き続き営まれることが見込まれていること。)。
ハその株式移転に係る株式移転完全子法人と他の株式移転完全子法人とが共同で事業を営むための株式移転として政令で定めるもの
十三収益事業 販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいう。
十四株主等 株主又は合名会社、合資会社若しくは合同会社の社員その他法人の出資者をいう。
十五役員 法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人並びにこれら以外の者で法人の経営に従事している者のうち政令で定めるものをいう。
十六資本金等の額 法人(各連結事業年度の連結所得に対する法人税を課される連結事業年度の連結法人(以下この条において「連結申告法人」という。)を除く。)が株主等から出資を受けた金額として政令で定める金額をいう。
十七連結資本金等の額 連結法人(連結申告法人に限る。)の連結個別資本金等の額の合計額をいう。
十七の二連結個別資本金等の額 連結法人(連結申告法人に限る。)が株主等から出資を受けた金額として政令で定める金額をいう。
十八利益積立金額 法人(連結申告法人を除く。)の所得の金額(第八十一条の十八第一項(連結法人税の個別帰属額の計算)に規定する個別所得金額を含む。)で留保している金額として政令で定める金額をいう。
十八の二連結利益積立金額 連結法人(連結申告法人に限る。)の連結所得の金額(所得の金額を含む。)で留保している金額として政令で定める金額をいう。
十八の三連結個別利益積立金額 連結利益積立金額のうち各連結法人(連結申告法人に限る。)に帰せられる金額として政令で定める金額をいう。
十八の四連結所得 連結親法人及び連結子法人の所得をいう。
十九欠損金額 各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額が当該事業年度の益金の額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。
十九の二連結欠損金額 各連結事業年度の連結所得の金額の計算上当該連結事業年度の損金の額が当該連結事業年度の益金の額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。
二十棚卸資産 商品、製品、半製品、仕掛品、原材料その他の資産で棚卸しをすべきものとして政令で定めるもの(有価証券及び第六十一条第一項(短期売買商品の譲渡損益及び時価評価損益の益金又は損金算入)に規定する短期売買商品を除く。)をいう。
二十一有価証券 金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項(定義)に規定する有価証券その他これに準ずるもので政令で定めるもの(自己が有する自己の株式又は出資及び第六十一条の五第一項(デリバティブ取引に係る利益相当額又は損失相当額の益金又は損金算入等)に規定するデリバティブ取引に係るものを除く。)をいう。
二十二固定資産 土地(土地の上に存する権利を含む。)、減価償却資産、電話加入権その他の資産で政令で定めるものをいう。
二十三減価償却資産 建物、構築物、機械及び装置、船舶、車両及び運搬具、工具、器具及び備品、鉱業権その他の資産で償却をすべきものとして政令で定めるものをいう。
二十四繰延資産 法人が支出する費用のうち支出の効果がその支出の日以後一年以上に及ぶもので政令で定めるものをいう。
二十五損金経理 法人がその確定した決算において費用又は損失として経理することをいう。
二十六合同運用信託 信託会社(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)により同法第一条第一項(兼営の認可)に規定する信託業務を営む同項に規定する金融機関を含む。)が引き受けた金銭信託で、共同しない多数の委託者の信託財産を合同して運用するもの(投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第二項(定義)に規定する委託者非指図型投資信託及びこれに類する外国投資信託(同条第二十二項に規定する外国投資信託をいう。次号及び第二十九号ロにおいて同じ。)並びに委託者が実質的に多数でないものとして政令で定める信託を除く。)をいう。
二十七証券投資信託 投資信託及び投資法人に関する法律第二条第四項に規定する証券投資信託及びこれに類する外国投資信託をいう。
二十八公社債投資信託 証券投資信託のうち、その信託財産を公債又は社債(会社以外の法人が特別の法律により発行する債券を含む。)に対する投資として運用することを目的とするもので、株式又は出資に対する投資として運用しないものをいう。
二十九集団投資信託 次に掲げる信託をいう。
イ合同運用信託
ロ投資信託及び投資法人に関する法律第二条第三項に規定する投資信託(次に掲げるものに限る。)及び外国投資信託
(1)投資信託及び投資法人に関する法律第二条第四項に規定する証券投資信託
(2)その受託者(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第一項に規定する委託者指図型投資信託にあつては、委託者)による受益権の募集が、同条第八項に規定する公募により行われ、かつ、主として国内において行われるものとして政令で定めるもの
ハ特定受益証券発行信託(信託法(平成十八年法律第百八号)第百八十五条第三項(受益証券の発行に関する信託行為の定め)に規定する受益証券発行信託のうち、次に掲げる要件のすべてに該当するもの(イに掲げる信託及び次号ハに掲げる信託を除く。)をいう。)
(1)信託事務の実施につき政令で定める要件に該当するものであることについて政令で定めるところにより税務署長の承認を受けた法人((1)において「承認受託者」という。)が引き受けたものであること(その計算期間開始の日の前日までに、当該承認受託者(当該受益証券発行信託の受託者に就任したことによりその信託事務の引継ぎを受けた承認受託者を含む。)がその承認を取り消された場合及び当該受益証券発行信託の受託者に承認受託者以外の者が就任した場合を除く。)。
(2)各計算期間終了の時における未分配利益の額として政令で定めるところにより計算した金額のその時における元本の総額に対する割合((3)において「利益留保割合」という。)が政令で定める割合を超えない旨の信託行為における定めがあること。
(3)各計算期間開始の時において、その時までに到来した利益留保割合の算定の時期として政令で定めるもののいずれにおいてもその算定された利益留保割合が(2)に規定する政令で定める割合を超えていないこと。
(4)その計算期間が一年を超えないこと。
(5)受益者(受益者としての権利を現に有するものに限る。)が存しない信託に該当したことがないこと。
二十九の二法人課税信託 次に掲げる信託(集団投資信託並びに第十二条第四項第一号(信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属)に規定する退職年金等信託及び同項第二号に規定する特定公益信託等を除く。)をいう。
イ受益権を表示する証券を発行する旨の定めのある信託
ロ第十二条第一項に規定する受益者(同条第二項の規定により同条第一項に規定する受益者とみなされる者を含む。)が存しない信託
ハ法人(公共法人及び公益法人等を除く。)が委託者となる信託(信託財産に属する資産のみを信託するものを除く。)で、次に掲げる要件のいずれかに該当するもの
(1)当該法人の事業の全部又は重要な一部(その譲渡につき当該法人の会社法第四百六十七条第一項(第一号又は第二号に係る部分に限る。)の株主総会の決議(これに準ずるものを含む。)を要するものに限る。)を信託し、かつ、その信託の効力が生じた時において、当該法人の株主等が取得する受益権のその信託に係るすべての受益権に対する割合が百分の五十を超えるものとして政令で定めるものに該当することが見込まれていたこと(その信託財産に属する金銭以外の資産の種類がおおむね同一である場合として政令で定める場合を除く。)。
(2)その信託の効力が生じた時又はその存続期間(その信託行為において定められた存続期間をいう。(2)において同じ。)の定めの変更の効力が生じた時((2)において「効力発生時等」という。)において当該法人又は当該法人との間に政令で定める特殊の関係のある者((2)及び(3)において「特殊関係者」という。)が受託者であり、かつ、当該効力発生時等において当該効力発生時等以後のその存続期間が二十年を超えるものとされていたこと(当該法人又は当該法人の特殊関係者のいずれもがその受託者でなかつた場合において当該法人又は当該法人の特殊関係者がその受託者に就任することとなり、かつ、その就任の時においてその時以後のその存続期間が二十年を超えるものとされていたときを含むものとし、その信託財産の性質上その信託財産の管理又は処分に長期間を要する場合として政令で定める場合を除く。)。
(3)その信託の効力が生じた時において当該法人又は当該法人の特殊関係者をその受託者と、当該法人の特殊関係者をその受益者とし、かつ、その時において当該特殊関係者に対する収益の分配の割合の変更が可能である場合として政令で定める場合に該当したこと。
ニ投資信託及び投資法人に関する法律第二条第三項に規定する投資信託
ホ資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第十三項(定義)に規定する特定目的信託
三十中間申告書 第七十一条第一項(中間申告)(第百四十五条第一項(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。)の規定による申告書をいう。
三十一確定申告書 第七十四条第一項(確定申告)(第百四十五条第一項において準用する場合を含む。)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
三十一の二連結中間申告書 第八十一条の十九第一項(連結中間申告)の規定による申告書をいう。
三十二連結確定申告書 第八十一条の二十二第一項(連結確定申告)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
三十三退職年金等積立金中間申告書 第八十八条(退職年金等積立金に係る中間申告)(第百四十五条の五(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
三十四退職年金等積立金確定申告書 第八十九条(退職年金等積立金に係る確定申告)(第百四十五条の五において準用する場合を含む。)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
三十五清算事業年度予納申告書 第百二条第一項(清算中の所得に係る予納申告)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
三十六残余財産分配等予納申告書 第百三条第一項(残余財産の一部分配等に係る予納申告)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
三十七清算確定申告書 第百四条第一項(清算確定申告)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
三十八期限後申告書 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第十八条第二項(期限後申告書)に規定する期限後申告書をいう。
三十九修正申告書 国税通則法第十九条第三項(修正申告書)に規定する修正申告書をいう。
四十青色申告書 第百二十一条(青色申告)(第百四十六条第一項(外国法人に対する準用)において準用する場合を含む。)の規定により青色の申告書によつて提出する第三十号、第三十一号及び第三十三号から第三十七号までに掲げる申告書並びにこれらの申告書に係る修正申告書をいう。
四十一中間納付額 第七十六条(中間申告による納付)(第百四十五条第一項において準用する場合を含む。)又は第八十一条の二十六(連結中間申告による納付)の規定により納付すべき法人税の額(その額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の法人税の額)をいう。
四十二清算中の予納額 第百五条(清算中の所得に係る予納申告による納付)又は第百六条(残余財産の一部分配等に係る予納申告による納付)の規定により納付すべき法人税の額(これらの規定に規定する申告書に係る期限後申告書の提出又はこれらの申告書の提出がなかつたことによる決定により納付すべき法人税の額を含むものとし、これらの額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の法人税の額とする。)をいう。
四十三更正 国税通則法第二十四条(更正)又は第二十六条(再更正)の規定による更正をいう。
四十四決定 第十九条(納税地指定の処分の取消しがあつた場合の申告等の効力)及び次編第一章第一節(課税標準及びその計算)の場合を除き、国税通則法第二十五条(決定)の規定による決定をいう。
四十五附帯税 国税通則法第二条第四号(定義)に規定する附帯税をいう。
四十六充当 国税通則法第五十七条第一項(充当)の規定による充当をいう。
四十七還付加算金 国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)に規定する還付加算金をいう。
四十八地方税 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第一条第一項第十四号(用語)に規定する地方団体の徴収金(都、特別区及び全部事務組合のこれに相当する徴収金を含む。)をいう。
第二章 納税義務者
第四条内国法人は、この法律により、法人税を納める義務がある。ただし、公益法人等又は人格のない社団等については、収益事業を行う場合、法人課税信託の引受けを行う場合又は第八十四条第一項(退職年金等積立金の額の計算)に規定する退職年金業務等を行う場合に限る。
2公共法人は、前項の規定にかかわらず、法人税を納める義務がない。
3外国法人は、第百三十八条(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得を有するとき(人格のない社団等にあつては、当該国内源泉所得で収益事業から生ずるものを有するときに限る。)、法人課税信託の引受けを行うとき又は第百四十五条の三(外国法人に係る退職年金等積立金の額の計算)に規定する退職年金業務等を行うときは、この法律により、法人税を納める義務がある。
4個人は、法人課税信託の引受けを行うときは、この法律により、法人税を納める義務がある。
第二章の二 連結納税義務者
(連結納税義務者)
第四条の二内国法人(普通法人又は協同組合等に限るものとし、次に掲げる法人を除く。)及び当該内国法人との間に当該内国法人による完全支配関係(発行済株式又は出資(自己が有する自己の株式又は出資を除く。)の全部を直接又は間接に保有する関係として政令で定める関係をいう。以下この条において同じ。)がある他の内国法人(普通法人に限るものとし、清算中の法人、資産の流動化に関する法律第二条第三項(定義)に規定する特定目的会社その他政令で定める法人を除く。)のすべてが当該内国法人を納税義務者として法人税を納めることにつき国税庁長官の承認を受けた場合には、これらの法人は、この法律の定めるところにより、当該内国法人を納税義務者として法人税を納めるものとする。
一清算中の法人
二普通法人(外国法人を除く。)又は協同組合等との間に当該普通法人又は協同組合等による完全支配関係がある法人
三その他政令で定める法人
第二章の三 法人課税信託
(法人課税信託の受託者に関するこの法律の適用)
第四条の六
2前項の場合において、各法人課税信託の信託資産等及び固有資産等は、同項の規定によりみなされた各別の者にそれぞれ帰属するものとする。
(受託法人等に関するこの法律の適用)
第四条の七受託法人(法人課税信託の受託者である法人(その受託者が個人である場合にあつては、当該受託者である個人)について、前条の規定により、当該法人課税信託に係る信託資産等が帰属する者としてこの法律の規定を適用する場合における当該受託者である法人をいう。以下この条において同じ。)又は法人課税信託の受益者についてこの法律の規定を適用する場合には、次に定めるところによる。
一法人課税信託の信託された営業所、事務所その他これらに準ずるもの(次号において「営業所」という。)が国内にある場合には、当該法人課税信託に係る受託法人は、内国法人とする。
二法人課税信託の信託された営業所が国内にない場合には、当該法人課税信託に係る受託法人は、外国法人とする。
三受託法人(会社でないものに限る。)は、会社とみなす。
四信託の併合は合併とみなし、信託の併合に係る従前の信託である法人課税信託に係る受託法人は被合併法人に含まれるものと、信託の併合に係る新たな信託である法人課税信託に係る受託法人は合併法人に含まれるものとする。
五信託の分割は分割型分割に含まれるものとし、信託の分割によりその信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託又は新たな信託の信託財産として移転する法人課税信託に係る受託法人は分割法人に含まれるものと、信託の分割により受託者を同一とする他の信託からその信託財産の一部の移転を受ける法人課税信託に係る受託法人は分割承継法人に含まれるものとする。
六法人課税信託の受益権は株式又は出資とみなし、法人課税信託の受益者は株主等に含まれるものとする。この場合において、その法人課税信託の受託者である法人の株式又は出資は当該法人課税信託に係る受託法人の株式又は出資でないものとみなし、当該受託者である法人の株主等は当該受託法人の株主等でないものとする。
七受託法人は、当該受託法人に係る法人課税信託の効力が生ずる日(一の約款に基づき複数の信託契約が締結されるものである場合にはその最初の契約が締結された日とし、法人課税信託以外の信託が法人課税信託に該当することとなつた場合にはその該当することとなつた日とする。)に設立されたものとする。
八法人課税信託について信託の終了があつた場合又は法人課税信託(第二条第二十九号の二ロ(定義)に掲げる信託に限る。)に第十二条第一項(信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属)に規定する受益者(同条第二項の規定により同条第一項に規定する受益者とみなされる者を含む。次号において「受益者等」という。)が存することとなつた場合(第二条第二十九号の二イ又はハに掲げる信託に該当する場合を除く。)には、これらの法人課税信託に係る受託法人の解散があつたものとする。
九法人課税信託(第二条第二十九号の二ロに掲げる信託を除く。以下この号において同じ。)の委託者がその有する資産の信託をした場合又は第十二条第一項の規定により受益者等がその信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなされる信託が法人課税信託に該当することとなつた場合には、これらの法人課税信託に係る受託法人に対する出資があつたものとみなす。
十法人課税信託の収益の分配は資本剰余金の減少に伴わない剰余金の配当と、法人課税信託の元本の払戻しは資本剰余金の減少に伴う剰余金の配当とみなす。
十一前各号に定めるもののほか、受託法人又は法人課税信託の受益者についてのこの法律の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第三章 課税所得等の範囲等
第一節 課税所得等の範囲
(外国法人の課税所得の範囲)
第九条外国法人に対しては、各事業年度の所得のうち第百四十一条各号(外国法人に係る法人税の課税標準)に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に掲げる国内源泉所得に係る所得について、各事業年度の所得に対する法人税を課する。
2外国法人(人格のない社団等に限る。)の前項に規定する国内源泉所得に係る所得のうち収益事業から生じた所得以外の所得については、同項の規定にかかわらず、各事業年度の所得に対する法人税を課さない。
(退職年金業務等を行う外国法人の退職年金等積立金の課税)
第十条の二第百四十五条の三(外国法人に係る退職年金等積立金の額の計算)に規定する退職年金業務等を行う外国法人に対しては、第九条第一項(外国法人の課税所得の範囲)の規定により課する法人税のほか、各事業年度の退職年金等積立金について、退職年金等積立金に対する法人税を課する。
第二編 内国法人の法人税
第一章 各事業年度の所得に対する法人税
第一節 課税標準及びその計算
第二款 各事業年度の所得の金額の計算の通則
(各事業年度の所得の金額の計算)
第二十二条内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。
2内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。
3内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
三当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの
4第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする。
5第二項又は第三項に規定する資本等取引とは、法人の資本金等の額の増加又は減少を生ずる取引及び法人が行う利益又は剰余金の分配(資産の流動化に関する法律第百十五条第一項(中間配当)に規定する金銭の分配を含む。)をいう。
第三款 益金の額の計算
第一目 受取配当等
(受取配当等の益金不算入)
第二十三条内国法人が受ける次に掲げる金額(外国法人若しくは公益法人等又は人格のない社団等から受ける第一号に掲げるものを除く。以下この条において「配当等の額」という。)のうち、連結法人株式等(連結法人の株式又は出資のうち政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)及び関係法人株式等のいずれにも該当しない株式等(株式、出資又は受益権をいう。以下この条において同じ。)に係る配当等の額の百分の五十に相当する金額並びに関係法人株式等に係る配当等の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
一剰余金の配当(株式又は出資に係るものに限るものとし、資本剰余金の額の減少に伴うもの及び分割型分割によるものを除く。)若しくは利益の配当(分割型分割によるものを除く。)又は剰余金の分配(出資に係るものに限る。)の額
二資産の流動化に関する法律第百十五条第一項(中間配当)に規定する金銭の分配の額
三公社債投資信託以外の証券投資信託の収益の分配の額のうち、内国法人から受ける第一号に掲げる金額から成るものとして政令で定めるところにより計算した金額
2内国法人が受ける配当等の額のうち、連結法人株式等に係る配当等の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
3前二項の規定は、内国法人がその受ける配当等の額(次条第一項の規定により、その内国法人が受ける配当等の額とみなされる金額を除く。以下この項において同じ。)の元本である株式等をその配当等の額の支払に係る基準日(信託の収益の分配にあつては、その計算の基礎となつた期間の末日)以前一月以内に取得し、かつ、当該株式等又は当該株式等と銘柄を同じくする株式等を当該基準日後二月以内に譲渡した場合における当該譲渡した株式等のうち政令で定めるものの配当等の額については、適用しない。
4第一項の場合において、同項の内国法人が当該事業年度において支払う負債の利子(これに準ずるものとして政令で定めるものを含むものとし、当該内国法人との間に連結完全支配関係がある連結法人に支払うものを除く。)があるときは、同項の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入しない金額は、次に掲げる金額の合計額とする。
一その保有する連結法人株式等及び関係法人株式等のいずれにも該当しない株式等につき当該事業年度において受ける配当等の額の合計額から当該負債の利子の額のうち当該株式等に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額の百分の五十に相当する金額
二その保有する関係法人株式等につき当該事業年度において受ける配当等の額の合計額から当該負債の利子の額のうち当該関係法人株式等に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額
5第一項及び前項に規定する関係法人株式等とは、内国法人が他の内国法人(公益法人等及び人格のない社団等を除く。)の発行済株式又は出資(当該他の内国法人が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の百分の二十五以上に相当する数又は金額の株式又は出資を有する場合として政令で定める場合における当該他の内国法人の株式又は出資(連結法人株式等を除く。)をいう。
6第一項及び第二項の規定は、確定申告書に益金の額に算入されない配当等の額及びその計算に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。この場合において、これらの規定により益金の額に算入されない金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。
7税務署長は、第一項及び第二項の規定により益金の額に算入されないこととなる金額の全部又は一部につき前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載がなかつた金額につき第一項及び第二項の規定を適用することができる。
8適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立により株式等の移転が行われた場合における第一項から第三項までの規定の適用その他第一項から第五項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(配当等の額とみなす金額)
第二十四条法人(公益法人等及び人格のない社団等を除く。以下この条において同じ。)の株主等である内国法人が当該法人の次に掲げる事由により金銭その他の資産の交付を受けた場合において、その金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額が当該法人の資本金等の額又は連結個別資本金等の額のうちその交付の基因となつた当該法人の株式又は出資に対応する部分の金額を超えるときは、この法律の規定の適用については、その超える部分の金額は、前条第一項第一号に掲げる金額とみなす。
一合併(適格合併を除く。)
二分割型分割(適格分割型分割を除く。)
三資本の払戻し(剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うものに限る。)のうち、分割型分割によるもの以外のものをいう。)又は解散による残余財産の分配
四自己の株式又は出資の取得(金融商品取引法第二条第十六項(定義)に規定する金融商品取引所の開設する市場における購入による取得その他の政令で定める取得及び第六十一条の二第十四項第一号から第三号まで(有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入)に掲げる株式又は出資の同項に規定する場合に該当する場合における取得を除く。)
五出資の消却(取得した出資について行うものを除く。)、出資の払戻し、社員その他法人の出資者の退社又は脱退による持分の払戻しその他株式又は出資をその発行した法人が取得することなく消滅させること。
六組織変更(当該組織変更に際して当該組織変更をした法人の株式又は出資以外の資産を交付したものに限る。)
2合併法人が抱合株式(当該合併法人が合併の直前に有していた被合併法人の株式(出資を含む。以下この項において同じ。)又は被合併法人が当該合併の直前に有していた他の被合併法人の株式をいう。)に対し当該合併による株式の割当て又は当該株式以外の資産の交付をしなかつた場合においても、政令で定めるところにより当該合併法人が株式割当等(当該合併による当該株式の割当て又は当該資産の交付をいう。)を受けたものとみなして、前項の規定を適用する。
3第一項に規定する株式又は出資に対応する部分の金額の計算の方法その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第二目 資産の評価益
(資産の評価益の益金不算入等)
第二十五条内国法人がその有する資産の評価換えをしてその帳簿価額を増額した場合には、その増額した部分の金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
2内国法人がその有する資産につき会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)の規定による更生計画認可の決定があつたことによりこれらの法律の規定に従つて行う評価換えその他政令で定める評価換えをしてその帳簿価額を増額した場合には、その増額した部分の金額は、前項の規定にかかわらず、これらの評価換えをした日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
3内国法人について民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)の規定による再生計画認可の決定があつたことその他これに準ずる政令で定める事実が生じた場合において、その内国法人がその有する資産の価額につき政令で定める評定を行つているときは、その資産(政令で定めるものを除く。)の評価益の額として政令で定める金額は、第一項の規定にかかわらず、これらの事実が生じた日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
4第一項の規定の適用があつた場合において、同項の評価換えにより増額された金額を益金の額に算入されなかつた資産については、その評価換えをした日の属する事業年度以後の各事業年度の所得の金額の計算上、当該資産の帳簿価額は、その増額がされなかつたものとみなす。
5第三項の規定は、確定申告書に同項に規定する評価益の額として政令で定める金額の益金算入に関する明細(次項において「評価益明細」という。)の記載があり、かつ、財務省令で定める書類(次項において「評価益関係書類」という。)の添付がある場合(第三十三条第三項(資産の評価損の損金不算入等)に規定する資産につき同項に規定する評価損の額として政令で定める金額がある場合(次項において「評価損がある場合」という。)には、同条第五項に規定する評価損明細(次項において「評価損明細」という。)の記載及び同条第五項に規定する評価損関係書類(次項において「評価損関係書類」という。)の添付がある場合に限る。)に限り、適用する。
6税務署長は、評価益明細(評価損がある場合には、評価益明細又は評価損明細)の記載又は評価益関係書類(評価損がある場合には、評価益関係書類又は評価損関係書類)の添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、当該記載又は当該添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第三項の規定を適用することができる。
7前三項に定めるもののほか、第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第三目 還付金等
(還付金等の益金不算入)
第二十六条内国法人が次に掲げるものの還付を受け、又はその還付を受けるべき金額を未納の国税若しくは地方税に充当される場合には、その還付を受け又は充当される金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
一第三十八条第一項又は第二項(法人税額等の損金不算入)の規定により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されないもの
二第五十五条第三項(不正行為等に係る費用等の損金不算入)の規定により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されないもの
三第七十八条(確定申告による所得税額等の還付)、第八十一条の二十九(連結確定申告による所得税額等の還付)、第百二十条(継続等の場合の所得税額等の還付)、第百三十三条(確定申告又は連結確定申告に係る更正による所得税額等の還付)又は第百三十七条(継続等の場合の更正による所得税額等の還付)の規定による還付金
四第八十条(欠損金の繰戻しによる還付)又は第八十一条の三十一(連結欠損金の繰戻しによる還付)の規定による還付金
2内国法人が第六十九条第一項から第三項まで(外国税額の控除)の規定の適用を受けた事業年度後の各事業年度においてこれらの規定による控除をされるべき金額の計算の基礎となつた外国法人税の額(第六十九条第一項に規定する外国法人税の額をいう。以下この項において同じ。)が減額された場合(当該内国法人が同条第五項に規定する適格組織再編成により同項に規定する被合併法人等から事業の全部又は一部の移転を受けた場合にあつては、当該被合併法人等が納付することとなつた外国法人税の額のうち当該内国法人が移転を受けた事業に係る所得に基因して納付することとなつた外国法人税の額が減額された場合を含む。以下この項において同じ。)又は当該内国法人が第八十一条の十五第一項から第三項まで(連結事業年度における外国税額の控除)の規定の適用を受けた連結事業年度後の各事業年度においてこれらの規定による控除をされるべき金額の計算の基礎となつた外国法人税の額が減額された場合には、その減額された金額のうち第六十九条第一項に規定する控除対象外国法人税の額又は第八十一条の十五第一項に規定する個別控除対象外国法人税の額が減額された部分として政令で定める金額(益金の額に算入する額として政令で定める金額を除く。)は、当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
3内国法人が他の内国法人から各連結事業年度の連結所得に対する法人税の負担額として支出すべき金額として第八十一条の十八第一項(連結法人税の個別帰属額の計算)の規定により計算される金額又は附帯税(利子税を除く。次項において同じ。)の負担額を受け取る場合には、その受け取る金額は、当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
4前項の他の内国法人が同項の内国法人から各連結事業年度の連結所得に対する法人税の減少額として収入すべき金額として第八十一条の十八第一項の規定により計算される金額又は附帯税の負担額の減少額を受け取る場合には、その受け取る金額は、当該他の内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
5内国法人が第五十五条第四項の規定により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されないものの還付を受ける場合には、その還付を受ける金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
(法人税額から控除する外国子会社の外国税額の益金算入)
第二十八条内国法人が各事業年度において第六十九条第八項(外国税額の控除)に規定する外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額(同条第九項の規定により当該外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなされる金額を含む。)につき同条第八項の規定の適用を受ける場合には、同項に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、その内国法人の政令で定める事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
第四款 損金の額の計算
第一目 資産の評価及び償却費
(たな卸資産の売上原価等の計算及びその評価の方法)
第二十九条内国法人のたな卸資産につき第二十二条第三項(各事業年度の損金の額に算入する金額)の規定により各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入する金額を算定する場合におけるその算定の基礎となる当該事業年度終了の時において有するたな卸資産の価額は、その内国法人がたな卸資産について選定した評価の方法により評価した金額(評価の方法を選定しなかつた場合又は選定した評価の方法により評価しなかつた場合には、評価の方法のうち政令で定める方法により評価した金額)とする。
2前項の選定をすることができる評価の方法の種類、その選定の手続その他たな卸資産の評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法)
第三十一条内国法人の各事業年度終了の時において有する減価償却資産につきその償却費として第二十二条第三項(各事業年度の損金の額に算入する金額)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する金額は、その内国法人が当該事業年度においてその償却費として損金経理をした金額(以下この条において「損金経理額」という。)のうち、その取得をした日及びその種類の区分に応じ政令で定める償却の方法の中からその内国法人が当該資産について選定した償却の方法(償却の方法を選定しなかつた場合には、償却の方法のうち政令で定める方法)に基づき政令で定めるところにより計算した金額(次項において「償却限度額」という。)に達するまでの金額とする。
2内国法人が、適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立(第四項までにおいて「適格分社型分割等」という。)により分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人に減価償却資産を移転する場合において、当該減価償却資産について損金経理額に相当する金額を費用の額としたときは、当該費用の額とした金額(次項及び第四項において「期中損金経理額」という。)のうち、当該減価償却資産につき当該適格分社型分割等の日の前日を事業年度終了の日とした場合に前項の規定により計算される償却限度額に相当する金額に達するまでの金額は、当該適格分社型分割等の日の属する事業年度(第四項において「分割等事業年度」という。)の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
3前項の規定は、同項の内国法人が適格分社型分割等の日以後二月以内に期中損金経理額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
4損金経理額には、第一項の減価償却資産につき同項の内国法人が償却費として損金経理をした事業年度(以下この項において「償却事業年度」という。)前の各事業年度における当該減価償却資産に係る損金経理額(当該減価償却資産が適格合併又は適格分割型分割(以下この項において「適格合併等」という。)により被合併法人又は分割法人(以下この項において「被合併法人等」という。)から移転を受けたものである場合にあつては当該被合併法人等の当該適格合併等の日の前日の属する事業年度以前の各事業年度の損金経理額のうち当該各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を、当該減価償却資産が適格分社型分割等により分割法人、現物出資法人又は事後設立法人(以下この項において「分割法人等」という。)から移転を受けたものである場合にあつては当該分割法人等の分割等事業年度の期中損金経理額として帳簿に記載した金額及び分割等事業年度前の各事業年度の損金経理額のうち分割等事業年度以前の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を含む。以下この項において同じ。)のうち当該償却事業年度前の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を含むものとし、期中損金経理額には、第二項の内国法人の分割等事業年度前の各事業年度における同項の減価償却資産に係る損金経理額のうち当該各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を含むものとする。
5前項の場合において、内国法人の有する減価償却資産(適格合併により被合併法人から移転を受けた減価償却資産、第六十一条の十一第一項(連結納税の開始に伴う資産の時価評価損益)の規定の適用を受けた同項に規定する時価評価資産に該当する減価償却資産その他の政令で定める減価償却資産に限る。)につきその価額として帳簿に記載されていた金額として政令で定める金額が当該移転の直前に当該被合併法人の帳簿に記載されていた金額、同条第一項の規定の適用を受けた直後の帳簿価額その他の政令で定める金額に満たない場合には、当該満たない部分の金額は、政令で定める事業年度前の各事業年度の損金経理額とみなす。
6第一項の選定をすることができる償却の方法の特例、償却の方法の選定の手続、償却費の計算の基礎となる減価償却資産の取得価額その他減価償却資産の償却に関し必要な事項は、政令で定める。
(繰延資産の償却費の計算及びその償却の方法)
第三十二条内国法人の各事業年度終了の時の繰延資産につきその償却費として第二十二条第三項(各事業年度の損金の額に算入する金額)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する金額は、その内国法人が当該事業年度においてその償却費として損金経理をした金額(以下この条において「損金経理額」という。)のうち、その繰延資産に係る支出の効果の及ぶ期間を基礎として政令で定めるところにより計算した金額(次項において「償却限度額」という。)に達するまでの金額とする。
2内国法人が、適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項及び次項において「適格分社型分割等」という。)により分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(以下この項において「分割承継法人等」という。)に繰延資産(当該適格分社型分割等により当該分割承継法人等に移転する資産、負債又は契約(第四項において「資産等」という。)と関連を有するものに限る。)を引き継ぐ場合において、当該繰延資産について損金経理額に相当する金額を費用の額としたときは、当該費用の額とした金額(次項及び第六項において「期中損金経理額」という。)のうち、当該繰延資産につき当該適格分社型分割等の日の前日を事業年度終了の日とした場合に前項の規定により計算される償却限度額に相当する金額に達するまでの金額は、当該適格分社型分割等の日の属する事業年度(第六項において「分割等事業年度」という。)の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
3前項の規定は、同項の内国法人が適格分社型分割等の日以後二月以内に期中損金経理額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
4内国法人が適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項において「適格組織再編成」という。)を行つた場合には、次の各号に掲げる適格組織再編成の区分に応じ、当該各号に定める繰延資産は、当該適格組織再編成の直前の帳簿価額により当該適格組織再編成に係る合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人に引き継ぐものとする。
一適格合併 当該適格合併の直前の繰延資産
二適格分割型分割、適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この号及び次項において「適格分割型分割等」という。) 次に掲げる繰延資産
イ当該適格分割型分割等により分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(以下この号及び次項において「分割承継法人等」という。)に移転する資産等と密接な関連を有する繰延資産として政令で定めるもの
ロ当該適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立により分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人に移転する資産等と関連を有する繰延資産のうち第二項の規定の適用を受けたもの(イに掲げるものを除く。)
ハ当該適格分割型分割等により分割承継法人等に移転する資産等と関連を有する繰延資産(イ及びロに掲げるものを除く。)
5前項(第二号ハに係る部分に限る。)の規定は、同項の内国法人が適格分割型分割等の日以後二月以内に同項の規定により分割承継法人等に引き継ぐものとされる同号ハに掲げる繰延資産の帳簿価額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
6損金経理額には、第一項の繰延資産につき同項の内国法人が償却費として損金経理をした事業年度(以下この項において「償却事業年度」という。)前の各事業年度における当該繰延資産に係る損金経理額(当該繰延資産が適格合併又は適格分割型分割(以下この項において「適格合併等」という。)により被合併法人又は分割法人(以下この項において「被合併法人等」という。)から引継ぎを受けたものである場合にあつては当該被合併法人等の当該適格合併等の日の前日の属する事業年度以前の各事業年度の損金経理額のうち当該各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を、当該繰延資産が第二項に規定する適格分社型分割等により分割法人、現物出資法人又は事後設立法人(以下この項において「分割法人等」という。)から引継ぎを受けたものである場合にあつては当該分割法人等の分割等事業年度の期中損金経理額として帳簿に記載した金額及び分割等事業年度前の各事業年度の損金経理額のうち分割等事業年度以前の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を含む。以下この項において同じ。)のうち当該償却事業年度前の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を含むものとし、期中損金経理額には、第二項の内国法人の分割等事業年度前の各事業年度における同項の繰延資産に係る損金経理額のうち当該各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されなかつた金額を含むものとする。
7前項の場合において、内国法人の繰延資産(適格合併により被合併法人から引継ぎを受けた繰延資産、第六十一条の十一第一項(連結納税の開始に伴う資産の時価評価損益)の規定の適用を受けた同項に規定する時価評価資産に該当する繰延資産その他の政令で定める繰延資産に限る。)につきその価額として帳簿に記載されていた金額として政令で定める金額が当該引継ぎの直前に当該被合併法人の帳簿に記載されていた金額、同条第一項の規定の適用を受けた直後の帳簿価額その他の政令で定める金額に満たない場合には、当該満たない部分の金額は、政令で定める事業年度前の各事業年度の損金経理額とみなす。
8前各項に定めるもののほか、繰延資産の償却に関し必要な事項は、政令で定める。
第二目 資産の評価損
(資産の評価損の損金不算入等)
第三十三条内国法人がその有する資産の評価換えをしてその帳簿価額を減額した場合には、その減額した部分の金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
2内国法人の有する資産(預金、貯金、貸付金、売掛金その他の債権(次項において「預金等」という。)を除く。)につき、災害による著しい損傷により当該資産の価額がその帳簿価額を下回ることとなつたこと、会社更生法又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の規定による更生計画認可の決定があつたことによりこれらの法律の規定に従つてその評価換えをする必要が生じたことその他の政令で定める事実が生じた場合において、その内国法人が当該資産の評価換えをして損金経理によりその帳簿価額を減額したときは、その減額した部分の金額のうち、その評価換えの直前の当該資産の帳簿価額とその評価換えをした日の属する事業年度終了の時における当該資産の価額との差額に達するまでの金額(これらの法律の規定に従つて行う評価換えの場合にあつては、その減額した部分の金額)は、前項の規定にかかわらず、これらの評価換えをした日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
3内国法人について民事再生法の規定による再生計画認可の決定があつたことその他これに準ずる政令で定める事実が生じた場合において、その内国法人がその有する資産の価額につき政令で定める評定を行つているときは、その資産(預金等その他政令で定める資産を除く。)の評価損の額として政令で定める金額は、第一項の規定にかかわらず、これらの事実が生じた日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
4第一項の規定の適用があつた場合において、同項の評価換えにより減額された金額を損金の額に算入されなかつた資産については、その評価換えをした日の属する事業年度以後の各事業年度の所得の金額の計算上、当該資産の帳簿価額は、その減額がされなかつたものとみなす。
5第三項の規定は、確定申告書に同項に規定する評価損の額として政令で定める金額の損金算入に関する明細(次項において「評価損明細」という。)の記載があり、かつ、財務省令で定める書類(次項において「評価損関係書類」という。)の添付がある場合(第二十五条第三項(資産の評価益の益金不算入等)に規定する資産につき同項に規定する評価益の額として政令で定める金額がある場合(次項において「評価益がある場合」という。)には、同条第五項に規定する評価益明細(次項において「評価益明細」という。)の記載及び同条第五項に規定する評価益関係書類(次項において「評価益関係書類」という。)の添付がある場合に限る。)に限り、適用する。
6税務署長は、評価損明細(評価益がある場合には、評価損明細又は評価益明細)の記載又は評価損関係書類(評価益がある場合には、評価損関係書類又は評価益関係書類)の添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、当該記載又は当該添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第三項の規定を適用することができる。
7前三項に定めるもののほか、第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第三目 役員の給与等
(役員給与の損金不算入)
第三十四条内国法人がその役員に対して支給する給与(退職給与及び第五十四条第一項(新株予約権を対価とする費用の帰属事業年度の特例等)に規定する新株予約権によるもの並びにこれら以外のもので使用人としての職務を有する役員に対して支給する当該職務に対するもの並びに第三項の規定の適用があるものを除く。以下この項において同じ。)のうち次に掲げる給与のいずれにも該当しないものの額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
一その支給時期が一月以下の一定の期間ごとである給与(次号において「定期給与」という。)で当該事業年度の各支給時期における支給額が同額であるものその他これに準ずるものとして政令で定める給与(次号において「定期同額給与」という。)
二その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与(定期同額給与及び利益連動給与(利益に関する指標を基礎として算定される給与をいう。次号において同じ。)を除くものとし、定期給与を支給しない役員に対して支給する給与(同族会社に該当しない内国法人が支給するものに限る。)以外の給与にあつては政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長にその定めの内容に関する届出をしている場合における当該給与に限る。)
三同族会社に該当しない内国法人がその業務執行役員(業務を執行する役員として政令で定めるものをいう。以下この号において同じ。)に対して支給する利益連動給与で次に掲げる要件を満たすもの(他の業務執行役員のすべてに対して次に掲げる要件を満たす利益連動給与を支給する場合に限る。)
イその算定方法が、当該事業年度の利益に関する指標(金融商品取引法第二十四条第一項(有価証券報告書の提出)に規定する有価証券報告書((3)において「有価証券報告書」という。)に記載されるものに限る。)を基礎とした客観的なもの(次に掲げる要件を満たすものに限る。)であること。
(1)確定額を限度としているものであり、かつ、他の業務執行役員に対して支給する利益連動給与に係る算定方法と同様のものであること。
(2)政令で定める日までに、報酬委員会(会社法第四百四条第三項(委員会の権限等)の報酬委員会をいい、当該内国法人の業務執行役員又は当該業務執行役員と政令で定める特殊の関係のある者がその委員になつているものを除く。)が決定をしていることその他これに準ずる適正な手続として政令で定める手続を経ていること。
(3)その内容が、(2)の決定又は手続の終了の日以後遅滞なく、有価証券報告書に記載されていることその他財務省令で定める方法により開示されていること。
ロその他政令で定める要件
2内国法人がその役員に対して支給する給与(前項又は次項の規定の適用があるものを除く。)の額のうち不相当に高額な部分の金額として政令で定める金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
3内国法人が、事実を隠ぺいし、又は仮装して経理をすることによりその役員に対して支給する給与の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
4前三項に規定する給与には、債務の免除による利益その他の経済的な利益を含むものとする。
5第一項に規定する使用人としての職務を有する役員とは、役員(社長、理事長その他政令で定めるものを除く。)のうち、部長、課長その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事するものをいう。
6前二項に定めるもののほか、第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入)
第三十五条内国法人である特殊支配同族会社(同族会社の業務主宰役員(法人の業務を主宰している役員をいい、個人に限る。以下この項において同じ。)及び当該業務主宰役員と特殊の関係のある者として政令で定める者(以下この項において「業務主宰役員関連者」という。)がその同族会社の発行済株式又は出資(その同族会社が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の百分の九十以上に相当する数又は金額の株式又は出資を有する場合その他政令で定める場合における当該同族会社(当該業務主宰役員及び常務に従事する業務主宰役員関連者の総数が常務に従事する役員の総数の半数を超えるものに限る。)をいう。以下この条において同じ。)が当該特殊支配同族会社の業務主宰役員に対して支給する給与(債務の免除による利益その他の経済的な利益を含むものとし、退職給与を除く。)の額(前条の規定により損金の額に算入されない金額を除く。)のうち当該給与の額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額は、当該特殊支配同族会社の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
2前項の特殊支配同族会社の基準所得金額(当該事業年度開始の日前三年以内に開始した各事業年度又は各連結事業年度の所得の金額若しくは欠損金額又は第八十一条の十八第一項(連結法人税の個別帰属額の計算)に規定する個別所得金額若しくは個別欠損金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額をいう。)が政令で定める金額以下である事業年度その他政令で定める事業年度については、前項の規定は、適用しない。
3第一項の場合において、内国法人が特殊支配同族会社に該当するかどうかの判定は、当該内国法人の当該事業年度終了の時の現況による。
4前二項に定めるもののほか、第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(過大な使用人給与の損金不算入)
第三十六条内国法人がその役員と政令で定める特殊の関係のある使用人に対して支給する給与(債務の免除による利益その他の経済的な利益を含む。)の額のうち不相当に高額な部分の金額として政令で定める金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
第四目 寄附金
(寄附金の損金不算入)
第三十七条内国法人が各事業年度において支出した寄附金の額(次項の規定の適用を受ける寄附金の額を除く。)の合計額のうち、その内国法人の当該事業年度終了の時の資本金等の額又は当該事業年度の所得の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える部分の金額は、当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
2内国法人が各事業年度において当該内国法人との間に連結完全支配関係がある連結法人に対して支出した寄附金の額があるときは、その寄附金の額は、当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
3第一項の場合において、同項に規定する寄附金の額のうちに次の各号に掲げる寄附金の額があるときは、当該各号に掲げる寄附金の額の合計額は、同項に規定する寄附金の額の合計額に算入しない。
一国又は地方公共団体(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)の規定による港務局を含む。)に対する寄附金(その寄附をした者がその寄附によつて設けられた設備を専属的に利用することその他特別の利益がその寄附をした者に及ぶと認められるものを除く。)の額
二公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人又は団体に対する寄附金(当該法人の設立のためにされる寄附金その他の当該法人の設立前においてされる寄附金で政令で定めるものを含む。)のうち、次に掲げる要件を満たすと認められるものとして政令で定めるところにより財務大臣が指定したものの額
イ広く一般に募集されること。
ロ教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること。
4第一項の場合において、同項に規定する寄附金の額のうちに、公共法人、公益法人等(別表第二に掲げる一般社団法人及び一般財団法人を除く。以下この項及び次項において同じ。)その他特別の法律により設立された法人のうち、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして政令で定めるものに対する当該法人の主たる目的である業務に関連する寄附金(前項各号に規定する寄附金に該当するものを除く。)の額があるときは、当該寄附金の額の合計額(当該合計額が当該事業年度終了の時の資本金等の額又は当該事業年度の所得の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える場合には、当該計算した金額に相当する金額)は、第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入しない。ただし、公益法人等が支出した寄附金の額については、この限りでない。
5公益法人等がその収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業のために支出した金額(公益社団法人又は公益財団法人にあつては、その収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業で公益に関する事業として政令で定める事業に該当するもののために支出した金額)は、その収益事業に係る寄附金の額とみなして、第一項の規定を適用する。
6内国法人が特定公益信託(公益信託ニ関スル法律(大正十一年法律第六十二号)第一条(公益信託)に規定する公益信託で信託の終了の時における信託財産がその信託財産に係る信託の委託者に帰属しないこと及びその信託事務の実施につき政令で定める要件を満たすものであることについて政令で定めるところにより証明がされたものをいう。)の信託財産とするために支出した金銭の額は、寄附金の額とみなして第一項、第四項、第九項及び第十項の規定を適用する。この場合において、第四項中「)の額」とあるのは、「)の額(第六項に規定する特定公益信託のうち、その目的が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして政令で定めるものの信託財産とするために支出した金銭の額を含む。)」とするほか、この項の規定の適用を受けるための手続に関し必要な事項は、政令で定める。
7前各項に規定する寄附金の額は、寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもつてするかを問わず、内国法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与(広告宣伝及び見本品の費用その他これらに類する費用並びに交際費、接待費及び福利厚生費とされるべきものを除く。次項において同じ。)をした場合における当該金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額によるものとする。
8内国法人が資産の譲渡又は経済的な利益の供与をした場合において、その譲渡又は供与の対価の額が当該資産のその譲渡の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額に比して低いときは、当該対価の額と当該価額との差額のうち実質的に贈与又は無償の供与をしたと認められる金額は、前項の寄附金の額に含まれるものとする。
9第三項及び第四項の規定は、確定申告書に第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入されない第三項各号に掲げる金額又は第四項に規定する寄附金の額の記載及び第三項各号又は第四項に規定する寄附金の明細書の添付があり、かつ、財務省令で定める書類を保存している場合に限り、適用する。この場合において、第三項又は第四項の規定により第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入されない金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。
10税務署長は、第三項又は第四項の規定により第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入されないこととなる金額の全部又は一部につき前項の記載若しくは明細書の添付がない確定申告書の提出があつた場合又は同項の書類の保存がない場合においても、その記載若しくは明細書の添付又は書類の保存がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載若しくは明細書の添付又は書類の保存がなかつた金額につき第三項又は第四項の規定を適用することができる。
11財務大臣は、第三項第二号の指定をしたときは、これを告示する。
12第五項から前項までに定めるもののほか、第一項から第四項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第五目 租税公課等
(法人税額等の損金不算入)
第三十八条内国法人が納付する法人税(延滞税、過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税を除く。以下この項において同じ。)の額は、次に掲げる法人税の額を除き、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
一退職年金等積立金に対する法人税
二国税通則法第三十五条第二項(修正申告等による納付)の規定により納付すべき金額のうち同法第十九条第四項第三号ハ(修正申告により納付すべき還付加算金相当額)又は第二十八条第二項第三号ハ(更正により納付すべき還付加算金相当額)に掲げる金額に相当する法人税
三第七十五条第七項(確定申告期限の延長の場合の利子税)(第七十五条の二第六項若しくは第八項(確定申告期限の延長の特例の場合の利子税)、第八十一条の二十三第二項(連結確定申告期限の延長の場合の利子税)又は第八十一条の二十四第三項若しくは第六項(連結確定申告期限の延長の特例の場合の利子税)において準用する場合を含む。)の規定による利子税
2内国法人が納付する次に掲げるものの額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
一相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)第九条の四(受益者等が存しない信託等の特例)又は第六十六条(人格のない社団又は財団等に対する課税)の規定による贈与税及び相続税
二地方税法の規定による道府県民税及び市町村民税(都民税を含むものとし、退職年金等積立金に対する法人税に係るものを除く。)
3内国法人が他の内国法人に各連結事業年度の連結所得に対する法人税の減少額として収入すべき金額として第八十一条の十八第一項(連結法人税の個別帰属額の計算)の規定により計算される金額又は附帯税(利子税を除く。次項において同じ。)の負担額の減少額を支払う場合には、その支払う金額は、当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
4前項の他の内国法人が同項の内国法人に各連結事業年度の連結所得に対する法人税の負担額として支出すべき金額として第八十一条の十八第一項の規定により計算される金額又は附帯税の負担額を支払う場合には、その支払う金額は、当該他の内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
(第二次納税義務に係る納付税額の損金不算入等)
第三十九条内国法人が次に掲げる国税又は地方税を納付し又は納入したことにより生じた損失の額(その納付又は納入に係る求償権につき生じた損失の額を含む。以下この条において同じ。)は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
一国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第三十三条、第三十五条から第三十九条まで又は第四十一条第一項(無限責任社員の第二次納税義務等)の規定により納付すべき国税(その滞納処分費を含む。以下この条において同じ。)
二地方税法第十一条の二、第十一条の四から第十一条の八まで又は第十二条の二第二項(無限責任社員の第二次納税義務等)の規定により納付し又は納入すべき地方税
2第二十四条第一項第三号(解散による残余財産の分配に係る部分に限る。)(配当等の額とみなす金額)の規定により第二十三条第一項第一号(受取配当等の益金不算入)に掲げる金額とみなされた金額又は信託の終了による信託財産に属する資産の給付に係る同項第三号に掲げる金額で、同項の規定により各事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入されなかつたものがある内国法人が、そのみなされた金額に係る残余財産の分配をした法人又はその信託の信託法第百七十七条(清算受託者の職務)に規定する清算受託者に関し、次に掲げる国税又は地方税を納付し又は納入したことにより生じた損失の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。ただし、当該国税又は地方税の額が当該益金の額に算入されなかつた金額を超える場合は、その損失の額のうちその超える部分の金額に相当する金額については、この限りでない。
一国税徴収法第三十四条(清算人等の第二次納税義務)の規定により納付すべき国税
二地方税法第十一条の三(清算人等の第二次納税義務)の規定により納付し又は納入すべき地方税
(法人税額から控除する所得税額の損金不算入)
第四十条内国法人が第六十八条第一項(所得税額の控除)に規定する所得税の額につき同項又は第七十八条第一項(確定申告による所得税額等の還付)若しくは第百三十三条第一項(確定申告又は連結確定申告に係る更正による所得税額等の還付)の規定の適用を受ける場合には、これらの規定による控除又は還付をされる金額に相当する金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
(法人税額から控除する外国税額の損金不算入)
第四十一条内国法人が第六十九条第一項(外国税額の控除)に規定する控除対象外国法人税の額につき同条又は第七十八条第一項(確定申告による所得税額等の還付)若しくは第百三十三条第一項(確定申告又は連結確定申告に係る更正による所得税額等の還付)の規定の適用を受ける場合には、当該控除対象外国法人税の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
第六目 圧縮記帳
(国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)
第四十二条内国法人(清算中のものを除く。以下この条において同じ。)が、各事業年度において固定資産の取得又は改良に充てるための国又は地方公共団体の補助金又は給付金その他政令で定めるこれらに準ずるもの(第四十四条までにおいて「国庫補助金等」という。)の交付を受け、当該事業年度においてその国庫補助金等をもつてその交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良をした場合(その国庫補助金等の返還を要しないことが当該事業年度終了の時までに確定した場合に限る。)において、その固定資産につき、その取得又は改良に充てた国庫補助金等の額に相当する金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を当該事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる方法(政令で定める方法を含む。)により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2内国法人が、各事業年度において国庫補助金等の交付に代わるべきものとして交付を受ける固定資産を取得した場合において、その固定資産につき、その固定資産の価額に相当する金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を当該事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる方法(政令で定める方法を含む。)により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
3前二項の規定は、確定申告書にこれらの規定に規定する減額し又は経理した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
4税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項又は第二項の規定を適用することができる。
5内国法人が、適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この条において「適格分社型分割等」という。)により国庫補助金等(当該適格分社型分割等の日の属する事業年度開始の時から当該適格分社型分割等の直前の時までの期間内に交付を受けたものに限る。)をもつて取得又は改良をした固定資産(当該国庫補助金等の交付の目的に適合したものに限る。以下この項において同じ。)を分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(次項において「分割承継法人等」という。)に移転する場合(当該国庫補助金等の返還を要しないことが当該直前の時までに確定した場合に限る。)において、当該固定資産につき、その取得又は改良に充てた国庫補助金等の額に相当する金額の範囲内でその帳簿価額を減額したときは、当該減額した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
6内国法人が、適格分社型分割等により第二項に規定する固定資産(当該適格分社型分割等の日の属する事業年度開始の時から当該適格分社型分割等の直前の時までの期間内に取得したものに限る。以下この項において同じ。)を分割承継法人等に移転する場合において、当該固定資産につき、当該固定資産の価額に相当する金額の範囲内でその帳簿価額を減額したときは、当該減額した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
7前二項の規定は、これらの規定に規定する内国法人が適格分社型分割等の日以後二月以内にこれらの規定に規定する減額した金額に相当する金額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
8合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人が適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人において第一項、第二項、第五項又は第六項の規定の適用を受けた固定資産の移転を受けた場合における当該固定資産の取得価額その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(国庫補助金等に係る特別勘定の金額の損金算入)
第四十三条内国法人(清算中のものを除く。以下この条において同じ。)が、各事業年度(被合併法人の合併(適格合併を除く。次項及び第三項において「非適格合併」という。)の日の前日の属する事業年度を除く。)において固定資産の取得又は改良に充てるための国庫補助金等の交付を受ける場合(その国庫補助金等の返還を要しないことが当該事業年度終了の時までに確定していない場合に限る。)において、その国庫補助金等の額に相当する金額以下の金額を当該事業年度の確定した決算において特別勘定を設ける方法(政令で定める方法を含む。)により経理したときは、その経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2前項の特別勘定を設けている内国法人は、国庫補助金等について返還すべきこと又は返還を要しないことが確定した場合、当該内国法人が非適格合併により解散した場合その他の政令で定める場合には、その国庫補助金等に係る特別勘定の金額のうち政令で定めるところにより計算した金額を取り崩さなければならない。
3前項の規定により取り崩すべきこととなつた第一項の特別勘定の金額又は前項の規定に該当しないで取り崩した当該特別勘定の金額(第八項の規定により合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(第八項及び第十項において「合併法人等」という。)に引き継ぐこととされたものを除く。)は、それぞれその取り崩すべきこととなつた日(前項に規定する内国法人が非適格合併により解散した場合には、当該非適格合併の日の前日)又は取り崩した日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
4第一項の規定は、確定申告書に同項に規定する経理した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
5税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
6内国法人が、適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この条において「適格分社型分割等」という。)を行い、かつ、当該適格分社型分割等の日の属する事業年度開始の時から当該適格分社型分割等の直前の時までの期間内に固定資産の取得又は改良に充てるための国庫補助金等(その返還を要しないことが当該直前の時までに確定していないものに限る。以下この項において同じ。)の交付を受けている場合(次に掲げる要件のいずれかを満たす場合に限る。)において、その取得又は改良に充てるための国庫補助金等の額に相当する金額の範囲内で第一項の特別勘定に相当するもの(以下この条において「期中特別勘定」という。)を設けたときは、当該設けた期中特別勘定の金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
一当該内国法人が当該国庫補助金等をもつてその取得又は改良をした固定資産(当該国庫補助金等の交付の目的に適合するものに限る。)を当該適格分社型分割等により分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(以下この条において「分割承継法人等」という。)に移転すること。
二当該適格分社型分割等に係る分割承継法人等が当該国庫補助金等をもつてその交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良をすることが見込まれること。
7前項の規定は、同項の内国法人が適格分社型分割等の日以後二月以内に期中特別勘定の金額に相当する金額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
8内国法人が、適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項において「適格組織再編成」という。)を行つた場合には、次の各号に掲げる適格組織再編成の区分に応じ、当該各号に定める特別勘定の金額又は期中特別勘定の金額は、当該適格組織再編成に係る合併法人等に引き継ぐものとする。
一適格合併 当該適格合併の直前に有する国庫補助金等(その返還を要しないことが当該適格組織再編成の直前までに確定していないものに限る。以下この項において同じ。)に係る第一項の特別勘定の金額
二適格分割型分割 当該適格分割型分割の直前に有する国庫補助金等に係る第一項の特別勘定の金額のうち、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定めるもの
イ当該内国法人が当該国庫補助金等をもつてその取得又は改良をした固定資産(当該国庫補助金等の交付の目的に適合するものに限る。)を当該適格分割型分割により分割承継法人に移転した場合 当該固定資産の取得又は改良に充てた当該国庫補助金等に係る特別勘定の金額
ロ当該適格分割型分割に係る分割承継法人が当該国庫補助金等をもつてその交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良をすることが見込まれる場合 当該固定資産の取得又は改良に充てるための当該国庫補助金等に係る特別勘定の金額
三適格分社型分割等 当該適格分社型分割等の直前に有する国庫補助金等に係る第一項の特別勘定の金額のうち、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定めるもの及び当該適格分社型分割等に際して設けた国庫補助金等に係る期中特別勘定の金額
イ当該内国法人が当該国庫補助金等をもつてその取得又は改良をした固定資産(当該国庫補助金等の交付の目的に適合するものに限る。)を当該適格分社型分割等により分割承継法人等に移転した場合 当該固定資産の取得又は改良に充てた当該国庫補助金等に係る特別勘定の金額
ロ当該適格分社型分割等に係る分割承継法人等が当該国庫補助金等をもつてその交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良をすることが見込まれる場合 当該固定資産の取得又は改良に充てるための当該国庫補助金等に係る特別勘定の金額
9前項の規定は、第一項の特別勘定を設けている内国法人で適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項において「適格分割等」という。)を行つたもの(当該特別勘定及び期中特別勘定の双方を設けている内国法人であつて、適格分社型分割等により分割承継法人等に当該期中特別勘定の金額のみを引き継ぐものを除く。)にあつては、当該特別勘定を設けている内国法人が当該適格分割等の日以後二月以内に当該適格分割等により分割承継法人等に引き継ぐ当該特別勘定の金額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
10第八項の規定により合併法人等が引継ぎを受けた第一項の特別勘定の金額又は期中特別勘定の金額は、当該合併法人等が同項の規定により設けている同項の特別勘定の金額とみなす。
11合併、分割、現物出資又は事後設立(第二条第十二号の六(定義)に規定する事後設立をいう。)が行われた場合における前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特別勘定を設けた場合の国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)
第四十四条前条第一項の特別勘定の金額(既に取り崩すべきこととなつたものを除く。)を有する内国法人が国庫補助金等をもつてその交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良(同条第八項の規定により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人(以下この項及び第六項において「被合併法人等」という。)から当該特別勘定の金額の引継ぎを受けている場合(以下この項において「引継ぎがある場合」という。)には、当該被合併法人等が国庫補助金等をもつて行つたその取得又は改良を含む。以下この項及び第四項において同じ。)をし、かつ、その取得又は改良をした日(引継ぎがある場合には、同条第八項に規定する適格組織再編成(第六項において「適格組織再編成」という。)の日)の属する事業年度以後の事業年度においてその取得又は改良に充てた国庫補助金等の全部又は一部の返還を要しないことが確定した場合において、その固定資産につき、その確定した日における当該特別勘定の金額のうちその返還を要しないことが確定した国庫補助金等に係るものとして政令で定めるところにより計算した金額(以下この項及び第四項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を当該事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる方法(政令で定める方法を含む。)により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2前項の規定は、確定申告書に同項に規定する減額し又は経理した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
3税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
4第一項の特別勘定の金額を有する内国法人が適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項及び次項において「適格分社型分割等」という。)を行い、かつ、当該内国法人が当該適格分社型分割等の直前までに国庫補助金等をもつてその交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良をした場合(当該適格分社型分割等の日の属する事業年度開始の時から当該適格分社型分割等の直前の時までの期間内に当該取得又は改良に充てた国庫補助金等の全部又は一部の返還を要しないことが確定し、かつ、当該取得又は改良をした固定資産を当該適格分社型分割等により分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人に移転する場合に限る。)において、当該固定資産につき、圧縮限度額に相当する金額の範囲内でその帳簿価額を減額したときは、当該減額した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
5前項の規定は、同項に規定する内国法人が適格分社型分割等の日以後二月以内に同項に規定する減額した金額に相当する金額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
6合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人が適格組織再編成により被合併法人等において第一項又は第四項の規定の適用を受けた固定資産の移転を受けた場合における当該固定資産の取得価額その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(工事負担金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)
第四十五条次に掲げる事業を営む内国法人(清算中のものを除く。以下この条において同じ。)が、各事業年度において当該事業に必要な施設を設けるため電気、ガス若しくは水の需要者、熱供給を受ける者又は鉄道、軌道若しくは有線放送電話の利用者その他その施設によつて便益を受ける者(以下この条において「受益者」という。)から金銭又は資材の交付を受け、当該事業年度においてその金銭又は資材をもつてその施設を構成する固定資産を取得した場合において、その固定資産につき、その交付を受けた金銭の額又は資材の価額に相当する金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を当該事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる方法(政令で定める方法を含む。)により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
一電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項第一号(定義)に規定する一般電気事業、同項第三号に規定する卸電気事業又は同項第五号に規定する特定電気事業
二ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)第二条第一項(定義)に規定する一般ガス事業又は同条第三項に規定する簡易ガス事業
三水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第三条第二項(定義)に規定する水道事業
四熱供給事業法(昭和四十七年法律第八十八号)第二条第二項(定義)に規定する熱供給事業
五鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第二条第一項(定義)に規定する鉄道事業
七有線放送電話に関する法律(昭和三十二年法律第百五十二号)第二条第二項(定義)に規定する有線放送電話業務に係る事業
八前各号に掲げる事業に類する事業で政令で定めるもの
2前項の内国法人が、各事業年度において同項各号に掲げる事業に係る受益者から当該事業に必要な施設を構成する固定資産の交付を受けた場合において、その固定資産につき、その固定資産の価額に相当する金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を当該事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる方法(政令で定める方法を含む。)により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
3前二項の規定は、確定申告書にこれらの規定に規定する減額し又は経理した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
4税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項又は第二項の規定を適用することができる。
5第一項の内国法人が、適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この条において「適格分社型分割等」という。)により固定資産(当該適格分社型分割等の日の属する事業年度開始の時から当該適格分社型分割等の直前の時までの期間内に同項各号に掲げる事業に必要な施設を設けるため当該事業に係る受益者から金銭又は資材の交付を受け、かつ、当該交付を受けた金銭又は資材をもつて取得したもので当該施設を構成するものに限る。)を分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(次項において「分割承継法人等」という。)に移転する場合において、当該固定資産につき、その交付を受けた金銭の額又は資材の価額に相当する金額の範囲内でその帳簿価額を減額したときは、当該減額した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
6第一項の内国法人が、適格分社型分割等により同項各号に掲げる事業に必要な施設を構成する固定資産(当該適格分社型分割等の日の属する事業年度開始の時から当該適格分社型分割等の直前の時までの期間内に当該事業に係る受益者から交付を受けたものに限る。)を分割承継法人等に移転する場合において、当該固定資産につき、当該固定資産の価額に相当する金額の範囲内でその帳簿価額を減額したときは、当該減額した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
7前二項の規定は、これらの規定に規定する内国法人が適格分社型分割等の日以後二月以内にこれらの規定に規定する減額した金額に相当する金額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
8合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人が適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人において第一項、第二項、第五項又は第六項の規定の適用を受けた固定資産の移転を受けた場合における当該固定資産の取得価額その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(非出資組合が賦課金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)
第四十六条協同組合等のうち出資を有しないものが、各事業年度においてその組合員又は会員に対しその事業の用に供する固定資産の取得又は改良に充てるための費用を賦課し、当該事業年度においてその賦課に基づいて納付された金額(以下この項において「納付金」という。)をもつてその事業の用に供する固定資産の取得又は改良をした場合において、その固定資産につき、その取得又は改良に充てた納付金に相当する金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を当該事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる方法により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2前項の規定は、確定申告書に同項に規定する減額し又は経理した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
3税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
(保険金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)
第四十七条内国法人(清算中のものを除く。以下この条において同じ。)が、各事業年度においてその有する固定資産(当該内国法人が合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(第八項において「合併法人等」という。)となる適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項及び第八項において「適格組織再編成」という。)を行つている場合には、当該適格組織再編成に係る被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人(第八項において「被合併法人等」という。)の有していたものを含む。以下この条において「所有固定資産」という。)の滅失又は損壊により保険金、共済金又は損害賠償金で政令で定めるもの(第四十九条までにおいて「保険金等」という。)の支払を受け、当該事業年度においてその保険金等をもつてその滅失をした所有固定資産に代替する同一種類の固定資産(以下この条において「代替資産」という。)の取得(第六十四条の二第三項(リース取引に係る所得の金額の計算)に規定するリース取引のうち所有権が移転しないものとして政令で定めるものによる取得を除く。以下この項及び第五項において同じ。)をし、又はその損壊をした所有固定資産若しくは代替資産となるべき資産の改良をした場合において、これらの固定資産につき、その取得又は改良に充てた保険金等に係る差益金の額として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を当該事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる方法(政令で定める方法を含む。)により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2内国法人が、各事業年度において所有固定資産の滅失又は損壊による保険金等の支払に代わるべきものとして代替資産の交付を受けた場合において、その代替資産につき、その代替資産に係る差益金の額として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を当該事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる方法(政令で定める方法を含む。)により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
3前二項の規定は、確定申告書にこれらの規定に規定する減額し又は経理した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
4税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項又は第二項の規定を適用することができる。
5内国法人が、適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この条において「適格分社型分割等」という。)により固定資産(当該適格分社型分割等の日の属する事業年度開始の時から当該適格分社型分割等の直前の時までの期間内に、所有固定資産の滅失若しくは損壊により保険金等の支払を受け、かつ、当該保険金等をもつて取得をした代替資産又は当該期間内に、当該滅失若しくは損壊により保険金等の支払を受け、かつ、当該保険金等をもつて改良をした損壊した所有固定資産若しくは代替資産となるべき資産に限る。以下この項において同じ。)を分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(次項において「分割承継法人等」という。)に移転する場合において、当該固定資産につき、第一項に規定する圧縮限度額に相当する金額の範囲内でその帳簿価額を減額したときは、当該減額した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
6内国法人が、適格分社型分割等により代替資産(当該適格分社型分割等の日の属する事業年度開始の時から当該適格分社型分割等の直前の時までの期間内に所有固定資産の滅失又は損壊による保険金等の支払に代わるべきものとして交付を受けたものに限る。以下この項において同じ。)を分割承継法人等に移転する場合において、当該代替資産につき、第二項に規定する圧縮限度額に相当する金額の範囲内でその帳簿価額を減額したときは、当該減額した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
7前二項の規定は、これらの規定に規定する内国法人が適格分社型分割等の日以後二月以内にこれらの規定に規定する減額した金額に相当する金額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
8合併法人等が適格組織再編成により被合併法人等において第一項、第二項、第五項又は第六項の規定の適用を受けた固定資産の移転を受けた場合における当該固定資産の取得価額その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(保険差益等に係る特別勘定の金額の損金算入)
第四十八条保険金等の支払を受ける内国法人(清算中のものを除く。以下この条において同じ。)が、その支払を受ける事業年度(被合併法人の合併(適格合併を除く。次項及び第三項において「非適格合併」という。)の日の前日の属する事業年度を除く。)終了の日の翌日から二年を経過した日の前日(災害その他やむを得ない事由により同日までに前条第一項に規定する代替資産の同項に規定する取得をすることが困難である場合には、政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長が指定した日(第六項及び第八項において「指定日」という。)とする。)までの期間内にその保険金等をもつて同条第一項に規定する取得又は改良をしようとする場合(当該内国法人が被合併法人となる適格合併を行い、かつ、当該適格合併に係る合併法人が当該取得又は改良をしようとする場合その他の政令で定める場合を含む。)において、当該取得又は改良に充てようとする保険金等に係る差益金の額として政令で定めるところにより計算した金額以下の金額を当該事業年度の確定した決算において特別勘定を設ける方法(政令で定める方法を含む。)により経理したときは、その経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2前項の特別勘定を設けている内国法人は、前条第一項に規定する代替資産の同項に規定する取得をした場合、当該内国法人が非適格合併により解散した場合その他の政令で定める場合には、その保険金等に係る特別勘定の金額のうち政令で定めるところにより計算した金額を取り崩さなければならない。
3前項の規定により取り崩すべきこととなつた第一項の特別勘定の金額又は前項の規定に該当しないで取り崩した当該特別勘定の金額(第八項の規定により合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(第八項及び第十項において「合併法人等」という。)に引き継ぐこととされたものを除く。)は、それぞれその取り崩すべきこととなつた日(前項に規定する内国法人が非適格合併により解散した場合には、当該非適格合併の日の前日)又は取り崩した日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
4第一項の規定は、確定申告書に同項に規定する経理した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
5税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
6内国法人が、適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この条において「適格分社型分割等」という。)を行い、かつ、当該適格分社型分割等の日の属する事業年度開始の時から当該適格分社型分割等の直前の時までの期間内に保険金等の支払を受けている場合(当該適格分社型分割等の日から当該事業年度終了の日の翌日以後二年を経過した日の前日(指定日がある場合には、当該指定日)までの期間内に当該適格分社型分割等に係る分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(第八項及び第九項において「分割承継法人等」という。)が当該保険金等をもつて前条第一項に規定する取得又は改良をすることが見込まれる場合に限る。)において、その取得又は改良に充てようとする保険金等に係る第一項に規定する計算した金額に相当する金額の範囲内で同項の特別勘定に相当するもの(以下この条において「期中特別勘定」という。)を設けたときは、当該設けた期中特別勘定の金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
7前項の規定は、同項の内国法人が適格分社型分割等の日以後二月以内に期中特別勘定の金額に相当する金額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
8内国法人が、適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項において「適格組織再編成」という。)を行つた場合には、次の各号に掲げる適格組織再編成の区分に応じ、当該各号に定める特別勘定の金額又は期中特別勘定の金額は、当該適格組織再編成に係る合併法人等に引き継ぐものとする。
一適格合併 当該適格合併の直前に有する保険金等に係る第一項の特別勘定の金額
二適格分割型分割 当該適格分割型分割の直前に有する保険金等に係る第一項の特別勘定の金額のうち当該適格分割型分割に係る分割承継法人が取得改良期間(当該適格分割型分割の日から当該適格分割型分割に係る分割法人の当該保険金等の支払を受けた事業年度終了の日の翌日以後二年を経過した日の前日(指定日がある場合には、当該指定日)までの期間をいう。)内に行うことが見込まれる前条第一項に規定する取得又は改良に充てようとする当該保険金等に係るもの
三適格分社型分割等 当該適格分社型分割等の直前に有する保険金等に係る第一項の特別勘定の金額のうち当該適格分社型分割等に係る分割承継法人等が取得改良期間(当該適格分社型分割等の日から当該適格分社型分割等に係る分割法人、現物出資法人又は事後設立法人の当該保険金等の支払を受けた事業年度終了の日の翌日以後二年を経過した日の前日(指定日がある場合には、当該指定日)までの期間をいう。)内に行うことが見込まれる前条第一項に規定する取得又は改良に充てようとする当該保険金等に係るもの及び当該適格分社型分割等に際して設けた保険金等に係る期中特別勘定の金額
9前項の規定は、第一項の特別勘定を設けている内国法人で適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項において「適格分割等」という。)を行つたもの(当該特別勘定及び期中特別勘定の双方を設けている内国法人であつて、適格分社型分割等により分割承継法人等に当該期中特別勘定の金額のみを引き継ぐものを除く。)にあつては、当該特別勘定を設けている内国法人が当該適格分割等の日以後二月以内に当該適格分割等により分割承継法人等に引き継ぐ当該特別勘定の金額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
10第八項の規定により合併法人等が引継ぎを受けた第一項の特別勘定の金額又は期中特別勘定の金額は、当該合併法人等が同項の規定により設けている同項の特別勘定の金額とみなす。
11合併、分割、現物出資又は事後設立(第二条第十二号の六(定義)に規定する事後設立をいう。)が行われた場合における前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特別勘定を設けた場合の保険金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)
第四十九条前条第一項の特別勘定の金額(既に取り崩すべきこととなつたものを除く。)を有する内国法人が、同項に規定する期間(当該特別勘定の金額が同条第八項の規定により被合併法人から引継ぎを受けたものである場合その他の政令で定める場合には、政令で定める期間。第四項において「取得指定期間」という。)内に同条第一項に規定する取得又は改良をした場合において、その取得又は改良に係る固定資産につき、その取得又は改良をした日における当該特別勘定の金額のうちその取得又は改良に充てた保険金等に係るものとして政令で定めるところにより計算した金額(以下この項及び第四項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を当該事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる方法(政令で定める方法を含む。)により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2前項の規定は、確定申告書に同項に規定する減額し又は経理した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
3税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
4第一項の特別勘定の金額を有する内国法人が適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項及び次項において「適格分社型分割等」という。)を行い、かつ、当該内国法人が当該適格分社型分割等の日の属する事業年度開始の時から当該適格分社型分割等の直前の時までの期間内に第一項に規定する取得又は改良をした場合(当該取得又は改良に係る取得指定期間内に当該取得又は改良をし、かつ、当該取得又は改良をした固定資産を当該適格分社型分割等により分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人に移転する場合に限る。)において、当該固定資産につき、圧縮限度額に相当する金額の範囲内でその帳簿価額を減額したときは、当該減額した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
5前項の規定は、同項に規定する内国法人が適格分社型分割等の日以後二月以内に同項に規定する減額した金額に相当する金額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
6合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人が適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人において第一項又は第四項の規定の適用を受けた固定資産の移転を受けた場合における当該固定資産の取得価額その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(交換により取得した資産の圧縮額の損金算入)
第五十条内国法人(清算中のものを除く。以下この条において同じ。)が、各事業年度において、一年以上有していた固定資産(当該内国法人が適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項及び第七項において「適格組織再編成」という。)により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人(以下この項及び第七項において「被合併法人等」という。)から移転を受けたもので、当該被合併法人等と当該内国法人の有していた期間の合計が一年以上であるものを含む。)で次の各号に掲げるものをそれぞれ他の者が一年以上有していた固定資産(当該他の者が適格組織再編成により被合併法人等から移転を受けたもので、当該被合併法人等と当該他の者の有していた期間の合計が一年以上であるものを含む。)で当該各号に掲げるもの(交換のために取得したと認められるものを除く。)と交換し、その交換により取得した当該各号に掲げる資産(以下この条において「取得資産」という。)をその交換により譲渡した当該各号に掲げる資産(以下この条において「譲渡資産」という。)の譲渡の直前の用途と同一の用途に供した場合において、その取得資産につき、その交換により生じた差益金の額として政令で定めるところにより計算した金額の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額したときは、その減額した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
一土地(建物又は構築物の所有を目的とする地上権及び賃借権並びに農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第二条第一項(定義)に規定する農地の上に存する耕作に関する権利を含む。)
二建物(これに附属する設備及び構築物を含む。)
三機械及び装置
四船舶
五鉱業権(租鉱権及び採石権その他土石を採掘し又は採取する権利を含む。)
2前項及び第五項の規定は、これらの規定の交換の時における取得資産の価額と譲渡資産の価額との差額がこれらの価額のうちいずれか多い価額の百分の二十に相当する金額を超える場合には、適用しない。
3第一項の規定は、確定申告書に同項に規定する減額した金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
4税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
5内国法人が、適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項及び次項において「適格分社型分割等」という。)により取得資産(当該適格分社型分割等の日の属する事業年度開始の時から当該適格分社型分割等の直前の時までの期間内に、第一項に規定する交換により取得をし、譲渡資産の譲渡の直前の用途と同一の用途に供したものに限る。)を分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人に移転する場合において、当該取得資産につき、同項に規定する計算した金額に相当する金額の範囲内でその帳簿価額を減額したときは、当該減額した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
6前項の規定は、同項の内国法人が適格分社型分割等の日以後二月以内に同項に規定する減額した金額に相当する金額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
7合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人が適格組織再編成により被合併法人等において第一項又は第五項の規定の適用を受けた固定資産の移転を受けた場合における当該固定資産の取得価額その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第七目 引当金
(貸倒引当金)
第五十二条内国法人が、会社更生法の規定による更生計画認可の決定に基づいてその有する金銭債権の弁済を猶予され、又は賦払により弁済される場合その他の政令で定める場合において、その一部につき貸倒れその他これに類する事由による損失が見込まれる金銭債権(当該金銭債権に係る債務者に対する他の金銭債権(適格分割型分割に該当しない分割型分割により分割承継法人に移転するものを除く。)がある場合には当該他の金銭債権を含むものとし、適格合併に該当しない合併又は適格分割型分割に該当しない分割型分割(次項において「非適格合併等」という。)により合併法人又は分割承継法人(次項において「合併法人等」という。)に移転する金銭債権を除く。以下この条において「個別評価金銭債権」という。)のその損失の見込額として、各事業年度において損金経理により貸倒引当金勘定に繰り入れた金額については、当該繰り入れた金額のうち、当該事業年度終了の時において当該個別評価金銭債権の取立て又は弁済の見込みがないと認められる部分の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額(第五項において「個別貸倒引当金繰入限度額」という。)に達するまでの金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2内国法人が、その有する売掛金、貸付金その他これらに準ずる金銭債権(個別評価金銭債権及び非適格合併等により合併法人等に移転する金銭債権を除く。以下この項及び第八項において「一括評価金銭債権」という。)の貸倒れによる損失の見込額として、各事業年度において損金経理により貸倒引当金勘定に繰り入れた金額については、当該繰り入れた金額のうち、当該事業年度終了の時において有する一括評価金銭債権の額及び最近における売掛金、貸付金その他これらに準ずる金銭債権の貸倒れによる損失の額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額に達するまでの金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
3前二項の規定は、確定申告書にこれらの規定に規定する貸倒引当金勘定に繰り入れた金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
4税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項及び第二項の規定を適用することができる。
5内国法人が、適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この条において「適格分社型分割等」という。)により分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人に個別評価金銭債権を移転する場合において、当該個別評価金銭債権について第一項の貸倒引当金勘定に相当するもの(以下この条において「期中貸倒引当金勘定」という。)を設けたときは、当該設けた期中貸倒引当金勘定の金額に相当する金額のうち、当該個別評価金銭債権につき当該適格分社型分割等の直前の時を事業年度終了の時とした場合に同項の規定により計算される個別貸倒引当金繰入限度額に相当する金額に達するまでの金額は、当該適格分社型分割等の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
6前項の規定は、同項の内国法人が適格分社型分割等の日以後二月以内に期中貸倒引当金勘定の金額に相当する金額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
7内国法人が、適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項及び第十項において「適格組織再編成」という。)を行つた場合には、次の各号に掲げる適格組織再編成の区分に応じ、当該各号に定める貸倒引当金勘定の金額又は期中貸倒引当金勘定の金額は、当該適格組織再編成に係る合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(第十項において「合併法人等」という。)に引き継ぐものとする。
一適格合併 第一項又は第二項の規定により当該適格合併の日の前日の属する事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたこれらの規定に規定する貸倒引当金勘定の金額
二適格分割型分割 第一項又は第二項の規定により当該適格分割型分割の日の前日の属する事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたこれらの規定に規定する貸倒引当金勘定の金額のうち当該適格分割型分割に係る分割承継法人に移転する金銭債権に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額
三適格分社型分割等 第五項の規定により当該適格分社型分割等の日の属する事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された期中貸倒引当金勘定の金額
8第一項、第二項及び第五項の規定の適用については、個別評価金銭債権及び一括評価金銭債権には、内国法人が当該内国法人との間に連結完全支配関係がある連結法人に対して有する金銭債権を含まないものとする。
9第一項又は第二項の規定により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたこれらの規定に規定する貸倒引当金勘定の金額(第七項の規定により適格分割型分割に係る分割承継法人に引き継がれたものを除く。)は、当該事業年度の翌事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
10第七項の規定により合併法人等が引継ぎを受けた貸倒引当金勘定の金額又は期中貸倒引当金勘定の金額は、当該合併法人等の適格組織再編成の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
11第十条の三第一項(課税所得の範囲の変更等の場合のこの法律の適用)に規定する特定普通法人が公益法人等に該当することとなる場合の当該特定普通法人のその該当することとなる日の前日の属する事業年度については、第一項及び第二項の規定は、適用しない。
12第三項、第四項及び第六項に定めるもののほか、第一項、第二項、第五項及び第七項から前項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(返品調整引当金)
第五十三条内国法人で出版業その他の政令で定める事業(以下この条において「対象事業」という。)を営むもののうち、常時、その販売する当該対象事業に係る棚卸資産の大部分につき、当該販売の際の価額による買戻しに係る特約その他の政令で定める特約を結んでいるものが、当該棚卸資産(適格合併に該当しない合併又は適格分割型分割に該当しない分割型分割により合併法人又は分割承継法人に移転する事業に係るものを除く。)の当該特約に基づく買戻しによる損失の見込額として、各事業年度終了の時において損金経理により返品調整引当金勘定に繰り入れた金額については、当該繰り入れた金額のうち、最近における当該対象事業に係る棚卸資産の当該特約に基づく買戻しの実績を基礎として政令で定めるところにより計算した金額(第四項において「返品調整引当金繰入限度額」という。)に達するまでの金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
2前項の規定は、確定申告書に返品調整引当金勘定に繰り入れた金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
3税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
4内国法人が、適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立(第六項までにおいて「適格分社型分割等」という。)により分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人に対象事業の全部又は一部を移転する場合において、当該移転をする対象事業について第一項の返品調整引当金勘定に相当するもの(以下この条において「期中返品調整引当金勘定」という。)を設けたときは、当該設けた期中返品調整引当金勘定の金額に相当する金額のうち、当該適格分社型分割等の直前の時を事業年度終了の時とした場合に同項の規定により計算される返品調整引当金繰入限度額に相当する金額に達するまでの金額は、当該適格分社型分割等の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
5前項の規定は、同項の内国法人が適格分社型分割等の日以後二月以内に期中返品調整引当金勘定の金額に相当する金額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
6内国法人が、適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項及び第八項において「適格組織再編成」という。)を行つた場合には、次の各号に掲げる適格組織再編成の区分に応じ、当該各号に定める返品調整引当金勘定の金額又は期中返品調整引当金勘定の金額は、当該適格組織再編成に係る合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(第八項において「合併法人等」という。)に引き継ぐものとする。
一適格合併 第一項の規定により当該適格合併の日の前日の属する事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された同項に規定する返品調整引当金勘定の金額
二適格分割型分割 第一項の規定により当該適格分割型分割の日の前日の属する事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された同項に規定する返品調整引当金勘定の金額のうち当該適格分割型分割に係る分割承継法人に移転する対象事業に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額
三適格分社型分割等 第四項の規定により当該適格分社型分割等の日の属する事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された期中返品調整引当金勘定の金額
7第一項の規定により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された同項に規定する返品調整引当金勘定の金額(前項の規定により適格分割型分割に係る分割承継法人に引き継がれたものを除く。)は、当該事業年度の翌事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
8第六項の規定により合併法人等が引継ぎを受けた返品調整引当金勘定の金額又は期中返品調整引当金勘定の金額は、当該合併法人等の適格組織再編成の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
9第十条の三第一項(課税所得の範囲の変更等の場合のこの法律の適用)に規定する特定普通法人が公益法人等に該当することとなる場合の当該特定普通法人のその該当することとなる日の前日の属する事業年度については、第一項の規定は、適用しない。
10第二項、第三項及び第五項に定めるもののほか、第一項、第四項及び第六項から前項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第七目の二 新株予約権を対価とする費用等
(新株予約権を対価とする費用の帰属事業年度の特例等)
第五十四条内国法人が、個人から役務の提供を受ける場合において、当該役務の提供に係る費用の額につきその対価として新株予約権(当該役務の提供の対価として当該個人に生ずる債権を当該新株予約権と引換えにする払込みに代えて相殺すべきものに限る。)を発行したとき(合併、分割、株式交換又は株式移転(以下この項において「合併等」という。)に際し当該合併等に係る合併法人、分割承継法人、株式交換完全親法人又は株式移転完全親法人(次項において「合併法人等」という。)である内国法人が当該合併等に係る被合併法人、分割法人、株式交換完全子法人又は株式移転完全子法人の当該新株予約権を有する者に対し自己の新株予約権(次項及び第三項において「承継新株予約権」という。)を交付したときを含む。)は、当該個人において当該役務の提供につき所得税法その他所得税に関する法令の規定により当該個人の同法に規定する給与所得その他の政令で定める所得の金額に係る収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額を生ずべき事由(次項において「給与等課税事由」という。)が生じた日において当該役務の提供を受けたものとして、この法律の規定を適用する。
2前項に規定する場合において、同項の個人において同項の役務の提供につき給与等課税事由が生じないときは、同項の新株予約権を発行した内国法人(承継新株予約権を交付した合併法人等である内国法人を含む。以下この条において「発行法人」という。)の当該役務の提供に係る費用の額は、当該発行法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
3前項に規定する場合において、第一項の新株予約権(承継新株予約権を含む。)が消滅をしたときは、当該消滅による利益の額は、発行法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。
4発行法人は、確定申告書に当該新株予約権の一個当たりのその発行の時の価額、発行数、当該事業年度において行使された数その他当該新株予約権の状況に関する明細書の添付をしなければならない。
5内国法人が新株予約権を発行する場合において、その新株予約権と引換えに払い込まれる金銭の額(金銭の払込みに代えて給付される金銭以外の資産の価額及び相殺される債権の額を含む。以下この項において同じ。)がその新株予約権のその発行の時の価額に満たないとき(その新株予約権を無償で発行したときを含む。)又はその新株予約権と引換えに払い込まれる金銭の額がその新株予約権のその発行の時の価額を超えるときは、その満たない部分の金額(その新株予約権を無償で発行した場合には、その発行の時の価額)又はその超える部分の金額に相当する金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額又は益金の額に算入しない。
6第四項に定めるもののほか、第一項から第三項まで又は前項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第七目の三 不正行為等に係る費用等
(不正行為等に係る費用等の損金不算入)
第五十五条内国法人が、その所得の金額若しくは欠損金額又は法人税の額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装すること(以下この項及び次項において「隠ぺい仮装行為」という。)によりその法人税の負担を減少させ、又は減少させようとする場合には、当該隠ぺい仮装行為に要する費用の額又は当該隠ぺい仮装行為により生ずる損失の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
2前項の規定は、内国法人が隠ぺい仮装行為によりその納付すべき法人税以外の租税の負担を減少させ、又は減少させようとする場合について準用する。
3内国法人が納付する次に掲げるものの額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
一国税に係る延滞税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税並びに印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)の規定による過怠税
二地方税法の規定による延滞金(同法第六十五条(法人の道府県民税に係る納期限の延長の場合の延滞金)、第七十二条の四十五の二(法人の事業税に係る納期限の延長の場合の延滞金)又は第三百二十七条(法人の市町村民税に係る納期限の延長の場合の延滞金)の規定により徴収されるものを除く。)、過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金
4内国法人が納付する次に掲げるものの額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
一罰金及び科料(通告処分による罰金又は科料に相当するもの及び外国又はこれに準ずる者として政令で定めるものが課する罰金又は科料に相当するものを含む。)並びに過料
二国民生活安定緊急措置法(昭和四十八年法律第百二十一号)の規定による課徴金及び延滞金
三私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の規定による課徴金及び延滞金
四金融商品取引法第六章の二(課徴金)の規定による課徴金及び延滞金
五公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)の規定による課徴金及び延滞金
第八目 繰越欠損金
(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し)
第五十七条確定申告書を提出する内国法人の各事業年度開始の日前七年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額(この項の規定により当該各事業年度前の事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたもの及び第八十条(欠損金の繰戻しによる還付)の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。)がある場合には、当該欠損金額に相当する金額は、当該各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。ただし、当該欠損金額に相当する金額が当該欠損金額につき本文の規定を適用しないものとして計算した場合における当該各事業年度の所得の金額(当該欠損金額の生じた事業年度前の事業年度において生じた欠損金額に相当する金額で本文又は第五十八条第一項(青色申告書を提出しなかつた事業年度の災害による損失金の繰越し)の規定により当該各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されるものがある場合には、当該損金の額に算入される金額を控除した金額)を超える場合は、その超える部分の金額については、この限りでない。
2適格合併等(適格合併又は合併に類する分割型分割として政令で定めるもののうち適格分割型分割に該当するもの(以下この条において「合併類似適格分割型分割」という。)をいう。以下この項及び次項において同じ。)が行われた場合において、当該適格合併等に係る被合併法人又は分割法人(以下この項及び次項において「被合併法人等」という。)の当該適格合併等の日前七年以内に開始した各事業年度(以下この項及び次項において「前七年内事業年度」という。)において生じた欠損金額(当該被合併法人等が当該欠損金額(この項又は第六項の規定により当該被合併法人等の欠損金額とみなされたものを含み、第五項又は第九項の規定によりないものとされたものを除く。次項、第四項及び第八項において同じ。)の生じた前七年内事業年度について青色申告書である確定申告書を提出していることその他の政令で定める要件を満たしている場合における当該欠損金額に限るものとし、前項の規定により当該被合併法人等の前七年内事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたもの及び第八十条の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。以下この項において「未処理欠損金額」という。)があるときは、当該適格合併等に係る合併法人又は分割承継法人(以下この項及び次項において「合併法人等」という。)の当該適格合併等の日の属する事業年度(以下この項及び次項において「合併等事業年度」という。)以後の各事業年度における前項の規定の適用については、当該前七年内事業年度において生じた未処理欠損金額は、それぞれ当該未処理欠損金額の生じた前七年内事業年度開始の日の属する当該合併法人等の各事業年度(当該合併法人等の合併等事業年度開始の日以後に開始した当該被合併法人等の当該前七年内事業年度において生じた未処理欠損金額にあつては、当該合併等事業年度の前事業年度)において生じた欠損金額とみなす。
3適格合併等に係る被合併法人等と合併法人等(当該合併法人等が当該適格合併等により設立された法人である場合にあつては、当該適格合併等に係る他の被合併法人等。第一号において同じ。)との間に特定資本関係(いずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式又は出資(当該他方の法人が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の百分の五十を超える数又は金額の株式又は出資を直接又は間接に保有する関係その他の政令で定める関係をいう。以下この項及び第五項において同じ。)があり、かつ、当該特定資本関係が当該合併法人等の当該適格合併等に係る合併等事業年度開始の日の五年前の日以後に生じている場合において、当該適格合併等が共同で事業を営むための適格合併等として政令で定めるものに該当しないときは、前項に規定する未処理欠損金額には、当該被合併法人等の次に掲げる欠損金額を含まないものとする。
一当該被合併法人等の特定資本関係事業年度(当該被合併法人等と当該合併法人等との間に当該特定資本関係が生じた日の属する事業年度をいう。次号において同じ。)前の各事業年度で前七年内事業年度に該当する事業年度において生じた欠損金額(当該被合併法人等において第一項の規定により前七年内事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたもの及び第八十条の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。次号において同じ。)
二当該被合併法人等の特定資本関係事業年度以後の各事業年度で前七年内事業年度に該当する事業年度において生じた欠損金額のうち第六十二条の七第二項(特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入)に規定する特定資産譲渡等損失額に相当する金額から成る部分の金額として政令で定める金額
4合併類似適格分割型分割に係る分割法人の当該合併類似適格分割型分割の日の属する事業年度以後の各事業年度における第一項の規定の適用については、当該事業年度前の各事業年度において生じた欠損金額は、ないものとする。
5第一項の内国法人と特定資本関係法人(当該内国法人との間に特定資本関係がある法人をいう。以下この項において同じ。)との間で当該内国法人を合併法人、分割承継法人又は被現物出資法人とする適格合併、適格分割又は適格現物出資(以下この項において「適格合併等」という。)が行われ、かつ、当該特定資本関係が当該内国法人の当該適格合併等の日の属する事業年度(以下この項において「合併等事業年度」という。)開始の日の五年前の日以後に生じている場合において、当該適格合併等が共同で事業を営むための適格合併等として政令で定めるものに該当しないときは、当該内国法人の当該合併等事業年度以後の各事業年度における第一項の規定の適用については、当該内国法人の同項に規定する欠損金額(第二項又は次項の規定により当該内国法人の欠損金額とみなされたものを含み、この項又は第九項の規定によりないものとされたものを除く。以下この項において同じ。)のうち次に掲げる欠損金額は、ないものとする。
一当該内国法人の特定資本関係事業年度(当該内国法人と当該特定資本関係法人との間に当該特定資本関係が生じた日の属する事業年度をいう。次号において同じ。)前の各事業年度で前七年内事業年度(当該合併等事業年度開始の日前七年以内に開始した各事業年度をいう。以下この項において同じ。)に該当する事業年度において生じた欠損金額(第一項の規定により前七年内事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたもの及び第八十条の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。次号において同じ。)
二当該内国法人の特定資本関係事業年度以後の各事業年度で前七年内事業年度に該当する事業年度において生じた欠損金額のうち第六十二条の七第二項に規定する特定資産譲渡等損失額に相当する金額から成る部分の金額として政令で定める金額
6内国法人が、当該内国法人を分割法人とする分割型分割(連結法人である当該内国法人が連結親法人事業年度(第十五条の二第一項(連結事業年度の意義)に規定する連結親法人事業年度をいう。以下この項及び第九項において同じ。)開始の日の翌日からその終了の日までの間に行うものに限る。)を行つた場合又は第四条の五第二項(連結納税の承認の取消し)の規定により第四条の二(連結納税義務者)の承認を取り消された場合(連結親法人にあつては当該連結親法人を被合併法人とする合併を行つたことにより当該承認を取り消された場合を、連結子法人にあつては連結親法人事業年度開始の日に当該連結子法人を被合併法人とする合併を行つたことにより当該承認を取り消された場合を除く。)若しくは第四条の五第三項の承認を受けた場合(以下この項において「承認の取消し等の場合」という。)において、当該分割型分割の日の前日の属する事業年度開始の日前七年以内に開始した各連結事業年度又は当該承認の取消し等の場合の最終の連結事業年度終了の日の翌日の属する事業年度開始の日前七年以内に開始した各連結事業年度において生じた当該内国法人の連結欠損金個別帰属額(第八十一条の九第五項(連結欠損金の繰越し)に規定する連結欠損金個別帰属額をいう。以下この項及び次項において同じ。)があるときは、当該前日の属する事業年度又は当該翌日の属する事業年度以後の各事業年度における第一項の規定の適用については、当該連結欠損金個別帰属額は、当該連結欠損金個別帰属額が生じた連結事業年度開始の日の属する当該内国法人の事業年度において生じた欠損金額とみなす。
7適格合併に係る被合併法人が連結法人(連結子法人にあつては、連結事業年度終了の日の翌日に当該連結子法人を被合併法人とする適格合併を行うものに限る。)である場合又は合併類似適格分割型分割に係る分割法人が連結法人(当該連結法人の連結事業年度終了の日の翌日に当該連結法人を分割法人とする合併類似適格分割型分割を行うものに限る。)である場合には、これらの連結法人の当該適格合併又は合併類似適格分割型分割の日前七年以内に開始した各連結事業年度において生じたこれらの連結法人の連結欠損金個別帰属額を第二項に規定する前七年内事業年度において生じた欠損金額と、連結確定申告書を青色申告書である確定申告書と、その連結欠損金個別帰属額が生じた連結事業年度を当該被合併法人又は分割法人の事業年度とみなして、同項及び第三項の規定を適用する。
8前項に規定する場合において、同項の適格合併又は合併類似適格分割型分割に係る被合併法人又は分割法人となる連結法人に同項に規定する各連結事業年度前の各事業年度で第二項に規定する前七年内事業年度に該当する事業年度において生じた欠損金額があるときは、当該欠損金額については、同項の規定は、適用しない。
9次の各号に規定する場合に該当する場合には、第一項の内国法人の当該各号に掲げる事業年度における同項の規定の適用については、当該各号に定める欠損金額は、ないものとする。
一連結法人である当該内国法人が当該内国法人を分割法人とする分割型分割(次に掲げるものを除く。)を行つた場合の当該分割型分割の日の前日の属する事業年度以後の各事業年度 当該前日の属する事業年度前の各事業年度において生じた欠損金額(当該各事業年度において第二項又は第六項の規定により当該各事業年度前の各事業年度において生じた欠損金額とみなされたものを含む。以下この項において同じ。)
イ連結親法人事業年度開始の日に行う分割型分割
ロ連結親法人又は第八十一条の九第二項第二号に規定する連結子法人である当該内国法人が最初の連結親法人事業年度開始の日の翌日からその終了の日までの間に行う分割型分割
ハ第四条の三第六項(連結納税の承認の申請)に規定する連結申請特例年度開始の日の翌日から同項の規定の適用を受けて行つた同条第一項の申請につき第四条の二の承認を受ける日の前日までの間に行う分割型分割
二連結子法人である当該内国法人が最初の連結親法人事業年度(当該内国法人が第四条の三第九項第一号又は第十一項第一号に掲げる法人である場合には最初の連結親法人事業年度の翌連結親法人事業年度とし、当該内国法人が連結親法人事業年度において連結親法人との間に第四条の二に規定する完全支配関係を有することとなつた同条に規定する他の内国法人(同号に掲げる法人を除く。)である場合には当該完全支配関係を有することとなつた日から当該連結親法人事業年度終了の日までの期間とする。以下この号において「最初連結親法人事業年度」という。)において当該内国法人を被合併法人とする合併(当該内国法人との間に連結完全支配関係がある他の連結法人を合併法人とするものに限るものとし、次に掲げるものを除く。)を行つた場合の当該合併の日の前日の属する事業年度 当該事業年度前の各事業年度において生じた欠損金額
イ最初連結親法人事業年度開始の日に行う合併
ロ第八十一条の九第二項第二号に規定する連結子法人を被合併法人とする合併で最初連結親法人事業年度開始の日の翌日からその終了の日までの間に行うもの
三連結法人である当該内国法人が第十五条の二第一項に規定する最初連結事業年度終了の日後に第四条の五第一項若しくは第二項の規定により第四条の二の承認を取り消された場合又は第四条の五第三項の承認を受けた場合の最終の連結事業年度後の各事業年度 当該連結事業年度前の各事業年度において生じた欠損金額
10連結子法人である内国法人が、連結法人単体事業年度(当該内国法人が当該内国法人を分割法人とする分割型分割(前項第一号イ又はハに掲げるものを除く。)を行つた場合の当該分割型分割の日の前日の属する事業年度又は当該内国法人が第四条の五第二項(第四号又は第五号に係る部分に限る。)の規定により第四条の二の承認を取り消された場合のその取り消された日の前日の属する事業年度をいう。)において次の各号に規定する場合に該当する場合には、当該各号に掲げる欠損金額については、当該各号に定める規定は、適用しない。
一当該内国法人を第二項に規定する合併法人等とする同項に規定する適格合併等(当該内国法人との間に連結完全支配関係がない法人(連結欠損金額とみなされる欠損金額を有する法人として政令で定める法人を除く。以下この項において「非支配法人」という。)を第二項に規定する被合併法人等とするものに限る。)を行つた場合における当該非支配法人の同項に規定する未処理欠損金額 同項及び第三項
二当該内国法人を合併法人又は分割承継法人とする第五項の適格合併又は適格分割(非支配法人を被合併法人又は分割法人とするものに限る。)を行つた場合における当該内国法人の同項に規定する欠損金額 同項
11第一項の規定は、同項の内国法人が欠損金額(第二項又は第六項の規定により当該内国法人の欠損金額とみなされたものを除く。)の生じた事業年度について青色申告書である確定申告書を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出している場合(これらの規定により当該内国法人の欠損金額とみなされたものにつき第一項の規定を適用する場合にあつては、第二項の合併等事業年度又は第六項に規定する最終の連結事業年度終了の日の翌日の属する事業年度の確定申告書を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出している場合)に限り、適用する。
12第二項の合併法人等が同項の適格合併等により設立された法人である場合における第一項の規定の適用その他同項から第十項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特定株主等によつて支配された欠損等法人の欠損金の繰越しの不適用)
第五十七条の二内国法人で他の者との間に当該他の者による特定支配関係(当該他の者が当該内国法人の発行済株式又は出資(自己が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の百分の五十を超える数又は金額の株式又は出資を直接又は間接に保有する関係その他の政令で定める関係をいい、政令で定める事由によつて生じたものを除く。以下この項において同じ。)を有することとなつたもののうち、当該特定支配関係を有することとなつた日(以下この項において「支配日」という。)の属する事業年度(以下この項において「特定支配事業年度」という。)において当該特定支配事業年度前の各事業年度において生じた欠損金額(前条第二項又は第六項の規定により当該内国法人の欠損金額とみなされたものを含むものとし、同条第一項の規定の適用があるものに限る。以下この条において同じ。)又は評価損資産(当該内国法人が当該支配日において有する資産のうち当該支配日における価額がその帳簿価額に満たないものとして政令で定めるものをいう。)を有するもの(内国法人のうち各連結事業年度の連結所得に対する法人税を課される最終の連結事業年度終了の日において第八十一条の九の二第一項(特定株主等によつて支配された欠損等連結法人の連結欠損金の繰越しの不適用)に規定する欠損等連結法人(以下この条において「欠損等連結法人」という。)であつたものを含む。以下この条において「欠損等法人」という。)が、当該支配日(当該欠損等連結法人にあつては、政令で定める日。以下この項及び次項第一号において「特定支配日」という。)以後五年を経過した日の前日まで(当該特定支配関係を有しなくなつた場合として政令で定める場合に該当したこと、当該欠損等法人の債務につき政令で定める債務の免除その他の行為(第三号において「債務免除等」という。)があつたことその他政令で定める事実が生じた場合には、これらの事実が生じた日まで)に次に掲げる事由に該当する場合には、その該当することとなつた日(第四号に掲げる事由に該当する場合にあつては、同号に規定する適格合併等の日の前日。次項において「該当日」という。)の属する事業年度(以下この条において「適用事業年度」という。)以後の各事業年度においては、当該適用事業年度前の各事業年度において生じた欠損金額については、前条第一項の規定は、適用しない。
一当該欠損等法人が当該特定支配日の直前において事業を営んでいない場合(清算中の場合を含む。)において、当該特定支配日以後に事業を開始すること(清算中の当該欠損等法人が継続することを含む。)。
二当該欠損等法人が当該特定支配日の直前において営む事業(以下この項において「旧事業」という。)のすべてを当該特定支配日以後に廃止し、又は廃止することが見込まれている場合において、当該旧事業の当該特定支配日の直前における事業規模(売上金額、収入金額その他の事業の種類に応じて政令で定めるものをいう。次号及び第五号において同じ。)のおおむね五倍を超える資金の借入れ又は出資による金銭その他の資産の受入れ(合併又は分割による資産の受入れを含む。次号において「資金借入れ等」という。)を行うこと。
三当該他の者又は当該他の者との間に政令で定める関係がある者(以下この号において「関連者」という。)が当該他の者及び関連者以外の者から当該欠損等法人に対する債権で政令で定めるもの(以下この号において「特定債権」という。)を取得している場合(当該特定支配日前に特定債権を取得している場合を含むものとし、当該特定債権につき当該特定支配日以後に債務免除等を行うことが見込まれている場合その他の政令で定める場合を除く。次号において「特定債権が取得されている場合」という。)において、当該欠損等法人が旧事業の当該特定支配日の直前における事業規模のおおむね五倍を超える資金借入れ等を行うこと。
四第一号若しくは第二号に規定する場合又は前号の特定債権が取得されている場合において、当該欠損等法人が自己を被合併法人又は分割法人とする前条第二項に規定する適格合併等(次項第一号及び第四項において「適格合併等」という。)を行うこと。
五当該欠損等法人が当該特定支配関係を有することとなつたことに基因して、当該欠損等法人の当該特定支配日の直前の役員(社長その他政令で定めるものに限る。)のすべてが退任(業務を執行しないものとなることを含む。)をし、かつ、当該特定支配日の直前において当該欠損等法人の業務に従事する使用人(以下この号において「旧使用人」という。)の総数のおおむね百分の二十以上に相当する数の者が当該欠損等法人の使用人でなくなつた場合において、当該欠損等法人の非従事事業(当該旧使用人が当該特定支配日以後その業務に実質的に従事しない事業をいう。)の事業規模が旧事業の当該特定支配日の直前における事業規模のおおむね五倍を超えることとなること(政令で定める場合を除く。)。
六前各号に掲げる事由に類するものとして政令で定める事由
2欠損等法人が該当日(第八十一条の九の二第一項に規定する該当日を含む。)以後に合併、分割又は現物出資を行う場合には、次の各号に掲げる欠損金額又は連結欠損金個別帰属額(前条第六項に規定する連結欠損金個別帰属額をいう。以下この条において同じ。)については、それぞれ当該各号に定める規定は、適用しない。
一欠損等法人が自己を合併法人又は分割承継法人とする適格合併等を行う場合における当該適格合併等に係る被合併法人又は分割法人の当該適格合併等の日の前日の属する事業年度又は連結事業年度以前の各事業年度又は各連結事業年度において生じた欠損金額又は連結欠損金個別帰属額(当該適格合併等が当該欠損等法人の適用事業年度又は適用連結事業年度(第八十一条の九の二第一項に規定する適用連結事業年度をいう。以下この条において同じ。)開始の日以後三年を経過する日(その経過する日が特定支配日以後五年を経過する日後となる場合にあつては、同日)後に行われるものである場合には、当該欠損金額又は連結欠損金個別帰属額のうち、これらの生じた事業年度又は連結事業年度開始の日が当該適用事業年度又は適用連結事業年度開始の日前であるものに限る。) 前条第二項、第三項及び第七項
二欠損等法人が自己を合併法人、分割承継法人又は被現物出資法人とする前条第五項に規定する適格合併等を行う場合における当該欠損等法人の適用事業年度前の各事業年度において生じた欠損金額 同項
3欠損等連結法人が、第八十一条の九の二第一項に規定する該当日以後に前条第六項に規定する分割型分割を行う場合又は同項に規定する承認の取消し等の場合に該当する場合には、当該欠損等連結法人の適用連結事業年度前の各連結事業年度において生じた連結欠損金個別帰属額については、同項の規定は、適用しない。
4内国法人が欠損等法人又は欠損等連結法人との間で当該内国法人を合併法人又は分割承継法人とする適格合併等を行う場合には、当該欠損等法人又は欠損等連結法人の適用事業年度又は適用連結事業年度前の各事業年度又は各連結事業年度において生じた欠損金額又は連結欠損金個別帰属額については、前条第二項、第三項及び第七項の規定は、適用しない。
5前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(青色申告書を提出しなかつた事業年度の災害による損失金の繰越し)
第五十八条確定申告書を提出する内国法人の各事業年度開始の日前七年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額(第五十七条第一項(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し)又は第八十条(欠損金の繰戻しによる還付)の規定の適用があるものを除く。)のうち、棚卸資産、固定資産又は政令で定める繰延資産について震災、風水害、火災その他政令で定める災害により生じた損失に係るもので政令で定めるもの(以下この条において「災害損失欠損金額」という。)があるときは、当該災害損失欠損金額に相当する金額は、当該各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。ただし、当該災害損失欠損金額に相当する金額が当該災害損失欠損金額につき本文の規定を適用しないものとして計算した場合における当該各事業年度の所得の金額(当該災害損失欠損金額の生じた事業年度前の事業年度において生じた欠損金額に相当する金額で本文又は第五十七条第一項の規定により当該各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されるものがある場合には、当該損金の額に算入される金額を控除した金額)を超える場合は、その超える部分の金額については、この限りでない。
2適格合併等(適格合併又は合併に類する分割型分割として政令で定めるもののうち適格分割型分割に該当するもの(第三項において「合併類似適格分割型分割」という。)をいう。以下この条において同じ。)が行われた場合において、当該適格合併等に係る被合併法人又は分割法人(以下この項において「被合併法人等」という。)の当該適格合併等の日前七年以内に開始した各事業年度(以下この項において「前七年内事業年度」という。)において生じた災害損失欠損金額(当該被合併法人等が災害損失欠損金額の生じた前七年内事業年度について第六項に規定する損失の額の計算に関する明細を記載した確定申告書を提出していることその他の政令で定める要件を満たしている場合における当該災害損失欠損金額に限るものとし、前項の規定により当該被合併法人等の前七年内事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたものを除く。以下この項において「未処理災害損失欠損金額」という。)があるときは、当該適格合併等に係る合併法人又は分割承継法人(以下この項において「合併法人等」という。)の当該適格合併等の日の属する事業年度(以下この項において「合併等事業年度」という。)以後の各事業年度における前項の規定の適用については、当該前七年内事業年度において生じた未処理災害損失欠損金額は、それぞれ当該未処理災害損失欠損金額の生じた前七年内事業年度開始の日の属する当該合併法人等の各事業年度(当該合併法人等の合併等事業年度開始の日以後に開始した当該被合併法人等の当該前七年内事業年度において生じた未処理災害損失欠損金額にあつては、当該合併等事業年度の前事業年度)において生じた災害損失欠損金額とみなす。
3合併類似適格分割型分割に係る分割法人の当該合併類似適格分割型分割の日の属する事業年度以後の各事業年度における第一項の規定の適用については、当該事業年度前の各事業年度において生じた災害損失欠損金額は、ないものとする。
4次の各号に規定する場合には、第一項の内国法人の当該各号に掲げる事業年度における同項の規定の適用については、当該各号に定める災害損失欠損金額は、ないものとする。
一連結法人である当該内国法人が当該内国法人を分割法人とする分割型分割(第五十七条第九項第一号イからハまでに掲げるものを除く。)を行つた場合の当該分割型分割の日の前日の属する事業年度以後の各事業年度 当該前日の属する事業年度前の各事業年度において生じた災害損失欠損金額
二連結子法人である当該内国法人が第五十七条第九項第二号に規定する最初連結親法人事業年度において当該内国法人を被合併法人とする合併(当該内国法人との間に連結完全支配関係がある他の連結法人を合併法人とするものに限るものとし、同号イ及びロに掲げるものを除く。)を行つた場合の当該合併の日の前日の属する事業年度 当該事業年度前の各事業年度において生じた災害損失欠損金額
三連結法人である当該内国法人が第十五条の二第一項(連結事業年度の意義)に規定する最初連結事業年度終了の日後に第四条の五第一項若しくは第二項(連結納税の承認の取消し)の規定により第四条の二(連結納税義務者)の承認を取り消された場合又は第四条の五第三項の承認を受けた場合の最終の連結事業年度後の各事業年度 当該連結事業年度前の各事業年度において生じた災害損失欠損金額
5連結子法人である内国法人が、第五十七条第十項に規定する連結法人単体事業年度において当該内国法人を第二項に規定する合併法人等とする適格合併等(当該内国法人との間に連結完全支配関係がない法人(連結欠損金額とみなされる災害損失欠損金額を有する法人として政令で定める法人を除く。以下この項において「非支配法人」という。)を第二項に規定する被合併法人等とするものに限る。)を行つた場合には、当該非支配法人の同項に規定する未処理災害損失欠損金額については、同項の規定は、適用しない。
6第一項の規定は、同項の内国法人が災害損失欠損金額(第二項の規定により当該内国法人の災害損失欠損金額とみなされたものを除く。)の生じた事業年度について第一項に規定する損失の額の計算に関する明細を記載した確定申告書を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出している場合(第二項の規定により当該内国法人の災害損失欠損金額とみなされたものにつき第一項の規定を適用する場合にあつては、第二項の合併等事業年度の確定申告書を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出している場合)に限り、適用する。
7第二項の合併法人等が適格合併等により設立された法人である場合における第一項の規定の適用その他同項から第五項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(会社更生等による債務免除等があつた場合の欠損金の損金算入)
第五十九条内国法人について会社更生法又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(第三号において「会社更生法等」という。)の規定による更生手続開始の決定があつた場合において、その内国法人が次の各号に掲げる場合に該当するときは、その該当することとなつた日の属する事業年度(以下この項において「適用年度」という。)前の各事業年度において生じた欠損金額(連結事業年度において生じた第八十一条の十八第一項(連結法人税の個別帰属額の計算)に規定する個別欠損金額(当該連結事業年度に連結欠損金額が生じた場合には、当該連結欠損金額のうち当該内国法人に帰せられる金額を加算した金額)を含む。)で政令で定めるものに相当する金額のうち当該各号に定める金額の合計額に達するまでの金額は、当該適用年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
一当該更生手続開始の決定があつた時においてその内国法人に対し政令で定める債権を有する者(当該内国法人との間に連結完全支配関係がある連結法人を除く。)から当該債権につき債務の免除を受けた場合(当該債権が債務の免除以外の事由により消滅した場合でその消滅した債務に係る利益の額が生ずるときを含む。) その債務の免除を受けた金額(当該利益の額を含む。)
二当該更生手続開始の決定があつたことに伴いその内国法人の役員等(役員若しくは株主等である者又はこれらであつた者をいい、当該内国法人との間に連結完全支配関係がある連結法人を除く。次項第二号において同じ。)から金銭その他の資産の贈与を受けた場合 その贈与を受けた金銭の額及び金銭以外の資産の価額
2内国法人について民事再生法の規定による再生手続開始の決定があつたことその他これに準ずる政令で定める事実が生じた場合において、その内国法人が次の各号に掲げる場合に該当するときは、その該当することとなつた日の属する事業年度(第三号に掲げる場合に該当する場合には、その該当することとなつた事業年度。以下この項において「適用年度」という。)前の各事業年度において生じた欠損金額(連結事業年度において生じた第八十一条の十八第一項に規定する個別欠損金額(当該連結事業年度に連結欠損金額が生じた場合には、当該連結欠損金額のうち当該内国法人に帰せられる金額を加算した金額)を含む。)で政令で定めるものに相当する金額のうち当該各号に定める金額の合計額(当該合計額がこの項(第三号に掲げる場合に該当する場合には、第五十七条第一項(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し)及び前条第一項並びにこの項)の規定を適用しないものとして計算した場合における当該適用年度の所得の金額を超える場合には、その超える部分の金額を控除した金額)に達するまでの金額は、当該適用年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
一これらの事実の生じた時においてその内国法人に対し政令で定める債権を有する者(当該内国法人との間に連結完全支配関係がある連結法人を除く。)から当該債権につき債務の免除を受けた場合(当該債権が債務の免除以外の事由により消滅した場合でその消滅した債務に係る利益の額が生ずるときを含む。) その債務の免除を受けた金額(当該利益の額を含む。)
二これらの事実が生じたことに伴いその内国法人の役員等から金銭その他の資産の贈与を受けた場合 その贈与を受けた金銭の額及び金銭以外の資産の価額
三第二十五条第三項又は第三十三条第三項の規定の適用を受ける場合 第二十五条第三項の規定により当該適用年度の所得の金額の計算上益金の額に算入される金額から第三十三条第三項の規定により当該適用年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される金額を減算した金額
3前二項の規定は、確定申告書にこれらの規定に規定する欠損金額に相当する金額の損金算入に関する明細の記載があり、かつ、財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
4税務署長は、前項の記載又は書類の添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載又は書類の添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項又は第二項の規定を適用することができる。
第九目 契約者配当等
(保険会社の契約者配当の損金算入)
第六十条保険業法に規定する保険会社が各事業年度において保険契約に基づき保険契約者に対して分配する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。ただし、当該分配する金額が政令で定める金額を超える場合は、その超える部分の金額については、この限りでない。
2前項の保険会社は、確定申告書に同項の規定により損金の額に算入される金額の計算に関する明細を記載した書類を添附しなければならない。
(協同組合等の事業分量配当等の損金算入)
第六十条の二協同組合等が各事業年度の決算の確定の時にその支出すべき旨を決議する次に掲げる金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
一その組合員その他の構成員に対しその者が当該事業年度中に取り扱つた物の数量、価額その他その協同組合等の事業を利用した分量に応じて分配する金額
二その組合員その他の構成員に対しその者が当該事業年度中にその協同組合等の事業に従事した程度に応じて分配する金額
2前項の規定は、確定申告書に同項各号に掲げる金額の損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
3税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
第十目 特定株主等によつて支配された欠損等法人の資産の譲渡等損失額
(特定株主等によつて支配された欠損等法人の資産の譲渡等損失額の損金不算入)
第六十条の三第五十七条の二第一項(dayonwhichthecorporationbecamesubjecttocontrol)に規定する欠損等法人(同項に規定する欠損等連結法人にあつては、同項に規定する特定支配日において第八十一条の九の二第一項(特定株主等によつて支配された欠損等連結法人の連結欠損金の繰越しの不適用)に規定する評価損資産その他政令で定める資産を有していたものに限る。以下この項及び次項において「欠損等法人」という。)の第五十七条の二第一項に規定する適用事業年度又は第八十一条の九の二第一項に規定する適用連結事業年度(以下この項において「適用事業年度等」という。)開始の日から同日以後三年を経過する日(その経過する日が第五十七条の二第一項に規定する特定支配日(当該欠損等連結法人にあつては、第八十一条の九の二第一項に規定する特定支配日)以後五年を経過する日後となる場合にあつては、同日)までの期間(当該期間に終了する各事業年度において、第六十一条の十一第一項(連結納税の開始に伴う資産の時価評価損益)若しくは第六十一条の十二第一項(連結納税への加入に伴う資産の時価評価損益)又は第六十二条の九第一項(非適格株式交換等に係る株式交換完全子法人等の有する資産の時価評価損益)の規定の適用を受ける場合には、当該適用事業年度等の開始の日から第六十一条の十一第一項に規定する連結開始直前事業年度若しくは第六十一条の十二第一項に規定する連結加入直前事業年度又は第六十二条の九第一項の規定の適用を受ける事業年度終了の日までの期間。以下この項及び次項において「適用期間」という。)において生ずる特定資産(当該欠損等法人が当該特定支配日において有する資産及び当該欠損等法人が当該適用事業年度等の開始の日以後に行われる第五十七条の二第一項に規定する他の者を分割法人若しくは現物出資法人とする適格分割若しくは適格現物出資又は同項第三号に規定する関連者を被合併法人、分割法人若しくは現物出資法人とする適格合併、適格分割若しくは適格現物出資により移転を受けた資産のうち、政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)の譲渡、評価換え、貸倒れ、除却その他これらに類する事由(以下この項において「譲渡等特定事由」という。)による損失の額(当該譲渡等特定事由が生じた日の属する事業年度の適用期間において生ずる特定資産の譲渡又は評価換えによる利益の額がある場合には、当該利益の額を控除した金額。第三項において「譲渡等損失額」という。)は、当該欠損等法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
2欠損等法人がその適用期間内に自己を被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人とする適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この条において「適格組織再編成」という。)によりその有する特定資産(第五十七条の二第一項に規定する評価損資産に該当するものに限る。)を当該適格組織再編成に係る合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(以下この条において「合併法人等」という。)に移転した場合には、当該合併法人等を前項の規定の適用を受ける欠損等法人とみなして、同項の規定を適用する。
3前項の合併法人等が適格組織再編成により移転を受けた特定資産に係る譲渡等損失額の計算その他第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第五款 利益の額又は損失の額の計算
第一目 短期売買商品の譲渡損益及び時価評価損益
(短期売買商品の譲渡損益及び時価評価損益の益金又は損金算入)
第六十一条内国法人が短期売買商品(短期的な価格の変動を利用して利益を得る目的で取得した資産として政令で定めるもの(有価証券を除く。)をいう。以下この条において同じ。)の譲渡(当該短期売買商品が合併、分割又は適格現物出資により合併法人、分割承継法人又は被現物出資法人に移転をする場合における当該移転を除く。以下この項において同じ。)をした場合には、その譲渡に係る譲渡利益額(第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。)又は譲渡損失額(同号に掲げる金額が第一号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。)は、その譲渡に係る契約をした日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
一その短期売買商品の譲渡に係る対価の額
二その短期売買商品の譲渡に係る原価の額(その短期売買商品についてその内国法人が選定した一単位当たりの帳簿価額の算出の方法により算出した金額(算出の方法を選定しなかつた場合又は選定した方法により算出しなかつた場合には、算出の方法のうち政令で定める方法により算出した金額)にその譲渡をした短期売買商品の数量を乗じて計算した金額をいう。)
2内国法人が事業年度終了の時において有する短期売買商品については、時価法(事業年度終了の時において有する短期売買商品をその種類及び銘柄(以下この項において「種類等」という。)の異なるごとに区別し、その種類等の同じものについて、その時における価額として政令で定めるところにより計算した金額をもつて当該短期売買商品のその時における評価額とする方法をいう。)により評価した金額(次項において「時価評価金額」という。)をもつて、その時における評価額とする。
3内国法人が事業年度終了の時において短期売買商品を有する場合には、当該短期売買商品に係る評価益(当該短期売買商品の時価評価金額が当該短期売買商品のその時における帳簿価額(以下この項において「期末帳簿価額」という。)を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。)又は評価損(当該短期売買商品の期末帳簿価額が当該短期売買商品の時価評価金額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。)は、第二十五条第一項(資産の評価益の益金不算入)又は第三十三条第一項(資産の評価損の損金不算入)の規定にかかわらず、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
4内国法人が、短期売買商品を有する場合において、第一項に規定する目的で短期売買商品の売買を行う業務の全部を廃止したときは、その廃止した時において、その短期売買商品をその時における価額により譲渡し、かつ、短期売買商品以外の資産をその価額により取得したものとみなして、その内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。
5短期売買商品の一単位当たりの帳簿価額の算出の基礎となる取得価額の算出の方法、短期売買商品の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法の種類、その算出の方法の選定の手続、第三項に規定する評価益又は評価損の翌事業年度における処理その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第一目の二 有価証券の譲渡損益及び時価評価損益
(有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入)
第六十一条の二内国法人が有価証券の譲渡(当該有価証券が合併、分割又は適格現物出資により合併法人、分割承継法人又は被現物出資法人に移転する場合における当該移転を除く。以下この条において同じ。)をした場合には、その譲渡に係る譲渡利益額(第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。)又は譲渡損失額(同号に掲げる金額が第一号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。)は、その譲渡に係る契約をした日(その譲渡が剰余金の配当その他の財務省令で定める事由によるものである場合には、当該剰余金の配当の効力が生ずる日その他の財務省令で定める日)の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
一その有価証券の譲渡に係る対価の額(第二十四条第一項(配当等の額とみなす金額)の規定により第二十三条第一項第一号(受取配当等の益金不算入)に掲げる金額とみなされる金額がある場合には、そのみなされる金額に相当する金額を控除した金額)
二その有価証券の譲渡に係る原価の額(その有価証券についてその内国法人が選定した一単位当たりの帳簿価額の算出の方法により算出した金額(算出の方法を選定しなかつた場合又は選定した方法により算出しなかつた場合には、算出の方法のうち政令で定める方法により算出した金額)にその譲渡をした有価証券の数を乗じて計算した金額をいう。)
2内国法人が旧株(当該内国法人が有していた株式(出資を含む。以下この条において同じ。)をいう。)を発行した法人の合併(当該法人の株主等に合併法人の株式又は合併法人との間に当該合併法人の発行済株式若しくは出資(自己が有する自己の株式を除く。以下この条において「発行済株式等」という。)の全部を保有する関係として政令で定める関係がある法人の株式のいずれか一方の株式以外の資産(当該株主等に対する第二条第十二号の八(定義)に規定する剰余金の配当等として交付された金銭その他の資産及び合併に反対する当該株主等に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されなかつたものに限る。)により当該株式の交付を受けた場合における前項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該旧株の当該合併の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
3合併法人は、第二十四条第二項に規定する場合においても、その有する同項に規定する抱合株式に対し同項に規定する株式割当等を受けたものとみなして、前二項の規定を適用する。
4内国法人が旧株(当該内国法人が有していた株式をいう。以下この項において同じ。)を発行した法人の行つた分割型分割により分割承継法人の株式その他の資産の交付を受けた場合には、当該旧株のうち当該分割型分割により当該分割承継法人に移転した資産及び負債に対応する部分の譲渡を行つたものとみなして、第一項の規定を適用する。この場合において、その分割型分割(分割法人の株主等に分割承継法人の株式又は分割承継法人との間に当該分割承継法人の発行済株式等の全部を保有する関係として政令で定める関係がある法人(以下この項において「親法人」という。)の株式のいずれか一方の株式以外の資産(当該株主等に対する第二条第十二号の八に規定する剰余金の配当等として交付された同条第十二号の九に規定する分割対価資産以外の金銭その他の資産を除く。)が交付されなかつたもの(以下この項において「金銭等不交付分割型分割」という。)を除く。)により分割承継法人の株式その他の資産の交付を受けたときにおける第一項の規定の適用については、同項第二号に掲げる金額は、その旧株の当該分割型分割の直前の帳簿価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「分割純資産対応帳簿価額」という。)とし、その分割型分割(金銭等不交付分割型分割に限る。)により分割承継法人の株式又は親法人の株式の交付を受けたときにおける第一項の規定の適用については、同項各号に掲げる金額は、いずれもその旧株の当該分割型分割の直前の分割純資産対応帳簿価額とする。
5内国法人が第六十二条の二第二項(適格合併及び適格分割型分割による資産等の帳簿価額による引継ぎ)の規定により同項に規定する株主等に同項に規定する株式又は合併親法人株式を交付したものとされる場合における第一項の規定の適用については、同項各号に掲げる金額は、いずれも同条第二項に規定する政令で定める金額に相当する金額とする。
6内国法人が自己を分割法人とする適格分割型分割により当該適格分割型分割に係る分割承継法人の株式又は第二条第十二号の十一に規定する分割承継親法人株式(第八項において「分割承継親法人株式」という。)を当該内国法人の株主等に交付した場合における第一項の規定の適用については、同項各号に掲げる金額は、いずれも第六十二条の二第三項に規定する政令で定める金額に相当する金額とする。
7内国法人が自己を合併法人とする適格合併により第二条第十二号の八に規定する合併親法人株式を交付した場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該合併親法人株式の当該適格合併の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
8内国法人が自己を分割承継法人とする適格分割により分割承継親法人株式を交付した場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該分割承継親法人株式の当該適格分割の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
9内国法人が旧株(当該内国法人が有していた株式をいう。)を発行した法人の行つた株式交換(当該法人の株主に株式交換完全親法人の株式又は株式交換完全親法人との間に当該株式交換完全親法人の発行済株式等の全部を保有する関係として政令で定める関係がある法人の株式のいずれか一方の株式以外の資産(当該株主に対する剰余金の配当として交付された金銭その他の資産及び株式交換に反対する当該株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されなかつたものに限る。)により当該株式の交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該旧株の当該株式交換の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
10内国法人が自己を株式交換完全親法人とする適格株式交換により第二条第十二号の十六に規定する株式交換完全支配親法人株式を交付した場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該株式交換完全支配親法人株式の当該適格株式交換の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
11内国法人が旧株(当該内国法人が有していた株式をいう。)を発行した法人の行つた株式移転(当該法人の株主に株式移転完全親法人の株式以外の資産(株式移転に反対する当該株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されなかつたものに限る。)により当該株式の交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該旧株の当該株式移転の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
12内国法人がその有する新株予約権(新株予約権付社債を含む。以下この項において「旧新株予約権等」という。)を発行した法人を被合併法人、分割法人、株式交換完全子法人又は株式移転完全子法人とする合併、分割、株式交換又は株式移転(以下この項において「合併等」という。)により当該旧新株予約権等に代えて当該合併等に係る合併法人、分割承継法人、株式交換完全親法人又は株式移転完全親法人の新株予約権(新株予約権付社債を含む。)のみの交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該旧新株予約権等の当該合併等の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
13内国法人が旧株(当該内国法人が有していた株式をいう。)を発行した法人の行つた組織変更(当該法人の株主等に当該法人の株式のみが交付されたものに限る。)に際して当該法人の株式の交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該旧株の当該組織変更の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
14内国法人が次の各号に掲げる有価証券を当該各号に定める事由により譲渡をし、かつ、当該事由により当該各号に規定する取得をする法人の株式又は新株予約権の交付を受けた場合(当該交付を受けた株式又は新株予約権の価額が当該譲渡をした有価証券の価額とおおむね同額となつていないと認められる場合を除く。)における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該各号に掲げる有価証券の当該譲渡の直前の帳簿価額(第四号に掲げる有価証券にあつては、同号の新株予約権付社債の当該譲渡の直前の帳簿価額)に相当する金額とする。
一取得請求権付株式(法人がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主等が当該法人に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合の当該株式をいう。) 当該取得請求権付株式に係る請求権の行使によりその取得の対価として当該取得をする法人の株式のみが交付される場合の当該請求権の行使
二取得条項付株式(法人がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該法人が一定の事由(以下この号において「取得事由」という。)が発生したことを条件として当該株式の取得をすることができる旨の定めを設けている場合の当該株式をいう。) 当該取得条項付株式に係る取得事由の発生によりその取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式のみが交付される場合(その取得の対象となつた種類の株式のすべてが取得をされる場合には、その取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式及び新株予約権のみが交付される場合を含む。)の当該取得事由の発生
三全部取得条項付種類株式(ある種類の株式について、これを発行した法人が株主総会その他これに類するものの決議(以下この号において「取得決議」という。)によつてその全部の取得をする旨の定めがある場合の当該種類の株式をいう。) 当該全部取得条項付種類株式に係る取得決議によりその取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式(当該株式と併せて交付される当該取得をする法人の新株予約権を含む。)以外の資産(当該取得の価格の決定の申立てに基づいて交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されない場合の当該取得決議
四新株予約権付社債についての社債 当該新株予約権付社債に付された新株予約権の行使によりその取得の対価として当該取得をする法人の株式が交付される場合の当該新株予約権の行使
五取得条項付新株予約権(新株予約権について、これを発行した法人が一定の事由(以下この号において「取得事由」という。)が発生したことを条件としてこれを取得することができる旨の定めがある場合の当該新株予約権をいう。以下この号において同じ。)又は取得条項付新株予約権が付された新株予約権付社債 これらの取得条項付新株予約権に係る取得事由の発生によりその取得の対価として当該取得をされる新株予約権者に当該取得をする法人の株式のみが交付される場合の当該取得事由の発生
15内国法人が旧受益権(当該内国法人が有していた集団投資信託の受益権をいう。)に係る信託の併合(当該集団投資信託の受益者に当該信託の併合に係る新たな信託の受益権以外の資産(信託の併合に反対する当該受益者に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されなかつたものに限る。)により当該受益権の交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該旧受益権の当該信託の併合の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
16内国法人が旧受益権(当該内国法人が有していた集団投資信託の受益権をいう。以下この項において同じ。)に係る信託の分割により承継信託(信託の分割により受託者を同一とする他の信託からその信託財産の一部の移転を受ける信託をいう。以下この項において同じ。)の受益権その他の資産の交付を受けた場合には、当該旧受益権のうち当該信託の分割により当該承継信託に移転した資産及び負債に対応する部分の譲渡を行つたものとみなして、第一項の規定を適用する。この場合において、その信託の分割(分割信託(信託の分割によりその信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託又は新たな信託の信託財産として移転する信託をいう。)の受益者に承継信託の受益権以外の資産(信託の分割に反対する当該受益者に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されたもの(以下この項において「金銭等交付分割」という。)に限る。)により承継信託の受益権その他の資産の交付を受けたときにおける第一項の規定の適用については、同項第二号に掲げる金額は、その旧受益権の当該信託の分割の直前の帳簿価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「分割純資産対応帳簿価額」という。)とし、その信託の分割(金銭等交付分割を除く。)により承継信託の受益権の交付を受けたときにおける第一項の規定の適用については、同項各号に掲げる金額は、いずれもその旧受益権の当該信託の分割の直前の分割純資産対応帳簿価額とする。
17内国法人が所有株式(当該内国法人が有する株式をいう。)を発行した法人の第二十四条第一項第三号に規定する資本の払戻し又は解散による残余財産の一部の分配(以下この項において「払戻し等」という。)として金銭その他の資産の交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第二号に掲げる金額は、当該所有株式の払戻し等の直前の帳簿価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額とする。
18内国法人がその出資(口数の定めがないものに限る。以下この項において「所有出資」という。)を有する法人の出資の払戻し(以下この項において「払戻し」という。)として金銭その他の資産の交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第二号に掲げる金額は、当該払戻しの直前の当該所有出資の帳簿価額に当該払戻しの直前の当該所有出資の金額のうちに当該払戻しに係る出資の金額の占める割合を乗じて計算した金額に相当する金額とする。
19内国法人が、有価証券の空売り(有価証券を有しないでその売付けをし、その後にその有価証券と銘柄を同じくする有価証券の買戻しをして決済をする取引その他財務省令で定める取引をいい、次項に規定する信用取引及び発行日取引に該当するものを除く。)の方法により、有価証券の売付けをし、その後にその有価証券と銘柄を同じくする有価証券の買戻しをして決済をした場合における第一項の規定の適用については、同項に規定する譲渡利益額は第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額とし、同項に規定する譲渡損失額は同号に掲げる金額が第一号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額とし、同項に規定する譲渡に係る契約をした日はその決済に係る買戻しの契約をした日とする。
一その売付けをした有価証券の一単位当たりの譲渡に係る対価の額を算出する方法として政令で定める方法により算出した金額にその買戻しをした有価証券の数を乗じて計算した金額
二その買戻しをした有価証券のその買戻しに係る対価の額
20内国法人が、金融商品取引法第百五十六条の二十四第一項(免許及び免許の申請)に規定する信用取引又は発行日取引(有価証券が発行される前にその有価証券の売買を行う取引であつて財務省令で定める取引をいう。)の方法により、株式の売付け又は買付けをし、その後にその株式と銘柄を同じくする株式の買付け又は売付けをして決済をした場合における第一項の規定の適用については、同項に規定する譲渡利益額は第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額とし、同項に規定する譲渡損失額は同号に掲げる金額が第一号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額とし、同項に規定する譲渡に係る契約をした日はその決済に係る買付け又は売付けの契約をした日とする。
一その売付けをした株式のその売付けに係る対価の額
二その買付けをした株式のその買付けに係る対価の額
21内国法人が次条第一項第一号に規定する売買目的有価証券、社債、株式等の振替に関する法律第九十条第一項(定義)に規定する分離適格振替国債である有価証券その他の政令で定める有価証券(以下この項において「特定有価証券」という。)を有する場合において、その特定有価証券について、同号に規定する目的で有価証券の売買を行う業務の全部を廃止したこと、同条第一項に規定する元利分離が行われたことその他の政令で定める事実が生じたときは、政令で定めるところにより、当該事実が生じた時において、当該特定有価証券を譲渡し、かつ、当該特定有価証券以外の有価証券を取得したものとみなして、その内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。
22内国法人が、自己を合併法人、分割承継法人又は株式交換完全親法人とする合併、分割又は株式交換(以下この項において「合併等」という。)により親法人株式(その内国法人との間に当該内国法人の発行済株式等の全部を保有する関係として政令で定める関係がある法人に該当することが当該合併等に係る契約をする日(以下この項において「契約日」という。)において見込まれる法人の株式をいう。以下この項において同じ。)を交付しようとする場合において、契約日に親法人株式を有していたとき、又は契約日後に当該内国法人を合併法人とする適格合併その他の政令で定める事由により親法人株式の移転を受けたときは、当該契約日又は当該移転を受けた日(以下この項において「契約日等」という。)において、これらの親法人株式(その交付しようとすることが見込まれる数を超える部分の数として政令で定める数に相当するものを除く。以下この項において同じ。)を当該契約日等における価額により譲渡し、かつ、これらの親法人株式をその価額により取得したものとみなして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。
23有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の基礎となる取得価額の算出の方法、有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法の種類、その算出の方法の選定の手続その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(売買目的有価証券の評価益又は評価損の益金又は損金算入等)
第六十一条の三内国法人が事業年度終了の時において有する有価証券については、次の各号に掲げる有価証券の区分に応じ当該各号に定める金額をもつて、その時における評価額とする。
一売買目的有価証券(短期的な価格の変動を利用して利益を得る目的で取得した有価証券として政令で定めるものをいう。以下この項及び次項において同じ。) 当該売買目的有価証券を時価法(事業年度終了の時において有する有価証券を銘柄の異なるごとに区別し、その銘柄の同じものについて、その時における価額として政令で定めるところにより計算した金額をもつて当該有価証券のその時における評価額とする方法をいう。)により評価した金額(次項において「時価評価金額」という。)
二売買目的外有価証券(売買目的有価証券以外の有価証券をいう。) 当該売買目的外有価証券を原価法(事業年度終了の時において有する有価証券(以下この号において「期末保有有価証券」という。)について、その時における帳簿価額(償還期限及び償還金額の定めのある有価証券にあつては、政令で定めるところにより当該帳簿価額と当該償還金額との差額のうち当該事業年度に配分すべき金額を加算し、又は減算した金額)をもつて当該期末保有有価証券のその時における評価額とする方法をいう。)により評価した金額
2内国法人が事業年度終了の時において売買目的有価証券を有する場合には、当該売買目的有価証券に係る評価益(当該売買目的有価証券の時価評価金額が当該売買目的有価証券のその時における帳簿価額(以下この項において「期末帳簿価額」という。)を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。)又は評価損(当該売買目的有価証券の期末帳簿価額が当該売買目的有価証券の時価評価金額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。)は、第二十五条第一項(資産の評価益の益金不算入)又は第三十三条第一項(資産の評価損の損金不算入)の規定にかかわらず、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
3前項に規定する評価益又は評価損の翌事業年度における処理その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(有価証券の空売り等に係る利益相当額又は損失相当額の益金又は損金算入等)
第六十一条の四内国法人が第六十一条の二第十九項(有価証券の空売りをした場合の譲渡利益額又は譲渡損失額の計算)に規定する有価証券の空売り、同条第二十項に規定する信用取引(次項において「信用取引」という。)、同条第二十項に規定する発行日取引(次項において「発行日取引」という。)又は金融商品取引法第二条第八項第六号(定義)に規定する有価証券の引受け(前条第一項第二号に規定する売買目的外有価証券の取得を目的とするものを除く。)を行つた場合において、これらの取引のうち事業年度終了の時において決済されていないものがあるときは、その時においてこれらの取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額又は損失の額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
2内国法人が信用取引等(信用取引(買付けに限る。)及び発行日取引(買付けに限る。)をいう。以下この項において同じ。)に係る契約に基づき有価証券を取得した場合(第六十一条の六第一項(繰延ヘッジ処理による利益額又は損失額の繰延べ)の規定の適用を受ける信用取引等に係る契約に基づき当該有価証券を取得した場合を除く。)には、その取得の時における当該有価証券の価額とその取得の基因となつた信用取引等に係る契約に基づき当該有価証券の取得の対価として支払つた金額との差額は、当該取得の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
3第一項の利益の額又は損失の額に相当する金額の翌事業年度における処理その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第二目 デリバティブ取引に係る利益相当額又は損失相当額
(デリバティブ取引に係る利益相当額又は損失相当額の益金又は損金算入等)
第六十一条の五内国法人がデリバティブ取引(金利、通貨の価格、商品の価格その他の指標の数値としてあらかじめ当事者間で約定された数値と将来の一定の時期における現実の当該指標の数値との差に基づいて算出される金銭の授受を約する取引又はこれに類似する取引であつて、財務省令で定めるものをいう。以下この項及び次項において同じ。)を行つた場合において、当該デリバティブ取引のうち事業年度終了の時において決済されていないもの(第六十一条の八第二項(先物外国為替契約等により円換算額を確定させた外貨建取引の換算)の規定の適用を受ける場合における同項に規定する先物外国為替契約等に基づくものその他財務省令で定める取引を除く。以下この項において「未決済デリバティブ取引」という。)があるときは、その時において当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額又は損失の額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
2内国法人がデリバティブ取引に係る契約に基づき金銭以外の資産を取得した場合(次条第一項の規定の適用を受けるデリバティブ取引に係る契約に基づき当該資産を取得した場合を除く。)には、その取得の時における当該資産の価額とその取得の基因となつたデリバティブ取引に係る契約に基づき当該資産の取得の対価として支払つた金額との差額は、当該取得の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
3第一項の利益の額又は損失の額に相当する金額の翌事業年度における処理その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第三目 ヘッジ処理による利益額又は損失額の計上時期等
(繰延ヘッジ処理による利益額又は損失額の繰延べ)
第六十一条の六内国法人が次に掲げる損失の額(以下この項及び第三項において「ヘッジ対象資産等損失額」という。)を減少させるためにデリバティブ取引等を行つた場合(次条第一項の規定の適用がある場合を除くものとし、当該デリバティブ取引等が当該ヘッジ対象資産等損失額を減少させるために行つたものである旨その他財務省令で定める事項を財務省令で定めるところにより帳簿書類に記載した場合に限る。)において、当該デリバティブ取引等を行つた時から事業年度終了の時までの間において当該ヘッジ対象資産等損失額を減少させようとする第一号に規定する資産若しくは負債又は第二号に規定する金銭につき譲渡若しくは消滅又は受取若しくは支払がなく、かつ、当該デリバティブ取引等が当該ヘッジ対象資産等損失額を減少させるために有効であると認められる場合として政令で定める場合に該当するときは、当該デリバティブ取引等に係る利益額又は損失額(当該デリバティブ取引等の決済によつて生じた利益の額又は損失の額(第四項において「決済損益額」という。)、第六十一条の四第一項(有価証券の空売り等に係る利益相当額又は損失相当額の益金又は損金算入等)に規定する利益の額又は損失の額に相当する金額、前条第一項に規定する利益の額又は損失の額に相当する金額及び第六十一条の九第二項(外貨建資産等の期末換算差額の益金又は損金算入)に規定する差額に相当する金額をいう。)のうち当該ヘッジ対象資産等損失額を減少させるために有効である部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額は、第六十一条の四第一項、前条第一項及び第六十一条の九第二項の規定にかかわらず、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入しない。
一資産(第六十一条第一項(短期売買商品の譲渡損益及び時価評価損益の益金又は損金算入)に規定する短期売買商品及び第六十一条の三第一項第一号(売買目的有価証券の評価益又は評価損の益金又は損金算入等)に規定する売買目的有価証券を除く。次号において同じ。)又は負債の価額の変動(第六十一条の九第一項第一号ロに規定する期末時換算法により第六十一条の八第一項(外貨建取引の換算)に規定する円換算額への換算をする第六十一条の九第一項各号に掲げる資産又は負債(次号において「期末時換算資産等」という。)の価額の外国為替の売買相場の変動に基因する変動を除く。)に伴つて生ずるおそれのある損失
二資産の取得若しくは譲渡、負債の発生若しくは消滅、金利の受取若しくは支払その他これらに準ずるものに係る決済により受け取ることとなり、又は支払うこととなる金銭の額の変動(期末時換算資産等に係る外国為替の売買相場の変動に基因する変動を除く。)に伴つて生ずるおそれのある損失
2前項に規定するデリバティブ取引等とは、次に掲げる取引(第六十一条の八第二項の規定の適用を受ける場合における同項に規定する先物外国為替契約等に基づくもの及び前条第一項に規定する財務省令で定める取引を除く。)をいう。
一前条第一項に規定するデリバティブ取引
二第六十一条の二第十九項(有価証券の空売りをした場合の譲渡利益額又は譲渡損失額の計算)に規定する有価証券の空売り並びに同条第二十項に規定する信用取引及び発行日取引
三第六十一条の九第二項に規定する外貨建資産等を取得し、又は発生させる取引
3内国法人が、適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(第六十一条の八までにおいて「適格組織再編成」という。)により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人(第六十一条の八までにおいて「被合併法人等」という。)からヘッジ対象資産等損失額を減少させるために行つた第一項に規定するデリバティブ取引等(以下この項において「デリバティブ取引等」という。)に係る契約の移転を受け、かつ、当該適格組織再編成により第一項第一号に規定する資産若しくは負債(当該デリバティブ取引等によりヘッジ対象資産等損失額を減少させようとするものに限る。)の移転を受け、又は同項第二号に規定する金銭(当該デリバティブ取引等によりヘッジ対象資産等損失額を減少させようとするものに限る。)を受け取り、若しくは支払うこととなつた場合(同項の規定の適用を受けた当該適格組織再編成に係る被合併法人等が当該適格組織再編成前にヘッジ対象資産等損失額を減少させるために行つたデリバティブ取引等の決済をしていた場合には、当該適格組織再編成により当該被合併法人等から同項第一号に規定する資産若しくは負債(当該デリバティブ取引等によりヘッジ対象資産等損失額を減少させようとしていたものに限る。)の移転を受け、又は同項第二号に規定する金銭(当該デリバティブ取引等によりヘッジ対象資産等損失額を減少させようとしていたものに限る。)を受け取り、若しくは支払うこととなつた場合)において、当該被合併法人等が当該契約の移転をしたデリバティブ取引等(当該決済をしていた場合には、当該決済をしたデリバティブ取引等。以下この項において同じ。)につき第一項に規定する旨その他同項に規定する事項を同項に規定する財務省令で定めるところにより帳簿書類に記載していたときは、当該適格組織再編成の日の属する事業年度以後の各事業年度におけるこの条の規定の適用については、当該内国法人が当該適格組織再編成により移転を受けた同項第一号に規定する資産若しくは負債又は当該適格組織再編成により受け取り、若しくは支払うこととなつた同項第二号に規定する金銭に係るヘッジ対象資産等損失額を減少させるために当該デリバティブ取引等を行い、かつ、当該記載をしていたものとみなす。
4決済損益額のうち第一項に規定する政令で定めるところにより計算した金額の翌事業年度以後の各事業年度における処理その他前三項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(時価ヘッジ処理による売買目的外有価証券の評価益又は評価損の計上)
第六十一条の七内国法人がその有する売買目的外有価証券(第六十一条の三第一項第二号(売買目的有価証券の評価益又は評価損の益金又は損金算入等)に規定する売買目的外有価証券をいう。以下この条において同じ。)の価額の変動(第六十一条の九第一項第一号ロ(外貨建資産等の期末換算差益又は期末換算差損の益金又は損金算入等)に規定する期末時換算法により次条第一項に規定する円換算額(以下この項において「円換算額」という。)への換算をする第六十一条の九第一項第二号ロに掲げる有価証券の価額の外国為替の売買相場の変動に基因する変動を除く。)により生ずるおそれのある損失の額(以下この条において「ヘッジ対象有価証券損失額」という。)を減少させるためにデリバティブ取引等(前条第二項に規定するデリバティブ取引等をいう。以下この条において同じ。)を行つた場合(当該売買目的外有価証券を政令で定めるところにより評価し、又は円換算額に換算する旨その他財務省令で定める事項を財務省令で定めるところにより帳簿書類に記載した場合に限る。)において、当該デリバティブ取引等を行つた時から事業年度終了の時までの間に当該売買目的外有価証券の譲渡がなく、かつ、当該デリバティブ取引等が当該ヘッジ対象有価証券損失額を減少させるために有効であると認められる場合として政令で定める場合に該当するときは、当該売買目的外有価証券の価額と帳簿価額との差額のうち当該デリバティブ取引等に係る前条第一項に規定する利益額又は損失額に対応する部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額又は益金の額に算入する。
2内国法人が、適格組織再編成により被合併法人等からヘッジ対象有価証券損失額を減少させるために行つたデリバティブ取引等に係る契約の移転を受け、かつ、当該適格組織再編成により売買目的外有価証券(当該デリバティブ取引等によりヘッジ対象有価証券損失額を減少させようとするものに限る。)の移転を受けた場合(前項の規定の適用を受けた当該適格組織再編成に係る被合併法人等が当該適格組織再編成前にヘッジ対象有価証券損失額を減少させるために行つたデリバティブ取引等の決済をしていた場合には、当該適格組織再編成により当該被合併法人等から売買目的外有価証券(当該デリバティブ取引等によりヘッジ対象有価証券損失額を減少させようとしていたものに限る。)の移転を受けた場合)において、当該被合併法人等が当該契約の移転をしたデリバティブ取引等(当該決済をしていた場合には、当該決済をしたデリバティブ取引等。以下この項において同じ。)につき前項に規定する旨その他同項に規定する事項を同項に規定する財務省令で定めるところにより帳簿書類に記載していたときは、当該適格組織再編成の日の属する事業年度以後の各事業年度におけるこの条の規定の適用については、当該内国法人が当該適格組織再編成により移転を受けた売買目的外有価証券に係るヘッジ対象有価証券損失額を減少させるために当該デリバティブ取引等を行い、かつ、当該記載をしていたものとみなす。
3第一項に規定する政令で定めるところにより計算した金額の翌事業年度における処理その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第四目 外貨建取引の換算等
(外貨建取引の換算)
第六十一条の八内国法人が外貨建取引(外国通貨で支払が行われる資産の販売及び購入、役務の提供、金銭の貸付け及び借入れ、剰余金の配当その他の取引をいう。以下この目において同じ。)を行つた場合には、当該外貨建取引の金額の円換算額(外国通貨で表示された金額を本邦通貨表示の金額に換算した金額をいう。以下この目において同じ。)は、当該外貨建取引を行つた時における外国為替の売買相場により換算した金額とする。
2内国法人が先物外国為替契約等(外貨建取引によつて取得し、又は発生する資産又は負債の金額の円換算額を確定させる契約として財務省令で定めるものをいう。以下この目において同じ。)により外貨建取引(第六十一条第一項(短期売買商品の譲渡損益及び時価評価損益の益金又は損金算入)に規定する短期売買商品又は第六十一条の三第一項第一号(売買目的有価証券の評価益又は評価損の益金又は損金算入等)に規定する売買目的有価証券の取得及び譲渡を除く。次項において同じ。)によつて取得し、又は発生する資産又は負債の金額の円換算額を確定させた場合において、当該先物外国為替契約等の締結の日においてその旨を財務省令で定めるところにより帳簿書類に記載したときは、当該資産又は負債については、当該円換算額をもつて、前項の規定により換算した金額とする。
3内国法人が、適格組織再編成により被合併法人等から外貨建取引によつて取得し、又は発生する資産又は負債の金額の円換算額を確定させるために当該被合併法人等が行つた先物外国為替契約等の移転を受け、かつ、当該適格組織再編成により当該外貨建取引(当該先物外国為替契約等によりその金額の円換算額を確定させようとする当該資産又は負債の取得又は発生の基因となるものに限る。)を当該内国法人が行うこととなつた場合において、当該被合併法人等が当該先物外国為替契約等につきその締結の日において前項に規定する旨を同項に規定する財務省令で定めるところにより帳簿書類に記載していたときは、当該適格組織再編成の日の属する事業年度以後の各事業年度におけるこの条の規定の適用については、当該内国法人が当該資産又は負債の金額の円換算額を確定させるために当該先物外国為替契約等を締結し、かつ、当該記載をしていたものとみなす。
4前三項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(外貨建資産等の期末換算差益又は期末換算差損の益金又は損金算入等)
第六十一条の九内国法人が事業年度終了の時において次に掲げる資産及び負債(以下この目において「外貨建資産等」という。)を有する場合には、その時における当該外貨建資産等の金額の円換算額は、当該外貨建資産等の次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める方法(第一号、第二号ロ及び第三号に掲げる外貨建資産等にあつては、これらの規定に定める方法のうち当該内国法人が選定した方法とし、当該内国法人がその方法を選定しなかつた場合には、これらの規定に定める方法のうち政令で定める方法とする。)により換算した金額とする。
一外貨建債権(外国通貨で支払を受けるべきこととされている金銭債権をいう。)及び外貨建債務(外国通貨で支払を行うべきこととされている金銭債務をいう。) イ又はロに掲げる方法
イ発生時換算法(事業年度終了の時(以下この号において「期末時」という。)において有する外貨建資産等について、前条第一項の規定により当該外貨建資産等の取得又は発生の基因となつた外貨建取引の金額の円換算額への換算に用いた外国為替の売買相場により換算した金額(当該外貨建資産等のうち、その取得又は発生の基因となつた外貨建取引の金額の円換算額への換算に当たつて同条第二項の規定の適用を受けたものについては、先物外国為替契約等により確定させた円換算額)をもつて当該外貨建資産等の当該期末時における円換算額とする方法をいう。次号及び第三号において同じ。)
ロ期末時換算法(期末時において有する外貨建資産等について、当該期末時における外国為替の売買相場により換算した金額(当該外貨建資産等のうち、その取得又は発生の基因となつた外貨建取引の金額の円換算額への換算に当たつて前条第二項の規定の適用を受けたものについては、先物外国為替契約等により確定させた円換算額)をもつて当該外貨建資産等の当該期末時における円換算額とする方法をいう。以下この項及び次項において同じ。)
二外貨建有価証券(償還、払戻しその他これらに準ずるものが外国通貨で行われる有価証券として財務省令で定めるものをいう。) 次に掲げる有価証券の区分に応じそれぞれ次に定める方法
イ第六十一条の三第一項第一号(売買目的有価証券の評価益又は評価損の益金又は損金算入等)に規定する売買目的有価証券 期末時換算法
ロ第六十一条の三第一項第二号に規定する売買目的外有価証券(償還期限及び償還金額の定めのあるものに限る。) 発生時換算法又は期末時換算法
ハイ及びロに掲げる有価証券以外の有価証券 発生時換算法
三外貨預金 発生時換算法又は期末時換算法
四外国通貨 期末時換算法
2内国法人が事業年度終了の時において外貨建資産等(期末時換算法によりその金額の円換算額への換算をするものに限る。以下この項において同じ。)を有する場合には、当該外貨建資産等の金額を期末時換算法により換算した金額と当該外貨建資産等のその時の帳簿価額との差額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
3外国為替の売買相場が著しく変動した場合の外貨建資産等の金額の円換算額への換算、外貨建資産等の金額を円換算額に換算する方法の選定の手続、前項の差額に相当する金額の翌事業年度における処理その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(為替予約差額の配分)
第六十一条の十内国法人が事業年度終了の時において有する外貨建資産等(第六十一条の三第一項第一号(売買目的有価証券の評価益又は評価損の益金又は損金算入等)に規定する売買目的有価証券を除く。第四項までにおいて同じ。)について、その取得又は発生の基因となつた外貨建取引の金額の円換算額への換算に当たつて第六十一条の八第二項(先物外国為替契約等により円換算額を確定させた外貨建取引の換算)の規定の適用を受けたときは、当該外貨建資産等に係る先物外国為替契約等の締結の日(その日が当該外貨建資産等の取得又は発生の基因となつた外貨建取引を行つた日前である場合には、当該外貨建取引を行つた日)の属する事業年度から当該外貨建資産等の決済による本邦通貨の受取又は支払をする日の属する事業年度までの各事業年度の所得の金額の計算上、為替予約差額(当該外貨建資産等の金額を先物外国為替契約等により確定させた円換算額と当該金額を当該外貨建資産等の取得又は発生の基因となつた外貨建取引を行つた時における外国為替の売買相場により換算した金額との差額をいう。)のうち当該各事業年度に配分すべき金額として政令で定めるところにより計算した金額(次項において「為替予約差額配分額」という。)は、益金の額又は損金の額に算入する。
2内国法人が、適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項及び次項において「適格分社型分割等」という。)により分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(次項において「分割承継法人等」という。)に外貨建資産等(その取得又は発生の基因となつた外貨建取引の金額の円換算額への換算に当たつて第六十一条の八第二項の規定の適用を受けたものに限る。以下この項において同じ。)及び当該外貨建資産等の金額の円換算額を確定させた先物外国為替契約等を移転した場合には、当該適格分社型分割等の日の前日を事業年度終了の日とした場合に前項の規定により計算される為替予約差額配分額に相当する金額は、当該適格分社型分割等の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
3外貨建資産等が短期外貨建資産等(当該外貨建資産等のうち、その決済による本邦通貨の受取又は支払の期限が当該事業年度終了の日(当該外貨建資産等が適格分社型分割等により分割承継法人等に移転するものである場合にあつては、当該適格分社型分割等の日の前日)の翌日から一年を経過した日の前日までに到来するものをいう。)である場合には、第一項に規定する為替予約差額は、同項の規定にかかわらず、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入することができる。
4内国法人が、適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項において「適格組織再編成」という。)により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人(以下この項において「被合併法人等」という。)から外貨建資産等(その取得又は発生の基因となつた外貨建取引の金額の円換算額への換算に当たつて当該被合併法人等が第六十一条の八第二項の規定の適用を受けたものに限る。)及び当該外貨建資産等の金額の円換算額を確定させた先物外国為替契約等の移転を受けた場合には、当該適格組織再編成の日の属する事業年度以後の各事業年度におけるこの条の規定の適用については、当該内国法人が当該外貨建資産等の取得又は発生の基因となつた外貨建取引の金額の円換算額への換算に当たつて同項の規定の適用を受けていたものとみなす。
5第三項の規定の適用を受けようとする場合の手続その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第六款 組織再編成に係る所得の金額の計算
(合併及び分割による資産等の時価による譲渡)
第六十二条内国法人が合併又は分割により合併法人又は分割承継法人にその有する資産及び負債の移転をしたときは、当該合併法人又は分割承継法人に当該移転をした資産及び負債の当該合併又は分割の時の価額による譲渡をしたものとして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。この場合においては、当該合併により当該資産及び負債の移転をした当該内国法人(資本又は出資を有しないものを除く。)は、当該合併法人から新株等(当該合併法人が当該合併により交付した当該合併法人の株式(出資を含む。以下この項及び次条において同じ。)その他の資産(第六十一条の二第三項(有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入)に規定する場合において同項の規定により同項に規定する株式割当等を受けたものとみなされる当該合併法人の株式その他の資産を含む。)をいう。)をその時の価額により取得し、直ちに当該新株等を当該内国法人の株主等に交付したものとする。
2合併又は分割型分割により合併法人又は分割承継法人に移転をした資産及び負債の当該移転による譲渡に係る譲渡利益額(当該譲渡に係る対価の額が原価の額を超える場合における当該超える部分の金額をいう。)又は譲渡損失額(当該譲渡に係る原価の額が対価の額を超える場合における当該超える部分の金額をいう。)は、当該合併又は分割型分割に係る最後事業年度(被合併法人の合併の日の前日の属する事業年度をいう。次条第一項において同じ。)又は分割前事業年度(分割法人の分割型分割の日の前日の属する事業年度をいう。次条第一項において同じ。)の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
3前項に規定する原価の額の計算その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(適格合併及び適格分割型分割による資産等の帳簿価額による引継ぎ)
第六十二条の二内国法人が適格合併又は適格分割型分割により合併法人又は分割承継法人にその有する資産及び負債の移転をしたときは、前条第一項及び第二項の規定にかかわらず、当該合併法人又は分割承継法人に当該移転をした資産及び負債の当該適格合併又は適格分割型分割に係る最後事業年度又は分割前事業年度終了の時の帳簿価額として政令で定める金額による引継ぎをしたものとして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。
2前項(適格合併に係る部分に限る。)の場合においては、同項の適格合併(同項の合併法人が資本又は出資を有しない法人である場合における当該適格合併を除く。)によりその有する資産及び負債の移転をした内国法人(資本又は出資を有しないものを除く。)は、前条第一項後段の規定にかかわらず、前項の合併法人から当該合併法人の株式又は第二条第十二号の八(定義)に規定する合併親法人株式(第六十一条の二第三項(有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入)に規定する場合において同項の規定により同項に規定する株式割当等を受けたものとみなされる当該合併法人の株式又は当該合併親法人株式を含む。)を当該適格合併により移転をした資産及び負債の帳簿価額を基礎として政令で定める金額により取得し、直ちに当該株式又は当該合併親法人株式を当該内国法人の株主等に交付したものとする。
3第一項(適格分割型分割に係る部分に限る。)の場合においては、同項の内国法人が同項の分割承継法人から交付を受けた当該分割承継法人の株式又は第二条第十二号の十一に規定する分割承継親法人株式の当該交付の時の価額は、当該適格分割型分割により移転をした資産及び負債の帳簿価額を基礎として政令で定める金額とする。
4合併法人又は分割承継法人が引継ぎを受ける資産及び負債の価額その他前三項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(適格分社型分割による資産等の帳簿価額による譲渡)
第六十二条の三内国法人が適格分社型分割により分割承継法人にその有する資産及び負債の移転をしたときは、第六十二条第一項(合併及び分割による資産等の時価による譲渡)の規定にかかわらず、当該分割承継法人に当該移転をした資産及び負債の当該適格分社型分割の直前の帳簿価額による譲渡をしたものとして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。
2分割承継法人の資産及び負債の取得価額その他前項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(適格現物出資による資産等の帳簿価額による譲渡)
第六十二条の四内国法人が適格現物出資により被現物出資法人にその有する資産の移転をし、又はこれと併せてその有する負債の移転をしたときは、当該被現物出資法人に当該移転をした資産及び負債の当該適格現物出資の直前の帳簿価額による譲渡をしたものとして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。
2被現物出資法人の資産及び負債の取得価額その他前項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(適格事後設立による資産等の時価による譲渡と株式の帳簿価額修正益又は帳簿価額修正損の益金又は損金算入)
第六十二条の五内国法人が適格事後設立により被事後設立法人にその有する資産の移転をし、又はこれと併せてその有する負債の移転をしたときは、当該移転による譲渡の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、帳簿価額修正益(当該移転をした資産及び負債の当該譲渡に係る原価等の額(原価の額及びその他の費用の額の合計額をいう。以下この項において同じ。)が対価の額を超える場合における当該超える部分の金額に相当する金額をいう。次項において同じ。)又は帳簿価額修正損(当該移転をした資産及び負債の当該譲渡に係る対価の額が原価等の額を超える場合における当該超える部分の金額に相当する金額をいう。次項において同じ。)を益金の額又は損金の額に算入する。
2前項の場合においては、同項の内国法人の有する適格事後設立に係る被事後設立法人の株式(出資を含む。次条第一項において同じ。)の前項に規定する譲渡の時の帳簿価額に帳簿価額修正益に相当する金額を加算し、又は当該帳簿価額から帳簿価額修正損に相当する金額を減算する。
3被事後設立法人の資産及び負債の帳簿価額その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(株式等を分割法人と分割法人の株主等とに交付する分割)
第六十二条の六分割法人が分割により交付を受ける分割承継法人の株式その他の資産の一部のみを当該分割法人の株主等に交付をする分割が行われたときは、分割型分割と分社型分割の双方が行われたものとみなして、この法律の規定を適用する。
2前項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入)
第六十二条の七内国法人と特定資本関係法人(当該内国法人との間に特定資本関係(第五十七条第三項(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し)に規定する特定資本関係をいう。以下この条において同じ。)がある法人をいう。)との間で当該内国法人を合併法人、分割承継法人又は被現物出資法人とする特定適格合併等(適格合併、適格分割又は適格現物出資のうち、第五十七条第五項に規定する共同で事業を営むための適格合併等として政令で定めるものに該当しないものをいう。以下この条において同じ。)が行われた場合において、当該特定資本関係が当該内国法人の当該特定適格合併等の日の属する事業年度(以下この項において「特定適格合併等事業年度」という。)開始の日の五年前の日以後に生じているときは、当該内国法人の適用期間(当該特定適格合併等事業年度開始の日から同日以後三年を経過する日(その経過する日が当該特定資本関係が生じた日以後五年を経過する日後となる場合にあつては、その五年を経過する日)までの期間(当該期間に終了する各事業年度において第六十一条の十一第一項(連結納税の開始に伴う資産の時価評価損益)若しくは第六十一条の十二第一項(連結納税への加入に伴う資産の時価評価損益)又は第六十二条の九第一項(非適格株式交換等に係る株式交換完全子法人等の有する資産の時価評価損益)の規定の適用を受ける場合には、当該特定適格合併等事業年度開始の日から第六十一条の十一第一項に規定する連結開始直前事業年度若しくは第六十一条の十二第一項に規定する連結加入直前事業年度又は第六十二条の九第一項の規定の適用を受ける事業年度終了の日までの期間)をいう。)において生ずる特定資産譲渡等損失額は、当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
2前項に規定する特定資産譲渡等損失額とは、次に掲げる金額の合計額をいう。
一前項の内国法人が同項の特定資本関係法人から特定適格合併等により移転を受けた資産で当該特定資本関係法人が当該特定資本関係が生じた日(次号において「特定資本関係発生日」という。)前から有していたもの(政令で定めるものを除く。以下この号において「特定引継資産」という。)の譲渡、評価換え、貸倒れ、除却その他これらに類する事由による損失の額の合計額から特定引継資産の譲渡又は評価換えによる利益の額の合計額を控除した金額
二前項の内国法人が特定資本関係発生日前から有していた資産(政令で定めるものを除く。以下この号において「特定保有資産」という。)の譲渡、評価換え、貸倒れ、除却その他これらに類する事由による損失の額の合計額から特定保有資産の譲渡又は評価換えによる利益の額の合計額を控除した金額
3前二項の規定は、特定資本関係がある被合併法人等(被合併法人、分割法人及び現物出資法人をいう。以下この項において同じ。)と他の被合併法人等との間で法人を設立する特定適格合併等が行われた場合において、当該特定資本関係が当該特定適格合併等の日の五年前の日以後に生じているときについて準用する。この場合において、第一項中「当該内国法人の適用期間」とあるのは「当該特定適格合併等により設立された内国法人の適用期間」と、前項第一号中「同項の特定資本関係法人から特定適格合併等」とあるのは「特定適格合併等に係る次項に規定する被合併法人等(次号に規定する他の被合併法人等を除く。)から当該特定適格合併等」と、「当該特定資本関係法人」とあるのは「当該被合併法人等」と、同項第二号中「特定資本関係発生日前から有していた資産」とあるのは「特定適格合併等に係る他の被合併法人等から当該特定適格合併等により移転を受けた資産で当該他の被合併法人等が当該特定資本関係発生日前から有していたもの」と読み替えるものとする。
4第一項に規定する特定資本関係法人又は前項に規定する被合併法人等が特定適格合併等の直前において第六十条の三第一項(特定株主等によつて支配された欠損等法人の資産の譲渡等損失額の損金不算入)に規定する欠損等法人(次項及び第六項において「欠損等法人」という。)であり、かつ、当該特定適格合併等が同条第一項に規定する適用期間内に行われるものであるときは、第一項の内国法人が当該特定資本関係法人又は当該被合併法人等から当該特定適格合併等により移転を受けた資産については、当該特定適格合併等に係る同項(前項において準用する場合を含む。第六項において同じ。)の規定は、適用しない。
5第一項の内国法人が欠損等法人であり、かつ、特定適格合併等が第六十条の三第一項に規定する適用期間内に行われるものであるときは、当該内国法人が有する資産については、当該特定適格合併等に係る第一項の規定は、適用しない。
6第一項の内国法人が特定適格合併等後に欠損等法人となり、かつ、第六十条の三第一項に規定する適用期間が開始したときは、第一項に規定する適用期間は、同条第一項に規定する適用期間開始の日の前日に終了するものとする。
7連結子法人である内国法人が、第五十七条第十項に規定する連結法人単体事業年度において特定適格合併等(当該内国法人を合併法人又は分割承継法人とする適格合併又は適格分割で、当該内国法人との間に連結完全支配関係がない法人(同項第一号に規定する政令で定める法人を除く。)を被合併法人又は分割法人とするものに限る。)を行つた場合には、当該内国法人の第二項第二号に規定する特定保有資産については、当該特定適格合併等に係る第一項の規定は、適用しない。
8第二項第一号に規定する損失の額の計算その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(非適格合併等により移転を受ける資産等に係る調整勘定の損金算入等)
第六十二条の八内国法人が非適格合併等(適格合併に該当しない合併又は適格分割に該当しない分割、適格現物出資に該当しない現物出資若しくは事業の譲受けのうち、政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)により当該非適格合併等に係る被合併法人、分割法人、現物出資法人その他政令で定める法人(以下この条において「被合併法人等」という。)から資産又は負債の移転を受けた場合において、当該内国法人が当該非適格合併等により交付した金銭の額及び金銭以外の資産(適格合併に該当しない合併にあつては、第六十二条第一項(合併及び分割による資産等の時価による譲渡)に規定する新株等)の価額の合計額(当該非適格合併等において当該被合併法人等から支出を受けた第三十七条第七項(寄附金の損金不算入)に規定する寄附金の額に相当する金額を含み、当該被合併法人等に対して支出をした同項に規定する寄附金の額に相当する金額を除く。第三項において「非適格合併等対価額」という。)が当該移転を受けた資産及び負債の時価純資産価額(当該資産(営業権にあつては、政令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)の取得価額の合計額から当該負債の額(次項に規定する負債調整勘定の金額を含む。以下この項において同じ。)の合計額を控除した金額をいう。第三項において同じ。)を超えるときは、その超える部分の金額(当該資産の取得価額の合計額が当該負債の額の合計額に満たない場合には、その満たない部分の金額を加算した金額)のうち政令で定める部分の金額は、資産調整勘定の金額とする。
2内国法人が非適格合併等により当該非適格合併等に係る被合併法人等から資産又は負債の移転を受けた場合において、次の各号に掲げる場合に該当するときは、当該各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を負債調整勘定の金額とする。
一当該内国法人が当該非適格合併等に伴い当該被合併法人等から引継ぎを受けた従業者につき退職給与債務引受け(非適格合併等後の退職その他の事由により当該非適格合併等に伴い引継ぎを受けた従業者に支給する退職給与の額につき、非適格合併等前における在職期間その他の勤務実績等を勘案して算定する旨を約し、かつ、これに伴う負担の引受けをすることをいう。以下この条において同じ。)をした場合 当該退職給与債務引受けに係る金額として政令で定める金額(第六項第一号において「退職給与債務引受額」という。)
二当該内国法人が当該非適格合併等により当該被合併法人等から移転を受けた事業に係る将来の債務(当該事業の利益に重大な影響を与えるものに限るものとし、前号の退職給与債務引受けに係るもの及び既にその履行をすべきことが確定しているものを除く。)で、その履行が当該非適格合併等の日からおおむね三年以内に見込まれるものについて、当該内国法人がその履行に係る負担の引受けをした場合 当該債務の額に相当する金額として政令で定める金額(第六項第二号において「短期重要債務見込額」という。)
3内国法人が非適格合併等により当該非適格合併等に係る被合併法人等から資産又は負債の移転を受けた場合において、当該非適格合併等に係る非適格合併等対価額が当該被合併法人等から移転を受けた資産及び負債の時価純資産価額に満たないときは、その満たない部分の金額は、負債調整勘定の金額とする。
4第一項の資産調整勘定の金額を有する内国法人は、各資産調整勘定の金額に係る当初計上額(非適格合併等の時に同項の規定により当該資産調整勘定の金額とするものとされた金額をいう。)を六十で除して計算した金額に当該事業年度の月数を乗じて計算した金額(当該内国法人が自己を被合併法人とする合併(適格合併を除く。)を行う場合にあつては、当該合併の日の前日の属する事業年度終了の時の金額)に相当する金額を、当該事業年度(当該内国法人が当該合併を行う場合にあつては、当該合併の日の前日の属する事業年度)において減額しなければならない。
5前項の規定により減額すべきこととなつた資産調整勘定の金額に相当する金額は、その減額すべきこととなつた日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
6第二項に規定する負債調整勘定の金額を有する内国法人は、次の各号に掲げる場合に該当する場合には、当該負債調整勘定の金額につき、その該当することとなつた日の属する事業年度(その該当することとなつた日が自己を被合併法人とする合併の日である場合には、当該合併の日の前日の属する事業年度)において当該各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を減額しなければならない。
一退職給与引受従業者(退職給与債務引受けの対象とされた第二項第一号に規定する従業者をいう。以下この号及び第九項において同じ。)が退職その他の事由により当該内国法人の従業者でなくなつた場合(当該退職給与引受従業者が、第九項第一号イ又は第二号イに規定する場合に該当する場合を除く。)又は退職給与引受従業者に対して退職給与を支給する場合 退職給与債務引受額に係る負債調整勘定の金額(第九項及び第十項において「退職給与負債調整勘定の金額」という。)のうちこれらの退職給与引受従業者に係る部分の金額として政令で定める金額
二短期重要債務見込額に係る損失が生じ、若しくは非適格合併等の日から三年が経過した場合又は自己を被合併法人とする合併(適格合併を除く。)を行う場合 当該短期重要債務見込額に係る負債調整勘定の金額(以下この条において「短期重要負債調整勘定の金額」という。)のうち当該損失の額に相当する金額(当該三年が経過した場合又は当該合併を行う場合にあつては、当該短期重要負債調整勘定の金額)
7第三項の負債調整勘定の金額(以下この条において「差額負債調整勘定の金額」という。)を有する内国法人は、各差額負債調整勘定の金額に係る当初計上額(非適格合併等の時に同項の規定により当該差額負債調整勘定の金額とするものとされた金額をいう。)を六十で除して計算した金額に当該事業年度の月数を乗じて計算した金額(当該内国法人が自己を被合併法人とする合併(適格合併を除く。)を行う場合にあつては、当該合併の日の前日の属する事業年度終了の時の金額)に相当する金額を、当該事業年度(当該内国法人が当該合併を行う場合にあつては、当該合併の日の前日の属する事業年度)において減額しなければならない。
8前二項の規定により減額すべきこととなつた負債調整勘定の金額に相当する金額は、その減額すべきこととなつた日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
9内国法人が自己を被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人とする適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この条において「適格組織再編成」という。)を行つた場合には、次の各号に掲げる適格組織再編成の区分に応じ、当該各号に定める資産調整勘定の金額及び負債調整勘定の金額は、当該適格組織再編成に係る合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(次項及び第十二項において「合併法人等」という。)に引き継ぐものとする。
一適格合併 当該適格合併の直前における資産調整勘定の金額及び次に掲げる負債調整勘定の金額
イ退職給与負債調整勘定の金額のうち、当該内国法人が当該適格合併を行つたことに伴いその退職給与引受従業者が当該適格合併に係る合併法人の業務に従事することとなつた場合(当該合併法人において退職給与債務引受けがされた場合に限る。)の当該退職給与引受従業者に係る部分の金額として政令で定める金額
ロ短期重要負債調整勘定の金額
ハ差額負債調整勘定の金額
二適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この号において「適格分割等」という。) 当該適格分割等の直前における次に掲げる負債調整勘定の金額
イ退職給与負債調整勘定の金額のうち、当該内国法人が当該適格分割等を行つたことに伴いその退職給与引受従業者が当該適格分割等に係る分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(イにおいて「分割承継法人等」という。)の業務に従事することとなつた場合(当該分割承継法人等において退職給与債務引受けがされた場合に限る。)の当該退職給与引受従業者に係る部分の金額として政令で定める金額
ロ当該適格分割等により移転する事業又は資産若しくは負債と密接な関連を有する短期重要負債調整勘定の金額として政令で定めるもの
10前項の規定により合併法人等が引継ぎを受けた資産調整勘定の金額並びに退職給与負債調整勘定の金額、短期重要負債調整勘定の金額及び差額負債調整勘定の金額は、それぞれ当該合併法人等が同項の適格組織再編成の時において有する資産調整勘定の金額並びに退職給与負債調整勘定の金額、短期重要負債調整勘定の金額及び差額負債調整勘定の金額とみなす。
11第四項及び第七項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
12前項に定めるもののほか、第十項の合併法人等が適格組織再編成により引継ぎを受けた資産調整勘定の金額につき第四項の規定により減額すべき金額の計算その他第一項から第十項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(非適格株式交換等に係る株式交換完全子法人等の有する資産の時価評価損益)
第六十二条の九内国法人が自己を株式交換完全子法人又は株式移転完全子法人とする株式交換又は株式移転(適格株式交換及び適格株式移転を除く。以下この項において「非適格株式交換等」という。)を行つた場合には、当該内国法人が当該非適格株式交換等の直前の時において有する時価評価資産(固定資産、土地(土地の上に存する権利を含み、固定資産に該当するものを除く。)、有価証券、金銭債権及び繰延資産で政令で定めるもの以外のものをいう。)の評価益(当該非適格株式交換等の直前の時の価額がその時の帳簿価額を超える場合のその超える部分の金額をいう。)又は評価損(当該非適格株式交換等の直前の時の帳簿価額がその時の価額を超える場合のその超える部分の金額をいう。)は、当該非適格株式交換等の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
2前項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第七款 収益及び費用の帰属事業年度の特例
(長期割賦販売等に係る収益及び費用の帰属事業年度)
第六十三条内国法人が、長期割賦販売等に該当する資産の販売若しくは譲渡、工事(製造を含む。)の請負又は役務の提供(次条第一項に規定する長期大規模工事の請負を除く。以下この条において「資産の販売等」という。)をした場合において、その資産の販売等に係る収益の額及び費用の額につき、その資産の販売等に係る目的物又は役務の引渡し又は提供の日の属する事業年度以後の各事業年度の確定した決算において政令で定める延払基準の方法により経理したときは、その経理した収益の額及び費用の額は、当該各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額及び損金の額に算入する。ただし、当該資産の販売等に係る収益の額及び費用の額につき、同日の属する事業年度後のいずれかの事業年度の確定した決算において当該延払基準の方法により経理しなかつた場合又は第三項若しくは第四項の規定の適用を受けた場合は、その経理しなかつた決算に係る事業年度後又はこれらの規定の適用を受けた事業年度後の事業年度については、この限りでない。
2内国法人が、第六十四条の二第三項(リース取引に係る所得の金額の計算)に規定するリース取引による同条第一項に規定するリース資産の引渡し(以下この条において「リース譲渡」という。)を行つた場合には、前項の規定にかかわらず、その対価の額を政令で定めるところにより利息に相当する部分とそれ以外の部分とに区分した場合における当該リース譲渡の日の属する事業年度以後の各事業年度の収益の額及び費用の額として政令で定める金額は、当該各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額及び損金の額に算入する。ただし、当該リース譲渡に係る収益の額及び費用の額につき、当該リース譲渡の日の属する事業年度後のいずれかの事業年度において次項又は第四項の規定の適用を受けた場合は、これらの規定の適用を受けた事業年度後の事業年度については、この限りでない。
3第六十一条の十一第一項(連結納税の開始に伴う資産の時価評価損益)に規定する他の内国法人のうち同項に規定する完全支配関係を有するもの又は第六十一条の十二第一項(連結納税への加入に伴う資産の時価評価損益)に規定する他の内国法人が第六十一条の十一第一項に規定する連結開始直前事業年度(以下この項において「連結開始直前事業年度」という。)又は第六十一条の十二第一項に規定する連結加入直前事業年度(以下この項において「連結加入直前事業年度」という。)において前二項の規定の適用を受けている場合には、その適用を受けている資産の販売等又はリース譲渡に係る収益の額及び費用の額(当該連結開始直前事業年度又は当該連結加入直前事業年度前の各事業年度又は各連結事業年度の所得の金額又は連結所得の金額の計算上益金の額及び損金の額に算入されるもの並びに前二項の規定により当該連結開始直前事業年度又は当該連結加入直前事業年度の所得の金額の計算上益金の額及び損金の額に算入されるものを除く。)は、当該収益の額と費用の額との差額が少額であるものとして政令で定める要件に該当する契約その他政令で定める契約に係るものを除き、当該連結開始直前事業年度又は当該連結加入直前事業年度の所得の金額の計算上、益金の額及び損金の額に算入する。
4前条第一項の内国法人が同項に規定する非適格株式交換等の日の属する事業年度(前項の規定の適用を受ける事業年度を除く。以下この項において「非適格株式交換等事業年度」という。)において第一項又は第二項の規定の適用を受けている場合には、その適用を受けている資産の販売等又はリース譲渡に係る収益の額及び費用の額(当該非適格株式交換等事業年度前の各事業年度又は各連結事業年度の所得の金額又は連結所得の金額の計算上益金の額及び損金の額に算入されるもの並びに第一項又は第二項の規定により当該非適格株式交換等事業年度の所得の金額の計算上益金の額及び損金の額に算入されるものを除く。)は、当該収益の額と費用の額との差額が少額であるものとして政令で定める要件に該当する契約その他政令で定める契約に係るものを除き、当該非適格株式交換等事業年度の所得の金額の計算上、益金の額及び損金の額に算入する。
5第一項又は第二項の規定の適用については、資産の販売等又はリース譲渡には、内国法人が当該内国法人との間に連結完全支配関係がある連結法人に対して行つた第六十一条の十三第一項(分割等前事業年度等における連結法人間取引の損益の調整)に規定する譲渡損益調整資産の販売又は譲渡(当該販売又は譲渡に伴つて同項又は第八十一条の十第一項(連結法人間取引の損益の調整)の規定の適用を受けたものに限る。)を含まないものとする。
6第一項に規定する長期割賦販売等とは、資産の販売等で次に掲げる要件に適合する条件を定めた契約に基づき当該条件により行われるもの及びリース譲渡をいう。
一月賦、年賦その他の賦払の方法により三回以上に分割して対価の支払を受けること。
二その資産の販売等に係る目的物又は役務の引渡し又は提供の期日の翌日から最後の賦払金の支払の期日までの期間が二年以上であること。
三その他政令で定める要件
7第二項の規定は、リース譲渡の日の属する事業年度の確定申告書に、同項に規定する収益の額及び費用の額として政令で定める金額の益金算入及び損金算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
8税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第二項の規定を適用することができる。
9適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立が行われた場合における第一項に規定する長期割賦販売等に該当する資産の販売等に係る収益の額及び費用の額の処理の特例その他同項から第五項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度)
第六十四条内国法人が、長期大規模工事(工事(製造及びソフトウエアの開発を含む。以下この条において同じ。)のうち、その着手の日から当該工事に係る契約において定められている目的物の引渡しの期日までの期間が一年以上であること、政令で定める大規模な工事であることその他政令で定める要件に該当するものをいう。以下この条において同じ。)の請負をしたときは、その着手の日の属する事業年度からその目的物の引渡しの日の属する事業年度の前事業年度までの各事業年度の所得の金額の計算上、その長期大規模工事の請負に係る収益の額及び費用の額のうち、当該各事業年度の収益の額及び費用の額として政令で定める工事進行基準の方法により計算した金額を、益金の額及び損金の額に算入する。
2内国法人が、工事(その着手の日の属する事業年度(以下この項において「着工事業年度」という。)中にその目的物の引渡しが行われないものに限るものとし、長期大規模工事に該当するものを除く。以下この条において同じ。)の請負をした場合において、その工事の請負に係る収益の額及び費用の額につき、着工事業年度からその工事の目的物の引渡しの日の属する事業年度の前事業年度までの各事業年度の確定した決算において政令で定める工事進行基準の方法により経理したときは、その経理した収益の額及び費用の額は、当該各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額及び損金の額に算入する。ただし、その工事の請負に係る収益の額及び費用の額につき、着工事業年度後のいずれかの事業年度の確定した決算において当該工事進行基準の方法により経理しなかつた場合には、その経理しなかつた決算に係る事業年度の翌事業年度以後の事業年度については、この限りでない。
3適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立が行われた場合における長期大規模工事又は工事の請負に係る収益の額及び費用の額の処理の特例その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第八款 リース取引
(リース取引に係る所得の金額の計算)
第六十四条の二内国法人がリース取引を行つた場合には、そのリース取引の目的となる資産(以下この項において「リース資産」という。)の賃貸人から賃借人への引渡しの時に当該リース資産の売買があつたものとして、当該賃貸人又は賃借人である内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。
2内国法人が譲受人から譲渡人に対する賃貸(リース取引に該当するものに限る。)を条件に資産の売買を行つた場合において、当該資産の種類、当該売買及び賃貸に至るまでの事情その他の状況に照らし、これら一連の取引が実質的に金銭の貸借であると認められるときは、当該資産の売買はなかつたものとし、かつ、当該譲受人から当該譲渡人に対する金銭の貸付けがあつたものとして、当該譲受人又は譲渡人である内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。
3前二項に規定するリース取引とは、資産の賃貸借(所有権が移転しない土地の賃貸借その他の政令で定めるものを除く。)で、次に掲げる要件に該当するものをいう。
一当該賃貸借に係る契約が、賃貸借期間の中途においてその解除をすることができないものであること又はこれに準ずるものであること。
二当該賃貸借に係る賃借人が当該賃貸借に係る資産からもたらされる経済的な利益を実質的に享受することができ、かつ、当該資産の使用に伴つて生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているものであること。
4前項第二号の資産の使用に伴つて生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているかどうかの判定その他前三項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める
第九款 法人課税信託に係る所得の金額の計算
第六十四条の三第二条第二十九号ハ(定義)に規定する特定受益証券発行信託が法人課税信託に該当することとなつた場合には、その該当することとなつた時の直前の未分配利益の額に相当する金額として政令で定める金額は、当該法人課税信託に係る受託法人(第四条の七(受託法人等に関するこの法律の適用)に規定する受託法人をいう。以下この条において同じ。)のその該当することとなつた日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
2内国法人が法人課税信託(第二条第二十九号の二ロに掲げる信託に限る。)の第十二条第一項(信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属)に規定する受益者(同条第二項の規定により同条第一項に規定する受益者とみなされる者を含むものとし、清算中における受益者を除く。)となつたことにより当該法人課税信託が同号ロに掲げる信託に該当しないこととなつた場合(同号イ又はハに掲げる信託に該当する場合を除く。)には、その受託法人からその信託財産に属する資産及び負債のその該当しないこととなつた時の直前の帳簿価額による引継ぎを受けたものとして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。
3前項の内国法人が同項の規定により資産及び負債の引継ぎを受けたものとされた場合におけるその引継ぎにより生じた収益の額又は損失の額は、当該内国法人のその引継ぎを受けた日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入しない。
4法人課税信託に係る受託法人が当該法人課税信託の受託者の変更により当該法人課税信託に係る資産及び負債の移転をしたときは、当該変更後の受託者に当該移転をした資産及び負債の当該変更の直前の帳簿価額による引継ぎをしたものとして、当該受託法人の各事業年度の所得の金額を計算する。
5前項の規定により同項の変更後の受託者が引継ぎを受ける資産及び負債の価額その他受託法人又はその受益者の各事業年度の所得の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
第十款 公益法人等が普通法人に移行する場合の所得の金額の計算
第六十四条の四一般社団法人若しくは一般財団法人又は医療法人(公益法人等に限る。次項において「特定公益法人等」という。)である内国法人が普通法人に該当することとなつた場合には、その内国法人のその該当することとなつた日(以下この項及び第三項において「移行日」という。)前の収益事業以外の事業から生じた所得の金額の累積額として政令で定めるところにより計算した金額(第三項において「累積所得金額」という。)又は当該移行日前の収益事業以外の事業から生じた欠損金額の累積額として政令で定めるところにより計算した金額(第三項において「累積欠損金額」という。)に相当する金額は、当該内国法人の当該移行日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
2特定公益法人等を被合併法人とし、普通法人である内国法人を合併法人とする適格合併が行われた場合には、当該被合併法人の当該適格合併前の収益事業以外の事業から生じた所得の金額の累積額として政令で定めるところにより計算した金額(次項において「合併前累積所得金額」という。)又は当該適格合併前の収益事業以外の事業から生じた欠損金額の累積額として政令で定めるところにより計算した金額(次項において「合併前累積欠損金額」という。)に相当する金額は、当該内国法人の当該適格合併の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
3第一項の内国法人が公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成十八年法律第四十九号)第二十九条第一項又は第二項(公益認定の取消し)の規定によりこれらの規定に規定する公益認定を取り消されたことにより普通法人に該当することとなつた法人である場合、前項の内国法人が公益社団法人又は公益財団法人を被合併法人とする同項に規定する適格合併に係る合併法人である場合その他の政令で定める場合に該当する場合における前二項の規定の適用については、移行日又は当該適格合併の日以後に公益の目的のために支出される金額として政令で定める金額に相当する金額は、政令で定めるところにより、累積所得金額若しくは合併前累積所得金額から控除し、又は累積欠損金額若しくは合併前累積欠損金額に加算する。
4前項の規定は、確定申告書に同項に規定する政令で定める金額及びその計算に関する明細の記載があり、かつ、財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
5税務署長は、前項の記載又は書類の添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載又は添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第三項の規定を適用することができる。
6前二項に定めるもののほか、第三項に規定する政令で定める金額を支出した事業年度における処理その他第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第十一款 各事業年度の所得の金額の計算の細目
(各事業年度の所得の金額の計算の細目)
第六十五条第二款から前款まで(所得の金額の計算)に定めるもののほか、各事業年度の所得の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
第二節 税額の計算
第一款 税率
(各事業年度の所得に対する法人税の税率)
第六十六条内国法人である普通法人、一般社団法人等(別表第二に掲げる一般社団法人及び一般財団法人並びに公益社団法人及び公益財団法人をいう。次項及び第三項において同じ。)又は人格のない社団等に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、各事業年度の所得の金額に百分の三十の税率を乗じて計算した金額とする。
2前項の場合において、普通法人のうち各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資金の額が一億円以下であるもの若しくは資本若しくは出資を有しないもの(保険業法に規定する相互会社を除く。)、一般社団法人等又は人格のない社団等の各事業年度の所得の金額のうち年八百万円以下の金額については、同項の規定にかかわらず、百分の二十二の税率による。
3公益法人等(一般社団法人等を除く。)又は協同組合等に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、各事業年度の所得の金額に百分の二十二の税率を乗じて計算した金額とする。
4事業年度が一年に満たない法人に対する第二項の規定の適用については、同項中「年八百万円」とあるのは、「八百万円を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」とする。
5前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
6第四条の七(受託法人等に関するこの法律の適用)に規定する受託法人については、第二項の規定は、適用しない。
(特定同族会社の特別税率)
第六十七条内国法人である特定同族会社(被支配会社で、被支配会社であることについての判定の基礎となつた株主等のうちに被支配会社でない法人がある場合には、当該法人をその判定の基礎となる株主等から除外して判定するものとした場合においても被支配会社となるもの(資本金の額又は出資金の額が一億円以下であるものを除く。)をいう。以下この条において同じ。)の各事業年度の留保金額が留保控除額を超える場合には、その特定同族会社に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、前条第一項又は第二項の規定にかかわらず、これらの規定により計算した法人税の額に、その超える部分の留保金額を次の各号に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に当該各号に定める割合を乗じて計算した金額の合計額を加算した金額とする。
一年三千万円以下の金額 百分の十
二年三千万円を超え、年一億円以下の金額 百分の十五
三年一億円を超える金額 百分の二十
2前項に規定する被支配会社とは、会社の株主等(その会社が自己の株式又は出資を有する場合のその会社を除く。)の一人並びにこれと政令で定める特殊の関係のある個人及び法人がその会社の発行済株式又は出資(その会社が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の百分の五十を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合その他政令で定める場合におけるその会社をいう。
3第一項に規定する留保金額とは、次に掲げる金額の合計額(第五項において「所得等の金額」という。)のうち留保した金額から、当該事業年度の所得の金額につき前条第一項又は第二項の規定により計算した法人税の額(次条から第七十条の二まで(税額控除)の規定により控除する金額がある場合には、当該金額を控除した金額)並びに当該法人税の額に係る地方税法の規定による道府県民税及び市町村民税(都民税を含む。)の額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額を控除した金額をいう。
一当該事業年度の所得の金額(第六十二条第二項(合併及び分割による資産等の時価による譲渡)に規定する最後事業年度又は分割前事業年度にあつては、同項の規定を適用しないで計算した場合における所得の金額)
二第二十三条(受取配当等の益金不算入)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入されなかつた金額(連結法人である特定同族会社が他の連結法人(当該特定同族会社との間に連結完全支配関係があるものに限る。)から受ける配当等の額に係るもののうち政令で定めるものを除く。)
三第二十六条第一項(還付金等の益金不算入)に規定する還付を受け又は充当される金額(同項第一号に係る部分の金額を除く。)、同条第二項に規定する減額された部分として政令で定める金額、その受け取る附帯税(利子税を除く。以下この号において同じ。)の負担額及び附帯税の負担額の減少額並びに同条第五項に規定する還付を受ける金額
四第五十七条(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し)、第五十八条(青色申告書を提出しなかつた事業年度の災害による損失金の繰越し)又は第五十九条(会社更生等による債務免除等があつた場合の欠損金の損金算入)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された金額
4特定同族会社の前項に規定する留保した金額の計算については、当該特定同族会社による剰余金の配当又は利益の配当(その支払に係る決議の日がその支払に係る基準日の属する事業年度終了の日の翌日から当該基準日の属する事業年度に係る決算の確定の日までの期間内にあるもの(政令で定めるものを除く。)に限る。)の額(当該剰余金の配当又は利益の配当が金銭以外の資産によるものである場合には、当該資産の当該基準日の属する事業年度終了の時における帳簿価額(当該資産が当該基準日の属する事業年度終了の日後に取得したものである場合にあつては、その取得価額)に相当する金額)は、当該基準日の属する事業年度に支払われたものとする。
5第一項に規定する留保控除額とは、次に掲げる金額のうち最も多い金額をいう。
一当該事業年度の所得等の金額の百分の四十に相当する金額
二年二千万円
三当該事業年度終了の時における利益積立金額(当該事業年度の所得等の金額に係る部分の金額を除く。)がその時における資本金の額又は出資金の額の百分の二十五に相当する金額に満たない場合におけるその満たない部分の金額に相当する金額
6事業年度が一年に満たない特定同族会社に対する第一項及び前項の規定の適用については、第一項中「年三千万円」とあるのは「三千万円を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」と、「年一億円」とあるのは「一億円を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」と、前項中「年二千万円」とあるのは「二千万円を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」とする。
7前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
8第一項の場合において、会社が同項の特定同族会社に該当するかどうかの判定は、当該会社の当該事業年度終了の時の現況による。
9第三項に規定する留保した金額から除く金額その他第一項から第五項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第二款 税額控除
(所得税額の控除)
第六十八条内国法人が各事業年度において所得税法第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に規定する利子等、配当等、給付補てん金、利息、利益、差益、利益の分配又は賞金(以下この条において「利子及び配当等」という。)の支払を受ける場合には、これらにつき同法の規定により課される所得税の額は、政令で定めるところにより、当該事業年度の所得に対する法人税の額から控除する。
2前項の規定は、内国法人である公益法人等又は人格のない社団等が支払を受ける利子及び配当等で収益事業以外の事業又はこれに属する資産から生ずるものにつき課される同項の所得税の額については、適用しない。
3第一項の規定は、確定申告書に同項の規定による控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定による控除をされるべき金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。
4税務署長は、第一項に規定する所得税の額の全部又は一部につき前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載がなかつた金額につき第一項の規定を適用することができる。
(外国税額の控除)
第六十九条内国法人が各事業年度において外国法人税(外国の法令により課される法人税に相当する税で政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)を納付することとなる場合(内国法人が通常行われる取引と認められないものとして政令で定める取引に基因して生じた所得に対する外国法人税を納付することとなる場合を除く。)には、当該事業年度の所得の金額につき第六十六条第一項から第三項まで(各事業年度の所得に対する法人税の税率)の規定を適用して計算した金額のうち当該事業年度の所得でその源泉が国外にあるものに対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額(以下この条において「控除限度額」という。)を限度として、その外国法人税の額(その所得に対する負担が高率な部分として政令で定める金額を除く。以下この条において「控除対象外国法人税の額」という。)を当該事業年度の所得に対する法人税の額から控除する。
2内国法人が各事業年度において納付することとなる控除対象外国法人税の額が当該事業年度の控除限度額と地方税控除限度額として政令で定める金額との合計額を超える場合において、前三年内事業年度(当該事業年度開始の日前三年以内に開始した各事業年度をいう。以下この条において同じ。)の控除限度額のうち当該事業年度に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この項及び第十七項において「繰越控除限度額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、その繰越控除限度額を限度として、その超える部分の金額を当該事業年度の所得に対する法人税の額から控除する。
3内国法人が各事業年度において納付することとなる控除対象外国法人税の額が当該事業年度の控除限度額に満たない場合において、その前三年内事業年度において納付することとなつた控除対象外国法人税の額のうち当該事業年度に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この項及び第十七項において「繰越控除対象外国法人税額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、当該控除限度額から当該事業年度において納付することとなる控除対象外国法人税の額を控除した残額を限度として、その繰越控除対象外国法人税額を当該事業年度の所得に対する法人税の額から控除する。
4内国法人が控除対象外国法人税の額を納付することとなる事業年度開始の日前三年以内に開始した連結事業年度がある場合において、当該連結事業年度の連結控除限度個別帰属額(第八十一条の十五第一項(連結事業年度における外国税額の控除)に規定する連結控除限度個別帰属額をいう。以下この条において同じ。)があるときは、第二項の規定の適用については、その連結控除限度個別帰属額は当該連結事業年度の期間に対応する前三年内事業年度の控除限度額とみなし、内国法人が控除対象外国法人税の額を納付することとなる事業年度開始の日前三年以内に開始した連結事業年度がある場合において、当該連結事業年度において納付することとなつた個別控除対象外国法人税の額(第八十一条の十五第一項に規定する個別控除対象外国法人税の額をいう。以下この条において同じ。)があるときは、前項の規定の適用については、その個別控除対象外国法人税の額は当該連結事業年度の期間に対応する前三年内事業年度において納付することとなつた控除対象外国法人税の額とみなす。
5内国法人が適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項及び第十項において「適格組織再編成」という。)により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人(第十項において「被合併法人等」という。)から事業の全部又は一部の移転を受けた場合には、当該内国法人の当該適格組織再編成の日の属する事業年度以後の各事業年度における第二項及び第三項の規定の適用については、次の各号に掲げる適格組織再編成の区分に応じ当該各号に定める金額は、政令で定めるところにより、当該内国法人の前三年内事業年度の控除限度額及び当該内国法人が当該前三年内事業年度において納付することとなつた控除対象外国法人税の額とみなす。
一適格合併 当該適格合併に係る被合併法人の合併前三年内事業年度(適格合併の日前三年以内に開始した各事業年度又は各連結事業年度をいう。)の控除限度額及び連結控除限度個別帰属額並びに控除対象外国法人税の額及び個別控除対象外国法人税の額
二適格分割型分割 当該適格分割型分割に係る分割法人の分割前三年内事業年度(適格分割型分割の日前三年以内に開始した各事業年度又は各連結事業年度をいう。第七項において同じ。)の控除限度額及び連結控除限度個別帰属額並びに控除対象外国法人税の額及び個別控除対象外国法人税の額のうち、当該適格分割型分割により当該内国法人が移転を受けた事業に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額
三適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この号において「適格分社型分割等」という。) 当該適格分社型分割等に係る分割法人、現物出資法人又は事後設立法人の分割等前三年内事業年度(適格分社型分割等の日の属する事業年度開始の日前三年以内に開始した各事業年度若しくは各連結事業年度又は適格分社型分割等の日の属する連結事業年度開始の日前三年以内に開始した各連結事業年度若しくは各事業年度をいう。第七項において同じ。)の控除限度額及び連結控除限度個別帰属額並びに控除対象外国法人税の額及び個別控除対象外国法人税の額のうち、当該適格分社型分割等により当該内国法人が移転を受けた事業に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額
6前項の規定は、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項及び次項において「適格分割等」という。)により当該適格分割等に係る分割法人、現物出資法人又は事後設立法人(次項において「分割法人等」という。)から事業の移転を受けた内国法人にあつては、当該内国法人が当該適格分割等の日以後三月以内に当該内国法人の前三年内事業年度の控除限度額及び控除対象外国法人税の額とみなされる金額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
7適格分割等に係る分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(以下この項において「分割承継法人等」という。)が第五項又は第八十一条の十五第五項の規定の適用を受ける場合には、当該適格分割等に係る分割法人等の当該適格分割等の日の属する事業年度以後の各事業年度における第二項及び第三項の規定の適用については、当該分割法人等の分割前三年内事業年度又は分割等前三年内事業年度の控除限度額及び控除対象外国法人税の額のうち、第五項の規定により当該分割承継法人等の前三年内事業年度の控除限度額とみなされる金額及び同条第五項の規定により前三年内連結事業年度(同条第二項に規定する前三年内連結事業年度をいう。以下この項において同じ。)の連結控除限度個別帰属額とみなされる金額並びに第五項の規定により当該分割承継法人等が当該前三年内事業年度において納付することとなつた控除対象外国法人税の額とみなされる金額及び同条第五項の規定により当該前三年内連結事業年度において納付することとなつた個別控除対象外国法人税の額とみなされる金額は、ないものとする。
8内国法人が外国子会社(当該内国法人が保有しているその株式又は出資の数又は金額がその発行済株式又は出資(その有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の百分の二十五以上に相当する数又は金額となつていることその他の政令で定める要件を備えている外国法人をいう。)から受ける剰余金の配当(株式又は出資に係るものに限るものとし、資本剰余金の額の減少に伴うもの及び分割型分割によるものを除く。)若しくは利益の配当(分割型分割によるものを除く。)又は剰余金の分配(出資に係るものに限る。)の額(以下この条において「配当等の額」という。)がある場合には、当該外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額のうち当該配当等の額に対応するもの(当該配当等の額を課税標準として課される控除対象外国法人税の額との合計額が当該配当等の額に対して高率な負担となる部分を除く。)として政令で定めるところにより計算した金額は、政令で定めるところにより、当該内国法人が納付する控除対象外国法人税の額とみなして、第一項から第三項までの規定を適用する。
9内国法人が各連結事業年度において第八十一条の十五第八項に規定する外国子会社から受けた配当等の額がある場合において、その受けた日の属する連結事業年度終了の日後に開始する各事業年度の期間において当該外国子会社の所得に対して外国法人税が課されるときは、当該配当等の額は各事業年度において前項に規定する外国子会社から受けた配当等の額と、当該配当等の額を課税標準として課される個別控除対象外国法人税の額は同項に規定する控除対象外国法人税の額と、同条第八項に規定する外国子会社の所得に対して課される当該外国法人税の額は前項に規定する外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額とそれぞれみなして、同項の規定を適用する。
10内国法人が納付することとなつた外国法人税の額(第八項に規定する外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額(前項の規定により当該外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなされる金額を含む。)のうち第八項の規定により当該内国法人が納付するものとみなされる部分の金額を含む。)の全部又は一部につき第一項から第三項までの規定の適用を受けた事業年度後の各事業年度(連結事業年度に該当する期間を除く。以下この項において同じ。)において当該外国法人税の額が減額された場合(当該内国法人が適格組織再編成により被合併法人等から事業の全部又は一部の移転を受けた場合にあつては、当該被合併法人等が納付することとなつた外国法人税の額のうち当該内国法人が移転を受けた事業に係る所得に基因して納付することとなつた外国法人税の額が減額された場合を含む。以下この項において同じ。)及び当該内国法人が納付することとなつた外国法人税の額(第八十一条の十五第八項に規定する外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額(同条第九項の規定により当該外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなされる金額を含む。)のうち同条第八項の規定により当該内国法人が納付するものとみなされる部分の金額を含む。)の全部又は一部につき同条第一項から第三項までの規定の適用を受けた連結事業年度後の各事業年度において当該外国法人税の額が減額された場合における第一項から第三項までの規定の適用については、政令で定めるところによる。
11内国法人が第八項に規定する外国子会社から受ける配当等の額がある場合において、当該外国子会社が外国孫会社(当該内国法人が当該外国子会社を通じて間接に保有しているその株式又は出資の数又は金額がその発行済株式又は出資(その有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の百分の二十五以上に相当する数又は金額となつていることその他の政令で定める要件を備えている外国法人をいう。)から受ける剰余金の配当(株式又は出資に係るものに限るものとし、資本剰余金の額の減少に伴うもの及び分割型分割によるものを除く。)若しくは利益の配当(分割型分割によるものを除く。)又は剰余金の分配(出資に係るものに限る。)の額(これらに準ずるものとして政令で定めるものを含む。以下この項において「外国孫会社からの配当等の額」という。)があるときは、当該外国孫会社の所得に対して課される外国法人税の額のうち当該外国孫会社からの配当等の額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額は、政令で定めるところにより、当該外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなして、第八項の規定を適用する。
12内国法人が各連結事業年度において第八十一条の十五第八項に規定する外国子会社(同条第十一項に規定する外国孫会社からの配当等の額があるものに限る。)から受けた配当等の額がある場合において、その受けた日の属する連結事業年度終了の日後に開始する各事業年度の期間において当該外国孫会社の所得に対して外国法人税が課されるときは、当該外国子会社から受けた配当等の額は各事業年度において第八項に規定する外国子会社から受けた配当等の額と、当該外国孫会社からの配当等の額は前項に規定する外国孫会社からの配当等の額と、その課される外国法人税の額は同項に規定する外国孫会社の所得に対して課される外国法人税の額とそれぞれみなして、同項の規定を適用する。
13第十一項(前項の規定によりみなして適用する場合を含む。)の規定の適用がある場合における第二十八条(外国子会社の外国税額の益金算入)の規定の適用については、同条中「とみなされる金額」とあるのは、「とみなされる金額及び同条第十一項(同条第十二項の規定によりみなして適用する場合を含む。)の規定により当該外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなされる金額」とする。
14第十一項に規定する外国孫会社の所得に対して課される外国法人税の額(第十二項の規定により当該外国孫会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなされる金額を含む。)のうち第十一項の規定により第八項に規定する外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなされる部分の金額の全部又は一部につき同項の規定の適用により第一項から第三項までの規定の適用を受けた事業年度後の各事業年度(連結事業年度に該当する期間を除く。以下この項において同じ。)の期間において当該外国孫会社に係る外国法人税の額が減額された場合及び第八十一条の十五第十一項に規定する外国孫会社の所得に対して課される外国法人税の額(同条第十二項の規定により当該外国孫会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなされる金額を含む。)のうち同条第十一項の規定により同条第八項に規定する外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなされる部分の金額の全部又は一部につき同項の規定の適用により同条第一項から第三項までの規定の適用を受けた連結事業年度後の各事業年度の期間において当該外国孫会社に係る外国法人税の額が減額された場合における控除対象外国法人税の額の計算その他第十一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
15前各項の規定は、内国法人である公益法人等又は人格のない社団等が収益事業以外の事業若しくはこれに属する資産から生ずる所得について納付する控除対象外国法人税の額又は当該事業に係る株式若しくは出資につき第八項に規定する外国子会社から受ける配当等の額については、適用しない。
16第一項の規定は、確定申告書に同項の規定による控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細の記載があり、かつ、控除対象外国法人税の額を課されたことを証する書類その他財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定による控除をされるべき金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。
17第二項及び第三項の規定は、繰越控除限度額又は繰越控除対象外国法人税額に係る事業年度又は連結事業年度のうち最も古い事業年度又は連結事業年度以後の各事業年度又は各連結事業年度について当該各事業年度の控除限度額及び当該各事業年度において納付することとなつた控除対象外国法人税の額を記載した確定申告書又は当該各連結事業年度の連結控除限度個別帰属額及び当該各連結事業年度において納付することとなつた個別控除対象外国法人税の額を記載した連結確定申告書を提出し、かつ、これらの規定の適用を受けようとする事業年度の確定申告書にこれらの規定による控除を受けるべき金額を記載するとともに、当該申告書に繰越控除限度額又は繰越控除対象外国法人税額の計算の基礎となるべき事項を記載した書類その他財務省令で定める書類を添付した場合に限り、適用する。この場合において、これらの規定による控除をされるべき金額は、当該各事業年度の確定申告書に当該各事業年度の控除限度額及び当該各事業年度において納付することとなつた控除対象外国法人税の額として記載された金額又は当該各連結事業年度の連結確定申告書に当該各連結事業年度の連結控除限度個別帰属額及び当該各連結事業年度において納付することとなつた個別控除対象外国法人税の額として記載された金額を基礎として計算した金額を限度とする。
18税務署長は、第一項から第三項までの規定による控除をされるべきこととなる金額又は控除限度額等(前項に規定する控除限度額若しくは控除対象外国法人税の額又は連結控除限度個別帰属額若しくは個別控除対象外国法人税の額をいう。)の全部又は一部につき前二項の記載又は書類の添付がない確定申告書又は連結確定申告書の提出があつた場合においても、その記載又は書類の添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載又は書類の添付がなかつた金額につき第一項から第三項までの規定を適用することができる。
19第六項、第十項、第十一項及び第十四項から前項までに定めるもののほか、第一項から第五項まで、第七項から第九項まで、第十二項及び第十三項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除)
第七十条内国法人の提出した確定申告書に記載された各事業年度(連結法人である当該内国法人の分割前事業年度(自己を分割法人とする分割型分割を第十五条の二第一項(連結事業年度の意義)に規定する連結親法人事業年度開始の日の翌日からその終了の日までの間に行つた場合の当該分割型分割の日の前日の属する事業年度をいう。以下この項及び次項において同じ。)を除く。)の所得の金額が当該事業年度の課税標準とされるべき所得の金額を超え、かつ、その超える金額のうちに事実を仮装して経理したところに基づくものがある場合において、税務署長が当該事業年度の所得に対する法人税につき更正をしたときは、当該事業年度の所得に対する法人税として納付された金額で政令で定めるもののうち当該更正により減少する部分の金額で当該仮装して経理した金額に係るものは、国税通則法第五十六条から第五十八条まで(還付・充当等)の規定にかかわらず、当該更正の日の属する事業年度開始の日から五年以内に開始する各事業年度(連結法人である当該内国法人の分割前事業年度及び連結後各事業年度(当該更正の日の属する事業年度終了の日後に開始する連結事業年度がある場合の当該連結事業年度終了の日後に開始する各事業年度をいう。以下この項において同じ。)を除くものとし、当該更正の日後に当該内国法人が適格合併により解散した場合の当該適格合併に係る合併法人の当該合併の日以後に終了する各事業年度(連結法人である当該合併法人の分割前事業年度及び連結後各事業年度を除く。)を含む。)の所得に対する法人税の額から順次控除する。
2前項又は第八十一条の十六第一項若しくは第二項(仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の連結事業年度における控除)に規定する更正をしたことに伴いその事実を仮装して経理した内国法人の当該更正に係る事業年度又は連結事業年度終了の日後に開始する各事業年度(連結法人である当該内国法人の分割前事業年度を除く。)の所得の金額を減少させる更正があつた場合において、その更正により減少する部分の所得の金額のうちにこれらの規定に規定する更正に係る事業年度又は連結事業年度において仮装して経理した金額に係るものがあるときは、当該金額は、当該各事業年度において当該内国法人が仮装して経理したところに基づく金額とみなして、前項の規定を適用する。
3前二項の規定は、第一項の内国法人が適格合併により解散した後に、その内国法人の同項に規定する事業年度の所得に対する法人税につき同項に規定する更正又は前項に規定する各事業年度の所得の金額を減少させる更正があつた場合について準用する。この場合において、第一項中「、当該更正の日の」とあるのは「、当該内国法人を被合併法人とする適格合併に係る合併法人の当該更正の日の」と、「当該内国法人の分割前事業年度及び」とあるのは「当該合併法人の分割前事業年度及び」と、「当該内国法人が適格合併により解散」とあるのは「当該合併法人が当該合併法人を被合併法人とする適格合併により解散」と、前項中「経理した内国法人」とあるのは「経理した内国法人を被合併法人とする適格合併に係る合併法人」と、「当該内国法人」とあるのは「当該合併法人」と読み替えるものとする。
(税額控除の順序)
第七十条の二この款の規定による法人税の額からの控除については、まず前条の規定による控除をした後において、第六十八条及び第六十九条(所得税額等の控除)の規定による控除をするものとする。
第三節 申告、納付及び還付等
第一款 中間申告
(中間申告)
第七十一条内国法人である普通法人(清算中のものを除く。)は、その事業年度(新たに設立された内国法人である普通法人のうち適格合併(被合併法人のすべてが収益事業を行つていない公益法人等であるものを除く。次項及び第三項において同じ。)により設立されたもの以外のものの設立後最初の事業年度、公益法人等(収益事業を行つていないものに限る。)が普通法人に該当することとなつた場合のその該当することとなつた日の属する事業年度、連結子法人が第四条の五第一項又は第二項(第四号及び第五号に係る部分に限る。)(連結納税の承認の取消し)の規定により第四条の二(連結納税義務者)の承認を取り消された場合(第十五条の二第一項(連結事業年度の意義)に規定する連結親法人事業年度開始の日に当該承認を取り消された場合を除く。)のその取り消された日の前日の属する事業年度及び連結法人が当該連結法人を分割法人とする分割型分割を行つた場合(第十五条の二第一項に規定する連結親法人事業年度開始の日に当該分割型分割を行つた場合を除く。)の当該分割型分割の日の前日の属する事業年度を除く。)が六月を超える場合には、当該事業年度開始の日以後六月を経過した日から二月以内に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。ただし、第一号に掲げる金額が十万円以下である場合又は当該金額がない場合は、当該申告書を提出することを要しない。
一当該事業年度の前事業年度の確定申告書に記載すべき第七十四条第一項第二号(確定申告に係る法人税額)に掲げる金額で当該事業年度開始の日以後六月を経過した日の前日までに確定したものを当該前事業年度の月数で除し、これに六を乗じて計算した金額(当該前事業年度の期間が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度のその普通法人に係る連結法人税個別帰属支払額(各連結事業年度の連結所得に対する法人税の負担額として支出すべき金額として第八十一条の十八第一項(連結法人税の個別帰属額の計算)の規定により計算される金額をいう。次項第一号において同じ。)で当該事業年度開始の日以後六月を経過した日の前日までに確定した当該連結事業年度の連結確定申告書に記載すべき第八十一条の二十二第一項第二号(連結確定申告に係る法人税額)に掲げる金額に係るものを当該事業年度開始の日の前日の属する当該普通法人の連結事業年度の月数で除し、これに六を乗じて計算した金額)
二前号に掲げる金額の計算の基礎その他財務省令で定める事項
2前項の場合において、同項の普通法人が適格合併(法人を設立するものを除く。以下この項において同じ。)に係る合併法人で次の各号に掲げる期間内にその適格合併をしたものであるときは、その普通法人が提出すべき当該事業年度の中間申告書については、前項第一号に掲げる金額は、同号の規定にかかわらず、同号の規定により計算した金額に相当する金額に当該各号に定める金額を加算した金額とする。
一当該事業年度の前事業年度 当該普通法人の当該事業年度開始の日の一年前の日以後に終了した被合併法人の各事業年度(その月数が六月に満たないものを除く。)の確定申告書に記載すべき第七十四条第一項第二号に掲げる金額で当該普通法人の当該事業年度開始の日以後六月を経過した日の前日までに確定したもの又は当該一年前の日以後に終了した被合併法人の各連結事業年度(その月数が六月に満たないものを除く。)の当該被合併法人の連結法人税個別帰属支払額で当該六月を経過した日の前日までに確定した各連結事業年度の連結確定申告書に記載すべき第八十一条の二十二第一項第二号に掲げる金額に係るもののうち最も新しい事業年度又は連結事業年度に係るもの(以下この条において「被合併法人の確定法人税額等」という。)をその計算の基礎となつた当該被合併法人の事業年度又は連結事業年度の月数で除し、これに当該普通法人の当該前事業年度の月数のうちに占める当該前事業年度開始の日からその適格合併の日の前日までの期間の月数の割合に六を乗じた数を乗じて計算した金額
二当該事業年度開始の日から同日以後六月を経過した日の前日までの期間 被合併法人の確定法人税額等をその計算の基礎となつた当該被合併法人の事業年度又は連結事業年度の月数で除し、これにその適格合併の日から当該六月を経過した日の前日までの期間の月数を乗じて計算した金額
3第一項の場合において、同項の普通法人が適格合併(法人を設立するものに限る。)に係る合併法人であるときは、その普通法人が提出すべきその設立後最初の事業年度の中間申告書については、同項第一号に掲げる金額は、同号の規定にかかわらず、各被合併法人の確定法人税額等をその計算の基礎となつた当該被合併法人の事業年度又は連結事業年度の月数で除し、これに六を乗じて計算した金額の合計額とする。
4前三項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
(仮決算をした場合の中間申告書の記載事項等)
第七十二条中間申告書を提出すべき内国法人である普通法人(第四条の七(受託法人等に関するこの法律の適用)に規定する受託法人を除く。)が当該事業年度開始の日以後六月の期間を一事業年度とみなして当該期間に係る課税標準である所得の金額又は欠損金額を計算した場合には、その普通法人は、その提出する中間申告書に、前条第一項各号に掲げる事項に代えて、次に掲げる事項を記載することができる。
一当該所得の金額又は欠損金額
二当該期間を一事業年度とみなして前号に掲げる所得の金額につき前節(税額の計算)(第六十七条(特定同族会社の特別税率)及び第七十条(仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除)を除く。)の規定を適用するものとした場合に計算される法人税の額
三前二号に掲げる金額の計算の基礎その他財務省令で定める事項
2前項に規定する事項を記載した中間申告書には、同項に規定する期間の末日における貸借対照表、当該期間の損益計算書その他の財務省令で定める書類を添付しなければならない。
3第一項に規定する期間に係る課税標準である所得の金額又は欠損金額及び同項第二号に掲げる法人税の額の計算については、第二条第二十五号(定義)中「確定した決算」とあるのは「決算」と、第一節第三款、第四款、第七款及び第十款(課税標準の計算)(第五十七条第二項、第七項及び第十一項(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越しの要件)並びに第五十八条第二項及び第六項(青色申告書を提出しなかつた事業年度の災害による損失金の繰越しの要件)を除く。)の規定中「確定申告書」とあるのは「中間申告書」と、「確定した決算」とあるのは「決算」と、第六十八条第三項及び第四項(所得税額の控除)並びに第六十九条第十六項(外国税額の控除)中「確定申告書」とあるのは「中間申告書」と、同条第十七項中「確定申告書にこれら」とあるのは「中間申告書にこれら」と、同条第十八項中「確定申告書」とあるのは「中間申告書、確定申告書」とする。
(中間申告書の提出がない場合の特例)
第七十三条中間申告書を提出すべき内国法人である普通法人がその中間申告書をその提出期限までに提出しなかつた場合には、その普通法人については、その提出期限において、税務署長に対し第七十一条第一項各号(前期の実績による中間申告書の記載事項)に掲げる事項を記載した中間申告書の提出があつたものとみなして、この法律の規定を適用する。
第二款 確定申告
(確定申告)
第七十四条内国法人(清算中の内国法人である普通法人及び清算中の協同組合等を除く。)は、各事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、確定した決算に基づき次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
一当該事業年度の課税標準である所得の金額又は欠損金額
二前号に掲げる所得の金額につき前節(税額の計算)の規定を適用して計算した法人税の額
三第六十八条及び第六十九条(所得税額等の控除)の規定による控除をされるべき金額で前号に掲げる法人税の額の計算上控除しきれなかつたものがある場合には、その控除しきれなかつた金額
四その内国法人が当該事業年度につき中間申告書を提出した法人である場合には、第二号に掲げる法人税の額から当該申告書に係る中間納付額を控除した金額
五前号に規定する中間納付額で同号に掲げる金額の計算上控除しきれなかつたものがある場合には、その控除しきれなかつた金額
六前各号に掲げる金額の計算の基礎その他財務省令で定める事項
2前項の規定による申告書には、当該事業年度の貸借対照表、損益計算書その他の財務省令で定める書類を添付しなければならない。
(確定申告書の提出期限の延長)
第七十五条前条第一項の規定による申告書を提出すべき内国法人が、災害その他やむを得ない理由(次条第一項に規定する理由を除く。)により決算が確定しないため、当該申告書を前条第一項に規定する提出期限までに提出することができないと認められる場合には、国税通則法第十一条(災害等による期限の延長)の規定によりその提出期限が延長された場合を除き、納税地の所轄税務署長は、その内国法人の申請に基づき、期日を指定してその提出期限を延長することができる。
2前項の申請は、同項に規定する申告書に係る事業年度終了の日の翌日から四十五日以内に、当該申告書の提出期限までに決算が確定しない理由、その指定を受けようとする期日その他財務省令で定める事項を記載した申請書をもつてしなければならない。
3税務署長は、前項の申請書の提出があつた場合において、その申請に係る理由が相当でないと認めるときは、その申請を却下することができる。
4税務署長は、第二項の申請書の提出があつた場合において、第一項の提出期限の延長又は前項の却下の処分をするときは、その申請をした内国法人に対し、書面によりその旨を通知する。
5第二項の申請書の提出があつた場合において、第一項に規定する申告書に係る事業年度終了の日の翌日から二月以内に同項の提出期限の延長又は第三項の却下の処分がなかつたときは、その申請に係る指定を受けようとする期日を第一項の期日として同項の提出期限の延長がされたものとみなす。
6第一項の規定の適用を受ける内国法人が同項に規定する申告書を同項の規定により指定された期日前に税務署長に提出した場合には、その提出があつた日をもつて同項の期日とされたものとみなす。
7第一項の規定の適用を受ける内国法人は、同項に規定する申告書に係る事業年度の所得に対する法人税の額に、当該事業年度終了の日の翌日以後二月を経過した日から同項の規定により指定された期日までの期間の日数に応じ、年七・三パーセントの割合を乗じて計算した金額に相当する利子税をその計算の基礎となる法人税にあわせて納付しなければならない。
(確定申告書の提出期限の延長の特例)
第七十五条の二第七十四条第一項(確定申告)の規定による申告書を提出すべき内国法人が、会計監査人の監査を受けなければならないことその他これに類する理由により決算が確定しないため、当該事業年度以後の各事業年度の当該申告書をそれぞれ同項に規定する提出期限までに提出することができない常況にあると認められる場合には、納税地の所轄税務署長は、その内国法人の申請に基づき、当該各事業年度の申告書の提出期限を一月間(特別の事情により各事業年度終了の日の翌日から三月以内に当該各事業年度の決算についての定時総会が招集されないことその他やむを得ない事情があると認められる場合には、税務署長が指定する月数の期間)延長することができる。
2前項の申請は、同項に規定する申告書に係る事業年度終了の日までに、当該申告書の提出期限までに決算が確定しない理由、同項の指定を受けようとする場合にはその指定を受けようとする月数その他財務省令で定める事項を記載した申請書をもつてしなければならない。
3税務署長は、第一項の規定の適用を受けている内国法人につき、同項に規定する理由若しくは事情がないこととなつたと認める場合又は当該事情に変更が生じたと認める場合には、同項の提出期限の延長の処分を取り消し、又は同項の指定に係る月数を変更することができる。この場合において、当該取消し又は変更の処分があつたときは、その処分のあつた日の属する事業年度以後の各事業年度につき、その処分の効果が生ずるものとする。
4税務署長は、前項の処分をするときは、その処分に係る内国法人に対し、書面によりその旨を通知する。
5第一項の規定の適用を受けている内国法人は、当該事業年度以後の各事業年度に係る同項に規定する申告書の提出期限について同項の規定の適用を受けることをやめようとするときは、当該事業年度終了の日までに、当該事業年度開始の日その他財務省令で定める事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。この場合において、その届出書の提出があつたときは、当該事業年度以後の各事業年度については、同項の提出期限の延長の処分は、その効力を失うものとする。
6前条第三項から第五項までの規定は、第二項の申請書の提出があつた場合について、同条第七項の規定は、第一項の規定の適用を受ける内国法人の同項に規定する申告書に係る事業年度の所得に対する法人税について、それぞれ準用する。この場合において、同条第五項中「二月」とあるのは「十五日」と、「その申請に係る指定を受けようとする期日を第一項の期日として」とあるのは「一月間(第七十五条の二第一項の指定を受けようとする旨の申請があつた場合には、その申請に係る指定を受けようとする月数の期間)」と、同条第七項中「同項に規定する申告書に係る事業年度」とあるのは「その適用に係る各事業年度」と、「当該事業年度」とあるのは「当該各事業年度」と、「同項の規定により指定された期日」とあるのは「第七十五条の二第一項の規定により延長された提出期限」と読み替えるものとする。
7第一項の規定の適用を受けている内国法人について当該事業年度終了の日の翌日から二月を経過した日前に災害その他やむを得ない理由が生じた場合には、当該事業年度に限り、同項の規定の適用がないものとみなして、前条及び国税通則法第十一条(災害等による期限の延長)の規定を適用することができる。
8前条の規定は、第一項の規定の適用を受けている内国法人が、当該事業年度(前項の規定の適用に係る事業年度を除く。)につき災害その他やむを得ない理由により決算が確定しないため、第一項に規定する申告書を同項の規定により延長された提出期限までに提出することができないと認められる場合について準用する。この場合において、同条第二項中「申告書に係る事業年度終了の日の翌日から四十五日以内」とあるのは「申告書の提出期限の到来する日の十五日前まで」と、同条第五項中「申告書に係る事業年度終了の日の翌日から二月以内」とあるのは「申告書の提出期限まで」と、同条第七項中「内国法人は、同項」とあるのは「内国法人は、第七十五条の二第六項において準用するこの項の規定による利子税のほか、第一項」と、「当該事業年度終了の日の翌日以後二月を経過した日から同項」とあるのは「同条第一項の規定により延長された当該申告書の提出期限の翌日から第一項」と読み替えるものとする。
第三款 納付
(中間申告による納付)
第七十六条中間申告書を提出した内国法人である普通法人は、当該申告書に記載した第七十一条第一項第一号(前期の実績による中間申告書の記載事項)に掲げる金額(第七十二条第一項各号(仮決算をした場合の中間申告書の記載事項)に掲げる事項を記載した中間申告書を提出した場合には、同項第二号に掲げる金額)があるときは、当該申告書の提出期限までに、当該金額に相当する法人税を国に納付しなければならない。
(確定申告による納付)
第七十七条第七十四条第一項(確定申告)の規定による申告書を提出した内国法人は、当該申告書に記載した同項第二号に掲げる金額(同項第四号の規定に該当する場合には、同号に掲げる金額)があるときは、当該申告書の提出期限までに、当該金額に相当する法人税を国に納付しなければならない。
第四款 還付
(所得税額等の還付)
第七十八条確定申告書の提出があつた場合において、当該申告書に第七十四条第一項第三号(所得税額等の控除不足額)に掲げる金額の記載があるときは、税務署長は、当該申告書を提出した内国法人に対し、当該金額に相当する税額を還付する。
2前項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、前項の確定申告書の提出期限(当該申告書が期限後申告書である場合には、当該申告書を提出した日)の翌日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
3第一項の規定による還付金を同項の確定申告書に係る事業年度の所得に対する法人税で未納のものに充当する場合には、その還付金の額のうちその充当する金額については、還付加算金を附さないものとし、その充当される部分の法人税については、延滞税及び利子税を免除するものとする。
4前二項に定めるもののほか、第一項の還付の手続、同項の規定による還付金(これに係る還付加算金を含む。)につき充当をする場合の方法その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(中間納付額の還付)
第七十九条中間申告書を提出した内国法人である普通法人からその中間申告書に係る事業年度の確定申告書の提出があつた場合において、その確定申告書に第七十四条第一項第五号(中間納付額の控除不足額)に掲げる金額の記載があるときは、税務署長は、その普通法人に対し、当該金額に相当する中間納付額を還付する。
2税務署長は、前項の規定による還付金の還付をする場合において、同項の中間申告書に係る中間納付額について納付された延滞税があるときは、その額のうち、同項の規定により還付される中間納付額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を併せて還付する。
3第一項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、第一項の規定により還付をすべき中間納付額の納付の日(その中間納付額がその納期限前に納付された場合には、その納期限)の翌日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。ただし、同項の確定申告書が期限後申告書である場合には、当該申告書の提出期限の翌日からその提出された日までの日数は、当該期間に算入しない。
4第一項の規定による還付金をその額の計算の基礎とされた中間納付額に係る事業年度の所得に対する法人税で未納のものに充当する場合には、その還付金の額のうちその充当する金額については、還付加算金を附さないものとし、その充当される部分の法人税については、延滞税及び利子税を免除するものとする。
5第二項の規定による還付金については、還付加算金は、附さない。
6前三項に定めるもののほか、第一項又は第二項の還付の手続、第一項の規定による還付金(これに係る還付加算金を含む。)につき充当をする場合の方法その他同項又は第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(欠損金の繰戻しによる還付)
第八十条内国法人の青色申告書である確定申告書を提出する事業年度において生じた欠損金額がある場合(第四項の規定に該当する場合を除く。)には、その内国法人は、当該申告書の提出と同時に、納税地の所轄税務署長に対し、当該欠損金額に係る事業年度(以下この条において「欠損事業年度」という。)開始の日前一年以内に開始したいずれかの事業年度(当該内国法人の連結事業年度前の各事業年度、連結法人である当該内国法人が連結親法人事業年度(第十五条の二第一項(連結事業年度の意義)に規定する連結親法人事業年度をいう。以下この項において同じ。)において当該内国法人を分割法人とする分割型分割(第五十七条第九項第一号イ及びハ(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し)に掲げるものを除く。)を行つた場合の当該連結親法人事業年度開始の日の属する事業年度(当該内国法人が第四条の三第九項第二号又は第十一項第二号(連結納税の承認の申請)に掲げる法人である場合には、これらの号に規定する事業年度)前の各事業年度及び連結子法人である当該内国法人が第五十七条第九項第二号に規定する最初連結親法人事業年度において当該内国法人を被合併法人とする合併(当該内国法人との間に連結完全支配関係がある他の連結法人が合併法人となるものに限るものとし、第五十七条第九項第二号イに掲げるものを除く。)を行つた場合の当該最初連結親法人事業年度開始の日の属する事業年度前の各事業年度を除く。)の所得に対する法人税の額(附帯税の額を除くものとし、第六十八条から第七十条の二まで(税額控除)の規定により控除された金額がある場合には、当該金額を加算した金額とする。以下この条において同じ。)に、当該いずれかの事業年度(以下この条において「還付所得事業年度」という。)の所得の金額のうちに占める欠損事業年度の欠損金額(この条の規定により他の還付所得事業年度の所得に対する法人税の額につき還付を受ける金額の計算の基礎とするものを除く。第四項において同じ。)に相当する金額の割合を乗じて計算した金額に相当する法人税の還付を請求することができる。
2前項の場合において、既に当該還付所得事業年度の所得に対する法人税の額につきこの条の規定の適用があつたときは、その額からその適用により還付された金額を控除した金額をもつて当該法人税の額とみなし、かつ、当該還付所得事業年度の所得の金額に相当する金額からその適用に係る欠損金額を控除した金額をもつて当該還付所得事業年度の所得の金額とみなして、同項の規定を適用する。
3第一項の規定は、同項の内国法人が還付所得事業年度から欠損事業年度の前事業年度までの各事業年度について連続して青色申告書である確定申告書を提出している場合であつて、欠損事業年度の青色申告書である確定申告書をその提出期限までに提出した場合(税務署長においてやむを得ない事情があると認める場合には、当該申告書をその提出期限後に提出した場合を含む。)に限り、適用する。
4第一項及び第二項の規定は、内国法人につき解散(適格合併による解散及び第五十七条第二項に規定する合併類似適格分割型分割後の解散を除く。)、事業の全部の譲渡、会社更生法又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の規定による更生手続の開始その他これらに準ずる事実で政令で定めるものが生じた場合(当該事実が当該内国法人の連結事業年度において生じた場合を除く。)において、当該事実が生じた日前一年以内に終了したいずれかの事業年度又は同日の属する事業年度において生じた欠損金額(同条の規定により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたものを除く。)があるときについて準用する。この場合において、第一項中「当該申告書の提出と同時に」とあるのは「当該事実が生じた日以後一年以内に」と、「請求することができる。」とあるのは「請求することができる。ただし、還付所得事業年度から欠損事業年度までの各事業年度について連続して青色申告書である確定申告書を提出している場合に限る。」と読み替えるものとする。
5第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定による還付の請求をしようとする内国法人は、その還付を受けようとする法人税の額、その計算の基礎その他財務省令で定める事項を記載した還付請求書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
6税務署長は、前項の還付請求書の提出があつた場合には、その請求の基礎となつた欠損金額その他必要な事項について調査し、その調査したところにより、その請求をした内国法人に対し、その請求に係る金額を限度として法人税を還付し、又は請求の理由がない旨を書面により通知する。
7前項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、第一項(第四項において準用する場合を含む。)の規定による還付の請求がされた日(第一項の規定による還付の請求がされた日が同項に規定する確定申告書の提出期限前である場合には、その提出期限)の翌日以後三月を経過した日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
第五款 更正の請求の特例
(前事業年度の法人税額等の更正等に伴う更正の請求の特例)
第八十条の二内国法人が、確定申告書に記載すべき第七十四条第一項第一号から第五号まで(確定申告書の記載事項)に掲げる金額又は連結確定申告書に記載すべき第八十一条の二十二第一項第一号から第五号まで(連結確定申告書の記載事項)に掲げる金額につき、修正申告書を提出し、又は更正若しくは決定を受け、その修正申告書の提出又は更正若しくは決定に伴い次の各号に掲げる場合に該当することとなるときは、当該内国法人は、その修正申告書を提出した日又はその更正若しくは決定の通知を受けた日の翌日から二月以内に限り、税務署長に対し、当該各号に規定する金額につき国税通則法第二十三条第一項(更正の請求)の規定による更正の請求をすることができる。この場合においては、同条第三項に規定する更正請求書には、同項に規定する事項のほか、その修正申告書を提出した日又はその更正若しくは決定の通知を受けた日を記載しなければならない。
一その修正申告書若しくは更正若しくは決定に係る事業年度後若しくは連結事業年度後の事業年度の確定申告書に記載した、又は決定を受けた当該事業年度に係る第七十四条第一項第二号又は第四号に掲げる金額(当該金額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の金額)が過大となる場合
二その修正申告書若しくは更正若しくは決定に係る事業年度後若しくは連結事業年度後の事業年度の確定申告書に記載した、又は決定を受けた当該事業年度に係る第七十四条第一項第一号に掲げる欠損金額又は同項第三号若しくは第五号に掲げる金額(これらの金額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の金額)が過少となる場合
第一章の二 各連結事業年度の連結所得に対する法人税
第一節 課税標準及びその計算
第三款 益金の額又は損金の額の計算
第四目 寄附金
(連結事業年度における寄附金の損金不算入)
第八十一条の六連結法人が各連結事業年度において支出した寄附金の額(次項の規定の適用を受ける寄附金の額を除く。)の合計額のうち、当該連結法人に係る連結親法人の当該連結事業年度終了の時の連結個別資本金等の額又は当該連結事業年度の連結所得の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える部分の金額は、当該連結法人の各連結事業年度の連結所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
2連結法人が各連結事業年度において支出した寄附金の額のうち当該連結法人との間に連結完全支配関係がある他の連結法人に対して支出した寄附金の額があるときは、当該寄附金の額は、当該連結法人の各連結事業年度の連結所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
3第一項の場合において、同項に規定する寄附金の額のうちに第三十七条第三項各号(寄附金の損金不算入)に掲げる寄附金の額があるときは、当該寄附金の額の合計額は、第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入しない。
4第一項の場合において、同項に規定する寄附金の額のうちに第三十七条第四項に規定する寄附金の額があるときは、当該寄附金の額の合計額(当該合計額が第一項の連結法人に係る連結親法人の当該連結事業年度終了の時の連結個別資本金等の額又は当該連結事業年度の連結所得の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える場合には、当該計算した金額に相当する金額)は、第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入しない。
5連結法人が第三十七条第六項に規定する特定公益信託の信託財産とするために支出した金銭の額は、寄附金の額とみなして第一項、前項及び次項の規定を適用する。この場合において、前項中「第三十七条第四項に規定する寄附金の額」とあるのは、「第三十七条第六項の規定により読み替えて適用される同条第四項に規定する寄附金の額」とするほか、この項の規定の適用を受けるための手続に関し必要な事項は、政令で定める。
6第三十七条第七項から第十項までの規定は、前各項の規定を適用する場合について準用する。この場合において、同条第九項中「書類を保存している」とあるのは、「書類を第三項各号に規定する寄附金の額又は第四項に規定する寄附金の額を支出した各連結法人において保存している」と読み替えるものとする。
7第一項又は第二項の規定により損金の額に算入されない金額のうち各連結法人に帰せられる金額の計算その他これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第二節 税額の計算
第一款 税率
(連結特定同族会社の特別税率)
第八十一条の十三
2前項に規定する連結留保金額とは、次に掲げる金額の合計額(第四項において「連結所得等の金額」という。)のうち留保した金額から、当該連結事業年度の連結所得の金額につき前条第一項又は第二項の規定により計算した法人税の額(次条から第八十一条の十七まで(税額控除)の規定により控除する金額がある場合には、当該金額を控除した金額)並びに地方税法の規定により当該連結事業年度の連結法人税個別帰属額(第八十一条の十八第一項(連結法人税の個別帰属額の計算)の規定により同項に規定する負担額として支出すべき金額又は減少額として収入すべき金額として計算される金額をいう。)に調整を加えた金額に係る道府県民税及び市町村民税(都民税を含む。)の額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額を控除した金額をいう。
一当該連結事業年度の連結所得の金額(個別益金額又は個別損金額を計算する場合にこれらに加算し又は減算する第六十二条第二項(合併及び分割による資産等の時価による譲渡)に規定する譲渡利益額又は譲渡損失額があるときは、当該譲渡利益額又は譲渡損失額がないものとして計算した金額とする。)
二第八十一条の四(連結事業年度における受取配当等の益金不算入)の規定により当該連結事業年度の連結所得の金額の計算上益金の額に算入されなかつた金額(連結法人が他の連結法人(当該連結法人との間に連結完全支配関係があるものに限る。)から受ける第二十三条第一項(受取配当等の益金不算入)に規定する配当等の額に係るもののうち政令で定めるものを除く。)
三個別益金額を計算する場合の第二十六条第一項(還付金等の益金不算入)に規定する還付を受け又は充当される金額(同項第一号に係る部分の金額を除く。)及び同条第五項に規定する還付を受ける金額並びに第八十一条の四の二(連結事業年度における外国税額の還付金の益金不算入)に規定する減額された部分として政令で定める金額の合計額
四第八十一条の九(連結欠損金の繰越し)の規定により当該連結事業年度の連結所得の金額の計算上損金の額に算入された金額並びに個別損金額を計算する場合の第五十九条第一項及び第二項(会社更生等による債務免除等があつた場合の欠損金の損金算入)に規定する合計額に達するまでの金額の合計額
4第一項に規定する連結留保控除額とは、次に掲げる金額のうち最も多い金額をいう。
一当該連結事業年度の連結所得等の金額の百分の四十に相当する金額
二年二千万円
三当該連結事業年度終了の時における連結利益積立金額(当該連結事業年度の連結所得等の金額に係る部分の金額を除く。)がその時における連結親法人の資本金の額又は出資金の額の百分の二十五に相当する金額に満たない場合におけるその満たない部分の金額に相当する金額
第二款 税額控除
(連結事業年度における所得税額の控除)
第八十一条の十四連結法人が各連結事業年度において所得税法第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に規定する利子等、配当等、給付補てん金、利息、利益、差益、利益の分配又は賞金の支払を受ける場合には、これらにつき同法の規定により課される所得税の額は、政令で定めるところにより、当該連結事業年度の連結所得に対する法人税の額から控除する。
(連結事業年度における外国税額の控除)
第八十一条の十五連結法人が各連結事業年度において外国法人税(第六十九条第一項(外国税額の控除)に規定する外国法人税をいう。以下この条において同じ。)を納付することとなる場合(同項に規定する政令で定める取引に基因して生じた所得に対する外国法人税を納付することとなる場合を除く。)には、その外国法人税の額(その所得に対する負担が高率な部分として政令で定める金額を除く。以下この条において「個別控除対象外国法人税の額」という。)のうち、連結控除限度個別帰属額(当該連結事業年度の連結所得の金額につき第八十一条の十二第一項から第三項まで(各連結事業年度の連結所得に対する法人税の税率)の規定を適用して計算した金額のうち当該連結事業年度の連結所得でその源泉が国外にあるものに対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額で、各連結法人に帰せられる金額として政令で定めるところにより計算した金額をいう。以下この条において同じ。)に達するまでの金額を当該連結事業年度の連結所得に対する法人税の額から控除する。
2連結法人が各連結事業年度において納付することとなる個別控除対象外国法人税の額が当該連結事業年度の連結控除限度個別帰属額と地方税個別控除限度額として政令で定める金額との合計額を超える場合において、前三年内連結事業年度(当該連結事業年度開始の日前三年以内に開始した各連結事業年度をいう。以下この条において同じ。)の連結控除限度個別帰属額のうち当該連結事業年度に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この項及び第十六項において「個別繰越控除限度額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、その超える部分の金額のうちその個別繰越控除限度額に達するまでの金額を当該連結事業年度の連結所得に対する法人税の額から控除する。
3連結法人が各連結事業年度において納付することとなる個別控除対象外国法人税の額が当該連結事業年度の連結控除限度個別帰属額に満たない場合において、その前三年内連結事業年度において納付することとなつた個別控除対象外国法人税の額のうち当該連結事業年度に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この項及び第十六項において「個別繰越控除対象外国法人税額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、その個別繰越控除対象外国法人税額のうち当該連結控除限度個別帰属額から当該連結事業年度において納付することとなる個別控除対象外国法人税の額を控除した残額に達するまでの金額を当該連結事業年度の連結所得に対する法人税の額から控除する。
4連結法人が個別控除対象外国法人税の額を納付することとなる連結事業年度開始の日前三年以内に開始した事業年度に連結事業年度に該当しないものがある場合において、その該当しない事業年度の控除限度額(第六十九条第一項に規定する控除限度額をいう。以下この条において同じ。)があるときは、第二項の規定の適用については、その控除限度額は当該事業年度の期間に対応する前三年内連結事業年度の連結控除限度個別帰属額とみなし、連結法人が個別控除対象外国法人税の額を納付することとなる連結事業年度開始の日前三年以内に開始した事業年度に連結事業年度に該当しないものがある場合において、その該当しない事業年度において納付することとなつた控除対象外国法人税の額(第六十九条第一項に規定する控除対象外国法人税の額をいう。以下この条において同じ。)があるときは、前項の規定の適用については、その控除対象外国法人税の額は当該事業年度の期間に対応する前三年内連結事業年度において納付することとなつた個別控除対象外国法人税の額とみなす。
5連結法人が適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項及び第十項において「適格組織再編成」という。)により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人(第十項において「被合併法人等」という。)から事業の全部又は一部の移転を受けた場合には、当該連結法人の当該適格組織再編成の日の属する連結事業年度以後の各連結事業年度における第二項及び第三項の規定の適用については、次の各号に掲げる適格組織再編成の区分に応じ当該各号に定める金額は、政令で定めるところにより、当該連結法人の前三年内連結事業年度の連結控除限度個別帰属額及び当該連結法人が当該前三年内連結事業年度において納付することとなつた個別控除対象外国法人税の額とみなす。
一適格合併 当該適格合併に係る被合併法人の合併前三年内事業年度(適格合併の日前三年以内に開始した各連結事業年度又は各事業年度をいう。)の連結控除限度個別帰属額及び控除限度額並びに個別控除対象外国法人税の額及び控除対象外国法人税の額
二適格分割型分割 当該適格分割型分割に係る分割法人の分割前三年内事業年度(適格分割型分割の日前三年以内に開始した各連結事業年度又は各事業年度をいう。第七項において同じ。)の連結控除限度個別帰属額及び控除限度額並びに個別控除対象外国法人税の額及び控除対象外国法人税の額のうち、当該適格分割型分割により当該連結法人が移転を受けた事業に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額
三適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この号において「適格分社型分割等」という。) 当該適格分社型分割等に係る分割法人、現物出資法人又は事後設立法人の分割等前三年内事業年度(適格分社型分割等の日の属する連結事業年度開始の日前三年以内に開始した各連結事業年度若しくは各事業年度又は適格分社型分割等の日の属する事業年度開始の日前三年以内に開始した各事業年度若しくは各連結事業年度をいう。第七項において同じ。)の連結控除限度個別帰属額及び控除限度額並びに個別控除対象外国法人税の額及び控除対象外国法人税の額のうち、当該適格分社型分割等により当該連結法人が移転を受けた事業に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額
6前項の規定は、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下この項及び次項において「適格分割等」という。)により当該適格分割等に係る分割法人、現物出資法人又は事後設立法人(次項において「分割法人等」という。)から事業の移転を受けた連結法人にあつては、当該連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、当該連結法人に係る連結親法人)が当該適格分割等の日以後三月以内に当該連結法人の前三年内連結事業年度の連結控除限度個別帰属額及び個別控除対象外国法人税の額とみなされる金額その他の財務省令で定める事項を記載した書類を連結親法人の納税地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用する。
7適格分割等に係る分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人(以下この項において「分割承継法人等」という。)が第五項又は第六十九条第五項の規定の適用を受ける場合には、当該適格分割等に係る分割法人等の当該適格分割等の日の属する連結事業年度以後の各連結事業年度における第二項及び第三項の規定の適用については、当該分割法人等の分割前三年内事業年度又は分割等前三年内事業年度の連結控除限度個別帰属額及び個別控除対象外国法人税の額のうち、第五項の規定により当該分割承継法人等の前三年内連結事業年度の連結控除限度個別帰属額とみなされる金額及び同条第五項の規定により前三年内事業年度(同条第二項に規定する前三年内事業年度をいう。以下この項において同じ。)の控除限度額とみなされる金額並びに第五項の規定により当該分割承継法人等が当該前三年内連結事業年度において納付することとなつた個別控除対象外国法人税の額とみなされる金額及び同条第五項の規定により当該前三年内事業年度において納付することとなつた控除対象外国法人税の額とみなされる金額は、ないものとする。
8連結法人が外国子会社(各連結法人が保有しているその株式又は出資を合計した数又は金額がその発行済株式又は出資(その有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の百分の二十五以上に相当する数又は金額となつていることその他の政令で定める要件を備えている外国法人をいう。)から受ける剰余金の配当(株式又は出資に係るものに限るものとし、資本剰余金の額の減少に伴うもの及び分割型分割によるものを除く。)若しくは利益の配当(分割型分割によるものを除く。)又は剰余金の分配(出資に係るものに限る。)の額(以下この条において「配当等の額」という。)がある場合には、当該外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額のうち当該配当等の額に対応するもの(当該配当等の額を課税標準として課される個別控除対象外国法人税の額との合計額が当該配当等の額に対して高率な負担となる部分を除く。)として政令で定めるところにより計算した金額は、政令で定めるところにより、当該連結法人が納付する個別控除対象外国法人税の額とみなして、第一項から第三項までの規定を適用する。
9内国法人が各事業年度(連結事業年度に該当する期間を除く。)において第六十九条第八項に規定する外国子会社から受けた配当等の額がある場合において、その受けた日の属する事業年度終了の日後に開始する各連結事業年度の期間において当該外国子会社の所得に対して外国法人税が課されるときは、当該配当等の額は各連結事業年度において前項に規定する外国子会社から受けた配当等の額と、当該配当等の額を課税標準として課される控除対象外国法人税の額は同項に規定する個別控除対象外国法人税の額と、同条第八項に規定する外国子会社の所得に対して課される当該外国法人税の額は前項に規定する外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額とそれぞれみなして、同項の規定を適用する。
10連結法人が納付することとなつた外国法人税の額(第八項に規定する外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額(前項の規定により当該外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなされる金額を含む。)のうち第八項の規定により当該連結法人が納付するものとみなされる部分の金額を含む。)の全部又は一部につき第一項から第三項までの規定の適用を受けた連結事業年度後の各連結事業年度において当該外国法人税の額が減額された場合(当該連結法人が適格組織再編成により被合併法人等から事業の全部又は一部の移転を受けた場合にあつては、当該被合併法人等が納付することとなつた外国法人税の額のうち当該連結法人が移転を受けた事業に係る所得に基因して納付することとなつた外国法人税の額が減額された場合を含む。以下この項において同じ。)及び当該連結法人が納付することとなつた外国法人税の額(第六十九条第八項に規定する外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額(同条第九項の規定により当該外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなされる金額を含む。)のうち同条第八項の規定により当該連結法人が納付するものとみなされる部分の金額を含む。)の全部又は一部につき同条第一項から第三項までの規定の適用を受けた事業年度後の各連結事業年度において当該外国法人税の額が減額された場合における第一項から第三項までの規定の適用については、政令で定めるところによる。
11連結法人が第八項に規定する外国子会社から受ける配当等の額がある場合において、当該外国子会社が外国孫会社(各連結法人が当該外国子会社を通じて間接に保有しているその株式又は出資を合計した数又は金額がその発行済株式又は出資(その有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の百分の二十五以上に相当する数又は金額となつていることその他の政令で定める要件を備えている外国法人をいう。)から受ける剰余金の配当(株式又は出資に係るものに限るものとし、資本剰余金の額の減少に伴うもの及び分割型分割によるものを除く。)若しくは利益の配当(分割型分割によるものを除く。)又は剰余金の分配(出資に係るものに限る。)の額(第六十九条第十一項に規定する政令で定めるものを含む。以下この項において「外国孫会社からの配当等の額」という。)があるときは、当該外国孫会社の所得に対して課される外国法人税の額のうち当該外国孫会社からの配当等の額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額は、政令で定めるところにより、当該外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなして、第八項の規定を適用する。
12内国法人が各事業年度(連結事業年度に該当する期間を除く。)において第六十九条第八項に規定する外国子会社(同条第十一項に規定する外国孫会社からの配当等の額があるものに限る。)から受けた配当等の額がある場合において、その受けた日の属する事業年度終了の日後に開始する各連結事業年度の期間において当該外国孫会社の所得に対して外国法人税が課されるときは、当該外国子会社から受けた配当等の額は各連結事業年度において第八項に規定する外国子会社から受けた配当等の額と、当該外国孫会社からの配当等の額は前項に規定する外国孫会社からの配当等の額と、その課される外国法人税の額は同項に規定する外国孫会社の所得に対して課される外国法人税の額とそれぞれみなして、同項の規定を適用する。
13第十一項(前項の規定によりみなして適用する場合を含む。)の規定の適用がある場合における第八十一条の五(連結法人税額から控除する外国子会社の外国税額の益金算入)の規定の適用については、同条中「とみなされる金額」とあるのは、「とみなされる金額及び同条第十一項(同条第十二項の規定によりみなして適用する場合を含む。)の規定により当該外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなされる金額」とする。
14第十一項に規定する外国孫会社の所得に対して課される外国法人税の額(第十二項の規定により当該外国孫会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなされる金額を含む。)のうち第十一項の規定により第八項に規定する外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなされる部分の金額の全部又は一部につき同項の規定の適用により第一項から第三項までの規定の適用を受けた連結事業年度後の各連結事業年度の期間において当該外国孫会社に係る外国法人税の額が減額された場合及び第六十九条第十一項に規定する外国孫会社の所得に対して課される外国法人税の額(同条第十二項の規定により当該外国孫会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなされる金額を含む。)のうち同条第十一項の規定により同条第八項に規定する外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額とみなされる部分の金額の全部又は一部につき同項の規定の適用により同条第一項から第三項までの規定の適用を受けた事業年度後の各連結事業年度の期間において当該外国孫会社に係る外国法人税の額が減額された場合における個別控除対象外国法人税の額の計算その他第十一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
15第一項の規定は、連結確定申告書に同項の規定による控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細の記載があり、かつ、個別控除対象外国法人税の額を課されたことを証する書類その他財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定による控除をされるべき金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。
16第二項及び第三項の規定は、個別繰越控除限度額又は個別繰越控除対象外国法人税額に係る連結事業年度又は事業年度のうち最も古い連結事業年度又は事業年度以後の各連結事業年度又は各事業年度について当該各連結事業年度の連結控除限度個別帰属額及び当該各連結事業年度において納付することとなつた個別控除対象外国法人税の額を記載した連結確定申告書又は当該各事業年度の控除限度額及び当該各事業年度において納付することとなつた控除対象外国法人税の額を記載した確定申告書を提出し、かつ、これらの規定の適用を受けようとする連結事業年度の連結確定申告書にこれらの規定による控除を受けるべき金額を記載するとともに、当該申告書に個別繰越控除限度額又は個別繰越控除対象外国法人税額の計算の基礎となるべき事項を記載した書類その他財務省令で定める書類を添付した場合に限り、適用する。この場合において、これらの規定による控除をされるべき金額は、当該各連結事業年度の連結確定申告書に当該各連結事業年度の連結控除限度個別帰属額及び当該各連結事業年度において納付することとなつた個別控除対象外国法人税の額として記載された金額又は当該各事業年度の確定申告書に当該各事業年度の控除限度額及び当該各事業年度において納付することとなつた控除対象外国法人税の額として記載された金額を基礎として計算した金額を限度とする。
17税務署長は、第一項から第三項までの規定による控除をされるべきこととなる金額又は連結控除限度個別帰属額等(前項に規定する連結控除限度個別帰属額若しくは個別控除対象外国法人税の額又は控除限度額若しくは控除対象外国法人税の額をいう。)の全部又は一部につき前二項の記載又は書類の添付がない連結確定申告書又は確定申告書の提出があつた場合においても、その記載又は書類の添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載又は書類の添付がなかつた金額につき第一項から第三項までの規定を適用することができる。
18第六項、第十項、第十一項及び第十四項から前項までに定めるもののほか、第一項から第五項まで、第七項から第九項まで、第十二項及び第十三項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第三節 申告、納付及び還付等
第三款 個別帰属額等の届出
(連結子法人の個別帰属額等の届出)
第八十一条の二十五連結子法人は、各連結事業年度に係る第八十一条の二十二第一項(連結確定申告)の規定による申告書の提出期限までに、当該連結事業年度に係る第八十一条の十八第一項(連結法人税の個別帰属額の計算)の規定により計算される法人税の負担額として支出すべき金額又は法人税の減少額として収入すべき金額、その計算の基礎その他財務省令で定める事項(次項において「個別帰属額等」という。)を記載した書類に当該連結事業年度の貸借対照表、損益計算書その他の財務省令で定める書類を添付し、これを当該連結子法人の本店又は主たる事務所の所在地の所轄税務署長に提出しなければならない。
第二章 退職年金等積立金に対する法人税
第一節 課税標準及びその計算
(退職年金等積立金の額の計算)
第八十四条退職年金業務等(厚生年金基金契約に係る信託、生命保険、生命共済、預貯金の受入れ若しくは有価証券の売買その他の方法による年金給付等積立金(厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第百三十条の二第二項(年金たる給付及び一時金たる給付に要する費用に関する契約)に規定する年金給付等積立金をいう。以下この項、次項第七号及び第三項において同じ。)の運用及び当該運用に係る年金給付等積立金の管理の受託の業務、確定給付年金資産管理運用契約に係る信託、生命保険若しくは生命共済の業務、確定給付年金基金資産運用契約に係る信託、生命保険、生命共済、預貯金の受入れ若しくは有価証券の売買その他の方法による確定給付年金積立金(確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第五十九条(積立金の積立て)に規定する積立金をいう。以下この項、次項第七号及び第三項において同じ。)の運用及び当該運用に係る確定給付年金積立金の管理の受託の業務、確定拠出年金資産管理契約に係る信託、生命保険、生命共済若しくは損害保険の業務、確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号)第二条第三項(定義)に規定する個人型年金を実施する業務、勤労者財産形成給付契約に係る信託、生命保険、生命共済若しくは損害保険の業務又は勤労者財産形成基金給付契約に係る信託、生命保険、生命共済、損害保険、預貯金の受入れ若しくは有価証券の購入及び当該購入に係る有価証券の保管の受託の業務をいう。以下この章において同じ。)を行う内国法人の各事業年度の退職年金等積立金の額は、当該事業年度開始の時における退職年金等積立金額を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額とする。
2前項に規定する退職年金等積立金額は、次の各号に掲げる法人の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
一厚生年金基金契約、確定給付年金資産管理運用契約、確定給付年金基金資産運用契約、確定拠出年金資産管理契約、勤労者財産形成給付契約又は勤労者財産形成基金給付契約に係る信託の業務を行う内国法人 次に掲げる金額の合計額
イ各厚生年金基金契約につき、当該契約に係る信託財産の価額から、当該契約に係る厚生年金基金又は企業年金連合会が厚生年金保険法第百三十二条第三項(老齢年金給付の基準)に規定する相当する水準の給付を行うものとした場合に当該給付に充てるため保有すべき金額で当該契約に係るものを控除した金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
ロ各確定給付年金資産管理運用契約につき、当該契約に係る信託財産の価額から、当該契約に係る掛金の額のうちその信託の受益者が負担した部分の金額でその信託財産に係るものを控除した金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
ハ各確定給付年金基金資産運用契約につき、当該契約に係る信託財産の価額から、当該契約に係る掛金の額のうち当該契約に係る企業年金基金の加入者又は加入者であつた者が負担した部分の金額でその信託財産に係るものを控除した金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
ニ各確定拠出年金資産管理契約につき、当該契約に係る信託財産の価額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
ホ各勤労者財産形成給付契約又は各勤労者財産形成基金給付契約につき、これらの契約に係る信託財産の価額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
二厚生年金基金契約、確定給付年金資産管理運用契約、確定給付年金基金資産運用契約、確定拠出年金資産管理契約、勤労者財産形成給付契約又は勤労者財産形成基金給付契約に係る生命保険の業務を行う内国法人 次に掲げる金額の合計額
イ各厚生年金基金契約につき、当該契約に係る保険業法第百十六条第一項(責任準備金)に規定する責任準備金として積み立てられている金額(以下この号及び第四号において「責任準備金額」という。)のうち保険料積立金に相当する金額から、当該契約に係る厚生年金基金又は企業年金連合会が厚生年金保険法第百三十二条第三項に規定する相当する水準の給付を行うものとした場合に当該給付に充てるため保有すべき金額で当該契約に係るものを控除した金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
ロ各確定給付年金資産管理運用契約又は各確定給付年金基金資産運用契約につき、これらの契約に係る責任準備金額のうち保険料積立金に相当する金額から、これらの契約に係る掛金の額のうちその保険金受取人が負担した部分の金額でその保険料積立金に係るものを控除した金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
ハ各確定拠出年金資産管理契約につき、当該契約に係る責任準備金額のうち保険料積立金に相当する金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
ニ各勤労者財産形成給付契約又は各勤労者財産形成基金給付契約につき、これらの契約に係る責任準備金額のうち保険料積立金に相当する金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
三厚生年金基金契約、確定給付年金資産管理運用契約、確定給付年金基金資産運用契約、確定拠出年金資産管理契約、勤労者財産形成給付契約又は勤労者財産形成基金給付契約に係る生命共済の業務(当該生命共済の業務に係る共済金の支払事由の発生を共済事故とする共済の業務を含む。)を行う農業協同組合連合会(農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第十号(共済に関する施設)の事業を行う農業協同組合連合会をいう。) 次に掲げる金額の合計額
イ各厚生年金基金契約につき、当該契約に係る農業協同組合法第十一条の十三(共済事業に係る責任準備金)に規定する責任準備金として積み立てられている金額(以下この号において「責任準備金額」という。)のうち共済掛金積立金に相当する金額から、当該契約に係る厚生年金基金又は企業年金連合会が厚生年金保険法第百三十二条第三項に規定する相当する水準の給付を行うものとした場合に当該給付に充てるため保有すべき金額で当該契約に係るものを控除した金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
ロ各確定給付年金資産管理運用契約又は各確定給付年金基金資産運用契約につき、これらの契約に係る責任準備金額のうち共済掛金積立金に相当する金額から、これらの契約に係る掛金の額のうちその共済金受取人が負担した部分の金額でその共済掛金積立金に係るものを控除した金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
ハ各確定拠出年金資産管理契約につき、当該契約に係る責任準備金額のうち共済掛金積立金に相当する金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
ニ各勤労者財産形成給付契約又は各勤労者財産形成基金給付契約につき、これらの契約に係る責任準備金額のうち共済掛金積立金に相当する金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
四確定拠出年金資産管理契約、勤労者財産形成給付契約又は勤労者財産形成基金給付契約に係る損害保険の業務を行う内国法人 次に掲げる金額の合計額
イ各確定拠出年金資産管理契約につき、当該契約に係る責任準備金額のうち払戻積立金に相当する金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
ロ各勤労者財産形成給付契約又は各勤労者財産形成基金給付契約につき、これらの契約に係る責任準備金額のうち払戻積立金に相当する金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
五厚生年金基金契約、確定給付年金基金資産運用契約又は勤労者財産形成基金給付契約に係る預貯金の受入れの業務を行う内国法人 次に掲げる金額の合計額
イ各厚生年金基金契約につき、当該契約に係る預貯金の額から、当該契約に係る厚生年金基金又は企業年金連合会が厚生年金保険法第百三十二条第三項に規定する相当する水準の給付を行うものとした場合に当該給付に充てるため保有すべき金額で当該契約に係るものを控除した金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
ロ各確定給付年金基金資産運用契約につき、当該契約に係る預貯金の額から、当該契約に係る掛金の額のうち当該契約に係る企業年金基金の加入者又は加入者であつた者が負担した部分の金額でその預貯金に係るものを控除した金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
ハ各勤労者財産形成基金給付契約につき、当該契約に係る預貯金の額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
六勤労者財産形成基金給付契約に係る有価証券の購入及び当該購入に係る有価証券の保管の受託の業務を行う内国法人 各勤労者財産形成基金給付契約につき、当該契約に係る有価証券の価額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
七厚生年金基金契約又は確定給付年金基金資産運用契約に係る有価証券の売買その他の方法による年金給付等積立金又は確定給付年金積立金の運用及び当該運用に係る年金給付等積立金又は確定給付年金積立金の管理の受託の業務を行う内国法人 次に掲げる金額の合計額
イ各厚生年金基金契約につき、当該契約に係る有価証券その他の資産の価額から、当該契約に係る厚生年金基金又は企業年金連合会が厚生年金保険法第百三十二条第三項に規定する相当する水準の給付を行うものとした場合に当該給付に充てるため保有すべき金額で当該契約に係るものを控除した金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
ロ各確定給付年金基金資産運用契約につき、当該契約に係る有価証券その他の資産の価額から、当該契約に係る掛金の額のうち当該契約に係る企業年金基金の加入者又は加入者であつた者が負担した部分の金額でその有価証券その他の資産に係るものを控除した金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額
八確定拠出年金法第二条第三項に規定する個人型年金を実施する同条第五項に規定する連合会 同法第六十一条第一項第三号(事務の委託)に規定する積立金の額として政令で定めるところにより計算した金額
3前二項に規定する厚生年金基金契約とは、厚生年金保険法第百三十六条の三第一項(年金給付等積立金の運用)(同法第百六十四条第三項(準用規定)において準用する場合を含む。)の規定により年金給付等積立金を運用するために締結された同法第百三十六条の三第一項第一号、第二号、第四号若しくは第五号に掲げる方法による運用に係る契約又は同条第二項において準用する同法第百三十条の二第二項に規定する信託の契約をいい、前二項に規定する確定給付年金資産管理運用契約とは、確定給付企業年金法第六十五条第一項(事業主の積立金の管理及び運用に関する契約)の規定により締結された信託、生命保険又は生命共済の契約をいい、前二項に規定する確定給付年金基金資産運用契約とは、同法第六十六条第一項(基金の積立金の運用に関する契約)の規定により締結された信託、生命保険若しくは生命共済若しくは同条第二項に規定する信託又は同条第四項に規定する預金若しくは貯金の預入若しくは有価証券の売買その他の方法による確定給付年金積立金の運用に関する契約をいい、前二項に規定する確定拠出年金資産管理契約とは、確定拠出年金法第八条第一項(資産管理契約の締結)の規定により締結された信託、生命保険、生命共済又は損害保険の契約をいい、前二項に規定する勤労者財産形成給付契約とは、勤労者財産形成促進法(昭和四十六年法律第九十二号)第六条の二第一項(勤労者財産形成給付金契約等)に規定する信託、生命保険、生命共済若しくは損害保険の契約(当該生命共済の契約に係る共済金の支払事由の発生を共済事故とする共済の契約を含む。以下この項において同じ。)又は同項に規定する証券投資信託の設定の委任に関する契約に基づき締結された信託の契約をいい、前二項に規定する勤労者財産形成基金給付契約とは、同法第六条の三第二項(勤労者財産形成基金契約)に規定する信託、生命保険、生命共済若しくは損害保険の契約若しくは同項に規定する証券投資信託の設定の委任に関する契約に基づき締結された信託の契約又は同条第三項に規定する預貯金の預入若しくは有価証券の購入に関する契約をいう。
4第一項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを切り捨てる。
(退職年金業務等の引継ぎをした場合の特例)
第八十四条の二退職年金業務等を行う内国法人が分社型分割によりその退職年金業務等に係る事業の全部若しくは一部を移転し、又はその退職年金業務等に係る事業の全部若しくは一部を譲渡した場合において、その分社型分割又は譲渡がその内国法人の事業年度の中途においてされたときは、その内国法人のその分社型分割又は譲渡の日の属する事業年度の前条第一項に規定する退職年金等積立金の額は、同項の規定にかかわらず、次に掲げる金額の合計額とする。
一その内国法人の当該事業年度開始の時における前条第二項に規定する退職年金等積立金額を十二で除し、これに当該事業年度開始の日からその分社型分割又は譲渡の日の前日までの期間の月数を乗じて計算した金額
二その分社型分割又は譲渡により引継ぎをした後の退職年金業務等に係るその分社型分割又は譲渡の時において計算される前条第二項に規定する退職年金等積立金額を十二で除し、これにその分社型分割又は譲渡の日から当該事業年度終了の日までの期間の月数を乗じて計算した金額
2前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを切り捨てる。
(退職年金業務等の引継ぎを受けた場合の特例)
第八十五条退職年金業務等を行う内国法人が合併又は分割によりその退職年金業務等に係る事業の全部若しくは一部を移転し、又はその退職年金業務等に係る事業の全部若しくは一部を譲渡した場合において、その合併、分割又は譲渡がその合併後存続する内国法人、その分割により事業の承継を受けた内国法人(その分割により設立された法人を除く。)又はその譲渡を受けた内国法人(以下この項において「合併法人等」という。)の事業年度の中途においてされ、かつ、その合併法人等が当該退職年金業務等に係る事業の全部又は一部を引き継いだときは、その合併法人等のその合併、分割又は譲渡の日の属する事業年度の第八十四条第一項(退職年金等積立金の額の計算)に規定する退職年金等積立金の額は、同項の規定にかかわらず、次に掲げる金額の合計額とする。
一その合併法人等の当該事業年度開始の時における第八十四条第二項に規定する退職年金等積立金額を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額
二その合併、分割又は譲渡により引き継いだ退職年金業務等に係るその合併、分割又は譲渡の時において計算される第八十四条第二項に規定する退職年金等積立金額を十二で除し、これにその合併、分割又は譲渡の日から当該事業年度終了の日までの期間の月数を乗じて計算した金額
2前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを切り捨てる。
(退職年金業務等を廃止した場合の特例)
第八十六条退職年金業務等を行う内国法人が前三条に規定する事業年度において退職年金業務等を廃止した場合におけるこれらの規定の適用については、第八十四条第一項(退職年金等積立金の額の計算)中「当該事業年度の月数」とあるのは「当該事業年度開始の日から退職年金業務等の廃止の日までの期間の月数」と、第八十四条の二第一項第二号(退職年金業務等の引継ぎをした場合の特例)中「その分社型分割又は譲渡の日から当該事業年度終了の日までの期間の月数」とあるのは「その分社型分割又は譲渡の日から退職年金業務等の廃止の日までの期間の月数」と、前条第一項第一号中「当該事業年度の月数」とあるのは「当該事業年度開始の日から退職年金業務等の廃止の日までの期間の月数」と、同項第二号中「その合併、分割又は譲渡の日から当該事業年度終了の日までの期間の月数」とあるのは「その合併、分割又は譲渡の日から退職年金業務等の廃止の日までの期間の月数」とする。
第二節 税額の計算
(退職年金等積立金に対する法人税の税率)
第八十七条内国法人に対して課する退職年金等積立金に対する法人税の額は、各事業年度の退職年金等積立金の額に百分の一の税率を乗じて計算した金額とする。
第三節 申告及び納付
(退職年金等積立金に係る中間申告)
第八十八条退職年金業務等を行なう内国法人は、その事業年度が六月をこえる場合には、当該事業年度開始の日以後六月を経過した日から二月以内に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
一当該事業年度開始の日以後六月の期間を一事業年度とみなして計算した場合における当該期間に係る課税標準である退職年金等積立金の額
二前号に掲げる退職年金等積立金の額につき前条の規定を適用して計算した法人税の額
三前二号に掲げる金額の計算の基礎その他財務省令で定める事項
(退職年金等積立金に係る確定申告)
第八十九条退職年金業務等を行なう内国法人は、各事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
一当該事業年度の課税標準である退職年金等積立金の額
二前号に掲げる退職年金等積立金の額につき第八十七条(退職年金等積立金に対する法人税の税率)の規定を適用して計算した法人税の額
三その内国法人が当該事業年度につき前条の規定による申告書を提出すべき法人である場合には、前号に掲げる法人税の額から次条の規定により納付すべき法人税の額(当該申告書に係る期限後申告書の提出又はこれらの申告書の提出がなかつたことによる決定により納付すべき法人税の額を含むものとし、これらの額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の法人税の額とする。)を控除した金額
四前三号に掲げる金額の計算の基礎その他財務省令で定める事項
(退職年金等積立金に係る中間申告による納付)
第九十条第八十八条(退職年金等積立金に係る中間申告)の規定による申告書を提出した内国法人は、当該申告書に記載した同条第二号に掲げる金額があるときは、当該申告書の提出期限までに、当該金額に相当する法人税を国に納付しなければならない。
(退職年金等積立金に係る確定申告による納付)
第九十一条第八十九条(退職年金等積立金に係る確定申告)の規定による申告書を提出した内国法人は、当該申告書に記載した同条第二号に掲げる金額(同条第三号の規定に該当する場合には、同号に掲げる金額)があるときは、当該申告書の提出期限までに、当該金額に相当する法人税を国に納付しなければならない。
第三章 清算所得に対する法人税及び継続等の場合の課税の特例
第一節 解散の場合の清算所得に対する法人税
第一款 課税標準及びその計算
(解散による清算所得の金額の計算)
第九十三条内国普通法人等の解散による清算所得の金額は、その残余財産の価額からその解散の時における資本金等の額(連結事業年度終了の日に解散した場合(次項において「連結事業年度末解散の場合」という。)には、連結個別資本金等の額)と利益積立金額等との合計額を控除した金額とする。
2前項に規定する利益積立金額等とは、次に掲げる金額の合計額をいう。
一解散の時における利益積立金額(連結事業年度末解散の場合には連結個別利益積立金額とし、その解散に基因して政令で定める金額が生ずる場合には当該金額を含む。)
二清算中に受けた第二十三条第一項(受取配当等の益金不算入)に規定する配当等の額(同条第三項の規定に該当するものを除く。)がある場合には、次に掲げる金額の合計額
イ第二十三条第一項に規定する連結法人株式等及び関係法人株式等のいずれにも該当しない株式等に係る当該配当等の額の合計額から清算中に支払つた負債の利子(これに準ずるものとして政令で定めるものを含む。以下この号において同じ。)の額のうち当該株式等に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額の百分の五十に相当する金額
ロ第二十三条第一項に規定する関係法人株式等に係る当該配当等の額の合計額から清算中に支払つた負債の利子の額のうち当該関係法人株式等に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額
ハ第二十三条第一項に規定する連結法人株式等に係る当該配当等の額
三第二十六条第一項第二号から第四号まで(還付金等の益金不算入)に掲げるものの額で清算中に還付を受け、又は未納の国税若しくは地方税に充当をされたもの、同条第二項に規定する外国法人税の額で清算中に還付を受けたもののうち同項に規定する控除対象外国法人税の額及び個別控除対象外国法人税の額が還付された部分として政令で定める金額、清算中に受け取つた附帯税(利子税を除く。以下この号において同じ。)の負担額及び附帯税の負担額の減少額並びに同条第五項に規定する損金の額に算入されなかつたものの額で清算中に還付を受けたものの合計額
第二款 税額の計算
(解散の場合の清算所得に対する法人税額からの所得税額の控除)
第百条内国普通法人等が清算中に所得税法第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に規定する利子等、配当等、給付補てん金、利息、利益、差益、利益の分配又は賞金の支払を受ける場合には、これらにつき同法の規定により課された所得税の額は、政令で定めるところにより、その内国普通法人等の清算所得に対する法人税の額から控除する。
第三款 申告、納付及び還付
(清算中の所得に係る予納申告)
第百二条内国普通法人等は、その清算中の各事業年度(残余財産の確定の日の属する事業年度を除く。)の終了の日の翌日から二月以内(当該期間内に残余財産の最後の分配又は引渡しが行われる場合には、その行われる日の前日まで)に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
一当該事業年度の所得を解散をしていない内国普通法人等の各事業年度の所得とみなして計算した場合における当該事業年度の課税標準である所得の金額又は欠損金額
二当該事業年度の所得を解散をしていない内国普通法人等の所得とみなして前号に掲げる所得の金額につき第一章第二節(税額の計算)(第六十七条(特定同族会社の特別税率)及び第七十条(仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除)を除く。)の規定を適用するものとした場合に計算される法人税の額
三当該事業年度中に残余財産の一部の分配又は引渡しをしている場合において、その分配又は引渡しに係る残余財産分配等予納申告書に記載すべき次条第一項第一号に掲げる金額があるときは、当該金額(当該事業年度中に二回以上残余財産の一部の分配又は引渡しをしている場合には、これらの分配又は引渡しに係る当該金額の合計額)に百分の三十(協同組合等については、百分の二十二)を乗じて計算した金額
四第二号に掲げる法人税の額から前号に掲げる金額を控除した金額
五第六十八条及び第六十九条(所得税額等の控除)の規定による控除をされるべき金額で第二号に掲げる法人税の額の計算上控除しきれなかつたものがある場合には、その控除しきれなかつた金額(第三号に掲げる金額がある場合には、当該控除をされるべき金額のうち、当該控除をしないものとして計算した場合における第二号に掲げる法人税の額から第三号に掲げる金額を控除した金額を超える部分の金額)
六前各号に掲げる金額の計算の基礎その他財務省令で定める事項
第四章 青色申告
(青色申告)
第百二十一条内国法人は、納税地の所轄税務署長の承認を受けた場合には、次に掲げる申告書及びこれらの申告書に係る修正申告書を青色の申告書により提出することができる。
一中間申告書
二確定申告書
三清算事業年度予納申告書
2前項の承認を受けている内国法人は、次に掲げる申告書及びこれらの申告書に係る修正申告書についても、青色の申告書により提出することができる。
一退職年金等積立金中間申告書
二退職年金等積立金確定申告書
三残余財産分配等予納申告書
四清算確定申告書
(青色申告の承認の申請)
第百二十二条当該事業年度以後の各事業年度の前条第一項各号に掲げる申告書を青色の申告書により提出することについて同項の承認を受けようとする内国法人(第二条第十六号(定義)に規定する連結申告法人を除く。)は、当該事業年度開始の日の前日までに、当該事業年度開始の日その他財務省令で定める事項を記載した申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
2前項の場合において、当該事業年度が次の各号に掲げる事業年度に該当するときは、同項の申請書の提出期限は、同項の規定にかかわらず、当該各号に定める日の前日とする。
一内国法人である普通法人又は協同組合等の設立の日の属する事業年度 同日以後三月を経過した日と当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日
二内国法人である公益法人等又は人格のない社団等の新たに収益事業を開始した日の属する事業年度 同日以後三月を経過した日と当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日
三公益法人等(収益事業を行つていないものに限る。)に該当していた普通法人又は協同組合等の当該普通法人又は協同組合等に該当することとなつた日の属する事業年度 同日以後三月を経過した日と当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日
四内国法人である普通法人若しくは協同組合等の設立の日、内国法人である公益法人等若しくは人格のない社団等の新たに収益事業を開始した日又は公益法人等(収益事業を行つていないものに限る。)に該当していた普通法人若しくは協同組合等の当該普通法人若しくは協同組合等に該当することとなつた日(以下この号において「設立等の日」という。)から前三号に規定する事業年度終了の日までの期間が三月に満たない場合における当該事業年度の翌事業年度 当該設立等の日以後三月を経過した日と当該翌事業年度終了の日とのうちいずれか早い日
五連結法人である内国法人が自己を分割法人とする分割型分割を行つた場合(連結親法人事業年度(第十五条の二第一項(連結事業年度の意義)に規定する連結親法人事業年度をいう。次号及び第九号において同じ。)開始の日に当該分割型分割を行つた場合を除く。)における当該分割型分割の日の前日の属する事業年度 当該事業年度終了の日の翌日から二月を経過する日
六内国法人が第四条の五第二項第四号又は第五号(連結納税の承認の取消し)の規定により第四条の二(連結納税義務者)の承認を取り消された場合(連結親法人事業年度開始の日に当該承認を取り消された場合を除く。)におけるその取り消された日の前日の属する事業年度 当該事業年度終了の日の翌日から二月を経過する日
七内国法人が第四条の五第二項各号の規定により第四条の二の承認を取り消された場合におけるその取り消された日(以下この号及び次号において「取消日」という。)の属する事業年度 当該取消日以後三月を経過した日と当該事業年度終了の日の翌日から二月を経過する日とのうちいずれか早い日
八前号の内国法人の同号に掲げる事業年度開始の日からその終了の日までの期間が三月に満たない場合における当該事業年度後の各事業年度(取消日以後三月を経過する日までに開始するものに限る。) 当該取消日以後三月を経過した日と当該各事業年度終了の日の翌日から二月を経過する日とのうちいずれか早い日
九第四条の五第三項の承認を受けた内国法人の当該承認を受けた日の属する連結親法人事業年度の翌事業年度 当該翌事業年度開始の日以後三月を経過した日と当該翌事業年度終了の日とのうちいずれか早い日
(青色申告の承認申請の却下)
第百二十三条税務署長は、前条第一項の申請書の提出があつた場合において、その申請書を提出した内国法人につき次の各号のいずれかに該当する事実があるときは、その申請を却下することができる。
一前条第一項に規定する当該事業年度に係る帳簿書類の備付け、記録又は保存が第百二十六条第一項(青色申告法人の帳簿書類)に規定する財務省令で定めるところに従つて行われていないこと。
二その備え付ける帳簿書類に取引の全部又は一部を隠ぺいし又は仮装して記載し又は記録していることその他不実の記載又は記録があると認められる相当の理由があること。
三第百二十七条第二項(青色申告の承認の取消し)の規定による通知を受け、又は第百二十八条(青色申告の取りやめ)に規定する届出書の提出をした日以後一年以内にその申請書を提出したこと。
四第四条の五第一項(連結納税の承認の取消し)の規定により第四条の二(連結納税義務者)の承認が取り消された場合で、その取り消された日以後一年以内にその申請書を提出したこと。
(青色申告の承認等の通知)
第百二十四条税務署長は、第百二十二条第一項(青色申告の承認の申請)の申請書の提出があつた場合において、その申請につき承認又は却下の処分をするときは、その申請をした内国法人に対し、書面によりその旨を通知する。
(青色申告の承認があつたものとみなす場合)
第百二十五条第百二十二条第一項(青色申告の承認の申請)の申請書の提出があつた場合において、同項に規定する当該事業年度終了の日(当該事業年度について中間申告書を提出すべき法人については当該事業年度開始の日以後六月を経過する日とし、同条第二項第五号又は第六号の内国法人についてはこれらの号に定める日とし、同項第七号又は第八号の内国法人のうちこれらの号に定める日がこれらの号に掲げる事業年度終了の日後となるものについては当該事業年度終了の日の翌日から二月を経過する日とする。)までにその申請につき承認又は却下の処分がなかつたときは、その日においてその承認があつたものとみなす。
(青色申告法人の帳簿書類)
第百二十六条第百二十一条第一項(青色申告)の承認を受けている内国法人は、財務省令で定めるところにより、帳簿書類を備え付けてこれにその取引を記録し、かつ、当該帳簿書類を保存しなければならない。
2納税地の所轄税務署長は、必要があると認めるときは、第百二十一条第一項の承認を受けている内国法人に対し、前項に規定する帳簿書類について必要な指示をすることができる。
(青色申告の承認の取消し)
第百二十七条第百二十一条第一項(青色申告)の承認を受けた内国法人につき次の各号のいずれかに該当する事実がある場合には、納税地の所轄税務署長は、当該各号に定める事業年度までさかのぼつて、その承認を取り消すことができる。この場合において、その取消しがあつたときは、当該事業年度開始の日以後その内国法人が提出したその承認に係る青色申告書(納付すべき義務が同日前に成立した法人税に係るものを除く。)は、青色申告書以外の申告書とみなす。
一その事業年度に係る帳簿書類の備付け、記録又は保存が前条第一項に規定する財務省令で定めるところに従つて行なわれていないこと。 当該事業年度
二その事業年度に係る帳簿書類について前条第二項の規定による税務署長の指示に従わなかつたこと。 当該事業年度
三その事業年度に係る帳簿書類に取引の全部又は一部を隠ぺいし又は仮装して記載し又は記録し、その他その記載又は記録をした事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由があること。 当該事業年度
四第七十四条第一項(確定申告)又は第百二条第一項(清算中の所得に係る予納申告)の規定による申告書をその提出期限までに提出しなかつたこと。 当該申告書に係る事業年度
五第四条の五第一項(連結納税の承認の取消し)の規定により第四条の二(連結納税義務者)の承認が取り消されたこと。 その取り消された日の前日(当該前日が連結親法人事業年度(第十五条の二第一項(連結事業年度の意義)に規定する連結親法人事業年度をいう。)終了の日である場合には、その取り消された日)の属する事業年度
2税務署長は、前項の規定による取消しの処分をする場合には、同項の内国法人に対し、書面によりその旨を通知する。この場合において、その書面には、その取消しの処分の基因となつた事実が同項各号のいずれに該当するかを付記しなければならない。
(青色申告の取りやめ)
第百二十八条第百二十一条第一項(青色申告)の承認を受けている内国法人は、当該事業年度以後の各事業年度の同項各号に掲げる申告書を青色の申告書により提出することをやめようとするときは、当該事業年度終了の日の翌日から二月以内に、当該事業年度開始の日その他財務省令で定める事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。この場合において、その届出書の提出があつたときは、当該事業年度以後の各事業年度については、その承認は、その効力を失うものとする。
第五章 更正及び決定
(青色申告書等に係る更正)
第百三十条税務署長は、内国法人の提出した青色申告書又は連結確定申告書等(連結中間申告書、連結確定申告書又はこれらの申告書に係る修正申告書をいう。以下この条において同じ。)に係る法人税の課税標準又は欠損金額若しくは連結欠損金額の更正をする場合には、その内国法人の帳簿書類(当該連結確定申告書等に係る法人税の課税標準又は連結欠損金額の更正をする場合にあつては、連結子法人の帳簿書類を含む。)を調査し、その調査により当該青色申告書又は連結確定申告書等に係る法人税の課税標準又は欠損金額若しくは連結欠損金額の計算に誤りがあると認められる場合に限り、これをすることができる。ただし、当該青色申告書又は連結確定申告書等及びこれらに添付された書類に記載された事項によつて、当該課税標準又は欠損金額若しくは連結欠損金額の計算がこの法律の規定に従つていないことその他その計算に誤りがあることが明らかである場合は、その帳簿書類を調査しないでその更正をすることを妨げない。
2税務署長は、内国法人の提出した青色申告書又は連結確定申告書等に係る法人税の課税標準又は欠損金額若しくは連結欠損金額の更正をする場合には、その更正に係る国税通則法第二十八条第二項(更正通知書の記載事項)に規定する更正通知書にその更正の理由を付記しなければならない。
(推計による更正又は決定)
第百三十一条税務署長は、内国法人に係る法人税につき更正又は決定をする場合には、内国法人の提出した青色申告書に係る法人税の課税標準又は欠損金額の更正をする場合を除き、その内国法人(各連結事業年度の連結所得に対する法人税につき更正又は決定をする場合にあつては、連結子法人を含む。)の財産若しくは債務の増減の状況、収入若しくは支出の状況又は生産量、販売量その他の取扱量、従業員数その他事業の規模によりその内国法人に係る法人税の課税標準(更正をする場合にあつては、課税標準又は欠損金額若しくは連結欠損金額)を推計して、これをすることができる。
(同族会社等の行為又は計算の否認)
第百三十二条税務署長は、次に掲げる法人に係る法人税につき更正又は決定をする場合において、その法人の行為又は計算で、これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準若しくは欠損金額又は法人税の額を計算することができる。
一内国法人である同族会社
二イからハまでのいずれにも該当する内国法人
イ三以上の支店、工場その他の事業所を有すること。
ロその事業所の二分の一以上に当たる事業所につき、その事業所の所長、主任その他のその事業所に係る事業の主宰者又は当該主宰者の親族その他の当該主宰者と政令で定める特殊の関係のある個人(以下この号において「所長等」という。)が前に当該事業所において個人として事業を営んでいた事実があること。
ハロに規定する事実がある事業所の所長等の有するその内国法人の株式又は出資の数又は金額の合計額がその内国法人の発行済株式又は出資(その内国法人が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の三分の二以上に相当すること。
2前項の場合において、内国法人が同項各号に掲げる法人に該当するかどうかの判定は、同項に規定する行為又は計算の事実のあつた時の現況によるものとする。
(組織再編成に係る行為又は計算の否認)
第百三十二条の二税務署長は、合併、分割、現物出資若しくは事後設立(第二条第十二号の六(定義)に規定する事後設立をいう。)又は株式交換若しくは株式移転(以下この条において「合併等」という。)に係る次に掲げる法人の法人税につき更正又は決定をする場合において、その法人の行為又は計算で、これを容認した場合には、合併等により移転する資産及び負債の譲渡に係る利益の額の減少又は損失の額の増加、法人税の額から控除する金額の増加、第一号又は第二号に掲げる法人の株式(出資を含む。第二号において同じ。)の譲渡に係る利益の額の減少又は損失の額の増加、みなし配当金額(第二十四条第一項(配当等の額とみなす金額)の規定により第二十三条第一項第一号(受取配当等の益金不算入)に掲げる金額とみなされる金額をいう。)の減少その他の事由により法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準若しくは欠損金額又は法人税の額を計算することができる。
一合併等をした一方の法人又は他方の法人
二合併等により交付された株式を発行した法人(前号に掲げる法人を除く。)
三前二号に掲げる法人の株主等である法人(前二号に掲げる法人を除く。)
(確定申告又は連結確定申告に係る更正による所得税額等の還付)
第百三十三条内国法人の提出した確定申告書又は連結確定申告書に係る法人税につき更正があつた場合において、その更正により第七十四条第一項第三号(所得税額等の控除不足額)又は第八十一条の二十二第一項第三号(連結確定申告書に係る所得税額等の控除不足額)に掲げる金額が増加したときは、税務署長は、その内国法人に対し、その増加した部分の金額に相当する税額を還付する。
2前項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、前項の確定申告書又は連結確定申告書の提出期限(これらの申告書が期限後申告書である場合には、これらの申告書を提出した日)の翌日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
3第一項の規定による還付金を同項の確定申告書に係る事業年度の所得に対する法人税又は同項の連結確定申告書に係る連結事業年度の連結所得に対する法人税で未納のものに充当する場合には、その還付金の額のうちその充当する金額については、還付加算金を付さないものとし、その充当される部分の法人税については、延滞税及び利子税を免除するものとする。
4前二項に定めるもののほか、第一項の規定による還付金(これに係る還付加算金を含む。)につき充当をする場合の方法その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(確定申告又は連結確定申告に係る更正又は決定による中間納付額の還付)
第百三十四条中間申告書又は連結中間申告書を提出した内国法人である普通法人のその中間申告書に係る事業年度の法人税又は連結中間申告書に係る連結事業年度の法人税につき決定があつた場合において、その決定に係る第七十四条第一項第五号(中間納付額の控除不足額)又は第八十一条の二十二第一項第五号(中間納付額の控除不足額)に掲げる金額があるときは、税務署長は、その普通法人に対し、当該金額に相当する中間納付額を還付する。
2中間申告書又は連結中間申告書を提出した内国法人である普通法人のその中間申告書に係る事業年度の法人税又は連結中間申告書に係る連結事業年度の法人税につき更正があつた場合において、その更正により第七十四条第一項第五号又は第八十一条の二十二第一項第五号に掲げる金額が増加したときは、税務署長は、その普通法人に対し、その増加した部分の金額に相当する中間納付額を還付する。
3税務署長は、前二項の規定による還付金の還付をする場合において、これらの規定に規定する中間申告書又は連結中間申告書に係る中間納付額について納付された延滞税があるときは、その額のうち、これらの規定により還付される中間納付額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を併せて還付する。
4第一項又は第二項の規定により還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、第一項又は第二項の規定により還付すべき中間納付額の納付の日(その中間納付額がその納期限前に納付された場合には、その納期限)の翌日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。ただし、次の各号に掲げる還付金については、当該各号に定める日数は、当該期間に算入しない。
一第一項の規定による還付金 同項に規定する事業年度の第七十四条第一項の規定による申告書又は第一項に規定する連結事業年度の第八十一条の二十二第一項の規定による申告書の提出期限の翌日から第一項の決定があつた日までの日数
二第二項の規定による還付金(その基因となつた更正が次のいずれにも該当しないものを除く。) 同項に規定する事業年度の第七十四条第一項の規定による申告書又は第二項に規定する連結事業年度の第八十一条の二十二第一項の規定による申告書の提出期限の翌日から、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める日までの日数
イ第二項の更正に係る確定申告書又は連結確定申告書が期限後申告書である場合 その提出の日
ロ第二項の更正が決定に係る更正である場合 その決定があつた日
5第一項又は第二項の規定による還付金をその額の計算の基礎とされた中間納付額に係る事業年度の所得に対する法人税又は連結事業年度の連結所得に対する法人税で未納のものに充当する場合には、その還付金の額のうちその充当する金額については、還付加算金を付さないものとし、その充当される部分の法人税については、延滞税及び利子税を免除するものとする。
6第三項の規定による還付金については、還付加算金は、付さない。
7前三項に定めるもののほか、第一項又は第二項の規定による還付金(これに係る還付加算金を含む。)につき充当をする場合の方法その他第一項から第三項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第三編 外国法人の法人税
第一章 国内源泉所得
(国内源泉所得)
第百三十八条この編において「国内源泉所得」とは、次に掲げるものをいう。
一国内において行う事業から生じ、又は国内にある資産の運用、保有若しくは譲渡により生ずる所得(次号から第十一号までに該当するものを除く。)その他その源泉が国内にある所得として政令で定めるもの
二国内において人的役務の提供を主たる内容とする事業で政令で定めるものを行う法人が受ける当該人的役務の提供に係る対価
四所得税法第二十三条第一項(利子所得)に規定する利子等のうち次に掲げるもの
イ日本国の国債若しくは地方債又は内国法人の発行する債券の利子
ロ外国法人の発行する債券の利子のうち当該外国法人が国内において行う事業に帰せられるものその他の政令で定めるもの
ハ国内にある営業所、事務所その他これらに準ずるもの(以下この条において「営業所」という。)に預け入れられた所得税法第二条第一項第十号に規定する預貯金の利子
ニ国内にある営業所に信託された合同運用信託、公社債投資信託又は公募公社債等運用投資信託(所得税法第二条第一項第十五号の三に規定する公募公社債等運用投資信託をいう。次号ロにおいて同じ。)の収益の分配
五所得税法第二十四条第一項(配当所得)に規定する配当等のうち次に掲げるもの
イ内国法人から受ける所得税法第二十四条第一項に規定する剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配又は基金利息
ロ国内にある営業所に信託された所得税法第二条第一項第十二号の二に規定する投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託を除く。)又は第二条第二十九号ハ(定義)に規定する特定受益証券発行信託の収益の分配
六国内において業務を行う者に対する貸付金(これに準ずるものを含む。)で当該業務に係るものの利子(政令で定める利子を除く。)
七国内において業務を行う者から受ける次に掲げる使用料又は対価で当該業務に係るもの
イ工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるものの使用料又はその譲渡による対価
ロ著作権(出版権及び著作隣接権その他これに準ずるものを含む。)の使用料又はその譲渡による対価
ハ機械、装置その他政令で定める用具の使用料
八国内において行う事業の広告宣伝のための賞金として政令で定めるもの
九国内にある営業所又は国内において契約の締結の代理をする者を通じて締結した生命保険契約、損害保険契約その他の年金に係る契約で政令で定めるものに基づいて受ける年金(年金の支払の開始の日以後に当該年金に係る契約に基づき分配を受ける剰余金又は割戻しを受ける割戻金及び当該契約に基づき年金に代えて支給される一時金を含む。)
十次に掲げる給付補てん金、利息、利益又は差益
イ所得税法第百七十四条第三号(内国法人に係る所得税の課税標準)に掲げる給付補てん金のうち国内にある営業所が受け入れた定期積金に係るもの
ロ所得税法第百七十四条第四号に掲げる給付補てん金のうち国内にある営業所が受け入れた同号に規定する掛金に係るもの
ハ所得税法第百七十四条第五号に掲げる利息のうち国内にある営業所を通じて締結された同号に規定する契約に係るもの
ニ所得税法第百七十四条第六号に掲げる利益のうち国内にある営業所を通じて締結された同号に規定する契約に係るもの
ホ所得税法第百七十四条第七号に掲げる差益のうち国内にある営業所が受け入れた預貯金に係るもの
ヘ所得税法第百七十四条第八号に掲げる差益のうち国内にある営業所又は国内において契約の締結の代理をする者を通じて締結された同号に規定する契約に係るもの
十一国内において事業を行う者に対する出資につき、匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。)に基づいて受ける利益の分配
(租税条約に異なる定めがある場合の国内源泉所得)
第百三十九条日本国が締結した所得に対する租税に関する二重課税防止のための条約において国内源泉所得につき前条の規定と異なる定めがある場合には、その条約の適用を受ける法人については、同条の規定にかかわらず、国内源泉所得は、その異なる定めがある限りにおいて、その条約に定めるところによる。この場合において、その条約が同条第二号から第十一号までの規定に代わつて国内源泉所得を定めているときは、この法律中これらの号に規定する事項に関する部分の適用については、その条約により国内源泉所得とされたものをもつてこれに対応するこれらの号に掲げる国内源泉所得とみなす。
(国内源泉所得の範囲の細目)
第百四十条前二条に定めるもののほか、国内源泉所得の範囲に関し必要な事項は、政令で定める。
第二章 各事業年度の所得に対する法人税
第一節 課税標準及びその計算
(外国法人に係る各事業年度の所得に対する法人税の課税標準)
第百四十一条外国法人に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の課税標準は、各事業年度の所得のうち次の各号に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に掲げる国内源泉所得に係る所得の金額とする。
一国内に支店、工場その他事業を行なう一定の場所で政令で定めるものを有する外国法人 すべての国内源泉所得
二国内において建設、据付け、組立てその他の作業又はその作業の指揮監督の役務の提供(以下この号において「建設作業等」という。)を一年を超えて行う外国法人(前号に該当する外国法人を除く。) 次に掲げる国内源泉所得
イ第百三十八条第一号から第三号まで(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得
ロ第百三十八条第四号から第十一号までに掲げる国内源泉所得のうち、その外国法人が国内において行う建設作業等に係る事業に帰せられるもの
三国内に自己のために契約を締結する権限のある者その他これに準ずる者で政令で定めるもの(以下この号において「代理人等」という。)を置く外国法人(第一号に該当する外国法人を除く。) 次に掲げる国内源泉所得
イ第百三十八条第一号から第三号までに掲げる国内源泉所得
ロ第百三十八条第四号から第十一号までに掲げる国内源泉所得のうち、その外国法人が国内においてその代理人等を通じて行う事業に帰せられるもの
四前三号に掲げる外国法人以外の外国法人 次に掲げる国内源泉所得
イ第百三十八条第一号に掲げる国内源泉所得のうち、国内にある資産の運用若しくは保有又は国内にある不動産の譲渡により生ずるものその他政令で定めるもの
ロ第百三十八条第二号及び第三号に掲げる国内源泉所得
(国内源泉所得に係る所得の金額の計算)
第百四十二条外国法人の前条に規定する国内源泉所得に係る所得の金額は、当該国内源泉所得に係る所得について、政令で定めるところにより、前編第一章第一節第二款から第九款まで(内国法人の各事業年度の所得の金額の計算)(第四十六条(非出資組合が賦課金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)及び第六十条の二(協同組合等の事業分量配当等の損金算入)並びに第五款第五目(連結納税の開始等に伴う資産の時価評価損益)及び第六目(分割等前事業年度等における連結法人間取引の損益)を除く。)及び第十一款(各事業年度の所得の金額の計算の細目)の規定に準じて計算した金額とする。
第二節 税額の計算
(外国法人に係る各事業年度の所得に対する法人税の税率)
第百四十三条外国法人に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、第百四十一条(外国法人に係る法人税の課税標準)に規定する国内源泉所得に係る所得の金額に百分の三十の税率を乗じて計算した金額とする。
2前項の場合において、各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資金の額が一億円以下であるもの若しくは資本若しくは出資を有しないもの(保険業法に規定する相互会社に準ずるものとして政令で定めるものを除く。)又は人格のない社団等の第百四十一条に規定する国内源泉所得に係る所得の金額のうち年八百万円以下の金額については、同項の規定にかかわらず、百分の二十二の税率による。
3事業年度が一年に満たない外国法人に対する前項の規定の適用については、同項中「年八百万円」とあるのは、「八百万円を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」とする。
4前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
5第四条の七(受託法人等に関するこの法律の適用)に規定する受託法人については、第二項の規定は、適用しない。
(所得税額の控除)
第百四十四条第六十八条(内国法人に係る所得税額の控除)の規定は、外国法人が各事業年度において第百四十一条各号(外国法人に係る法人税の課税標準)に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に掲げる国内源泉所得で所得税法の規定により所得税を課されるもの(同法第百六十一条第五号(内国法人から受ける配当等)に掲げる配当等で政令で定めるものを除く。)の支払を受ける場合について準用する。この場合において、第六十八条第一項中「所得税の額」とあるのは「所得税の額(所得税法第百六十一条第二号(国内源泉所得)に掲げる対価につき同法第二百十二条第一項(非居住者又は外国法人の所得に係る源泉徴収義務)の規定により徴収された所得税については、その額のうち、同法第二百十五条(非居住者の人的役務の提供による給与等に係る源泉徴収の特例)の規定により同項の規定による徴収が行われたものとみなされる同法第百六十一条第八号に掲げる給与、報酬又は年金に対応する部分の金額を除く。)」と、同条第二項中「利子及び配当等」とあるのは「当該国内源泉所得」と読み替えるものとする。
第三節 申告、納付及び還付等
(申告、納付及び還付等)
第百四十五条前編第一章第三節(内国法人の各事業年度の所得に対する法人税の申告、納付及び還付等)の規定は、外国法人の各事業年度の所得に対する法人税についての申告、納付、還付及び国税通則法第二十三条第一項(更正の請求)の規定による更正の請求について準用する。
2前項の場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句にそれぞれ読み替えるものとする。
第七十一条第一項(中間申告)
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普通法人(清算中のものを除く。)
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普通法人
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(新たに設立された内国法人である普通法人のうち適格合併(被合併法人のすべてが収益事業を行つていない公益法人等であるものを除く。次項及び第三項において同じ。)により設立されたもの以外のものの設立後最初の事業年度
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(第百四十一条第一号から第三号まで(外国法人に係る法人税の課税標準)に掲げる外国法人に該当する普通法人のこれらの号に掲げる外国法人のいずれかに該当することとなつた日の属する事業年度、同条第四号に掲げる外国法人に該当する普通法人の第百三十八条第二号(人的役務の提供事業に係る対価)に規定する事業(以下「人的役務提供事業」という。)を国内において開始した日の属する事業年度又は当該普通法人の第百四十一条第四号に掲げる国内源泉所得で第百三十八条第二号に掲げる対価以外のものを有することとなつた日の属する事業年度
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又は当該金額がない場合
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若しくは当該金額がない場合又は当該二月以内に、第百四十一条第一号から第三号までに掲げる外国法人に該当する普通法人が国税通則法第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出(以下「納税管理人の届出」という。)をしないでこれらの号に掲げる外国法人のいずれにも該当しないこととなる場合若しくは第百四十一条第四号に掲げる外国法人に該当する普通法人が人的役務提供事業で国内において行なうものを廃止する場合
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第七十二条第三項(仮決算をした場合の中間申告書の記載事項等)
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、第七款及び第十款
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及び第七款
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損失金の繰越しの要件)を除く
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損失金の繰越しの要件)並びに第四十六条(非出資組合が賦課金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)及び第六十条の二(協同組合等の事業分量配当等の損金算入)を除く
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第六十八条第三項及び第四項(所得税額の控除)並びに第六十九条第十六項(外国税額の控除)中「確定申告書」とあるのは「中間申告書」と、同条第十七項中「確定申告書にこれら」とあるのは「中間申告書にこれら」と、同条第十八項中「確定申告書」とあるのは「中間申告書、確定申告書」
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第百四十四条(外国法人に対する準用)において準用する第六十八条第三項及び第四項(所得税額の控除)中「確定申告書」とあるのは「中間申告書」
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第七十四条第一項(確定申告)
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内国法人(清算中の内国法人である普通法人及び清算中の協同組合等を除く。)
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外国法人
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二月以内
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二月以内(第百四十一条第一号から第三号まで(外国法人に係る法人税の課税標準)に掲げる外国法人に該当する法人が納税管理人の届出をしないでこれらの号に掲げる外国法人のいずれにも該当しないこととなる場合又は同条第四号に掲げる外国法人に該当する法人が人的役務提供事業で国内において行なうものを廃止する場合には、当該事業年度終了の日の翌日から二月を経過した日の前日とその該当しないこととなる日又はその廃止の日とのうちいずれか早い日まで)
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前節
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第三編第二章第二節
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第六十八条及び第六十九条(所得税額等の控除)
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第百四十四条(外国法人に対する準用)において準用する第六十八条(所得税額の控除)
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第七十五条第一項(確定申告書の提出期限の延長)及び第七十五条の二第一項(確定申告書の提出期限の延長の特例)
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規定による申告書
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規定による申告書(第百四十一条第一号から第三号まで(外国法人に係る法人税の課税標準)に掲げる外国法人に該当する法人が納税管理人の届出をしないでこれらの号に掲げる外国法人のいずれにも該当しないこととなる場合又は同条第四号に掲げる外国法人に該当する法人が人的役務提供事業で国内において行なうものを廃止する場合において提出すべきものを除く。)
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第八十条第一項(欠損金の繰戻しによる還付)
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第六十八条から第七十条の二まで(税額控除)
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第百四十四条(外国法人に対する準用)において準用する第六十八条(所得税額の控除)
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第三章 退職年金等積立金に対する法人税
第一節 課税標準及びその計算
(外国法人に係る退職年金等積立金に対する法人税の課税標準)
第百四十五条の二外国法人に対して課する退職年金等積立金に対する法人税の課税標準は、各事業年度の退職年金等積立金の額とする。
(外国法人に係る退職年金等積立金の額の計算)
第百四十五条の三第八十四条第一項(退職年金等積立金の額の計算)に規定する退職年金業務等を行う外国法人の各事業年度の退職年金等積立金の額は、当該退職年金等積立金について、政令で定めるところにより、同条から第八十六条まで(退職年金等積立金の額の計算及びその特例)の規定に準じて計算した金額とする。
第二節 税額の計算
(外国法人に係る退職年金等積立金に対する法人税の税率)
第百四十五条の四外国法人に対して課する退職年金等積立金に対する法人税の額は、各事業年度の退職年金等積立金の額に百分の一の税率を乗じて計算した金額とする。
第三節 申告及び納付
(申告及び納付)
第百四十五条の五前編第二章第三節(内国法人の退職年金等積立金に対する法人税の申告及び納付)の規定は、外国法人の退職年金等積立金に対する法人税についての申告及び納付について準用する。この場合において、第八十八条第二号(退職年金等積立金に係る中間申告)中「前条」とあるのは「第百四十五条の四(外国法人に係る退職年金等積立金に対する法人税の税率)」と、第八十九条第二号(退職年金等積立金に係る確定申告)中「第八十七条(退職年金等積立金に対する法人税の税率)」とあるのは「第百四十五条の四(外国法人に係る退職年金等積立金に対する法人税の税率)」と読み替えるものとする。
第四章 青色申告
(青色申告)
第百四十六条前編第四章(内国法人に係る青色申告)の規定は、外国法人の提出する確定申告書及び中間申告書並びに退職年金等積立金確定申告書及び退職年金等積立金中間申告書並びにこれらの申告書に係る修正申告書について準用する。
2前項の場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句にそれぞれ読み替えるものとする。
第百二十二条第二項第一号(青色申告の承認の申請)
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内国法人である普通法人又は協同組合等の設立の日の属する事業年度
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第百四十一条第一号から第三号まで(外国法人に係る法人税の課税標準)に掲げる外国法人に該当する普通法人のこれらの号に掲げる外国法人のいずれかに該当することとなつた日の属する事業年度又は同条第四号に掲げる外国法人に該当する普通法人の人的役務提供事業を国内において開始した日の属する事業年度若しくは当該普通法人の同号に掲げる国内源泉所得で第百三十八条第二号(人的役務の提供事業に係る対価)に掲げる対価以外のものを有することとなつた日の属する事業年度
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同日
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その該当することとなつた日又はその開始した日若しくはその有することとなつた日
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第百二十二条第二項第二号
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収益事業を開始した日
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第百四十一条各号に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に掲げる国内源泉所得で収益事業から生ずるものを有することとなつた日
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第百二十二条第二項第四号
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内国法人である普通法人若しくは協同組合等の設立の日
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第百四十一条第一号から第三号までに掲げる外国法人に該当する普通法人がこれらの号に掲げる外国法人のいずれかに該当することとなつた日、同条第四号に掲げる外国法人に該当する普通法人が人的役務提供事業を国内において開始した日、当該普通法人が同号に掲げる国内源泉所得で第百三十八条第二号に掲げる対価以外のものを有することとなつた日又は
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収益事業を開始した日又は公益法人等(収益事業を行つていないものに限る。)に該当していた普通法人若しくは協同組合等の当該普通法人若しくは協同組合等に該当することとなつた日
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第百四十一条各号に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に掲げる国内源泉所得で収益事業から生ずるものを有することとなつた日
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設立等の日
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申告対象外国法人となつた日
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第五章 更正及び決定
(更正及び決定)
第百四十七条第百三十条から第百三十二条の二まで(内国法人に係る更正及び決定)、第百三十三条(確定申告又は連結確定申告に係る更正による所得税額等の還付)、第百三十四条(確定申告又は連結確定申告に係る更正又は決定による中間納付額の還付)の規定は、外国法人の各事業年度の所得に対する法人税及び外国法人の退職年金等積立金に対する法人税に係る更正又は決定について準用する。
別表第一 公共法人の表
名称
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根拠法
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沖縄振興開発金融公庫
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沖縄振興開発金融公庫法(昭和四十七年法律第三十一号)
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株式会社日本政策金融公庫
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会社法及び株式会社日本政策金融公庫法(平成十九年法律第五十七号)
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港務局
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国立大学法人
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国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)
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社会保険診療報酬支払基金
|
社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)
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水害予防組合
|
水害予防組合法(明治四十一年法律第五十号)
|
水害予防組合連合
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大学共同利用機関法人
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地方公営企業等金融機構
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地方公営企業等金融機構法(平成十九年法律第六十四号)
|
地方公共団体
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地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)
|
地方住宅供給公社
|
地方住宅供給公社法(昭和四十年法律第百二十四号)
|
地方道路公社
|
地方道路公社法(昭和四十五年法律第八十二号)
|
地方独立行政法人
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地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)
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独立行政法人(その資本金の額若しくは出資の金額の全部が国若しくは地方公共団体の所有に属しているもの又はこれに類するものとして、財務大臣が指定をしたものに限る。)
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独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)及び同法第一条第一項(目的等)に規定する個別法
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土地開発公社
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公有地の拡大の推進に関する法律(昭和四十七年法律第六十六号)
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土地改良区
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土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)
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土地改良区連合
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土地区画整理組合
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土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)
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日本下水道事業団
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日本下水道事業団法(昭和四十七年法律第四十一号)
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日本司法支援センター
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総合法律支援法(平成十六年法律第七十四号)
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日本中央競馬会
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日本中央競馬会法(昭和二十九年法律第二百五号)
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日本放送協会
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放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)
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