国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則(平成二十五年最高裁判所規則第五号)
最終更新:令和元年最高裁判所規則第五号
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国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則
平成二十五年十一月十三日最高裁判所規則第五号
目次
第一章 子の返還に関する事件の手続
第一節 通則(第一条―第四条)
第二節 子の返還申立事件の手続
第一款 総則
第一目 管轄(第五条―第七条)
第二目 裁判所職員の除斥、忌避及び回避(第八条―第十二条)
第三目 当事者能力及び手続行為能力(第十三条・第十四条)
第四目 参加(第十五条・第十六条)
第五目 手続代理人(第十七条)
第六目 手続費用(第十八条・第十九条)
第七目 子の返還申立事件の審理等(第二十条―第三十三条)
第二款 第一審裁判所における子の返還申立事件の手続
第一目 子の返還の申立て(第三十四条―第四十一条)
第二目 子の返還申立事件の手続の期日(第四十二条・第四十三条)
第三目 事実の調査及び証拠調べ(第四十四条―第四十六条)
第四目 裁判(第四十七条―第五十条)
第五目 裁判によらない子の返還申立事件の終了(第五十一条―第五十三条)
第三款 不服申立て
第一目 終局決定に対する即時抗告(第五十四条―第五十八条)
第二目 終局決定に対する特別抗告(第五十九条―第六十七条)
第三目 終局決定に対する許可抗告(第六十八条)
第四目 終局決定以外の裁判に対する不服申立て(第六十九条―第七十一条)
第四款 終局決定の変更(第七十二条・第七十三条)
第五款 再審(第七十四条・第七十五条)
第三節 義務の履行状況の調査及び履行の勧告(第七十六条)
第四節 出国禁止命令(第七十七条―第八十三条)
第二章 子の返還の執行手続に関する民事執行規則の特則(第八十四条―第九十一条)
第三章 家事事件の手続に関する特則
第一節 子の返還申立事件に係る家事調停の手続等(第九十二条)
第二節 面会その他の交流についての家事審判及び家事調停の手続等に関する特則(第九十三条―第九十五条)
第四章 雑則(第九十六条・第九十七条)
附 則
第一章 子の返還に関する事件の手続
第一節 通則
(当事者等が裁判所に提出すべき書面の記載事項)
第一条申立書その他の当事者、子の返還に関する事件の手続に参加した子(以下この条において単に「手続に参加した子」という。)又は代理人が裁判所に提出すべき書面には、次に掲げる事項を記載し、当事者、手続に参加した子又は代理人が記名押印するものとする。
当事者及び手続に参加した子の氏名又は名称及び住所並びに代理人の氏名及び住所
手続代理人の郵便番号及び電話番号(ファクシミリの番号を含む。次項において同じ。)
事件の表示
附属書類の表示
年月日
裁判所の表示
前項の規定にかかわらず、当事者、手続に参加した子又は代理人からその住所を記載した同項の書面が提出されているときは、以後裁判所に提出する同項の書面については、これを記載することを要しない。手続代理人からその郵便番号及び電話番号を記載した同項の書面が提出されているときも、同様とする。
(裁判所に提出すべき書面のファクシミリによる提出)
第二条裁判所に提出すべき書面は、次に掲げるものを除き、ファクシミリを利用して送信することにより提出することができる。
民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定により手数料を納付しなければならない申立てに係る書面
その提出により子の返還に関する事件の手続の開始、続行、停止又は完結をさせる書面(前号に該当する書面を除く。)
法定代理権、子の返還に関する事件の手続における手続上の行為をするのに必要な授権又は手続代理人の権限を証明する書面その他の子の返還に関する事件の手続上重要な事項を証明する書面
特別抗告の抗告理由書又は国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成二十五年法律第四十八号。以下「法」という。)第百十一条第二項(法第百十六条第一項(法第百三十三条において準用する場合を含む。)及び第百三十三条において準用する場合を含む。)の申立てに係る理由書
ファクシミリを利用して書面が提出されたときは、裁判所が受信した時に、当該書面が裁判所に提出されたものとみなす。
裁判所は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、提出者に対し、送信に使用した書面を提出させることができる。
(裁判所に提出する書面に記載した情報の電磁的方法による提供等)
第三条裁判所は、書面を裁判所に提出した者又は提出しようとする者が当該書面に記載されている情報の内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この項において同じ。)を有している場合において、必要があると認めるときは、その者に対し、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)であって裁判所の定めるものにより裁判所に提供することを求めることができる。
裁判所は、申立書その他の書面を送付しようとするときその他必要があると認めるときは、当該書面を裁判所に提出した者又は提出しようとする者に対し、その写しを提出することを求めることができる。
(申立てその他の申述の方式等に関する民事訴訟規則の準用)
第四条民事訴訟規則(平成八年最高裁判所規則第五号)第一条の規定は子の返還に関する事件の手続における申立てその他の申述の方式について、同規則第四条の規定は子の返還に関する事件の手続における催告及び通知について、同規則第五条の規定は子の返還に関する事件の手続における書類の記載の仕方について準用する。
第二節 子の返還申立事件の手続
第一款 総則
第一目 管轄
(移送の申立ての方式・法第三十七条)
第五条移送の申立ては、子の返還申立事件の手続の期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
前項の申立てをするときは、申立ての理由を明らかにしなければならない。
(移送等における取扱い・法第三十七条)
第六条家庭裁判所は、法第三十七条第二項又は第四項の規定による移送の裁判をするときは、当事者及び子の返還申立事件の手続に参加した子(以下この節において単に「手続に参加した子」という。)の意見を聴くことができる。
家庭裁判所は、法第三十七条第三項の規定による裁判をするときは、当事者及び手続に参加した子の意見を聴かなければならない。
(移送に関する民事訴訟規則の準用・法第三十七条)
第七条民事訴訟規則第九条の規定は、子の返還申立事件の移送の裁判について準用する。
第二目 裁判所職員の除斥、忌避及び回避
(除斥又は忌避の申立ての方式等・法第三十八条等)
第八条裁判官に対する除斥又は忌避の申立ては、その原因を明示して、裁判官の所属する裁判所にしなければならない。
前項の申立ては、子の返還申立事件の手続の期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
除斥又は忌避の原因は、申立てをした日から三日以内に疎明しなければならない。法第三十九条第二項ただし書に規定する事実についても、同様とする。
(除斥又は忌避についての裁判官の意見陳述・法第四十条)
第九条裁判官は、その除斥又は忌避の申立てについて意見を述べることができる。
(裁判官の回避)
第十条裁判官は、法第三十八条第一項又は第三十九条第一項に規定する場合には、監督権を有する裁判所の許可を得て、回避することができる。
(裁判所書記官の除斥等・法第四十一条)
第十一条裁判所書記官の除斥、忌避及び回避については、前三条の規定を準用する。
(家庭裁判所調査官の除斥及び回避・法第四十二条)
第十二条家庭裁判所調査官の除斥及び回避については、第八条から第十条までの規定(忌避に関する部分を除く。)を準用する。
第三目 当事者能力及び手続行為能力
(法人でない社団又は財団の当事者能力の判断資料の提出等・法第四十三条)
第十三条子の返還申立事件の手続における法人でない社団又は財団の当事者能力の判断資料の提出については民事訴訟規則第十四条の規定を、子の返還申立事件の手続における法定代理権及び手続上の行為をするのに必要な授権の証明については同規則第十五条前段の規定を、子の返還申立事件の手続における法定代理権の消滅の届出については同規則第十七条前段の規定を準用する。
(法人の代表者等への準用・法第四十六条)
第十四条法人の代表者及び法人でない社団又は財団で当事者能力を有するものの代表者又は管理人については、この規則中法定代理及び法定代理人に関する規定を準用する。
第四目 参加
(参加の申出の方式等・法第四十七条等)
第十五条法第四十七条第三項の書面には、子の返還申立事件の手続に参加する者が当事者となる資格を有する者であることを明らかにする資料を添付しなければならない。
法第四十七条第一項の規定による参加の申出があった場合には、当該申出を却下する裁判があったときを除き、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
法第四十七条第二項の規定による参加の裁判があったときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
第二項の規定は法第四十八条第一項の規定による参加の申出があった場合について、前項の規定は同条第二項の規定による参加の裁判があった場合について準用する。
(手続からの排除の通知・法第四十九条)
第十六条法第四十九条第一項の規定による排除の裁判があったときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
第五目 手続代理人
(手続代理人の代理権の証明等・法第五十条等)
第十七条手続代理人の権限の証明及び消滅の届出については、民事訴訟規則第二十三条の規定を準用する。
第六目 手続費用
(手続費用に関する民事訴訟規則の準用・法第五十八条)
第十八条民事訴訟規則第一編第四章第一節の規定は、子の返還申立事件の手続の費用の負担について準用する。この場合において、同規則第二十四条第二項中「第四十七条(書類の送付)第一項」とあるのは、「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則(平成二十五年最高裁判所規則第五号)第三十三条第一項」と読み替えるものとする。
(手続上の救助の申立ての方式等・法第五十九条)
第十九条手続上の救助の申立ては、書面でしなければならない。
手続上の救助の事由は、疎明しなければならない。
第七目 子の返還申立事件の審理等
(受命裁判官の指定及び裁判所の嘱託の手続)
第二十条子の返還申立事件の手続における受命裁判官の指定及び裁判所がする嘱託の手続については、民事訴訟規則第三十一条の規定を準用する。
(期日調書の形式的記載事項・法第六十一条)
第二十一条法第六十一条の調書(以下「期日調書」という。)には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
事件の表示
裁判官及び裁判所書記官の氏名
出頭した当事者、手続に参加した子、代理人、補佐人、通訳人及びその他の関係人の氏名
期日の日時及び場所
期日調書には、裁判所書記官が記名押印し、裁判長が認印しなければならない。
前項の場合において、裁判長に支障があるときは、陪席裁判官がその事由を付記して認印しなければならない。裁判官に支障があるときは、裁判所書記官がその旨を記載すれば足りる。
(期日調書の実質的記載事項・法第六十一条)
第二十二条期日調書には、手続の要領を記載し、特に、次に掲げる事項を明確にしなければならない。
申立ての趣旨の変更、申立ての取下げ及び和解
証人、当事者本人及び鑑定人の陳述;
証人、当事者本人及び鑑定人の宣誓の有無並びに証人及び鑑定人に宣誓をさせなかった理由
検証の結果
裁判長が記載を命じた事項及び当事者の請求により記載を許した事項
書面を作成しないでした裁判
前項の規定にかかわらず、子の返還申立事件の手続が裁判によらないで完結した場合には、裁判長の許可を得て、証人、当事者本人及び鑑定人の陳述並びに検証の結果の記載を省略することができる。ただし、当事者が子の返還申立事件の手続の完結を知った日から一週間以内にその記載をすべき旨の申出をしたときは、この限りでない。
期日調書には、手続の要領のほか、当事者及び手続に参加した子による書面の提出の予定その他手続の進行に関する事項を記載することができる。
(期日及び期日調書に関する民事訴訟規則の準用・法第六十一条)
第二十三条民事訴訟規則第六十八条から第七十七条までの規定は、子の返還申立事件の手続の期日及び期日調書について準用する。この場合において、同規則第六十八条第一項中「前条(口頭弁論調書の実質的記載事項)第一項」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則第二十二条第一項」と、同規則第七十四条第一項第三号中「上訴の提起又は上告受理」とあるのは「終局決定に対する即時抗告若しくは特別抗告の提起又は国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成二十五年法律第四十八号)第百十一条第二項」と、同規則第七十七条中「法廷」とあるのは「子の返還申立事件の手続の期日」と読み替えるものとする。
(子の返還申立事件の記録の正本等の様式・法第六十二条)
第二十四条子の返還申立事件の記録の正本、謄本又は抄本には、正本、謄本又は抄本であることを記載し、裁判所書記官が記名押印しなければならない。
(住所等表示部分の閲覧等又はその複製の許可の申立て・法第六十二条)
第二十五条当事者が子の返還申立事件の記録中住所等表示部分(法第六十二条第四項に規定する住所等表示部分をいう。第九十五条第一項において同じ。)の閲覧等(法第六十二条第一項に規定する閲覧等をいう。次条において同じ。)又はその複製の許可の申立てをするときは、同条第四項第一号又は第二号に該当することを明らかにする資料を提出しなければならない。
(子の返還申立事件の記録の閲覧等又はその複製の許可・法第六十二条)
第二十六条法第六十二条第三項又は第六項の規定による許可の裁判においては、子の返還申立事件の記録中閲覧等又はその複製を許可する部分を特定しなければならない。
(受命裁判官又は受託裁判官の期日指定・法第六十三条)
第二十七条受命裁判官又は受託裁判官が行う子の返還申立事件の手続の期日は、その裁判官が指定する。
(期日変更の制限・法第六十三条)
第二十八条子の返還申立事件の手続の期日の変更は、次に掲げる事由に基づいては、してはならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
当事者又は手続に参加した子の一人につき手続代理人が数人ある場合において、その一部の代理人について変更の事由が生じたこと。
期日指定後にその期日と同じ日時が他の事件の期日に指定されたこと。
(裁判長等が定めた期間の伸縮・法第六十三条)
第二十九条裁判長、受命裁判官又は受託裁判官が定めた期間の伸縮については、民事訴訟規則第三十八条の規定を準用する。
(受継の申立ての方式等・法第六十五条等)
第三十条法第六十五条第一項又は第三項の規定による受継の申立ては、書面でしなければならない。
前項の書面には、子の返還申立事件の手続を受け継ぐ者が法令により手続を続行する資格のある者であることを明らかにする資料を添付しなければならない。
法第六十五条第一項又は第三項の規定による受継があったときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
第一項及び第二項の規定は法第六十六条第一項又は第三項の規定による受継の申立てについて、前項の規定は同条第一項又は第三項の規定による受継があった場合について準用する。この場合において、第二項中「法令により手続を続行する資格のある者」とあるのは、「当該子の返還申立事件において申立人となることができる者又は相手方の死亡後に子を監護している者」と読み替えるものとする。
(当事者の死亡の届出・法第六十六条)
第三十一条当事者が死亡したときは、その手続代理人は、その旨を裁判所に書面で届け出なければならない。
(送達・法第六十七条)
第三十二条送達については、民事訴訟規則第一編第五章第四節の規定(同規則第四十一条第二項及び第四十七条の規定を除く。)を準用する。この場合において、同規則第三十九条中「地方裁判所」とあるのは、「家庭裁判所」と読み替えるものとする。
(書類の送付)
第三十三条直送(当事者又は手続に参加した子(以下この条及び第四十六条第二項において「当事者等」という。)の他の当事者等に対する直接の送付をいう。以下この条及び同項において同じ。)その他の送付は、送付すべき書類の写しの交付又はその書類のファクシミリを利用しての送信によってする。
裁判所が当事者等その他の関係人に対し送付すべき書類の送付に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
裁判所が当事者等の提出に係る書類の他の当事者等への送付をしなければならない場合(送達をしなければならない場合を除く。)において、当事者等がその書類について直送をしたときは、その送付は、することを要しない。
当事者等が直送をしなければならない書類について、直送を困難とする事由その他相当とする事由があるときは、当該当事者等は、裁判所に対し、当該書類の他の当事者等への送付を裁判所書記官に行わせるよう申し出ることができる。
第二款 第一審裁判所における子の返還申立事件の手続
第一目 子の返還の申立て
(子の返還申立書の記載事項等・法第七十条等)
第三十四条子の返還申立書には、申立ての趣旨及び子の返還申立事件の手続による旨を記載するほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。
法第二十七条各号に掲げる事由
予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実
第一号に掲げる事由及び予想される争点ごとの証拠
返還を求める子について親権者の指定若しくは変更又は子の監護に関する処分についての審判事件(人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第三十二条第一項に規定する附帯処分についての裁判及び同条第三項の親権者の指定についての裁判に係る事件を含む。第四十一条第一項第六号において同じ。)が係属している場合には、当該審判事件が係属している裁判所及び当該審判事件の表示
前項第一号に掲げる事由及び予想される争点についての証拠書類があるときは、その写しを子の返還申立書に添付しなければならない。
子の返還申立書には、相手方の数と同数の写しを添付しなければならない。
家庭裁判所は、子の返還の申立てをした者に対し、前二項の写しのほか、子の返還申立事件の手続の円滑な進行を図るために必要な資料の提出を求めることができる。
(申立ての通知)
第三十五条子の返還の申立てがあったときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
(子の返還申立書の補正の促し・法第七十条)
第三十六条裁判長は、子の返還申立書の記載について必要な補正を促す場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
(子の返還申立書の却下の命令に対する即時抗告・法第七十条等)
第三十七条子の返還申立書の却下の命令に対し即時抗告をするときは、抗告状には、却下された子の返還申立書を添付しなければならない。
(参考事項の聴取・法第七十条)
第三十八条裁判長は、子の返還の申立てがあったときは、当事者から、子の返還申立事件の手続の進行に関する意見その他手続の進行について参考とすべき事項の聴取をすることができる。
裁判長は、前項の聴取をする場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
(申立ての変更の通知・法第七十一条)
第三十九条申立人が法第七十一条第一項の規定により申立ての趣旨を変更した場合には、同条第三項又は第四項の規定による裁判があったときを除き、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
(答弁書の提出期限)
第四十条法第七十二条第一項の規定により子の返還申立書の写しが相手方に送付されるときは、裁判長は、答弁書の提出をすべき期限を定めなければならない。
(答弁書の提出等)
第四十一条相手方は、前条の期限までに、次に掲げる事項を記載した答弁書を提出しなければならない。
申立ての趣旨に対する答弁
子の返還申立書に記載された事実に対する認否
法第二十八条第一項各号に掲げる事由であって答弁を理由付けるもの
予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実
第三号に掲げる事由及び予想される争点ごとの証拠
返還を求める子について親権者の指定若しくは変更又は子の監護に関する処分についての審判事件が係属している場合には、当該審判事件が係属している裁判所及び当該審判事件の表示
前項第三号に掲げる事由及び予想される争点についての証拠書類があるときは、その写しを答弁書に添付しなければならない。
第二目 子の返還申立事件の手続の期日
(音声の送受信による通話の方法による手続・法第七十五条)
第四十二条家庭裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって子の返還申立事件の手続の期日における手続(証拠調べを除く。)を行うときは、家庭裁判所又は受命裁判官は、通話者及び通話先の場所の確認をしなければならない。
前項の手続を行ったときは、その旨及び通話先の電話番号を子の返還申立事件の記録上明らかにしなければならない。この場合においては、通話先の電話番号に加えてその場所を明らかにすることができる。
(手続代理人の陳述禁止等の通知・法第七十六条)
第四十三条手続代理人の陳述禁止等の通知については、民事訴訟規則第六十五条の規定を準用する。
第三目 事実の調査及び証拠調べ
(事実の調査・法第七十七条等)
第四十四条事実の調査は、必要に応じ、事件の関係人の性格、経歴、生活状況、財産状態及び家庭環境その他の環境等について、医学、心理学、社会学、経済学その他の専門的知識を活用して行うように努めなければならない。
事実の調査については、裁判所書記官は、その要旨を子の返還申立事件の記録上明らかにしておかなければならない。
(審問の期日の通知・法第八十五条)
第四十五条法第八十五条第二項の審問の期日は、当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。ただし、その通知をすることにより事実の調査に支障を生ずるおそれがあると認められるときは、この限りでない。
(証拠調べ・法第八十六条)
第四十六条子の返還申立事件の手続における証拠調べについては、民事訴訟規則第二編第三章第一節から第六節までの規定(同規則第九十九条第二項、第百条、第百一条、第百二十一条及び第百三十九条の規定を除く。)を準用する。この場合において、これらの規定中「直送」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則第三十三条第一項の直送」と、同規則第百四条中「地方裁判所又は簡易裁判所」とあるのは「家庭裁判所」と、同規則第百二十九条の二中「口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日又は進行協議期日」とあるのは「子の返還申立事件の手続の期日」と、同規則第百四十条第三項中「第九十九条(証拠の申出)第二項」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則第四十六条第二項」と読み替えるものとする。
当事者等が前項において準用する民事訴訟規則第九十九条第一項の証拠の申出を記載した書面を裁判所に提出する場合には、当該書面について直送をしなければならない。
裁判長は、必要があると認めるときは、第一項の証拠調べの期日において家庭裁判所調査官又は医師である裁判所技官が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができる。
第四目 裁判
(終局決定の確定証明書等・法第九十三条等)
第四十七条家庭裁判所の裁判所書記官は、法第六十二条第一項又は第七項の規定による請求により、子の返還申立事件の記録に基づいて終局決定の確定についての証明書を交付する。
子の返還申立事件がなお抗告審に係属中であるときは、前項の規定にかかわらず、当該子の返還申立事件の記録の存する裁判所の裁判所書記官が、終局決定の確定した部分のみについて同項の証明書を交付する。
前二項の規定は、終局決定以外の裁判について準用する。
(終局決定の確定の通知)
第四十八条終局決定が確定したときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
(終局決定の方式等・法第九十四条等)
第四十九条終局決定の裁判書には、終局決定をした裁判官が記名押印しなければならない。
合議体の構成員である裁判官が終局決定の裁判書に記名押印することに支障があるときは、他の裁判官が終局決定の裁判書にその事由を付記して記名押印しなければならない。
終局決定の告知がされたときは、裁判所書記官は、その旨及び告知の方法を子の返還申立事件の記録上明らかにしなければならない。
前三項の規定は、終局決定以外の裁判について準用する。
(脱漏した手続費用の負担の裁判を求める申立て・法第九十六条)
第五十条手続費用の負担の裁判を脱漏した場合における手続費用の負担の裁判を求める申立てについては、民事訴訟規則第百六十一条の規定を準用する。
第五目 裁判によらない子の返還申立事件の終了
(裁判によらない子の返還申立事件の終了の通知)
第五十一条子の返還申立事件が裁判によらないで終了したときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
(子の返還の申立ての取下げがあった場合等の取扱い・法第九十九条等)
第五十二条子の返還の申立ての取下げがあった場合において、相手方の同意を要しないときは、裁判所書記官は、申立ての取下げがあった旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
子の返還の申立ての取下げについて相手方の同意を要する場合において、相手方が申立ての取下げに同意したとき(法第九十九条第三項の規定により同意したものとみなされた場合を含む。)は、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
法第百四十七条の規定により子の返還申立事件について申立ての取下げがあったものとみなされたときは、裁判所書記官は、遅滞なく、その旨を手続に参加した子(子の返還申立事件に係る家事調停の手続に参加したものを除く。)に通知しなければならない。
(和解・法第百条)
第五十三条子の返還申立事件における和解については、民事訴訟規則第三十二条、第百六十三条及び第百六十四条の規定を準用する。
当事者が裁判所において和解をしたときは、裁判所書記官は、遅滞なく、その旨を手続に参加した子に通知しなければならない。
第三款 不服申立て
第一目 終局決定に対する即時抗告
(抗告状の記載事項等・法第百一条等)
第五十四条終局決定に対する即時抗告をするときは、抗告状には、原決定の取消し又は変更を求める事由を具体的に記載しなければならない。
前項の抗告状には、原審における当事者及び手続に参加した子(抗告人を除く。)の数と同数の写しを添付しなければならない。
(抗告裁判所への事件送付)
第五十五条終局決定に対する即時抗告があった場合には、原裁判所は、抗告却下の決定をしたときを除き、遅滞なく、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。
前項の規定による事件の送付は、原裁判所の裁判所書記官が、抗告裁判所の裁判所書記官に対し、子の返還申立事件の記録を送付してしなければならない。
(反論書)
第五十六条裁判長は、原審における当事者(抗告人を除く。)に対し、相当の期間を定めて、抗告人が主張する原決定の取消し又は変更を求める事由に対する当該当事者の主張を記載した書面の提出を命ずることができる。
(原審の終局決定の裁判書の引用・法第百六条)
第五十七条抗告審の終局決定の裁判書における理由の記載は、原審の終局決定の裁判書を引用してすることができる。
(第一審の手続の規定及び民事訴訟規則の準用・法第百七条)
第五十八条終局決定に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続については、特別の定めがある場合を除き、前款の規定(第三十五条、第三十七条、第四十条、第四十一条及び第五十二条第一項の規定を除く。)を準用する。
民事訴訟規則第百七十三条、第百七十七条及び第百八十五条の規定は、終局決定に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同規則第百七十三条第三項及び第百七十七条第二項中「相手方」とあるのは、「原審における当事者及び手続に参加した子」と読み替えるものとする。
第二目 終局決定に対する特別抗告
(特別抗告をする場合における費用の予納・法第百八条等)
第五十九条特別抗告をするときは、抗告状の写しの送付に必要な費用のほか、抗告提起通知書の送達及び送付、抗告理由書の写しの送付、裁判の告知並びに抗告裁判所が子の返還申立事件又は抗告事件の記録の送付を受けた旨の通知に必要な費用の概算額を予納しなければならない。
(特別抗告の抗告提起通知書の送達及び送付・法第百八条等)
第六十条特別抗告があった場合には、原裁判所は、抗告状却下の命令又は法第百十条第一項において準用する法第百三条第三項の規定による抗告却下の決定があったときを除き、抗告提起通知書を、抗告人に送達するとともに、原審における当事者及び手続に参加した子(抗告人を除く。)に送付しなければならない。
(特別抗告の抗告理由書の提出期間・法第百八条等)
第六十一条特別抗告の抗告理由書の提出の期間は、抗告人が前条の規定による抗告提起通知書の送達を受けた日から十四日とする。
(特別抗告の理由を記載した書面の写しの添付・法第百八条等)
第六十二条特別抗告の理由を記載した書面には、原審における当事者及び手続に参加した子(抗告人を除く。)の数に六を加えた数の写しを添付しなければならない。
(抗告裁判所への事件送付・法第百八条等)
第六十三条特別抗告があった場合には、原裁判所は、抗告状却下の命令又は抗告却下の決定があったときを除き、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。この場合において、原裁判所は、抗告人が特別抗告の理由中に示した子の返還申立事件の手続に関する事実の有無について意見を付することができる。
前項の規定による事件の送付は、原裁判所の裁判所書記官が、抗告裁判所の裁判所書記官に対し、子の返還申立事件の記録を送付してしなければならない。ただし、原裁判所が子の返還申立事件の記録を送付する必要がないと認めたときは、原裁判所の裁判所書記官は、抗告事件の記録のみを抗告裁判所の裁判所書記官に送付すれば足りる。
抗告裁判所の裁判所書記官は、前項の規定による子の返還申立事件又は抗告事件の記録の送付を受けたときは、速やかに、その旨を原審における当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
第二項ただし書の規定により抗告事件の記録のみが送付された場合において、抗告裁判所が同項の子の返還申立事件の記録が必要であると認めたときは、抗告裁判所の裁判所書記官は、速やかに、その送付を原裁判所の裁判所書記官に求めなければならない。
(特別抗告の抗告理由書の写しの送付・法第百八条等)
第六十四条抗告裁判所は、原裁判所から事件の送付を受けた場合には、特別抗告が不適法であるとき又は特別抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び手続に参加した子(抗告人を除く。)に対し、特別抗告の抗告理由書の写しを送付しなければならない。
(執行停止の申立ての方式等・法第百九条)
第六十五条法第百九条第一項ただし書の申立ては、書面でしなければならない。
法第百九条第一項ただし書の規定による裁判があったとき又は当該裁判が効力を失ったときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
(差戻し等の通知)
第六十六条法第百十条第二項において準用する民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第三百二十五条第一項前段若しくは第二項又は第三百二十六条の規定による裁判があったときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
(即時抗告の規定及び民事訴訟規則の準用・法第百十条)
第六十七条第五十四条第二項、第五十七条及び第五十八条の規定は、特別抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。
民事訴訟規則第五十条の二、第百九十条第一項、第百九十二条、第百九十三条、第百九十六条及び第二百二条の規定は、特別抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同規則第百九十六条第一項中「第百九十四条(上告理由書の提出期間)」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則第六十一条」と、「第百九十条(法第三百十二条第一項及び第二項の上告理由の記載の方式)又は第百九十一条(法第三百十二条第三項の上告理由の記載の方式)」とあるのは「同規則第六十七条第二項において準用する第百九十条第一項」と読み替えるものとする。
第三目 終局決定に対する許可抗告
(即時抗告等の規定及び民事訴訟規則の準用・法第百十二条)
第六十八条第五十四条第二項及び第五十七条から第六十六条までの規定は、許可抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、第五十四条第二項中「前項の抗告状」とあり、及び第五十九条中「抗告状」とあるのは「法第百十一条第二項の規定による許可の申立書」と、同条、第六十条、第六十二条及び第六十三条第一項中「特別抗告」とあるのは「法第百十一条第二項の申立て」と、第五十九条から第六十一条までの規定中「抗告提起通知書」とあるのは「抗告許可申立て通知書」と、第五十九条中「抗告理由書」とあり、並びに第六十一条及び第六十四条中「特別抗告の抗告理由書」とあるのは「法第百十一条第二項の申立てに係る理由書」と、第六十条及び第六十三条第一項中「抗告状却下」とあるのは「法第百十一条第二項の規定による許可の申立書の却下」と、第六十条中「法第百十条第一項において準用する法第百三条第三項の規定による抗告却下」とあり、及び第六十三条第一項中「抗告却下」とあるのは「法第百十一条第二項の申立ての却下若しくは不許可」と、第六十四条中「特別抗告が不適法であるとき又は特別抗告」とあるのは「法第百十一条第二項の申立てが不適法であるとき又は同項の申立て」と、第六十六条中「第百十条第二項」とあるのは「第百十二条第二項」と読み替えるものとする。
民事訴訟規則第百九十二条、第百九十三条、第百九十六条及び第百九十九条第一項の規定は法第百十一条第二項の申立てについて、同規則第二百条の規定は法第百十一条第二項の規定による許可をする場合について、同規則第五十条の二及び第二百二条の規定は許可抗告の抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同規則第百九十六条第一項中「第百九十四条(上告理由書の提出期間)」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則第六十八条第一項において読み替えて準用する同規則第六十一条」と、「第百九十条(法第三百十二条第一項及び第二項の上告理由の記載の方式)又は第百九十一条(法第三百十二条第三項の上告理由の記載の方式)」とあるのは「同規則第六十八条第二項において準用する第百九十九条第一項」と、同条第二項中「法第三百十六条(原裁判所による上告の却下)第一項第二号の規定による上告却下」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律第百十一条第二項の規定による申立ての不許可」と、「法第三百十五条(上告の理由の記載)第二項」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則第六十八条第二項において準用する第百九十九条第一項」と読み替えるものとする。
第四目 終局決定以外の裁判に対する不服申立て
(即時抗告の提起に係る記録の送付・法第百十三条)
第六十九条終局決定以外の裁判に対する即時抗告(第三項の即時抗告を除く。)があった場合において、原裁判所が子の返還申立事件の記録を送付する必要がないと認めたときは、第七十一条において準用する第五十五条第二項の規定にかかわらず、原裁判所の裁判所書記官は、抗告事件の記録のみを抗告裁判所の裁判所書記官に送付すれば足りる。
前項の規定により抗告事件の記録が送付された場合において、抗告裁判所が同項の子の返還申立事件の記録が必要であると認めたときは、抗告裁判所の裁判所書記官は、速やかに、その送付を原裁判所の裁判所書記官に求めなければならない。
法第六十二条第十一項の規定による即時抗告があったときは、第七十一条において準用する第五十五条第二項の規定にかかわらず、原裁判所の裁判所書記官は、抗告事件の記録のみを抗告裁判所の裁判所書記官に送付するものとする。
前項の場合には、同項の記録に、抗告事件についての原裁判所の意見を記載した書面及び抗告事件の審理に参考となる資料を添付しなければならない。
(原裁判所の意見)
第七十条終局決定以外の裁判に対する即時抗告があった場合において、抗告裁判所に事件を送付するときは、原裁判所は、抗告事件についての意見を付さなければならない。
(終局決定に対する不服申立ての規定の準用・法第百十六条)
第七十一条裁判所、裁判官又は裁判長がした終局決定以外の裁判に対する不服申立てについては、特別の定めがある場合を除き、前款の規定(第三十五条、第三十七条、第四十条、第四十一条、第四十八条、第五十一条及び第五十二条第一項の規定を除く。)及び前三目の規定(第五十四条第二項及び第五十八条第一項(これらの規定を第六十七条第一項及び第六十八条第一項において準用する場合を含む。)並びに第六十二条、第六十四条、第六十五条第二項及び第六十六条(これらの規定を第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定を除く。)を準用する。
第四款 終局決定の変更
(終局決定の変更の手続・法第百十七条)
第七十二条法第百十七条第一項の規定による終局決定の変更の申立書(次項から第四項までにおいて「終局決定の変更の申立書」という。)には、変更を求める終局決定の裁判書の写しを添付しなければならない。
終局決定の変更の申立書に記載すべき終局決定の変更を求める理由は、具体的な事実を含むものでなければならない。
前項の具体的な事実についての証拠書類があるときは、その写しを終局決定の変更の申立書に添付しなければならない。
終局決定の変更の申立書には、当事者(法第百十七条第一項の申立てをした者を除く。)及び手続に参加した子の数と同数の写しを添付しなければならない。
前各項に規定するもののほか、法第百十七条第一項の規定による終局決定の変更の手続については、その性質に反しない限り、各審級における手続に関する規定を準用する。
(法第百十八条第一項の申立て等・法第百十八条)
第七十三条法第百十八条第一項の規定による申立てについては第六十五条第一項の規定を、法第百十八条第一項の規定による裁判があった場合又は当該裁判が効力を失った場合については第六十五条第二項の規定を準用する。
第五款 再審
(再審の手続・法第百十九条)
第七十四条再審の申立書には、不服の申立てに係る裁判書の写しを添付しなければならない。
前項に規定するもののほか、再審の手続については、その性質に反しない限り、各審級における手続に関する規定を準用する。
(法第百二十条第一項の申立て等・法第百二十条)
第七十五条法第百二十条第一項の規定による申立てについては第六十五条第一項の規定を、法第百二十条第一項の規定による裁判があった場合又は当該裁判が効力を失った場合については第六十五条第二項の規定を準用する。
第三節 義務の履行状況の調査及び履行の勧告
(義務の履行状況の調査及び履行の勧告の手続・法第百二十一条)
第七十六条法第百二十一条第五項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による許可があった場合における同条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による調査及び勧告の事件の記録の閲覧、謄写若しくは複製、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は当該事件に関する事項の証明書の交付の請求に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
第二十六条の規定は、法第百二十一条第一項の規定による調査及び勧告の事件の記録の閲覧、謄写若しくは複製又はその正本、謄本若しくは抄本の交付について準用する。
法第百二十一条第一項の規定による調査及び勧告の手続については、その性質に反しない限り、前節第一款の規定を準用する。
第四節 出国禁止命令
(申立ての趣旨の記載方法・法第百二十三条)
第七十七条法第百二十二条第二項の規定による裁判の申立ての趣旨の記載は、提出を求める旅券をできる限り特定してしなければならない。
(出国禁止命令の申立ての取下げの通知・法第百二十三条)
第七十八条出国禁止命令の申立ての取下げがあったとき(出国禁止命令事件の相手方に対し、当該出国禁止命令事件が係属したことの通知及び出国禁止命令の告知がされていないときを除く。)は、裁判所書記官は、その旨を当該出国禁止命令事件の当事者及び当該出国禁止命令事件の手続に参加した子に通知しなければならない。
(出国禁止命令の発効等の通知)
第七十九条出国禁止命令が効力を生じたときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。当該出国禁止命令の効力発生後に当該出国禁止命令の申立てが取り下げられたときも、同様とする。
(法第百二十八条第一項の申立て等・法第百二十八条等)
第八十条法第百二十八条第一項(法第百二十九条第三項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の申立てについては第六十五条第一項の規定を、法第百二十八条第一項の規定による裁判があった場合又は当該裁判が効力を失った場合については第六十五条第二項の規定を準用する。
(出国禁止命令取消事件の手続・法第百二十九条)
第八十一条出国禁止命令取消事件の申立ての取下げがあった場合については、第七十八条の規定を準用する。
出国禁止命令の取消しの裁判が効力を生じた場合については、第七十九条前段の規定を準用する。
民事保全規則(平成二年最高裁判所規則第三号)第二十七条第一項の規定は、出国禁止命令取消事件の申立てについて準用する。この場合において、同項中「第九条第二項第二号又は第六号」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成二十五年法律第四十八号)第百三十三条において読み替えて準用する同法第九十四条第二項第二号又は第三号」と、「保全命令」とあるのは「同法第百二十二条第一項の規定による裁判」と読み替えるものとする。
(旅券提出の通知・法第百三十一条)
第八十二条外務大臣は、法第百二十二条第二項の規定による裁判を受けた者から当該裁判に係る旅券の提出を受けたときは、その旨を出国禁止命令をした裁判所に通知しなければならない。
(子の返還申立事件の手続規定の準用・法第百三十三条)
第八十三条出国禁止命令事件及び出国禁止命令取消事件の手続については、特別の定めがある場合を除き、第二節第一款から第三款まで及び第五款の規定(第三十四条、第三十五条、第三十八条、第四十条、第四十一条、第四十五条、第四十八条、第五十一条及び第五十三条の規定を除く。)を準用する。この場合において、第二十一条第一項中「第六十一条」とあるのは、「第百三十条」と読み替えるものとする。
第二章 子の返還の執行手続に関する民事執行規則の特則
(子の返還の強制執行の申立書の記載事項及び添付書類・法第百三十四条等)
第八十四条子の返還の強制執行(法第百三十四条第一項に規定する子の返還の強制執行をいう。第九十条において同じ。)の申立書には、民事執行規則(昭和五十四年最高裁判所規則第五号)第二十一条第一号及び第五号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。
子の氏名及び生年月日
確定した子の返還を命ずる終局決定(確定した子の返還を命ずる終局決定と同一の効力を有するものを含む。次項において同じ。)の表示
子の返還の代替執行(法第百三十五条第一項に規定する子の返還の代替執行をいう。以下この号、次項第二号及び第三号並びに第八十六条第一項において同じ。)を求めるときは、次に掲げる事項
返還実施者(法第百三十七条に規定する返還実施者をいう。以下同じ。)となるべき者の氏名及び住所
返還実施者となるべき者が債権者と異なるときは、返還実施者となるべき者と子との関係その他のその者を返還実施者として指定することの相当性に関する事項
子の住所
子の返還の代替執行を求める理由
法第百三十六条第二号又は第三号に該当することを理由として子の返還の代替執行を求めるときは、これらの号に掲げる事由に該当する具体的な事実
前項の申立書には、確定した子の返還を命ずる終局決定の正本のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
子の生年月日を証する書類の写し
子の返還の代替執行を求めるときは、前項第三号ロに掲げる事項についての証拠書類の写し
法第百三十六条第一号に該当することを理由として子の返還の代替執行を求めるときは、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百七十二条第一項の規定による決定の謄本及び当該決定の確定についての証明書
第八十五条削除
(子の返還の代替執行に関する通知)
第八十六条子の返還の代替執行の手続における民事執行法第百七十一条第一項の規定による決定があったときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
法第百四十条第一項において準用する民事執行法第百七十五条第一項又は第二項に規定する子の監護を解くために必要な行為(以下「解放実施」という。)を求める申立てがあったときは、執行官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
(解放実施に関する外務大臣との協議)
第八十七条執行官は、解放実施を行うべき場所における外務大臣の立会いの方法その他の解放実施に係る手続の円滑な進行のために必要な事項について、あらかじめ外務大臣と協議することができる。
(子の返還の実施の要件等)
第八十八条返還実施者は、法第百四十一条第一項に規定する行為をする権限を第三者に委任することができない。
解放実施は、返還実施者が解放実施を行うべき場所に出頭したときに限り、行うことができる。
返還実施者は、執行官が解放実施によって子の監護を解いたときに限り、法第百四十一条第一項に規定する行為をすることができる。
第八十九条削除
(執行事件の記録の正本等の様式及び閲覧等・法第百四十三条)
第九十条子の返還の強制執行に係る事件の記録の正本、謄本又は抄本の様式及び当該事件の記録の閲覧、謄写若しくは複製又はその正本、謄本若しくは抄本の交付については、第二十四条から第二十六条までの規定を準用する。
民事執行規則の準用等)
第九十一条民事執行規則第百五十八条の規定は解放実施を求める旨の申立書について、同規則第百五十九条の規定は法第百四十条第一項において準用する民事執行法第百七十五条第三項の申立てについて、同規則第百六十条の規定は法第百四十条第一項において準用する民事執行法第百七十五条第六項の申立てについて、同規則第百六十一条から第百六十四条までの規定は解放実施について準用する。この場合において、同規則第百五十八条第一項第五号中「法第百七十五条第三項」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成二十五年法律第四十八号)第百四十条第一項において準用する法第百七十五条第三項」と、同項第六号及び第二項第四号並びに同規則第百六十条第一項中「法第百七十五条第六項」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律第百四十条第一項において準用する法第百七十五条第六項」と、同規則第百五十八条第二項中「法第百七十四条第一項第一号」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律第百三十五条第一項に規定する子の返還の代替執行の手続における法第百七十一条第一項」と、同項第三号及び同規則第百五十九条第一項中「法第百七十五条第三項」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律第百四十条第一項において準用する法第百七十五条第三項」と、同規則第百六十一条第一項中「債権者及び」とあるのは「返還実施者、債権者及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律第百四十条第一項において準用する」と、同条第三項中「人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第三十四条第一項若しくは第二項又は家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第五十八条第一項若しくは第二項(同法第九十三条第一項及び第二百五十八条第一項」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律第七十九条第一項又は第二項(同法第百七条第一項」と、「第六十条第一項(同法第九十三条第一項及び第二百五十八条第一項」とあるのは「第八十一条第一項(同法第百七条第一項」と、同条第四項中「協力」とあるのは「協力又は国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則(平成二十五年最高裁判所規則第五号)第八十七条の規定による協議」と、同規則第百六十二条中「次条」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則第九十一条第一項において準用する第百六十三条」と、同規則第百六十三条第三号中「債権者又はその代理人が法第百七十五条第九項」とあるのは「返還実施者、債権者又は国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律第百四十条第一項において準用する法第百七十五条第六項の代理人が国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律第百四十条第一項において準用する法第百七十五条第九項」と読み替えるものとする。
解放実施を求める旨の申立書には、返還実施者の氏名、生年月日及び住所並びに日本国内における居所及び連絡先を記載し、子の生年月日を証する書類の写しを添付しなければならない。
第三章 家事事件の手続に関する特則
第一節 子の返還申立事件に係る家事調停の手続等
(子の返還の申立ての取下げの擬制の通知・法第百四十七条)
第九十二条法第百四十七条の規定により子の返還申立事件について申立ての取下げがあったものとみなされたときは、裁判所書記官は、遅滞なく、その旨を当該子の返還申立事件が係属していた裁判所に通知しなければならない。
第二節 面会その他の交流についての家事審判及び家事調停の手続等に関する特則
(申立書の記載事項の特則)
第九十三条法第六条第一項に規定する外国返還援助の決定若しくは法第十七条第一項に規定する日本国面会交流援助の決定を受けた者又は子の返還の申立てをした者が、子との面会その他の交流の定めをすること又はその変更を求める家事審判又は家事調停の申立てをするときは、当該家事審判又は家事調停の申立書に当該各決定を受けた旨又は子の返還の申立てをした旨を記載しなければならない。
(申立て等の通知)
第九十四条前条の家事審判又は家事調停の申立てがあったときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。当該申立て(家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第二百七十二条第四項又は第二百八十六条第七項の規定により家事審判の申立てがあったものとみなされた場合にあっては、その申立て。以下この条において同じ。)に係る審判(審判に対する即時抗告がされた場合にあっては、同法第九十一条第二項の審判に代わる裁判)が確定したとき又は当該申立てに係る家事審判事件若しくは家事調停事件が裁判によらないで終了したときも、同様とする。
(住所等表示部分の閲覧等に関する規定の準用・法第百四十九条)
第九十五条子との面会その他の交流の定めをすること又はその変更を求める家事審判の申立てに係る事件の記録中の住所等表示部分に関する家事事件手続法第四十七条第三項の申立てについては、第二十五条の規定を準用する。
子との面会その他の交流について定め、又はその変更について定める審判書又は調停調書の正本に基づく強制執行の申立てに係る事件の記録中に法第五条第四項(第二号に係る部分に限る。)の規定により外務大臣から提供を受けた情報が記載され、又は記録されたものがある場合における当該事件の記録の正本、謄本又は抄本の様式及び当該事件の記録の閲覧、謄写若しくは複製又はその正本、謄本若しくは抄本の交付については、第二十四条から第二十六条までの規定を準用する。
第四章 雑則
(審理の状況についての説明の求めの方式・法第百五十一条)
第九十六条法第百五十一条の規定による説明の求めは、書面でしなければならない。
(本案事件が係属する裁判所に対する通知・法第百五十二条)
第九十七条子の返還申立事件が係属する裁判所の裁判所書記官は、遅滞なく、子の返還申立事件が係属した旨を当該子の返還申立事件に係る子についての親権者の指定若しくは変更又は子の監護に関する処分についての審判事件(人事訴訟法第三十二条第一項に規定する附帯処分についての裁判及び同条第三項の親権者の指定についての裁判に係る事件を含む。)が係属する裁判所(当該子の返還申立事件の記録上判明しているものに限る。次項において「本案事件が係属する裁判所」という。)に通知しなければならない。
子の返還申立事件が終了したときは、裁判所書記官は、遅滞なく、その旨を本案事件が係属する裁判所に通知しなければならない。